茶茶葉

Open App


 初めて出来た彼氏。毎日おはようからおやすみまで連絡を取り合って、用事がない休日はデートして。折角だもん、可愛いって思って貰いたいから慣れないファッション雑誌を見ながらコーディネートを考える。でも大体は姉に確認してもらう。
「お姉ちゃん、これ変じゃない?大丈夫かな?」
「んぅ〜?だいじょーぶだいじょーぶ。かわいいよーん」
「お姉ちゃんっ!もーちゃんと見てよ!ってやだ、アイスついちゃう〜!」
「はいはい、わかったわよ。うるさいんだから」
「ねぇ早く。遅れちゃう」
「待ちなさいって…はい、OKよ」
「本当?ありがとっ!」
「デートでしょ?彼氏の写真後で見せなさいよ〜?」
…ニヤニヤしてる。絶対見せてあげない…っ!

ポコン「あと20分位で着くよ。…楽しみにしてる」

口元が緩む。っていけない、急がないと。
「…あんたにやけ過ぎ。彼氏に引かれない様に気をつけなさいよ?」
ぐぬぬ…悔しいけど正論…。マスクがあって本当に良かった。
「〜っ、行ってきます!」
待ち合わせ場所で彼が来るのを待つ。そわそわ。
「ごめん、お待たせ」
「う、ううん。私もさっき来たばっかりだから」
「行こっか」
スッと私の右手を握ってくれた。えぇ…最高過ぎて無理ぃ…。

道行く人達にすらきっとバレてるんだろうな。後ろも振り返れない。きっと沢山の愛の花を咲かせてしまっているから。



「溢れる気持ち」

2/5/2023, 12:47:17 PM