『溢れる気持ち』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
溢れる気持ち
最初はコップ一杯くらい、いや、バケツ一杯くらいだったのかもしれない
あるいは手のひら一杯分かな?
人間の許容範囲はきっと、最初から少ないのかもしれない。
バケツ一杯もないくらいの許容範囲でできているのかもしれない。
期待すればするほど、手のひらから溢れていく水のようにがっかりする方が多くなっていった
溢れて出ていった期待外れの量の方がすごく多い。
いつから、私はこんなに貪欲になってしまったのだろう。
君と離れてから、長い時間が過ぎた。私は別の友達といることで、心に空いた穴を埋めていたはずだった。
だけど、私の心に空いた穴は埋まらなかった。それに加えて大きな虚無感が、私を襲う
その無限ループにはもう飽き飽きだ。
そう思いながら、私は布団に入った。
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気づいたら、私は黒いロッキングチェアに独り座っていた。
私はそこから居なくなろうとして立とうとすると
「やあ、文風海喑」
「え?」
「あ、動揺させてしまったか。私は君だ。」
「本当ですか。」
「ああ、本当さ。」
「ドッベルゲンガーですか?」
「いや違う。というかこんな雑談してる場合じゃない。早速本題に入ろう」
「今からいくつか質問をする。君は、思ったことを率直に言うだけで構わない。」
「分かりました。」
「では一つ目、君は何故あの子との縁を君自身から切ってしまったんだい?」
「それは、私があの子といると、迷惑かけたり、荷物になったりするかなって思って。」
「そうか。では二つ目、君はあの子ともう一度あの時のような日々を過ごしたいと思うか?」
「思うよ。あの子と離れた時から、心にぽっかり穴が空いたっきりだし、それをほかの人では埋められない。大きな虚無感が、私の中にずっといるんだ。だけど、あの子はそれを許してはくれないだろう。なんせ、これは私のエゴに過ぎないから。もう私には諦める道しかないような気がしてきたよ。」
「諦め半分、やり直したい気持ち半分ってところか。では次が最後の質問だ。」
「お前が諦めた、あの子はお前にとってどんな存在だった。お前はあの子との出会いを悪い経験として受け止めているのか?そして、」
「お前は今でも、あの子を愛しているか?」
その質問を受けた時、私の視界がぐにゃりと歪んで、滴り落ちる感覚がした。
「私は、私は今でも、あの子のことを愛してる!この世界の何よりも!私はあの子と会った事、あの子と話したこと、全てが運命だと思ってる!あの子は私にとって、光だったんだ!間違いだらけの私を救ってくれた!
なのに、なのに……」
私は床に崩れ落ちる。そして私はただひたすらに泣いた。
「これで質問は以上だ。今のお前には、やることの目星はついているだろう。私は何も言わない。
もう直ぐお前はここから居なくなるだろう。まあ、また逢うことがあったら、あの子の話、聞かせてくれよ。」
「うん!」
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私は目を覚ます。どうやら夢だったそうだ。私は君が一体誰なのか。本当に私なのかを考えながら外に出る準備をする。私は向かいにある君の家に行ってインターホンを鳴らすと「はーい、」という声が聞こえてきたから
「海喑だよ〜」と言うと急にドアが開いて、君が出てくる。君を見た瞬間私は泣いてしまった。君は少し焦りながらも私を家に入れてくれた。
「落ち着いた?」
「うん…ごめんねわざわざこんな対応してくれて。」
「それでさ、海喑は何か言いたいことがあって、俺ん家に来たんだろ?」
そう君が言った瞬間、私は君に抱きついてしまった。
「私、君ともう一度話したり、絵描いたりしたい!あの時一方的に君との縁を切っちゃったけど、またやり直させてくれる?」
「ああ、もちろんだ。」私のことを君はぎゅっとしてくれる。
私は君とまたやり直すことが出来たんだ。
そう思うと嬉しさと、安堵の気持ちが同時に溢れるようにやってきて、私はそこで、
「愛してる。ずっとずっと」
と今までにないとびっきりの笑顔で言ってみせた。
ー溢れる気持ちー
アラームなしで眠る朝
