『海の底』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
海底と海の底。
意味は同じなのに、ひらがな一文字を間に入れたら言葉がとても軽くなるように感じる。
深い海底から見上げる水面には光は届かないだろう。
浅い海の底から見上げた水面はキラキラと輝くだろう。
ニュアンス一つで人の気持ちは水面のように揺れ動く。
誰かに言葉を投げかけるのなら水飛沫をあげる大岩ではなく、小さな波紋を広げる小石を選びたいと思った。
もし私が海の底にいたとしたなら言葉の届かない深海ではなく、小さな変化に気づける浅瀬にいれたらいいなと願う。
#海の底
海の底。
海の底は漆黒の闇。
そこは強烈な水圧で普通の魚は生存出来ない。
リュウグウノツカイやダイオウイカなど奇怪な生物の縄張りだ。
当然、人間は死ぬ。
なので、海の底が人生のドン底に例えるなら、
今の僕は海辺で生活している。
正直、将来の心配はない。
だが、ここに至るまでは順風満帆ではなかった。
本当に苦労した。
「お前は将来貧乏暮らしをする!」
なんて兄達に酷い事を言われたりした。
仕事で挫折したが、同じ失敗しないように学習した。
理不尽な事も金の為と我慢した。
日常では物を大切に扱い質素倹約に努めた。
なので欲しい物はいつでも購入できる。
独身の特権だ。
もしも、僕みたい失敬な事を言われたら、
お前の予想なんか当たるか!!
と言い返してもいいし、結果で見返してやればいい。
ただ、たとえ地位と名誉のある富裕層でも、過ちを犯せば波にさらわれて海の底に沈む事になる。
僕も魔が差す事なく道を歩んでいきたい。
静かで暗い 海の底
碧く孤独な 闇の閨
君の世界は 眩しくて
私の眼は 灼切れた
あぶくと消えた 鱗の内に
秘めたこころも 燃え尽きた
今は揺蕩う 海の底
碧く孤独な 夢の淵
どうか私よ 安らかに
私をそっと 悼ませて
#海の底
人類は
宇宙には何度も行ってるのに
深海はほとんど知らない
暗くて
冷たくて
音も届かない場所
それでも
そこに
確かに水はあって
生きものはいて
誰にも見られなくても
ちゃんと存在している
暗いから
知らないだけで
私の未来の恋人もきっと
闇の中で落とすも怖くない
ちゃんともう一度立て
前を灯り照らす
進路を進めて行く
闇では困難である、灯りは解決策である、この世界で生まれた人々は必ず困難が遭遇したことある、でも解決法はまた自分を決めるということだ。
夜を漂う
小舟があって
波に遊ばれ
ゆらゆらり
風に煽られ
ふらふらり
浮かんでるのも
やっとこさ
荷を落とすまい
それだけで
ほかの小舟を
知ったのは
ガツンとぶつけた
あとだった
空には月が
無数の星が
そこに光は
あったのに
眩しすぎる、と
言い訳ばかり
それでも海は
浮かばせる
「沈む日までは、浮かんでろ!」
夜を漂う
小舟があって
いつかの先に
沈んだならば
懐古するのは
この波の上
空には月が
無数の星が
眩しくて
美しかった──
ああ いつか
『海の底』にて
穏やかに
負う荷を持たず
そんな日が
訪れるまで
浮かばせる
海は
小舟を
海の底
「うわー、キレイ」
夏に行きたい、おすすめの場所。
というテレビ番組をキミと見ていると、画面いっぱいにキレイな海面が映る。
「砂浜に近い場所は海の水がキレイだけど、海の底ってどうなってるんだろうね」
と、不意に聞かれるが
「海の底かぁ…」
光が届かない海の底。
どれほど深いのか、どうなっているのか想像もできない。
「どうなってるんだろうね。見てみたい気もするけど、闇が広がっていそうで怖いなぁ」
「そうだね。誰も見たことのない世界を知るのは、わくわくもするけど、ドキドキもしそう」
2人で顔を見合わせ苦笑したあと
「今度海に行こうか」
「うん」
海に行くことにしたのだった。
暗い青、冷たい水、押し潰される感覚、無。
私が生きたいのは、そんな世界だ。
「...羨ましい。」
写真を眺めながら、ルナはそう呟いた。海の底、光の届かない暗い場所。
目を閉じて、想像する。
