『涙の理由』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【涙の理由】
人それぞれ沢山の理由があるだろう
ワタシの場合はどうか?
長らく泣くことが出来なかった
そうだな…恐らく
34年封印していた
泣くことは…
恥だと言われたからだけじゃない
唯一心を許せた祖父が亡くなってから
ワタシの涙は枯れた
どんなに辛くても
踏ん張らなければ
ここまで生きてはこられなかった
泣いている暇すらなかった
だけどある人に出逢って
涙は溢れることを知った
押さえ込んでいたワタシの人生そのもの
その人の前では
全部が溢れ出す
悲しい、辛い
それだけじゃない
嬉しい、楽しい
それさえも
涙が溢れる
恥ずかしいと思った
弱くなっていくのが怖かった
でも
自分の正直な気持ちに
沢山気がつくようになった
その人は
ワタシを絶対に否定しない
それだけで寧ろ、涙が溢れる
そんな人が
祖父が亡くなったあの日以来
ワタシにはいなかったんだ
全てが嘘で埋め尽くされ
どれが本当の自分かさえわからない
他人一人ひとりの最善の人
それを演じきる
その繰り返しだった
だからね
その人と出逢ってから
ワタシは私を取り戻した気がしている
どんな理由で泣き喚こうが
その人は
「大丈夫!いなくならない!」って
言うんだ
これが私の【涙の理由】
安心出来ること
それがワタシの人生には欠けていた
でも今
ワタシは初めて
自分を好きかもって想えるんだ
好きなことを好きって
嫌いなものを嫌いって言うことが出来る
それがこんなにも素晴らしいって事
その人に逢うまで知らなかったんだ
封印してた涙が少しずつ
その人の前では溢れる
自己が溢れて良いこともあるけど
悪いことも増えた
けど、嘘で固めた人生は
幸せではなかった
誰にとっても良い人って
言われてもちっとも
嬉しくはなかった
その理由がやっとわかった
「大丈夫!いなくならないよ!」
この言葉をずっと待ってたんだ
丁度、祖父が亡くなった頃
産まれたのがその人だ
祖父がいずれ出逢うように
導いてくれたのだろう
ワタシが私に戻れるように…
12月下旬。世間はイルミネーションに彩られ、クリスマスに向けて浮かれている、そんな頃。
私は、2年付き合った彼氏と別れた。原因は、相手の浮気。曰く『彼女は俺にいい刺激をたくさんくれる。それに比べて、君は優しすぎてつまらない』とのこと。
優しすぎってなによ。つまらないってなによ。だからって浮気しないでよ。私はどうしたらよかったのよ。
いろいろ悔しくて、一晩泣いた。
泣いた翌日、泣いたからって綺麗さっぱり忘れられるものでもなくて、私はなかなか仕事に身が入らなかった。
そんな状態だったから、ミスを連発した。書類をばらまくわ、消しちゃいけないデータを消しちゃうわ、上司の前ですっ転ぶわ……。我ながらいろいろやらかした。
いろいろありすぎて、悲しくなってトイレで泣いた。
さらには、2年ぶりの恋人のいないクリスマス、好きなだけケーキを食べようと意気込んでいたのに、お腹にくる風邪を引いて、お粥しか食べられなかった。
なんかつらいなあ、って泣いた。
何やかんやあって、年末。
私の家に、父方の叔母家族が帰省してきた。私と同い年の従姉妹も一緒だった。その子が、今度結婚するらしい。家族はみんなその話で盛り上がっていた。相手の男性がどんなに素晴らしい人なのか、今どんなに幸せなのか、さんざん自慢されて、私はもう惨めでしょうがなかった。
私は、その場にいるのがつらくなって、スマホだけ持って近所の小さな公園に逃げ出した。
ベンチに座ってスマホでボーっとSNSを見る。
クリスマスで恋人から素敵なプレゼントをもらった話とか、実家に帰って愛犬と久しぶりに戯れてる写真とか、なんだかみんな幸せそうな投稿が多くて、気持ちが余計に暗くなってしまった。