まぶたを透かして降ってくる
小さな優しい光たち
からだは眠りをやめないままで
光がこころに沁みてくる
気持ちがいいな ここ、どこだっけ…
あなたをおもう私の
誰かをおもう誰かの
こんなに溢れた光の海だよ
「溢れる気持ち」
#8
どこに向かうのですか
行く宛はあるのですか
何を求めるのですか
それすらも分かりませんか
そんなもんだと言ったら、怒りますか
後悔しませんか
やめたくなりませんか
蹴飛ばしたくなりませんか
泣きたくなりませんか
そんなもんだと言ったら、嗤いますか
苦しくないのですか
やめられないのですか
何を願うのですか
それすらも分かりませんか
そんなもんだと言ったら、
少しは楽に、なりますか
【溢れる気持ち】
とつとつと、取り留めもなく。
初めて出来た彼氏。毎日おはようからおやすみまで連絡を取り合って、用事がない休日はデートして。折角だもん、可愛いって思って貰いたいから慣れないファッション雑誌を見ながらコーディネートを考える。でも大体は姉に確認してもらう。
「お姉ちゃん、これ変じゃない?大丈夫かな?」
「んぅ〜?だいじょーぶだいじょーぶ。かわいいよーん」
「お姉ちゃんっ!もーちゃんと見てよ!ってやだ、アイスついちゃう〜!」
「はいはい、わかったわよ。うるさいんだから」
「ねぇ早く。遅れちゃう」
「待ちなさいって…はい、OKよ」
「本当?ありがとっ!」
「デートでしょ?彼氏の写真後で見せなさいよ〜?」
…ニヤニヤしてる。絶対見せてあげない…っ!
ポコン「あと20分位で着くよ。…楽しみにしてる」
口元が緩む。っていけない、急がないと。
「…あんたにやけ過ぎ。彼氏に引かれない様に気をつけなさいよ?」
ぐぬぬ…悔しいけど正論…。マスクがあって本当に良かった。
「〜っ、行ってきます!」
待ち合わせ場所で彼が来るのを待つ。そわそわ。
「ごめん、お待たせ」
「う、ううん。私もさっき来たばっかりだから」
「行こっか」
スッと私の右手を握ってくれた。えぇ…最高過ぎて無理ぃ…。
道行く人達にすらきっとバレてるんだろうな。後ろも振り返れない。きっと沢山の愛の花を咲かせてしまっているから。
「溢れる気持ち」
溢れる気持ち(投稿6回目で、短めの恋愛小説です)
私は、今恋人がいる。
だけど、お互いに忙しく、なかなか会えていない。
会えない代わりに、メールや電話をしているが、それでも寂しいと感じてしまう。
「彼に、会いたいな…」
と、つい声に出して言ってしまった。
だけど今、彼に会いたいと言う気持ちが、溢れている。
溢れているけど、会える日はきっとあるから、それまで毎日仕事など、頑張らないとね。
そう、頑張らないと…。
うーん。
駄目だ。
やはり、彼に会いたい気持ちが溢れている。
もう、会いたい。
私は、彼に電話をかける。
すると、彼はすぐに電話に出てくれて、「もしもし?どうしたの?」と聞かれ、「もしもし。ごめんなさい、いきなり電話して。あの、ね。あなたに会いたくて。少しでも良いから、会う時間を作って欲しくて」と言うと、彼は、「うん、俺もだよ。君に凄く会いたい。明日お互い仕事終わったら、会おう」と言ってくれて、「うん!ありがとう。明日凄く楽しみ」と言うと、彼は、「俺もだよ。最近なかなか会えていなかったから、明日楽しみだよ。ゆっくり話したいけど、明日仕事早いから、そろそろ寝ないと」と言われ、「うん、分かった。明日沢山話そうね、お休みなさい」と言うと、彼は、「うん、明日沢山話そう。それじゃ、お休みなさい」と言うと、お互い電話を切った。
少しだけど、彼と電話で話せて良かった。
明日彼に会えるのが、楽しみだ、
早く、明日になりますように。
溢れる気持ち
自分の気持ちを伝えるのが苦手だ。
伝えようとすると、正しいのか言っていいのか
考えてしまう。
考えてわかることでも、聞いていいのだろうか。
思ってること言えなくなってしまうことがある。
もっと自分の気持ち、溢れる気持ち伝えたい。
思ってることなんでも。
真っ白なベールに包まれる美しい君。
白いドレスに映える、赤いバージンロード。
溢れる気持ちが止まらない。
今から、結ばれる笑顔の君に未練がある、最低な僕。
君の横に立てたらな……
溢れる気持ち
私の気持ちはあなたに
知られてはいけない。
あなたが私の気持ちを知ってしまうと
もうここには居られないから。
