流れ星に願いを』の作文集

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流れ星に願いを』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/26/2023, 10:00:11 AM

流れ星ってさー

ちょっと速すぎない?
3回も願い事言えないんだけど笑

あんだけ速いって事は
願い事がすぐに叶うってことかな?

それだったらがんばって3回言うんだけどなー笑

まぁ、そんなことないか。

結局、願い事が叶うって事は
自分の努力が報われたって事だよね。

だから、コツコツがんばろ。

4/26/2023, 9:58:04 AM

「ヴェーダくんは今夜の流星群にどんなお願いをするの?」
 雑多な一角の良好な日当たりを一身に受けるパン屋のお姉さんが、ガラス棚の向こうから問いかける無邪気な声で、ヴェーダ少年は今夜がそうだと久々に思い出した。
「流れ星って要するに燃えカスじゃん。興味ないよ」
「ロマンがないなぁ」
「ロマンじゃお腹は膨れないから」
「そうだねぇ」
 のほほんと返してくれるお姉さんは、今日もブリオッシュのように柔らかい茶色の髪を肩の上で踊らせながらガラス棚の上から身を乗り出す。そうでないと、正面ではなく影になる曲がり角で廃棄されたものを無断で食べてるヴェーダが見えないのだ。お姉さんは優しいので告げ口しないでくれているし、ヴェーダの片腕に抱っこされたバケットはこのパン屋で購入したので大目に見てもらいたい。
「私は君くらいの時に見たことあるんだけどね」
 固くなっている白パンをしっかり齧って飲み込み、また齧ったところで、お姉さんことクラリスが指し示すのが流星群だと気付く。
「たくさんの流れ星が夜空に広がるの。とっても綺麗だったのよ」
 うっとりと伏せられた目の奥で、口にした光景を再生しているのだろう。クラリスの表情はほんのり柔らかくて、寂しそうで。
 まなうらにいると思わしき兄貴分に小言の一つでも投げたくなったが、ヴェーダは両手に抱くのが正式な手段で購入したパンのみにしてから、ガラス棚の正面に立つ。
「願い事はしないけど、起きれたら見るよ」
「あっ、無理しないでいいのよ?」
「別に。無理じゃないし」
 不貞腐れたような声になったけど、クラリスには気付かれたくなくて、ヴェーダは「じゃ。今度こそアニキ引っ張ってくるから」と早口で言い捨てる形で馴染みのパン屋を後にしてしまった。
 なにかとじれったい誰かと誰かが結ばれるのであれば、星に願いも一興。

【流れ星に願いを/パン屋のお姉さんは訳アリ少年の保護者と何かと縁深い】

4/26/2023, 9:56:22 AM

星に願うほど叶えたい
それほどに夢を心に添えていたい
人の道の切なる花々
それが願(ほし)



#流れ星にねがいを

4/26/2023, 9:52:19 AM

流れ星に願いを
    
  流れ星に願い事   
  早く唱えられるようにしないとね
  幸せでいられますようにって

4/26/2023, 9:48:15 AM

「あ、流れ星」
まだ、少し肌寒い季節、もう何年も見ていなかった、流れ星を見つけた。
「もし、願い事1つだけ叶うなら、霈ェ蟒サは何を願うかな?」
「君のことだから皆の幸せなんて愚かなで身勝手願い事をするんだろうね、」
少し冷たくなってきた体をさすりながら僕は言う、
「僕はね、来世は命が終わる時は霈ェ蟒、君が側にいることを願うよ」
「だって、1人で死ぬはこんなにも寂しく怖いからね。」

4/26/2023, 9:42:20 AM

流れ星に願いを

「わぁ、流れ星だ!」

『流れ星には、願い事をすると叶うらしいよ』

「わかった!」

「むむむむむ…」

『私も』

『むむむ…」

「何を願ったの?」

『隣の人の願いが叶いますようにって』

「実は、私もそう願ったんだ」
「『あはははは』」

                   あいもやでー

4/26/2023, 9:39:39 AM

子供の頃読んだ絵本に3つの願いを叶えるっていう童話があって、主人公夫婦は、ソーセージを出してもらい、喧嘩の中で鼻にソーセージがくっつく願いをし、それが取れるって3つの願いを使いきったって話。
子供の自分は、願いが増えますようにってお願いすればいいのにと思った。