恋人に浮気されて振られて、仕事も失敗ばっかりで、体調管理もままならなくて、将来もよくわからなくて。
どうしてこんなにつらいのかなぁ。わたしってどうして生きてるんだろうなぁ。
『もういなくなりたい』
『私なんて生きてても意味ない』
気づいたら、SNSに投稿していた。自分で送信したその文字を見て、余計に胸がギュッと痛んだ。
最近泣いてばかりいて涙腺が脆くなっているのか、涙まで溢れてきて情けない。でも、どうやっても止まらないのだからしょうがない。
どうせ独り。この投稿も、今の私も、誰も見てない。……誰も、気づいてくれるわけない。
それから何分経っただろうか。 公園の入り口の方から、私を呼ぶ声が聞こえた気がして、私はそちらへ顔を上げた。
そこにいるのは、幼馴染のアキちゃんに見えた。彼女が大学を卒業するまでは、よく2人で遊んでた。でも、もう5年は会ってなくて、今はSNSで繋がっているだけの間柄。
「もしかして、アキちゃん……?どうして……?」
問いかけとともに、雫がポロリと頬を伝った。
それを見て、彼女が駆け寄ってきてくれる。そして、ギュッと抱きしめられた。
私を抱きしめながら、彼女は叫ぶ。
「受験のとき凹みまくって死にそうだった私を助けてくれたこと、今でも感謝してる!ありがとう!!」
そう言えば、そんなこともあったっけ。どうして今そんなこと。
「この5年、SNS見て、カナちゃんもどっかで頑張ってるんだと思って、私も頑張ってた!一緒に頑張ってる気持ちになってた!」
見ててくれたんだ。さっきの私も、見つけてくれたんだ。だから、来てくれたんだ。
腕の力が緩められて、彼女と目が合う。優しくて、強い光が見えた。
「だから、大丈夫!!」
何が大丈夫なのか、よくわからなかったけれど。私はいてもいい存在なんだって、肯定してくれているみたいで。
嬉しくって、ありがとうって、私は泣いた。
「涙の理由」
8月に3回ほど泣いた。1つは感動。1つは不安。もう1つは覚えていないが多分感動だった気がする。今考えればあのときは心が不安定だった。色んなことが積み重なったり環境の変化もあったりして怯えながら(?)過ごしていた。でも今はかなり元気だ。涙が流れることはしばらくないだろう。
ああ、お題なのに涙の理由をそんなに語っていない。まあ今日ぐらいはサボってもいいだろう。
私が泣いてる訳を
アナタが知ることはきっと無い
さようなら
優しくて残酷なアナタ
涙の理由
【涙の理由】 10/10
あめがふるのは、おそらがないてるから。
じゃあ、おそらはなんでないてるの?
もしかしたら、わたしたちをみて、
あわれにおもってないてるのかもね。
“好き”になったのはいつだっただろう。
物心ついたときにはいつも一緒で、親友だった。
今考えてみるとたぶんそれは依存。
きみがとなりにいないと寂しかったし、自分でも引くくらい執着していた。
ある日クラス替えでクラスが離れ離れになって、でも親友だからって当たり前のように一緒に行ったり帰ったりしていた。
「お前、ちょっとうざい」
そしてその日は待ち合わせの昇降口になかなかこないから教室まで迎えにいった。
きみが僕以外の人と楽しそうに話していて、裏切られたみたいに思って、そのとき初めて独占欲を意識した。
そしてそのとき言われた言葉がそれだった。
“お前、ちょっとうざい”
心臓を抉られた。
親友じゃなかったの?なんで僕を後回しにするの?なんで、なんで…?
…いままでもずっとそうやって思っていたの…?
ボロボロに泣いて、結局うざがられて終了。
挙げ句の果てに、迎え来た僕を教室において、僕の手を思いっきり振り払って、帰っていった。
それ以降関わりづらくなって、近づこうとするだけでもさりげなく避けるようにどこかに行ってしまう。
僕だけ、だったの…?