でもあなたのことが好きすぎて
気持ちが溢れてしまう。
ごめんなさい。
わがままで。
テーマ:溢れる気持ち #85
僕と勝瑠は時を駆けるーー
僕たちは知らない地に足をつけた。
僕はどこか懐かしい感じがした。初めてじゃないのは知っている。でもその時の記憶はないはずだった。
それでも、僕の中に何かがうごめいている。そんな気がした。それが一体何なのか。僕には理解できない。
「真兄さん」
僕を呼んだ隣にいる勝瑠を見る。僕はどんな顔で彼を見たのかはわからない。
「ごめんなさい」
ただ、勝瑠は僕に謝った。謝らなくてはいけないのは僕なのに、勝瑠は何に謝っているのだろうか。
「僕…」
僕は気がつくと、繋いでいる手と反対側の手で勝瑠の頭を撫でていた。勝瑠は驚いたように僕を見ている。
「ごめんっていうのはこっちの方だ。今まで…今も。思い出せなくてごめん。勝瑠はずっと僕のことを探してくれていたのに、僕はそれを知らずに暮らしていて」
僕はそう言うと勝瑠は下を向いた。少し小刻みに震えていた。
「真兄さん、行こう。この先にヤツがいるはずだ」
僕たちはずっと手を繋いでいた。
もう離さない。離してたまるか。もう離れ離れになんてならない。
「行こう」
僕がそう言って一歩踏み出す。僕たちはこれから戦いに行くんだ。
ーーコツコツコツコツ。
そこは未来で勝瑠が捕らえられていた、あの施設だった。この時代にすでにあった。そしてヤツも存在していたのだ。
『おい、まだか!!』
そういう声が聞こえる。勝瑠の手を握る強さが強くなったのを感じた。きっとヤツだ。
「勝瑠。もう一人で戦わなくていい。一緒に」
そう言って僕は勝瑠の手を握り返した。勝瑠は僕を見る。そして頷く。
ーーガチャ
音がしてドアを開く。
『何者だ!!』
下っ端っぽい男が叫ぶ。中には数人の下っ端と化け物がいた。
「「この計画を終わらせに来た」」
僕たちは声を揃えていった。すると、奥で叫んでいた化け物がピクリと耳を動かした。
『ボスの計画を止めるだなんて笑わせてくれる。小童共』
下っ端は笑った。気味が悪かった。
こんな前の時代から化け物を作るために何人の犠牲を。
「そう笑っていられるのも今のうち。かかってこいよ、下っ端共」
『この野郎!!』
下っ端たちが襲ってくる。多数相手なんて普段なら絶対に相手にしたくない。でも今回は、一人で立ち向かっているわけじゃない。勝瑠が、弟がいるから…。
僕たちは能力を所々で使いながら、下っ端たちを処理していった。そう時間はかからなかった。
「あとはお前だ。化け物」
僕がそう言うと化け物は僕たちを見て、ニタァと笑った。
『なんだか見覚えのある奴らだと思ったら逃げたやつにそっくりだ。やっぱりここに帰ってきたか。お前らの親は俺の実験台となったことだが…。お前らを取り逃がしたことだけが心残りだったよ。お前らをここで捕らえ、時止めの能力、この俺が利用してやるよ』
化け物がそう言って僕たちに近づく。と、その時。
『自分の子、守れないで』
『親を名乗れるものですか!!』
2つの声が響く。
『な、何だ!?』
化け物の動きが止まった。何かにより捕まったようだ。その声は続ける。
『私達の分まで、生きて! 真!! 勝瑠!!』
僕たちは化け物に近づくと、化け物にあるものをかけた。それは…
『あれ、俺…何してんだ?』
記憶を消す薬だ。これで計画はなくなる。
ボスが記憶のなくなった今、この組織の目的は全てなくなったも同然だった。ヤツを殺すという選択肢もあった。しかしもう、一度未来でヤツを……。
いや、この過去が変われば未来も変わっているはず。未来の僕は手を汚さずに済んでいるはずだ。
「勝瑠。そろそろ…」
僕がそう言うと少し離れたところで何かを見ている勝瑠に近づく。そこには何かがあった。
「これ、母さんのだ」
勝瑠の言葉にハッとなり、それを見た。それはロケットペンダントだった。
「でも…これ開かないや」
勝瑠が寂しそうに呟く。結局化け物の記憶を消しても、僕の記憶が戻ることはなかった。勝瑠はそれに対して僕よりもショックを受けていた。
僕は少しでも勝瑠を励ましたくてそのロケットペンダントを受け取る。
「真兄さん?」
勝瑠は僕を見て首を傾げた。僕が少し力を入れるとそのロケットペンダントが開いた。その時、不思議なことが起こった。脳内に流れ込んできたのは過去の記憶…?
