『海の底』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
海の底
海の底には何があるのだろう
とてつもなく深いだろうから、想像する
だけで息が苦しくなる。
そこはきっと、暗くて、
誰にも知られていない領域。
海の底
20歳のとき、自身を俯瞰して見えていた景色は「海の底」だった。
例えるなら、海深く沈んだ漆黒の海底の沼の中から、ぼんやりとかすかに太陽がさしこむ海面を見上げている感覚だった。
暗闇に囚われる私。
目に見えない「なにか」にとらわれ、自分が何者であるか定まらない孤独な景色。人には理解してもらえない景色。
それから時はたち、おぼろげながら自分らしさを追い求めたら、いつのまにか海底から浮上し海面にでてこれいた。
でも、そこは太平洋のど真ん中だった。
見渡す限り地平線のど真ん中。
結局はまだ、さまよっている。
ただ、いつか定住できる場所が見つかるといいなと思う期待感と、さまよう中での不安定さを楽しんでる今を思うと、M気質なんだとも感じる。
時はさまざまな気持ちをつつみこんでくれる。
私はそっと人差し指を口にあてて、
「静かにね」のポーズをとり君に語りかける。
「この話は私と君との秘密だよ。」
「シー(sea)」
そういって私は携帯を閉じた。
―海の底―
海の世界を想像する
キラキラと光る
穏やかな波の海面の下深く
太陽の光も届かない場所
暗く、冷たい海の底
3寸先も見えないほどの暗闇に
並んで浮かぶ2つの淡い光
その光の持ち主は
どんな姿形でいるのか
どんなことを思い考えているのか
何を食べ美味しいと感じるのか
今日も
ありもしない命を想う
生きてる限り何度も人生の岐路に立つ。
それを乗り越えてる為に
何度も色んな場所から人は船出する。
大きな船も小さな船も
自分が目的地に達するまで時間がかかる。
たくさんの船が、船人が、夢が、
海の底に沈んでいる。
自分の沈めた思いも
人が悔やんだ思いも全て海の底に。
新しくやり直すために生まれ変わるんだ。
悔しいけど捨ててしまった夢も。
次こそ沈まない耐える力と
自分の知識を詰め込んだ船で
必ず船出する。
勝とうが負けようが自分だけの船で。
また出航する。
「海の底」
この世界を全て諦めて
遮断したさきには
音も光もない海の底で
酸素を求めるように
もがいてあらがって
海の底から這い上がるんだ
「海の底」
光が届かなかった想いに
光が射した
深い海の底から地上に向かって
何千万年もの時を経て
やっとあなたに会えた
荒波も幾たび越えて
あなたの声が聞こえた
暗い海底にも明るさが微睡んで
私はまた夢を見る
海の底には何があるだろうか。
海に底などあるのだろうか。
海の真ん中、はるか深淵はさることながら、
この、君が立っている浅瀬にしたって
底があるとは言い切れないじゃないか......
え?何言ってるかわからないって?
そう。それなら──
海の底
酸素が薄くて息がしずらい。
周りの子達とぶつからないように、
相手の気持ちになって、
空気を読んでその場所を泳いで進んでいく。
間違ってぶつかっちゃうけど、
そーゆー時は僕が悪いから、
相手が前を見てなくても僕が悪いから。
ちゃんと空気読んで周りと合わせて泳がないと。
じゃないとまた1匹になっちゃう。
いやだなぁ。寂しくなりたくないなぁ。
でも、そういえば僕って
どーゆーさかななんだっけ。
海から来た命は海へ戻る
って言葉が本当ならば
私死ぬのも生きるのもしていたくないの。
「あれ、あれから一年たつのにまだここに居たんだね」
「そうなの、ここがお気に入りよ」
少女に話しかけた魚は、尾鰭を動かしあるものを渡した。
「最近はキラキラ光る物が沈んでいてね、これはその中でも良く光っていたんだ」
それは本当に光っており、海底でも自ら光っている。
「これは何かしらね」
少女は手にとって観察した。
「良くわからないけれど、これどうするの?」
「僕は持っていても、尾鰭で引っ張っていくぐらいさ必要ない、君はいるかい?」
「そうねぇ一応貰っておくわ」
少女は尾鰭を動かし奥に有る箱にしまった。
「それじゃ、僕は行くよ」
「ええ、」
君との想い出は
薄暗い海の底に沈んでいったよ。
もうはっきりは覚えてないかもね
君の光が現れるまでは。
息が出来ない。
供給されているはずの酸素をうまく取り入れることが出来ていないみたいに,体の処理機能が追いつかないみたいに。ただ苦しい。
気のせいだ。
わかってる。呼吸はなんの問題もなくできている。血液は滞りなく運ばれ続けている。
でも,酸素を奪われたみたいに苦しい。目が眩み視界が黒く染まる。鼓動が嫌に大きく響く。指先が凍えるように冷たい。
まるで海の底に落とされたみたいに。すべての感覚が遠く,ただ心だけが痛みを訴える。
「そっか。よかったね」
うまく僕は笑えているのだろうか。笑みを型どり柔らかな声色を響かせられているのだろうか。
「僕も嬉しいよ。幸せになってね」