きみがいないと生きれないのは、寂しいのは、苦しいのも、僕だけ…?
学校を休んだ。
一回休むとずるずると休みが続いて、気づいたら学校に行けなくなっていた。
僕はきっと異常なんだ。
人より独占欲とかそういうのが強くて相手に精神的に害を与えてしまう。
人と関わらないほうがいいのかもしれない。
そう思ったらいつのまにか家から出られない体になっていた。
「…おい、起きれる?」
ある日。
久しぶりに聞いた声に体が強張った。
…うそ。ここ、僕の家だよ…?僕の部屋だよ…?
僕のことうざいと思っていたんでしょ?嫌いなんでしょ?
じゃあ関わってこないでよ。
ボロボロと涙が零れるのは、ぜんぶぜんぶ自分のせいだ。
─涙の理由─ #90
(久しぶりに小説書いてみたら収拾がつかなくなった。なにが書きたかったんだろうか。小説書かなかったこの二週間結構重いかも)
やってしまった……。
救助をしている途中で、危ないと思って手が出てしまった。救助者は問題なかったけれど、俺はアームホルダーを装着して、腕をぶら下げている。
目の前には眉間に皺を寄せた隊長がいて、みっちりと注意とお叱りを受けていた。
救急隊員が自分の身を守らないのは二次被害の元になる。
いや、俺も注意していたけれど、咄嗟に身体が動いちゃったんだよね。俺自身も反省はしているんだけれど……。
すると隊長のスマホが鳴り響く。どうやら隊長にお客さんが来たようで、ここに通すように言っていた。
隊長、俺はイマココにいますよー。
「いや、色々言ったけれど、お前に一番効くのはこれだと思った」
その言葉に、俺の背中は冷たい汗が背中に流れた。あ、なんだろう。凄く嫌な予感がする。
コンコン――
「はい、どうぞ」
扉が開いて、そこに居たのは俺の恋人。今日は仕事に行っているはずだけれど、私服に着替えていた。
もう分かる。彼女のまとった雰囲気がヤバい。
「突然呼び出して、すまんな」
「あ、いえ。呼んでくださって、ありがとうございます」
あー、彼女が俺を見ない。笑顔で隊長と話して、ちゃんと大人の対応してる。それだけにめちゃくちゃ怖い。
「彼のこと、お願いしてもいいか?」
「はい。ありがとうございました」
「え、たいちょ……」
パタン。
隊長は俺を見ることなく扉を閉じた。そして俺の目の前には唇を尖らせ頬を膨らませた恋人が……。
「腕……」
「あ、いや、これ……」
軽くアームホルダーごと腕を持ち上げて大したことないとアピールをするけれど、彼女が俺を見る目は冷たかった。
「やっていることは、とても立派なんです。そこは怒れません。でも、でも……」
彼女の大きな瞳に涙が溢れて溢れ落ちる。声も少しずつ大きくなっていた。
「もっと自分を大切にしてください!!」
その悲痛な声は、俺の胸を強く締め付ける。今日、隊長が注意してくれた言葉を思い出す。
『今回は運が良かっただけだぞ』
目の前にいる彼女を見ていると、その言葉の重さを痛感する。
恋人はどちらかと言えば泣き虫な子だ。でも、こんなに止められないほど涙を流しているのは、それだけ俺を大切にしてくれていると分かる。
自分が危険な仕事をしているのを知っているのに、俺が自分の命を軽んじるのはダメだ。
「ごめん……」
もう言葉を紡ぐのが難しくなるほど、しゃくりをあげていて、俺の謝罪に対して首を横に振るだけで精一杯のようだった。
「まえ……っ……いったも……っん……」
「そうだね。ごめん」
それから三十分くらいは、彼女に謝るしか出来なかった。
もちろん彼女の目も真っ赤に腫れて腫れて冷やすためのタオルを取りに行った時、隊長とすれ違う。
「効くだろ」
「はい、効きました」
あの涙は俺を大切にしてくれているからだ。
そうだ。
彼女を好きになったきっかけは俺を大切にしてくれていると知ったからなのに、俺が自分を大切にしてないのはダメだよな。
「反省します」
おわり
一四七、涙の理由
涙の理由
理由なんて色々
とりあえず感情が大きく揺さぶられたとき
涙があふれてくるんです
ハナミズと一緒にね
誰かしらの命に関わる出来事は
涙の理由としてはやっぱり多い
あれは寂しさからくる涙なのかな
ショック状態ではまだ泣けなかったりするし
実感して
寂しくて悲しくて涙が止まらなくなる
案の定ハナミズも出るから
めちゃくちゃ息苦しいのだけどね
そういえば
赤ちゃんの涙の理由は?