流れ星に「もっといっぱいの流れ星がみれますように」ってお願いすれば、それを見たいっぱいの人達も願いが叶えてられるかもしれない。その中で俺だけソーセージ流星群だってニヤリしてみたい。

あ、アルマゲドンサイズの隕石がいっぱい落ちてきたら人類滅亡しそうだな。ソーセージ流星群で地球滅亡……やだな……

4/26/2023, 9:28:36 AM

【流れ星に願いを?】

  ※作中の流星群はペルセウス座流星群です

「今年、一緒に星を見ようよ」と言い出したのは、あいつだった。
 毎年八月になると、三大流星群とやらのひとつ、ペガサス……だっけ? 違うような気もするけどまあいいや、なんか「ペ」のつく流星群が来るんだって。
 私とあいつはまあ、いわゆる腐れ縁で、幼稚園からいまの女子高まで、なんだかいつの間にかずるずると一緒にいるような間柄だった。
 あいつはフットワークが軽くて、なにか面白いことを見つけるとすぐどっかに飛んでいくようなやつ。ここ最近は、星がきれいに見えるスポットを探すのにご執心。一方私は、家でごろごろゲームしてるのが好きなタイプ。星なんて、テスト前に一夜漬けした理科の知識がほんのり残ってる程度。
 あいつと私じゃ、趣味も好みも興味の先もぜんぜん違うのに、なんでだろうね、人生の大半を一緒につるんで過ごしているのは。家が近いから、というのもあるかもしれないけれど。
 まあ、目尻の下がったあいつの平和そうな顔を見ると、ちょっと安心するというか、今日も元気でなにより、ぐらいには思うし、空気や水みたいに、日常に欠かせない存在なのは事実。あいつは私のことをどう思ってるのか知らないけど。