「真兄さん…? 大丈夫?」
僕は勝瑠を見た。僕を見る勝瑠はぼやけていた。
溢れる気持ちが抑えられなかったみたいで僕の目から自然に涙が出ていることに気がついた。
「勝瑠…」
僕はそう言って彼を抱きしめていた。
「真、兄さん…?」
「ぜんぶ…全部思い出した」
僕がそう言うと勝瑠の肩の力が抜けた。
そして2人で泣いた。これは悲しいからじゃない。嬉しいから泣いたんだ。嬉しい気持ちが溢れてしまったから…。
「そろそろ帰ろう」
泣き終わった。やることはやった。勝瑠の言葉に頷く。
『待っている人外たちがいる、未来へ』
溢れる気持ち
最近気持ちが溢れてこない。
何に対しても張り合いがないというかなんというか
苦しくもないし楽しくもない。
そんな感じ
式場に響くsugarに肩揺らすきみに合わせて小さくステップ
暇じゃないけれどあなたを思い出す責任取ります合鍵わたした
赤い目も洟啜る音も置き去りでハーレー飛ばしてぼくのヒーロー
無果汁のぬるいボトルにキスをしたきみとおいしい思いがしたい
ふたりじめ漫画にならない僕らの恋箱にしまってとっておくのよ
ビールもさ話題もとっくにないでしょうねえねえいつものあれをしようよ
遅いからさらいに来たのとカウボーイこのまま二人ではるか遠くへ
笑わないで子供じゃないよもう、ぼくら花束とさよならだけを捨ててゆく
メモ片手「鍋の用意、ビール」あと君とおそろいヘアジャム買うの
口紅から機関車までを奪いゆくまるでぼくらはボニーとクライド
寒いね、と君のほっぺたりんご色だからまっすぐ光の方へ
カッコ悪いだけれど好きをやめらんないセルフブリーチ途中のきみよ
朝6時「ちゃんとした服でデートしたい」青山に走る君そこがずるいの
「ダサいから」コンタクト入れるの下手なのにぼくの前だけ眼鏡でいてね
溢れる気持ちが止まらなくて
どうしようもないほど
好きなんだと思い知らされる
好きになればなるほど
想いが溢れてゆく。
こんなにも苦しいのに
どうして、好きをやめられないんだろう。
#__溢れる気持ち__
溢れる想いが止まらない。とか
今すぐ貴方に伝えたい。とか
そんなありふれた恋が出来たら良い。
溢れる想いをそのままにしておく度胸も、想いを貴方に伝える勇気も私にはないんだから。
#溢れる気持ち
女性を好きになった時、僕はとてもとても大好きになる。
そう、溢れる程の愛を注ぐ。
それも早いうちから、、、笑
だから、彼女は少し戸惑うかも。
若い時は自分の強い愛を相手にも求めてしまい、困らせたことあったかも。
そんな僕でも、どうしても許すないことには眉をひそめ、心が離れてしまう。
⭐️チョットしたことで愛を深めると同時に、チョットしたことで、その人を嫌いにならない努力が必要かな。
相手は自分じゃ無いから難しいけど。
忘れる準備はできてる。
無かったことにするフリもできる。
君にさよならするためにできること。
頑張って探すよ。
みんなが幸せならそれで良いって、そう思ってるはずなのに、幸せな人たちを見るたびに溢れる気持ちに押し潰されそうになるんだ。自分だって幸せになれたんじゃないか、って
僕は愛の存在で意識を失う。幼少の頃からよく失神して保健室に運ばれていた。おかげで母は兄の時より子育て中の睡眠時間を多くとれたそうだ。