ただ泣くから?
(経験してきたのに思い出せない涙の理由)
※涙の理由
とある商人は、後ろ髪を引かれながらも村を去った。
見つけられたのは、蝗が食い荒らせられないもの。
人骨や陶器などといった硬いものだ。
他は殆ど何も見つからない。
村の建物も多くが壊れてしまっている。
足元には、大量の蝗の死骸。共食いもしたのだろう。
どうする事も出来ない自然災害だ。
恐らく二度とこの地に村は出来ないだろう。
金目になりそうなものは頂き、少しの食い物を供える。
「我々の糧にさせていただきます」
商人の声が震えるのを、誰が止められようか。
涙の理由
ボロボロボロ…止めどなく溢れる涙をハンカチで押さえる。
「泣かないでよ、ユミちゃーん。そりゃ、俺と別れるのはツラいだろうけど。仕方ないじゃん?運命の彼女に出会っ…」
「花粉症だよっ!」
悦に入りベラベラ的外れな事を喋るタツロウの言葉を遮る。
誰がアンタみたいな浮気男のために泣くか!秋の花粉症舐めんなっ。
ぽつぽつと始め、そのうちに今までにないほどすらすらと彼女は長く話し出した。今日は珍しく、俺が黙って聞いているからかもしれない。
「だから、君がいなくなると思ったら、」
そこまで話したとき、いきなりヒュッと息が止まったかと思えば、突然その瞳がゆら、と輪郭がぼやけて、ひとつの水になって、ボロりと頬を伝わずに膝に重く落ちた。
一瞬もしないうちに変わった空気に戸惑ってしまう。さっきまで憑き物が落ちたように穏やかに、でもいつもと同じ調子でこっちを仕方ない奴だと見るようにすらすら話していたじゃないか。こうやって泣くときってだんだん声が絞られたり、涙ぐんできたりするもんじゃないのか。目薬使ったってもっとそれらしくなるだろ。
そこから糸が切れたようにただ、泣いている。泣き出して言葉のかわりにひたすら、息苦しそうに、不安定なリズムで、しゃっくりのような呼吸と、鼻をすする音がしている。怒っても泣いても意味が無いだろう、面倒なやつ、話を聞く気も失せると思われるだけだと、どんなときもその対して変わらない表情で、理性的な言葉を、誰が聞いたって言い返せないくらい、その通りですと言うしかない言葉を紡いできた口からは、うう、と意味の無い鳴き声が吐き出されている。
彼女はなんで、俺みたいに鈍くて、単純な奴と組んでくれたのだろうと聞かれてしまうと、未だに少し疑問だ。
俺だって最初、なんで? って感じはあったけど、噂より怖くないし、真面目で。出来ない人を馬鹿にもしないが、能天気にできなくてもいいじゃん、とも言わない。聞かれたらただわかりやすく答えて、わからなければ、わかるようにその人に合わせて例え話をする。特別明るくもないし、現実を突きつけるツッコミもしてくるけど、いいやつだと思う。
正直、彼女はなんで泣いているんだろうと今思っている。俺が居なくても対策してたはずだし、心配してくれたのだろうか。少し違う気がする。不安になったのか、なぜなのか、今本人も気づいてない気持ちを、言葉より先にその涙が押し出している。
【涙の理由】
黒猫はいつも
のらりくらり路地裏を歩いていた。
人間に散歩してもらってる犬らは
いつも吠えてくるから
人間がこない路地裏を歩く。
たまに河川を歩いたりするけど、
水が嫌いだから
ほんとにたまにしか行かない。
でもずっと同じ街はつまらない。
いつしか黒猫は
旅に出るようになった。
留まらずに歩き続け
疲れたら休憩。
人間が沢山居そうなところは避けて
また歩く。
少しした頃、
道端に喉が渇いて動けないという
大人しそうな野良犬を見つけた。
ついさっき水を飲んできた黒猫は
川まで案内した。
物知りな猫さん、ありがとう。
お礼に猫さんのお願いを聞いてあげるよ。
と、野良犬はいった。
ちょうど1匹で歩くのは
寂しいと思っていた黒猫は、
一緒に来てくれるように
頼もうとしたが、
野良犬はこの街を