 約束の日の夜、家族に内緒で家を抜け出した。引きこもりゆえ、めったに味わえない冒険的シチュエーションだ。ドキドキうるさい鼓動をおさえつつ、事前に指定されていた場所に向かう。まったく、いくら星がきれいに見えるからって、ずいぶん辺鄙なところを指定してくれたよね。たどり着くまでに自転車でのぼらなきゃいけない坂道のことを考えただけで、もう息切れしそう。
 星がきれいに見えるスポットと言ったって、こんな田舎じゃ、だいたいどこでも星は見える。それぐらい、周囲に明かりがない。大通りを外れれば、ほら、すぐに暗い空が迫ってくる。自転車のライトがなかったら、一寸先も見えないんじゃないかってぐらいの闇。思わず身がすくむ。気を緩めたら、体ごと闇の中に溶けてしまいそう。ときたますれ違う対向車のヘッドライトに照らされたときは、あ、私、ちゃんとここにいるんだ、見つけてもらえたんだ、ってほっとする。
 私はふだん遠出をしないから、じつは自分の自転車を持ってない。今日はお母さんのママチャリをこっそり借りてきた。銀色のピカピカなフレームに、お母さんが増設した反射板がさらにピカピカしてて、ライトで照らされるとあまりにも目立つから恥ずかしいんだけど、まあ、夜道の安全のため、いたしかたなし。
 夏でも夜はちょっと冷えるよ、とあいつに言われていたので、おろしたての夏ジャージを羽織り、お湯入りの水筒を前カゴに放り込んである。現地が真っ暗すぎたら困るから、蝋燭式のランタンと着火用のマッチも用意した。寝転がるための敷物も用意した。ずっと首を上げて空を見てたら、疲れるからね。私の準備、完璧じゃない? ジャージは途中で暑くなって脱いだけど。
 完璧な私は、慣れない自転車でへろへろと坂道をのぼりきって、ようやくその場所にたどり着いた。足りない酸素にぜいぜいと喘ぎつつ、よれよれの手でマッチを擦ってランタンに着火し、あたりを見渡す。
 高台を切り拓いた、新興住宅地だ。着工したばかりで、周囲にはまだなにも建っていない。夜は誰もいないし、よけいな光もない。たしかに、ふたりで寝転がってる星を見るには、うってつけ。私の後ろは高い山がそびえてて星が隠れちゃってるけど、「目の前の空が流星群のホウシャテンに向かってひらけてるから、ちょうどいい」んだって。さすが、星に詳しいあいつが選んだ場所。あいつは私以上に完璧なやつだ。
 この工事現場は、今年限りのスポット。そして、今日は流星群のキョクダイキ。おまけに、新月。このチャンスを逃すのは、もったいないよね。私ひとりだったら、こんなビッグチャンスを知ることもなくぐうたらな夏休みを過ごしていただろうから、誘ってくれたあいつに感謝しなくちゃ。こんなお出かけも、今年で最後だろうし。
 ランタンの明かりを頼りに、工事で固められた土の上へ、敷物を大きく広げる。ぴったり、ふたりが寝転がれるサイズ。うん、完璧。
 喉がからからだったので、さっそく水筒のお湯に口をつけた。汗が引いて冷えてきた体には、人肌ぐらいのお湯がちょうどいい。水の足りなかった体に、沁みるように温もりが広がっていく。
 ひと息ついてから、いよいよ星を見る会の始まりだ。ランタンを邪魔にならない場所に置いて、背中からばたっと敷物に倒れこむ。ジャージはブランケット代わり、お腹にかけておく。
 目の前には、満点の星空。いや、「満天の」だっけ。満点と言ってもいいんじゃないかってぐらい、迫力のある星空だ。つい手を伸ばしちゃったのは、星を掴めそうな気がしたから。もちろん、指先にかすりもしなかったけど。
 あっ、さっそく流れた!
 流れ星への願いごとって、流れきる前に三回言わないといけないんだっけ? カネカネカネ、ぐらいしか間に合わないんじゃないかな。流れ星側は、ぜったい叶える気ないよね。まあ、私だって叶うとも思ってないけど。
 もし、死んだ人を蘇らせてくれるっていうなら、そりゃ、必死で唱えるけどさ。
 天に真っ直ぐ伸ばしたままだった手を、ようやく下ろす。
 いくらフットワークが軽いからって、未知の場所を見つけたからって、私の手が届かないぐらい遠くまで、飛んでいかなくても、ねぇ。
 完璧なあいつは、完璧な私の日常に欠かせない存在だったのにな。いまの私には、まるで、水も空気も、足りてない。どんなに喘いで息を整えても、人肌のお湯を飲んで喉を潤しても、絶対的に、あいつが足りてない。
 たぶんこの場所に下見に来た帰りだろう、あいつは夜の道を真っ黒な自転車で走ってて、事故に遭った。昨日、煙になって、後ろの山よりも高く、きっと星と同じところまで、のぼっていった。
 でも、今日は火を焚いたら死んだ人が馬に乗って帰ってくるとかいう日だし、そのために蝋燭のランタンを引っ張り出してきたんだからね。あいつ、もしかしたら、いまここにいるんじゃないかな。今日はペガサスの流星群だしさ、流れ星に乗ってさ。そりゃ、ここよりもあっちのほうが星はきれいだろうけど、私と一緒に眺めるほうが、きっときれいに見えるでしょ。思い出補正ってやつで。
 そう思って、敷物の半分はあけてある。
 あっ、また流れた。
「カナカナカナ」
 とっさに、あいつの名前を三回言ってやった。これでなにが叶うというわけでもないけど。
「気の早い蝉みたい」
 あいつの名前を呼んだ自分の勢いに、思わず笑ってしまった。
 カナカナと鳴く蝉の季節は、もうすぐだ。その時期になれば、私もきっと、なくだろう。