ー独りでそこに浮かんでいる。苦しくはない、もう私には肺呼吸は必要ないから。周りは水の音に満ちている。それ以外聞こえない、静かな世界。誰にも気付かれず、誰にも干渉される事なく、宛もなく水中を漂っている。身体が冷たい温度に包まれて、私は海面を見上げるー
暫く目を閉じた後、ルナは写真を机のカバーに挟んだ。偶に、こういう事をするのだ。写真を取り出して眺めては、その世界に浸る。するとほら、自分がその世界に居るような気持ちになる。この写真を買ってから、これがルナの習慣になっていた。
カバー越しに、惜しむように写真を撫でた。写真に切り取られた、海底の砂、暗い青色、そして所々に朧気に差す光。海底泳ぐ魚達は、その僅かな光を捉えて、姿を見せずにひっそりと暮らしている。それだけで、この写真はルナを惹き付けて離さなかった。心の何処かで、憧れていた世界。望んでいた世界。ーこの写真の、魚達になりたいー
続きは細々書きます
題材【海の底】より
落ち着く時はそのままで。
物足りなくなったら少し浮かんで。
#海の底
海の底で息をしている。
あなただった骨をこの胸に抱いたまま。
暗くて深くて音もない
ここはそんな場所
みんなは怖いって言うんだ
でもね、そんなことないんだよ
ここはとても神秘的で綺麗なんだ
不思議な生き物や物があるんだよ
たしかに暗くて怖いかもしれない
でもね、周りを見てみれば意外と面白いもので溢れているんだ
とても深くて暗くて音もない場所かもしれないけど
周りを見てみると案外楽しめるものは揃ってるんだ
だからね、君も見方を変えてみなよ
世界は意外と面白くて楽しいもので溢れているよ
ゆらゆら揺れるよ
波間に揺られて
時々、手探りで泳いで
くるくると同じところで迷って
いつの間にか海の底に沈んで
苦しくなったら浮かぶんだ
ゆらゆら風に吹かれて
遠いところまで運ばれて
気づいたらまた海の底
苦しくなったら、また浮かぶんだ
海の底
海の底ってエッチだ。
広くて深い、黒くて冷たい、未知に溢れた海の底。肌の表面を冷たさが包む。母なる海の下限。広さという大きさの尺度が持つ、爽やかであけっぴろんで無限な感じと比べて、深さというのは仄暗い魅力がある。危険だが魅力的。目を背けたくなる。褪せた黒に支配された世界。一寸先は闇。その先には多分、形の崩れかかった黒いタコや、腕くらい大きなぶつぶつ沼色の魚や、枯れ木みたいな花があるのだ。
空の美しさや宇宙の未知感と比べると、生活のそばにあって、嫌悪したくなる気持ち悪さが魅力的。これをエッチと言わずして……!
「ところで」
「ところで?」
「岩塩かな?」
「なにが?」
「未来の」
「だからー」
「いつものお題のなのに」
「あー。なるほど」
「だからもしくは過去の」
「なるほどねー」
お題『海の底』
好きな人、中学の時にできた親友の名前を書いた小さな紙切れを手に、僕は砂浜を踏みしめている。
初めは、女子達がきゃいきゃいと鈴を転がすような声で騒いでいたのを、小耳に挟んだだけだった。
よくある、恋愛のおまじないだ。消しゴムに好きな人の名前を書くだとか、花弁を1枚ずつちぎったりだとか、そういう類いのもの。
『好きな人の名前と自分のイニシャルを書いた紙を海に浮かべて、浮いたら叶う、すぐに沈んだら叶わない』
内容を要約するとこうだった。
僕らの学校は海のほとりにある。だから、誰かがこんな話を作ったのだろう。おまじないの難易度としても大して高くなく、簡単にできる。それに、海という場で占いをするのは、年頃の女子からすれば特別感があって楽しいのだろう。
しかし、僕はもう高校2年生。華奢でも可愛くもない、どこにでもいる普通の男だ。こんな可愛らしいおまじないなんて使ったところで可愛くはなれないし、女の子のような柔らかな肌も、華奢な骨格も、低めの身長も手には入らない。
そっと、手に持った紙を水面に浮かべた。一瞬だけ浮いた紙に、僕は淡い期待を抱いてしまう。しかし、紙はすぐに波にさらわれて、青く澄んだ水の底に沈んでいってしまった。
分かっていた、叶わない恋だと。同性だとか、親友だとか、それ以前の問題なのだ。
彼には、彼女がいるのだから。僕よりずっと可愛くて、肌もお菓子のような甘い匂いのふわふわした感触で、髪はさらさらの黒髪ストレート。絵に描いたような可愛い女の子で、僕なんか到底勝てっこない。