離れたくなさそうだったので、
あと3日ほど滞在するので
この川で会って欲しいと頼んだ。
もちろん!としっぽを振りながら野良犬はいった。
1日目、
黒猫と野良犬は
近くの花畑へ行き
池の周りをぐるっと1周歩いた。
2日目、
黒猫と野良犬は
レストランへ行き
人間からおすそ分けをもらった。
もっと一緒にいたいと黒猫が思った3日目、
いつも通り川で待っていたが、
野良犬が来る気配はなかった。
心配になり
いつも野良犬が来る方向の道へ行ってみる。
そこには
カラスにしっぽを噛みちぎられ
虫の息の野良犬がいた。
ごめん…見送れ……そう…にないや……。
と野良犬が言った。
その言葉を最後に
野良犬の呼吸の音は聞こえなくなった。
黒猫は
"Good Midnight!"
と野良犬にいい、
野良犬を食べ始めた。
骨まで食べ尽くした後に
黒猫は1粒の涙を流した。
その涙の理由ははたして
悲しみからなのか、
それとも
一緒に旅に行ける
嬉しさからなのか。
【涙の理由】
目黒区の総合病院は15件か…。
私は目黒区行きのバスに乗りながら、スマホで調べていた。
この中に、オトウサンが入院していた病院がある。
私は溜息をついた。
全部行くには時間もお金もかかりすぎる。
私はすごく後悔している。
何も準備ができていないのに、いきなりオトウサンが入院していた病院に行くなんて。
そもそも私はオトウサンが入院していた病院すら知らないのに。
日記をいくら読んでも、「目黒区の総合病院」ということしか分からなかった。
バスを降りると、目の前に大きな病院が見えた。
まずはここ。
ここに行ってみる。
20分後。
私はとぼとぼと病院を出た。
ここはオトウサンが入院していた病院では無かった。
これは途方も無い旅になりそうだ。
次に訪れたのは、先ほどから20分ほど歩いたところにある病院。
ここに行ってみる。
15分後。
ここも違った。
その後も2件ほど訪問してみたがどちらも違った。
住宅街を独り歩き、私は「次はどこへ行こうか。」と考えていた。
考えていたのだけど。
不意に立ち止まった。
なんだか、泣きたい。
やっぱりこの家出は間違いだった。
素直にお母さんの言うことを聞いていれば、こんなに惨めな思いをせずに済んだのに。
視界が滲む。
涙の理由に脳が冷えていく。
素直に上をみあげられなくなって、涙が零れそうになったとき、
ポツリと何か冷たいものが当たったような気がした。
思わず上を向くと、雨が降ってきた。
あ、傘。
忘れた。
私は小雨をただ受け流すことしかできなかった。
しかし、我に返って「雨宿りしなきゃ」と思い、住宅街を駆け抜けた。
近くにカフェがあった。
ここならちょうどいい。
まだ昼食を食べてないし、ここで何か食べよう。
私は扉を開けた。
店内は木造でレトロな内装だった。
席に座り、メニュー表を手に取った。
あまりにお金を使いすぎるといけないから、高い値段のものは頼めないな。
飲み物はお冷やでいっか。
メニューを注文して、しばらく店内を眺めていた。
この雰囲気、何だか家の近くの楽器店に似ている。
このアットホームな雰囲気。
少し近いものを感じる。
まあ、あそこは潰れてしまったんだけど。
外は雨が強く打ち付けている。
しばらくぼうっと店内を眺めていたけれど、ふとある考えが浮かんだ。
オトウサンの写真の中に、病院の写真は無いだろうか。
私は日記しか見ていなかったけど、もしかしたら写真にもヒントがあるのでは無いだろうか。
もっとちゃんと見てみないと。
私は鞄の中から写真を取り出し、机の上に並べた。
風景写真、家族写真、学生時代の写真、…
あっ。
私は見つけてしまった。
ある建物の写真、病院らしき建物の写真を。
名前は見切れていて見えないが、
「山総合病院病院」という文字があるのが分かる。
私はすぐにネット検索をした。
中山総合病院。
これだ。これだ!