4/26/2023, 9:26:35 AM

流れる星に何を見る? 果てなき夢かな、誰かの命かな、もしくは降り掛かるかもしれない吉凶とか?
 それは一秒にも満たない軌跡。だから人々は星にまぼろしを見る。いつの日かの願いを見る。けれど、流れる星は実在するもの。彗星からこぼれ落ちた塵、数千度にもおよぶプラズマの輝き。現実と幻想の間で瞬く光に人々は想いを託す。星はただ空に線を、描く。

 流れる星に何を願う? 叶えたい夢かな、誰かの幸せかな、もしくは平穏な未来とか?
 奇跡ではないぼくたちだけれど、それでもいいなら想いを聞かせて。そして瞬くプラズマの中、きみたちの眼差しを受けたぼくたちにも願わせてほしい。どうかその願いが叶いますように。この輝きが燃え尽きる瞬間を、きみたちが見届けてくれますように。

4/26/2023, 9:12:38 AM

星に願いを込めて空に送る。知っている人でなくても良い。どうか下を向かないで強がらなくて良いんだよ。生きてて良いの一人じゃない。生まれた意味はあるんだよ。どうか一人でもこの思いが届きますように。どうか、私にも星が届きますように。

4/26/2023, 9:08:33 AM

流れ星に願いを


子供の頃は流れ星を探して願い事をしていた
でも3回言わないと叶わない
短い時間で3回言えた事はない
言える人なんているんだろうか?
いないよなんて思っていたけど

ある日子供相談室である人が言っていた


Q.流れ星に願い事をしたら叶うのですか?

A.短い時間で3回言えるって事は日頃から考えているから言える。いつも考えて行動しているから3回言えたら絶対に叶うよ


そうか!そうだよね!

4/26/2023, 8:54:04 AM

願い事は時間制限がある。
光が消えるまでの間に3回正確に唱えることができたら願いが叶う。少しでも遅かったり、途中で噛んだりしたら失敗だ。それが流れ星のルールである。

願いを叶えるのは、宇宙にいるよくわからない存在であるし何故3回なのかも、光が消えるまでなのかも理由はよく分からないが、理由などない魔術的な儀式なのだからそれに従うしかない。そう、魔術なのだ。空を見上げていずれ消える儚いもののために必死で口を動かすことが。

最近は人口でも流れ星を流せるようになったらしい。
どこかのベンチャー企業がそんな取り組みをしていると何かのテレビ番組で聞いた。
お祭りで花火の代わりに流れ星を、なんて日も近いのかもしれない。

自然の中に魔術があるのだと、昔は思っていた。
だから自然を人口物に置き換えると色んな不具合が起きるのではないかと、恐怖したこともあった。

でもこの場合、自然というのは祈りを捧げる人の心だろう。心は最も大きな自然で、魔術的なものである。

私が引き寄せの法則だの、スピリチュアルを好まないのはあれが安い魔術であるからという理由である。
金や地位だけではなくもっと大きなものを想像し信じ、偉大なる魔法使いになることこそ目指すべきではないだろうか。

そんなことを思う。

4/26/2023, 8:52:53 AM

《流れ星に願いを》





午後の仕事が始まる5分前。
休憩室の片隅で彼女が難しい顔をしてスマホを凝視してる。
チラリと見えた画面にはずらりと並んだ雨マーク。
アプリで天気予報を見てるらしい。

「どうしたの?」
「うん……夜までに天気回復しないかなって思って」

でもこれじゃ無理かな、と微かに漏れた声は諦め混じり。
確かに朝の天気予報でも明日の朝まで雨だって言ってたな。

「今夜、何かあんの?」

あくまで何気ない風を装って探りを入れる自分のチキンさに呆れる。
デートの予定か何かだろうか。
こんなに可愛いんだから、そりゃあ彼氏がいたっておかしくないよな。
でも女友達との予定かもしれないし。