ある日高校で女子に挨拶された。おはよう、とそれだけ。しかしその瞬間僕は意識を失った。それっきり僕は目覚めていない。あのとき、あの子は僕に僅かに愛情があったのだろうか。僕もあの子に愛情を抱いてしまった。この気持ちが溢れ出して止まらない。あの子の瞳の輝きが、今でも忘れられないんだ。
溢れる想いは先輩に注がれている
日曜。私が大好きな先輩と会うこともない日。1人で散歩して1人で音楽を聴いて…でもスマホを開く度に見える待ち受けは先輩との2ショット。先輩の事を考えずにはいられなかった。私は先輩の夢を見たことがあった。私は先輩と仲が良くて話して笑って…そして先輩は私を抱きしめた。夢とはいえ、あの感覚が今も体に残っている。先輩の匂いや温もりはずっと私の体に残っている。目覚めた時、とても心地が良くて、自然と涙が流れていた。夢が示していたことは先輩への独占欲だった。私の想いは日々増していく。先輩に会った時、想いは溢れ出す。
好き…ただそれだけの事なのに、こんなにも胸が高鳴って熱が上がって。私はもはや先輩中毒だ。先輩がいないと生きていけない。この限界を知らない想いは一体、どうすれば良いの?
想い。それは好きじゃなくても可愛いとかカッコイイとか、そんな気持ちが溢れ出すこともあるだろう。
夏は冬に感謝、冬は夏に感謝ってこういうことなんだなと散歩をしながら実感していた私はあることを思い出す。
夏の話。私は少し遠くの神社の大祭があることを知ったその日。
「へぇ、みんな行くんだ。私、行ったことない」
そう呟いた時だった。
「じゃあ、俺と行こう。予定ないなら一緒に行こう」
幼馴染くんがしれーっと会話に交ざってきた。そして、断る理由もなかったため、本来の目的も忘れ、先輩探しの旅に出ることとなった。実際、私と女子1人を含んだ5人で行った。私も一応性格は男よりなため、女子がいると自然とリードしてしまう。はぐれないように差し出した手を友達と握り、歩いて回る。それを羨ましそうに見つめながら飼い犬のように後ろをついてくる幼馴染くん。男子と絡まないのかよと内心思いながら私は先輩を探していた。それから私たちは晩ご飯をそれぞれ買って食べた。私が買ったたこ焼きが余ったので、保育園からの友達(男)にあげようとすると、それもまた横からひょこっと出てきた幼馴染くんが食べてしまった。
「君さ、さっきもうたこ焼き食べてたよね!?」
「え、だってコイツがくれるって言ったから」
本当に子犬のようだ。どんだけ飼い主を慕っているんだ。それから定番のおみくじ。私は中吉だった。恋愛は告白すると良い。先輩にだったら何度でも告白できるしと思っていた。
「恋愛運最悪〜。俺の恋叶わないんだってさ…」
「どれどれ……これは…残念だね」
と2人で笑いあっていると、偶然出くわしたクラスメイトに
「あれ?ここってもう出来てるの?」
と勘違いされてしまった。確かに幼馴染だけど、そんな風には思われたくなかった。
とそんな事があったのだ。私が幼馴染くんに溢れる想いはきっと「可愛い」だけなのだろう。もし、恋愛感情が出てくるとするならば、その時はきっと裏でほかの何かも溜まっていくのかもしれない。
偶に気持ちが溢れそうになる。物欲、破壊衝動、愛に悲しみ。それは、私の中の動物としての本能がそうしたいと叫んでいるように感じた。
そんな気持ちを私は、理性で抑え込む。人は、本能に物事を任せると必ず失敗すると私は、知っているからである。