私は静かに興奮した。
場所も目黒区で間違いない。
ここに、オトウサンが居た。
届いたミニパンケーキを頬張りながら、私は必死に調べた。
ここからバスで20分。
十分行ける距離だ。
腹ごしらえをして店を出た。
雨は止み、曇り空を広げている。
涙もとうに枯れきった。
私は立ち止まっていた足を踏み出し、目的の場所に向かった。
言語化することに意味は無い。
いま、わたしにとって必要なことだから。
――ただ、それだけ。
理由など。いらない。
テーマ「涙の理由」
車を運転中、ふと思い出す事は
亡くなった父親だったり…
20年近く一緒に過ごした愛犬だったり
今はまだ健在だけれど、かなり高齢の
母親の事だったりする。
運転中の密室とは、誰に気を使うでも
ないから、案外と自分の本心と向き合い
素直になって内観する貴重な時間だ
亡き父や愛犬との思い出を振り返り
気がつけば涙涙だったりする
また、高齢の母を想い、そう遠くない
未来にまた別れを告げる日が来るのかと
どうしようもない現実に潰されそうに
なっては、「耐えられるかな…」と
1人想像の世界で想いあぐれ…
私にとっての「涙の理由」とは
かけがえのない愛と情で複雑に絡まりあった家族との絆である。
涙の理由
「なんで泣くの!!」
そう言われても分かりません。
なんか分からないけど涙が出るんです。
泣きたくて泣いてるわけじゃないです。
泣く理由は沢山ありますよ。
辛い 怖い 怒り ストレス
なんで分かってくれないの
頭いっぱいなのに沢山話してくるから
こっちの気持ちは理解してくれない、理解しようとしてくれない
泣く理由は沢山あります。
だけど涙がでる理由なんて分かんないです。
泣くのを我慢しろなんてできませんよ。
涙は出してるわけじゃないですから。
どんなに我慢してきたか分からないでしょうね。
大人になっても子供でも皆泣きたくなる時あるでしょ?
ただ頷いてくれるだけでいい。ただ聞いて欲しい。
否定しないで、追い詰めないで。
うんうんってそっかって言ってよ。
泣いてる本人にとっては、「ずっと溜めてきた器に溢れるくらいの大量の水を入れられた」んです。
涙の理由なんて自分で考えてください。
「自分の言葉で泣いたかもしれない。」って思わないですか?
