『泣かないよ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
泣かないよ
「もぉ〜、泣くなっての泣き虫」
「泣いてないもん!」
「どこがだよ。出てんじゃん、涙。ほらいい加減泣き止めっての。どうすんだよこんなので泣いちゃってさ…」
薄暗い廃墟の中、座り込んで泣いている高校生ぐらいの女子と、全身を黒で包んだ一人の男性がそこにいた。
男は面倒くさそうにしゃがみこんで彼女の涙を雑に拭った。
そして、彼女たちの隣には一つのぐちゃぐちゃになったナニカ、と一つの…死体。
「なあ、お前やっぱ向いてねえよこの仕事。諦めて今からでも普通の暮らしに戻ったほうがマシだ。確かにお前の体質と才能は異常だ。でも、だからといってここにいる必要はないんだ。お前がそうやっているうちは。
なあ、お前がここに来て何ヶ月経った?」
「4ヶ月ぐらい、です」
彼女は少し怯えたように男の質問に答えた。先程おさまった涙が、再び彼女の頬を伝う。そんな彼女を見て男はため息をついた。
「そうだな、4ヶ月だ。もう、4ヶ月だ。お前以外のやつはもう全員こんなくらいの雑魚なら倒せるようになってる。なあ、こんなのも倒せないくせにお前は…。医療班に送ろうにも人の死体どころか、ちょっとした傷で顔真っ青にするやつがまともに働けるとは思えねえし…」
「でも、しょうがないじゃないですか! こんなもの私は今まで見たことも、聞いたこともなかったんですから! それなのにいきなりこんなやつと戦えって言うし、人はたくさん死ぬし…」
男の言葉に、彼女は大粒の涙をボロボロと流しながら反論する。すぐそばに転がっているナニカ、を指さしながら。
彼女の指の先にあるものは『変異特』とよばれる怪物だ。なぜ現れるのか、なぜ人間を襲うのか、どのような仕組みで生まれ、動いているのか、生態を含む全てが謎に包まれている。
そんな奴らに対して対処・研究を秘密裏に行っている組織があった。その組織のは「Wh.スノウ」といい、彼女らはここに属している戦闘員だった。彼らの仕事はただ一つ、変異特を迅速に対処し研究班に受け渡すことだ。
そんな彼らにはそれぞれ「異能」と呼ばれる一つの能力を持っていた。
そして先程から泣いている女子高校生、白雪凜花にはその「異能」のなかでも特でも異彩を放つものだった。そんな彼女を見つけこの世界へと勧誘したのが、先程から白雪に対してぐだぐだと説教をしている男、鷹司慧だった。
鷹司は白雪に対して期待していた。それほどの力が彼女にはあった。だが、その期待はすぐに打ち砕かれることになった。
彼女は病的なほどに、それはそれは病的なほどに泣き虫だったのだ。虫を見ればすぐそばにいる人間に泣きつき、転べばまるで幼稚園児かのように泣き叫び、他人が少しでも怪我すれば泣きながら卒倒、就寝時では未だに暗闇で寝ることができない。そんな具合であるから、この世のものとは思えないほど醜い形をしている変異特を倒すなど、到底無理な話だった。
「はぁ…、なんで俺はこんな泣き虫をスカウトしたんだか。そんな才能があっても、こんなんじゃ宝の持ち腐れだってんだ」
鷹司のその言葉に白雪の涙が増した。鷹司はもう何度目かもわからない大きなため息をつく。
「ほんとにどうすっかね…、泣き虫で弱虫まじで救いようねえって。最近、コイツらの動きも活発化してきてるってのに…。あ、しまった早く研究班に連絡しねえと、泣きよわ虫の相手してる暇はねえってのに、余計な時間を」
「はぁい、そこまでだよ慧ちゃん。それ以上憎まれ口たたかないの」
鷹司の言葉を遮って一人の男がきた。
その男の雰囲気はいかにも軽薄だった。長い金髪を適当にまとめ、Tシャツと黒のスキニーの上にくたびれた白衣を羽織っている男だ。
「武蔵か。どうしてここに居るんだ?」
「どうしてもなにも、あんたと凜花ちゃんが帰ってくるのがあまりにも遅いから迎えに来たの。変異体の回収もしなくちゃだし、今回は死体も出るって話だったからね。あと、名字で呼ぶなっての」
「リンさん…」
「あらあら、凜花ちゃん。またあのおバカに泣かされたの?」
「おい」
武蔵は鷹司の近くで座り込んでいる白雪に話しかけた。
「うう…」
白雪は武蔵の優しさでさた涙がぶり返した。
「はぁ、また泣いた」
鷹司は白雪を見てうんざりそうにつぶやく。
「もう、慧ちゃん! そういう態度を取るから凜花ちゃんが萎縮するんでしょ? もう、凜花ちゃんは私が連れて行くから、あんたは先に本部に戻ってて」
「言われなくても」
