お題: 明日、もし晴れたら
雨の日が続く今日この頃──
私の友人はとても不満そうな面持ちで空を睨んでいた
「今日も雨!また外に行けないじゃん、、」
「そんなこと言ったって、しょうがないって。
梅雨なんだから、、でも明後日くらいには梅雨明けそうだってニュースでやってたよ?」
慰めの言葉をかけるも彼女のふくれっ面はなおらない
彼女は半年前、ある病にかかってしまった。
それからというもの病院の外に出る許可も下りず、
入院生活の暇を持て余していた
それが2週間前ほどやっと外出許可が降りたのだ
……でもお生憎の雨空。
医師が言うには、まだ万全では無いから晴れの日になら外出はいいとの事。急な気温差や冷たい雨は彼女にとって大敵らしい
「ねぇ、」
「なあに?」
ふくれっ面のまま彼女が返事をした。
「賭けをしよ?明日、もし晴れたら行きたいところ
どこでも連れてってあげる」
「ほんと!?、、、でも梅雨明けは明後日の予報でしょ?」
訝しげに彼女が答える。
「それは由莉の運次第ね。もし、明日雨なら
その時は病室でお菓子パーティーなんでどう?」
「いいの!?でもそれ賭けじゃなくない?」
「そんなことないよ?賭け事はその費用は自腹か折半かを決める 」
「そんなー、、」
────────
次の日、空は晴れ渡っていた
賭けは彼女の勝ちだ
お題: だから、一人でいたい。
学校という名の檻に捕らわれた僕たちは自由を知らない
周りに合わせて笑うフリ、相槌するフリ、共感するフリ…
もう仮面をつけるのは疲れた
孤独でいいから自由に生きたい
繕うフリも諦めよう
だから僕は孤独のまま、一人でいたい
お題:澄んだ瞳
「おねーちゃんはどこから来たの?」
唐突に、小さな男の子に言われた
───────
誰も私を見てくれない
一人で悩んで、傷ついて、傷つけて、嫌われて
それでも愛されたくて
そんな葛藤に悩んでいた15の夏──
私は自ら命を絶った
目が覚めた先はいつもの世界と変わらなかった
ただ、周りの目に私が映らないだけ。
私を嘲笑う同級生も街ゆくサラリーマンも
コンビニの店員も
私のことは見えていなかった
死んでも尚愛されなくて孤独な私の世界
「おねーちゃんはどこから来たの?」
私の世界を照らした声の主は小さな男の子だった。
お題:嵐が来ようとも
随分前からこの雨は降り続いている
岩場に咲く淡いピンク色をした小さな花はそんな中でも小さく雨に打たれながらゆらゆらと揺れている
たとえ嵐が来ようともあの小さな花はいつものように揺れ咲いているだろう
お題:お祭り
慣れない下駄を履いて
着慣れない浴衣に袖を通して
いつもはしないメイクもして
「おまたせっ!」
こちらを見た彼女はとても綺麗だった
私の彼女に対するこの気持ちは
花火と共に消え散ってしまわないと…