「予定っていうか……今日、流星群の日だって言ってたでしょ」

彼女は画面に目を向けたままだったけど、小さな声で答えてくれた。

そういえば何日か前にそんな話題になったっけ。
些細な雑談を覚えていてくれたことが少し嬉しい。
……いや、嘘ついた。かなり、嬉しい。

確かに今日は流星群の活動が極大になる。
ピークの時間は真夜中から夜明けだけど、予報通りなら今夜の観測は絶望的だろう。

「流星群、そんなに見たかったんだ」
「うん。流星群ってくらいだから、いっぱい流れ星があるんでしょ。私の願いごと1つくらい叶えてくれるかなって」

照れくさそうに笑う顔。
冗談めかしてるけどその瞳にはどこか必死さも透けて見えて。
ほんのり染まった頬と耳から、その願いがどんなものだか窺えて。

ああ、これは失恋決定かな。

流れ星に願いをかけなくたって、彼女ならきっと恋を叶えられるだろう。
彼女のことを狙ってる男は多い。
このバイトの職場でも、学校でも。

でも、彼女がそんな迷信にも縋りたいって言うなら。
こんな風にがっかりしてる顔なんて見たくないから。

「流星群の極大は今日だけど、今日じゃなきゃ見れないってわけじゃないよ」
「えっ?」
「今日がピークってだけで、数は少なくなるけど前後何日かは一応見れるから。根気は必要だけど」

どこのどいつか知らないけど、恋敵に塩を送るようで馬鹿みたいだとおもうけど。
それでも彼女の顔が曇るより、晴れやかな笑顔が見たいから。
だから。

「願いごと、きっと叶うよ」

流れ星と一緒に背中を押そう。
告白もできないヘタレな同僚だけど、この一言が君の勇気の助けになればいい。

うまく笑えているだろうか。
たぶん大丈夫だと思いたい。
だって、彼女が恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑ってくれたから。

「ヤバい尊いもう叶っちゃったよ効果絶大すぎだよ流星群まじ感謝」

ものすごく小さな声で彼女が何ごとか呟く。
聞き返したけど「何でもない」と言うばかりで教えてはもらえなかった。

4/26/2023, 8:51:19 AM

【流れ星に願いを】


流れ星と聞いて、真っ先に頭に浮かんだのはアニメで見かけた満点の青空の中を走る星だった。私は、流れ星という言葉は知っているが、実際にどのようなものなのかは全く見たことがない。
願いを込めるにしても一瞬を走るその星に三度も願いを唱える暇などあるのだろうか。
この言葉を聞けば、必ずそう考えてしまう私には、“もしかしたら”を楽しむ子供心が消え去っているのかもしれない。

4/26/2023, 8:19:28 AM

※BL要素がありますので、苦手な方はご注意ください。


「所長って流れ星に三回願い事唱えたら、ってやつ信じてなさそうですよね」

 まとまった休みを、僕の家で一緒に過ごしているときだった。
 前日まで友人と一泊二日の小旅行に出かけていた昇(のぼる)くんの土産話を聞いている途中、突然なにかを思い出したかと思えば、そんなことを言われた。

「突然だね。まあ、その通りだけども」
「やっぱり」

 隣に座る昇くんは小さく笑った。年齢より幼く見えるその顔に、いつも密かに「萌え」ていたりする。
 子どもの頃、助けてもらった祖父が憧れの人だったと目を輝かせながら、孫の僕が引き継いだ探偵事務所の門をくぐってやってきてから一年ほどが経った。
 彼はすっかり馴染んだし、先輩の梓くんにもいい感じに可愛がられている。
 なにより、僕の大事な大事な恋人にもなった。

「泊まったホテルの屋上で星空鑑賞会やってて、参加してみたら流れ星が見れたんですよ! でも一瞬過ぎて願い事なんて言うヒマないですねアレ」
「当たり前だよ。ていうか来るのがわかってたとしても、単なる迷信だから無駄無駄」