鷹司は白雪を一瞥し、彼女に対してはなにも言うことなく出口に向かっていった。
「ったくあいつは…。責任を持てっての。…凜花ちゃん、大丈夫?」
「はい…、大丈夫です。すみません、お手を煩わせて。ただえさえ役立たずなのに」
「そんなことは…」
「いいんですよ、自分でわかってるんで…」
白雪は武蔵の言葉を遮り、そしてそのまま話を続ける。
「でも嬉しかったんです最初は。私、今まで何もなかったから。でも、だめですよねこんなんじゃ。わかってるんです、でもここからいなくなるのは嫌なんです。私に期待してくれたのは鷹司さんだけだから、私は期待にこたえたいんです、まあ結局何もできていませんが…」
白雪は先程とは打って変わって、芯の強い目で武蔵を見つめる。そこには先程の弱々しい彼女など存在していなかった。
「はは、なんだ。随分としたたかじゃん」
心配する必要なかったじゃん、と言って武蔵は白雪の頭を撫でる。
「今の凜花ちゃんは泣き虫とは程遠いね。さあ、帰ろう」
「おい、白雪何してんだ! 逃げろ! お前が敵う相手じゃないんだ、応援を呼んでこい!」
「でもそうしたら鷹司さんが危ないじゃん! 動けないんだから黙っててよ!」
絶望的だ、としか形容できない状況だった。都市の半分が崩れ、あたりは火の海となった。一般人と合わせて一体いくら人が死んだだろうか。
白雪と鷹司の目の前にいるのは、強大な敵。実際、鷹司はその敵に敗れていた。足の骨は砕け、全身は傷だらけ、異能ももう余力も残ってない。
鷹司は決して弱くない。むしろ強い分類に入る。実際、彼は組織のトップ10だ。
そんな彼が敗れるほど、敵は強大だった。急激な異能特の進化と活発化。それにより異能特は新たな力を手に入れた。それが人間の乗っ取りだ。
そして今彼女たちと敵対している敵は人間だ。いや、人間だったという方が正しいだろう。それだけに収まらず、その人間だったナニカの体は、Wh.スノウの一員であり、白雪の同僚であった。
白雪は今、鷹司をかばいその元同僚に立ち向かっている。
「お前には無理だ! お前にそいつは殺せない! 他人が傷を作って卒倒する人間が、仲間を殺すのは無理だろ!?」
鷹司は白雪に向かって懸命に叫ぶ。彼女は怖がりで泣き虫だ。はたしてそんな人間が、元とはいえ人間を、同僚を殺せるだろうか。
それに、鷹司は気がついていた。彼女の、白雪の手が震えていることに。
「大丈夫だよ、鷹司さん。私、もう泣かないよ」
「は?」
「だから、安心して」
「何言って…! お前手ぇ震えてんだろ、そんなんで本当に戦える訳g」
「ごめんなさい、鷹司さん」
不自然なほどに白い空間。気を抜けば飲み込まれて、そのまま消えていってしまうような、そんな危うさをもつ空間。そんな場所に、鷹司は立っていた。
彼のそばには、一つのベット、そしてそこには人が眠っていた。
「ッチ、胸糞わりぃ。なんでこいつがこんなんになんなきゃいけねぇんだ。なあ、白雪」
ベットで眠っているのは白雪凜花だった。彼女は先の戦いで鷹司をかばったのちに、勝利。強大な敵を倒しかつ貴重な研究材料を手に入れ、その後、良い方へと展開していくと思われたが、現実はそう上手くはいかなかった。
白雪凜花の異変。先の戦い後、もう泣くことのなくなった彼女は、鷹司の元を離れて任務にあたっていた。そんな中、彼女は突然眠りを始めた。
「泣かねえお前ってのも、なんだか味気ねえな。まるで機械だったよ。あの時からのお前は」
鷹司の言った機械のようだという表現は言い得て妙だった。
彼女は機械になってしまったのだ。いや、機会というよりはシステムというべきだろうか。
彼女は眠ったまま、白雪というシステムとしてWh.スノウを動かしていた。
「なにが、もう泣かないだよ。泣かないどころか話もしなくなりやがって…」
鷹司は悲しそうに白雪を見る。ピクリとも動かない身体、生気のない肌色…、どれも死人のようだった。かすかに彼女の鼻から聞こえる呼吸音のみが、今日も彼女が生命維持をしていることがわかる唯一の要素だった。
「…俺のせい、か。お前がこんなんになっちまったのは。俺があの時お前を勧誘しなかったら…、俺があの時負けなかったら、お前はこんな風にはならなかったのか?」
「ああっクソっじれってぇ、大体俺はこんなことでしみったれてる暇はねえんだ」
「なあ、白雪。今日はお前に誓いを立てに来たんだ。いいか、よくきいておけ。俺は絶対になかねえ。今も、過去も、これからも、絶対にだ。だから早く目覚ませ、お前は俺の分も泣け。そのために俺は今日行く。最終決戦だ。