深い深い紺色の水底に呑まれていった紙はもうとうの昔に見えなくなっている。いっそこの恋心も一緒に連れて行ってくれればよかったのに、僕の心は相変わらず、彼を求めているままだった。
海の底に沈んだ想いは、沈みきってなお、その熱を冷ませないでいる。それでも離れたくなくて、僕は親友を取り繕って、いつまでも彼の横に立つのだ。
テーマ:海の底
深い眠りから、海の底から地上に上がる様に意識が浮上する。最初に聞こえるのは誰かの寝息、続けて聞こえるのは柔らかな心音、目に写るのは白い天井と蛍光灯、左には点滴の管、右のお腹辺りにはうつ伏せで寝る彼だ。右手を動かして頭を撫でながら、何時間ぶりに声を出す。
「おきたよ」
海の底(1/21)
その巨大な塊は、石ではなく、人だった。
いや、人だったのだが、いまや人ではなくなってしまったもの、なのだ。
その近くには、光に守られたあるものたちの世界がある。
∞∞∞∞∞
昔々、海が大好きで、深く深く潜ることが得意な男の子がいた。いつも海にいて、魚たちと泳いでいた。
ある日、男の子は小さな小さな人魚と出会った。手のひらくらい大きさのの可愛らしい人魚で、すぐに仲よくなった2人は、海の底まで潜ることにした。人魚の大切な仲間たちに会いに行くために。
人魚と共に海の底にたどり着いた男の子は、人魚たちの住む世界に驚いた。陸の上では見たこともない煌びやかな場所だったから。海の底は、まったく暗くなかった。色とりどりの光に包まれていた。
男の子は時間を忘れ、人魚たちと遊んだ。どのくらいそこで過ごしたのかは分からない。いつのまにか、自分身体が人の形をしていないことに気がついた時には、もう手遅れだった。
人魚たちに、悪気はない。
だって、人間が人魚たちの世界に入ったのは男の子が初めてだったから。
誰もみな、人魚たちの世界に入った人間がそうなってしまうことを知らなかったのだから。
…男の子は、目を瞑り静かに横たわった。
共に遊ぶことはもうできないけれど、側にいて、いつも人魚たちの住む世界を守るために、そこにいよう、と思った。そして、人間がここに迷い込まないように僕が壁になって守ろう、と思った。
その様子をみていた人魚たちは、ただただ祈り続けた。男の子の身体は、人魚たちの世界を隠すように大きくなっていった。
巨大な塊となった男の子は、いつまでもいつまでも人魚たちと人間たちを守るために、そこに在り続けるのだろう。
『海の底と言えば?』
山田『え…安徳天皇?』
桜子『安徳天皇って誰?』
山田『知らねぇのかよ、平家物語で有名な人だよ』
桜子『そう言われても私には分からないよぉ!』
安徳天皇
1178年12月22日〜1185年4月25日
満8歳
平清盛公の娘[平徳子]のちの[建礼門院]と呼ばれる
女から第一皇子として誕生
名は『言仁(ときひと)』
山田『壇ノ浦の戦い!』
桜子『………』
「海の底に楽園はあると思う?」
先輩が言った。目の前には海がある。先輩の瞳はその水面のようにキラキラと輝いている。光を吸収し、反射して、あたたかな輝きを持つ瞳。
「竜宮城の話ですか?」
「そうだね。そこにちょうど亀もいることだし」
「それさっき先輩が作った砂の亀じゃないですか」
「助けたら連れて行ってくれるかもよ」
イジメられてもいない亀をどうやって助けると言うのか。先輩が鼻歌交じりに作った小さな亀は、ニコニコと楽しげに笑っている。先輩は彼に「ノア」と名付けた。また大層な名前だ。このちっぽけな亀では人間ひとりだって救えないだろう。そもそもノアは船を作った人であって、船そのものではないのだが。
「ね、本当にあるのかな、海の底に」
先輩の言葉に、海の底を空想する。そこは静かなのか、賑やかなのか。寒くはないのだろうか。あたたかければいいなと思う。先輩が寂しくなければそれでいい。
なんにせよ、僕に言えることはひとつだけだった。
「先輩があると思うなら、あるんじゃないですか」
先輩はその答えに満足そうに微笑んだ。僕もそれを見て満足する。海の底の楽園は、きっと、この人の瞳の中にある。
#海の底
ああ、なんてきれいなんだろう。
海の底に大の字になって空を見上げる。
下からの水面が見える。
普段は見ないこの景色。
まるであの子みたいだ。