 ちょっと言い過ぎたかな? でも理屈が通らない事柄ってどうにも気持ち悪くて納得できないんだよね。昇くんはこんな僕の性格は充分わかってくれているとは思うけれど。

「まあ、願い事がないわけじゃないよ」
「えっ、なんですか?」

 瞳を輝かせた昇くんが覗き込んでくる。そんなに期待されるとちょっと恥ずかしい。

「絶対叶うなら、愛愛愛! って叫ぶかな」
「あい……?」

 眉根を寄せている昇くんの頬に触れて、続ける。

「昇くんともっとラブラブになりたい、ってこと」

 単なる悲鳴か反論だったのかはわからない。
 唇を食むように何度か角度を変えたキスをし終わると、怒ればいいのか恥ずかしがればいいのかわからない昇くんの表情があった。

「所長っていきなり論理的じゃなくなりますよね」
「え、そう?」
「そうですよ! いきなりら、ラブラブとか言い出して!」

 結構本気で願っているんだけどな。今でも充分幸せだけど、たとえば「僕なしじゃ生きられないです!」とか言われてみたい、なんて。本当にそうなったら、昇くんらしさが消えてしまうから本気で願っているわけでもないけど、一日くらいなら……。

「だ、大体今も結構そうじゃないですか。おれ、ほんとに所長のことす、好きですもん」

 視線は逸らしつつ、こちらの服の裾を遠慮がちに掴んで、なんとも可愛らしいことを言ってくれる。なのに僕ったら、ちょっとだけ意地悪したくなってしまった。

「本当に?」
「だったらキスとかしません」
「じゃあそのキス、たまには昇くんからしてほしいな」

 反射的に僕を見た昇くんの瞳がいっぱいに開かれている。昇くんは照れ屋さんだし、僕からするのは全然嫌いじゃないけど、たまにはされる側の立場に立ったっていいでしょ?

「願い事三回唱えれば叶うかな? あーい」

 ずるい、と恋人の表情が訴えている。別に激しくなくても……いや、それはそれで嬉しいし、燃える。

「あーい」

 一瞬視線を伏せた昇くんが、勢いよく距離を詰めてきた。背中にソファーの柔らかな感触が走る。

「あー……」

 三回目の言葉は、押し倒した勢いとは裏腹に優しく、けれど深いキスに飲み込まれた。


お題:流れ星に願いを

4/26/2023, 8:15:25 AM

【流れ星に願いを】

今まで生きてきた中で、流れ星を見たことは多分ない。
アニメやゲームなどで、流れ星を見たことはあるけど、フィクションで流れる星に願い事を言ったところで、叶うわけがないだろう。そんな卑屈な考えを持っている。

だから、私は実際に流れ星を目の当たりにして、それが消える前に願い事を言い終える、という体験をしたい。
それが私にとっての一つの願い事だ。

4/26/2023, 8:12:13 AM

流れ星に願いをかけて、本当にそれが叶っていたら世界はとっくに滅びてる。ああいう迷信に縋って希望を見出して生きる人類愛おしいね。

4/26/2023, 7:52:48 AM

流れ星に願いを

真夜中。
都会の空は星など見えない。
代わりに地上にはこれでもかというほどの
蛍光灯とLEDライトの光が瞬いている。
いつかに見た願い星。
さらさらと流れる筋たちの夜。
車のランプが駆け抜けていく。
似ているのにどこかが違う。
この流れていく地上の星たちには
いくら願っても
私の思いは聞き届けてくれないんだろうな。

4/26/2023, 7:42:03 AM

見上げた時空に見えたのは、消える直前の流れ星の尾だった。もう一度流れないかと、濃い群青の空を見上げる。

次に流れたら何をお願いしよう。ワクワクしながら見上げ続ける裏側で、お願いしたい事なんて何も思い浮かんでない自分が、自嘲気味に下を向く。

ほとんど諦めて生きてきた。欲しいものも、食べたいものも、行きたいところも。お金をくださいと願いたいが、そういう下世話なお願い事は、流れ星には似合わない気がして、できそうにない。

星が流れた。ただ、流れて行くのを見ていた。明日もいい日でありますように。空を見上げるのをやめ、家へと歩き始めながら祈った。

4/26/2023, 7:33:19 AM

ー愛しいあの人へ 
            愛を込めてー

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