心にもない言葉を本心のように言えているのだろうか。この醜い思いは隠しとおせているのだろうか。
-幸せにならないで。置いていかないで。僕の側にいて。誰かのものになんかならないで-
言える訳もない 黒く濁り澱んだ感情を閉じこめて,欺瞞に充ちた祝福を送る。
「さよなら」
幸せそうな笑顔で手を振る君を見送る。次に会う時は,偽りなき祝言を送るから。
だからそれまでは この痛みを抱かせて。
きちんと別れを告げるから。
「さよなら。僕の恋心」
今は痛いだけのこの思いも,いつかは思い出に変わるから。深海の景色を美しいと思える日まで,忘れないでいよう。
「さよなら。大好きな人」
ついぞ伝えられなかった言葉はただ,吹いた風に流され消えた。誰に届くことも無く。
テーマ : 《海の底》
【海の底】
沈んで沈んで一人になって
静謐で孤独な美しさのなかにいたら
どんな心地がするだろう
暗くて深い海の底のような
そんな場所にいても光は射すのだろうか
助けを呼ぶ声は届くのだろうか
あの日港の塀に腰掛けた、1人の少女がこう言った
「海の底にはどんな世界が広がってるのかな〜。」
彼女はキラキラした目で呟いていた。
私は何も返すことが出来なかった、彼女の大きな夢を潰したくなかった。
目の見えない少女は言った
「私も人魚姫みたいになりたい!」
彼女は海を見たことがない、その海がどれだけ汚れているのかも。
いつだったか、ポストが設置されてるって
話題になったね。
海から届く手紙。
ちょっと、もらってみたいかも。
「海の底」
沈んでいく。
小さい泡がぷくぷくと上がっていく。
見える世界のすべては
絵の具を解いたような翠色。
ところどころ色がけぶっている。
海は青くはないんだな、と思う。
小さい泡を目で追うと、
頭上だけがぼんやり明るい。
ずいぶん遠い。
頭上を影が通っていく。
一体、あれはなんの影なのだろう。
ここは海の底。
誰とも話をしたくない時、
何も考えたくない時、
僕はいつも「海の底」にいる。
これは1つのライフハック。
名前を何度か呼ばれてハッとする。
「またぼーっとしてる」と
呆れたように言われたので
いつもの癖で、
頭を下げた。
「そんなにつまんない?」
「…そういうわけじゃない…です」
先輩は僕を見て鼻で笑う。
「じゃあ、なんの話してたか言ってみて」
話なんかひとつもしてなかった。
いつものパターンで
1番要領の悪いタマキをいじって、笑って
その動画を撮ってただけだ。
タマキは頭が悪い。
先輩の前で別の先輩を褒めたりする。
先輩はそういう頭の悪いやつを見逃さない。
遊ぶ理由になるからだ。
ひとまず、僕に矛先が向いてホッとしている上半身裸のタマキを
ぶん殴って、床に引き倒し、一発蹴りを入れた。
周りがどっと湧き、そこに汚い嗚咽の声が漏れた。
横目でちらっと先輩を見ると、満足したようだった。
心の底から笑ってる。
なので、勢いのまま、何度か、追撃の蹴りを入れ、後ろに飛び退った。
あとは他の奴らがなんとかしてくれるだろう。
輪から外れて壁にもたれて座った。
ここは海の底。
なんの生き物もいない。
沈んでいく。
見える世界のすべては
絵の具を解いたような翠色。
ところどころ色がけぶっている。
頭上だけがぼんやり明るい。
ずいぶん遠い。
頭上を影が通っていく。
一体、あれはなんの影なのだろう。
ここは、海の底。
誰も届かない。
流されて、眠っていた。
前までは波にもまれて、流されて、浮いたり沈んだりを繰り返していたが、今は奥底に沈んで流れることはあっても、浮かぶことはなくなった。
いつか誰かに届くようにと、海に放り投げ出された僕。
でも、誰に見つかることもなく、ただ静かに海の底にいる今。
たまに魚につつかれることはあれど、未だに人の手には届いていない。
中に入っている手紙は、まだ解読できるものであろうか。
なんの音も聞こえない。もう光も届かない程、海の底の底まで落ちていった。
魚と共に網にひっかかってあがることもないであろう奥底まで沈んでしまったらしい。
放り投げ出した者もきっともう存在していないかもしれない。
でも僕は存在し続けている。役割はもうわからないけれど、海の底で僕はもうしばらく眠っていよう。
【海の底】
海の底。
海の底で
待ってるような
フワフワした感じ。
あと少しで逢えるから
サプライズできるかな?
僕はいつも、海の底から空を見上げてるみたい。
暗く、深く、遠く……。
気が遠くなるほど、誰とも繋がってない感覚。
孤独、でも特に不安はないんだ。
不快ないざこざもない、何もない空間。
ただ生きてるだけ。
……だけなのかもしれない。
幸せを感じることもない。
でも不幸せでもない。
と思っている。
誰かと繋がらなきゃいけないのかな。
そんなもの、無くてもいい。
僕はただ、きらめく水面を眺めてるだけで充分。
それだけなんだ。
だから。
救いに来なくていいよ。
手を伸ばしてくれる君。
僕には届かないから。
君の気持ちは、透明な僕には必要ないんだ。
ありがとうね。
『海の底』
海の底には
恋を失った
人魚の泪が
沈んでいる
お題
海の底