貴方が嫌いだから。貴方に理解してもらえないから。
愚痴をいいながら泣いてる人、笑いながら泣いてる人
皆頭ん中真っ白です。ぐっちゃぐちゃです。
普段泣かない人でも泣きます。よく泣く人も我慢してます。
我慢できなくて泣く時あります。
涙の理由?そんなの理由なんてありませんよ。
涙はでるものです。涙の理由なんてないです。
分からないものはわかりません。
「なんで涙出るかなんてわかんないよ!!」
【涙の理由】
あの…どうされたんですか?あ、話したくなければそれでいいですよ。私は郵便屋やってます。え?確かに郵便屋っぽさはない格好ですけど…この世界の郵便屋さんってそんなにキチンと制服ありましたっけ?ふむふむ…成る程、異世界人さん。そういう方には世界自体が辛いですよね。私から言えるのは死なないだけマシとしか…アハハ…。嘘ついてないですよ。ほら、私の靴に汚れついているでしょう?これ、血液です。そう。そういう世界です。だから、フラれて辛いで悩むのは…分かりますが…それ以前の世界観なので…ハハッ…。ごめんなさい。お役に立てなくて。救われた?ありがとうございます。意外です。これからどこに行くのかって?銃撃戦が行われてなければいいなという些細な祈りが通じればいい場所です。些細じゃない!と怒鳴られましても…。常識は捨ててください。こ、怖かったですか。そ、そうでしたかね…アハハ…ハ。では、失礼します。早く配達しないと。大丈夫、死にませんよ。私が死んだら配達が止まってしまうので。生きますよ。では、お達者で。
涙の理由
涙が流れる時って
感情が高ぶった時が多い
音楽を聴いて
映画を観て
本を読んで
ああこの言葉の気持ちものすごく分かるよ
悲しいよね
嬉しいよね
作品から伝わる感情の伝達が
私の心と頭をふるわせた
ありがとう
この作品に会えたことで感動という涙が流れた
幸せだったよ
ありがとう
「涙の数だけ」
涙の理由って色々ある。
試合に負けた、試験に落ちた、失恋した、みたいな悲しい理由もあれば
プロポーズされた、大会で優勝した、試験に合格した、みたいな嬉しい理由もある。
理由のある涙もあるならば、もちろん理由のない涙もある。
泣こうと思って泣いたわけじゃない、気づいたら涙が出ていた。
そういう時もある。
逆に能動的に涙を流そうとする時もある。
" 涙活 "1か月に2~3分だけでも能動的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動、なんてのもあるらしい。
色々あるね、涙の理由。
テーマ:涙の理由
※語り
僕は、大の大人が、
それも自分の父親が涙を流すのを初めて見た。
夜中、トイレに僕が起きたとき、
何やらリビングの電気が付いていることに気づいた。
ドア越しに父の影が見えたから、ドアを開けようとして、
開ける手が止まった。
微かに、すすり泣く声が聞こえてきたからだ。
ちょっとだけドアをそーっと開けた。
隙間から覗き見ると、
酒の入ったコップと、空になった容器がある机。
そして、涙を流す父さんがいた。
僕はかなり動揺して、呆然としていた。
どうすればいいかわからなかった。
声を掛けようとして、不器用なこともあって、言葉が見つからず、声をかける勇気も無く、そのまま静かに自室に戻った。
ベッドに横わたるけど、眠れない。
さっき見た父さんの姿が脳裏にあった。
意味もなく天井を見つめているうちに、
気付けば、眠っていた。
「おう、おはよう」
僕は安心した。
いつもの父さんで、いつもの下手くそな笑顔だったから。
もしかすると、昨日のは寝ぼけて見た夢だったのかもしれない。
ただ、昨日覗き見た時に机にあった酒の容器は、
記憶の通りのもので、ゴミ箱の中に乱雑に入っていた。
そんな心の内に閉まっていた昔の話を、
ついに父さんに話した。
一緒に酒を飲んでいると、懐かしい話になったのだ。
でも、父さんは教えてくれなかった。
あれは夢ではなく現実だったのか。
何で泣いていたのか。
そして、声を掛けれなくてごめんと謝ったけれど、
誤魔化すように笑ったあと、
別の話をし始めて、僕の疑問は流れて行った。
多分、見せたくない涙だったんだよね。
今もあの時の真相は知らないけど、
弱さを見せないところが、やっぱり、
父さんらしいや。