わかったら、泣く準備でもして待ってろ」
もう泣くことのできない俺の代わりに。
鷹司はそれだけいうと白雪の方をもう見なかった。
そのまま出口へと歩き始めた。
むせかえるような暑さの夜。
星が煌めく、美しい夜。
君は、突然現れた。
空から舞い降りてきた君は、
まるで まるで テンシのようだった。
灰色のビル。
騒々しいほど煌びやかな光達に照らされて
君は屋上から舞い降りる。
僕は君にもう声をかけることはできないけど
僕は君にもう笑いかけることはできないけど
それでも それでも。
僕はもう泣かないよ。
だって
僕は君にまだ、好きだと伝えてないから。
今、行くよ。
泣かないよ
私は人の別れはあっさりで、卒業式すら
泣くこともない薄情者。
昨日で分かった……自分は泣いていた。
友達に心配したくないから、私は距離を置いて、
静かに泣いた。
私は大切な人ほど、寂しさが増してしまう。
泣かない。
こんなことで泣いていたら始まらない。
そんなことはわかっているが、目から透明な涙がこぼれる。
例え友達に裏切られようが、親に自分のことをわかって貰えなかろうが泣かなかった僕が
こんなに泣く理由。
居なくなったんだ。
僕が寝ている間に。たった一人の家族だった。
僕といると一切苦しそうな顔なんて見せなかったくせに。
でも彼女はきっと苦しかったのだろう。僕のことを思って隠していただけなのかもしれない。
だから泣かない。ここで泣いたら彼女が我慢してきた意味が無くなる気がするんだ。涙をふいて立ち上がった。
今日から僕はまた今まで通りの生活に戻るんだ。ただそこに君はいない。
でも僕は信じている。いつかまた君と何らかの形で会えるんじゃないかと。
どんな形でも僕はまた君を愛するだろう。
猫は死ぬ間際 飼い主の元から去るらしい。
今までありがとう僕の愛しい猫。
―泣かないよ―
白い死神(風)「僕が殺せば悪になるあなたは殺せば正義になるあんたが正義になったのは、僕の大切な家族を殺したからほんと同じ殺すなのに違うのねぇ、教えてよ天使さん」
天使「、、、はぁヤダなぁ」
?何言ってんの?
殺したい、殺してやりたい、
グチャグサ( ᐛ )/🔪グサッグサッグサッ
あぁごめん……なさい
涙が止まらない
赤い夕日に照らされて
溶けていくのがわがる
泣かないよ、私は泣かない。
だって、
さよならじゃないんだもの。
さよならじゃないんだから。
泣かないの、私は泣かない。
星が空に溢れた日
君が世界に溶けた夜
幾千もの蠢く光
夜光虫が鳴いた夜
星が流れる川の中で
君が手から溢れ落ちた
君を失くしたあの夜に
ただひとつだけ掴めたもの
光の中から掬い出した
君の目だけを連れ出して
涙を流さぬ君の目が
思い出させたあの約束
守れるわけない約束に
私の涙を一滴捧ぐ
「−泣かないよ−」
....また15連勤が確定した。ためているお題の執筆ができないのは、楽しんでいただいている皆様や待ち遠しく思って頂いている皆様に申し訳がなく辛く悲しい。泣いてもいいですか?
明日、お仕事が早く終わったら
執筆したく存じます。
どうか私のことを見捨てず、お待ち頂けましたら幸いです。
【泣かないよ】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/16 PM 5:45
「もー、真夜(よる)くん、
いつの話をしてるの~。
確かにお化け屋敷もホラーも
今でも苦手だけど、さすがに
子供の頃みたいには泣かないよ?」
「……本当に?」
「……う。そう念押しするように
聞かれちゃうと……宵ちゃーん」
「泣かないわよ。真夜は心配しすぎなの」
怖がりだという古結(こゆい)と宵が、
泣かないと言い張っている。
恐怖心は、年齢を重ねると薄れるもの
なんだろうか。
子供でも大人でも、怖いものは
怖いような気がする。
「2人がホラー系がダメなのは
把握したけど、真夜は大丈夫なのか?」
「オレ? ……オレは、人の手で
作られたことが明らかなものが
怖いっていう感覚が分からない」
「なるほど」
「天明(てんめい)は?」
「好き好んで、って感じではないな。
でも、お化け屋敷やホラー映画なんかも
誘われて断るほどじゃない」
「あ。それは誘われたことがあるって
言い方だね、天明くん」
「ああ、サッカー部の仲いいメンツに、
ホラー好きが1人いるんだ」
夏休みに、サッカー部員で行った
お化け屋敷を思い出す。
「……もしかしたら、ミステリーが
好きな真夜(よる)は、あのお化け屋敷、
楽しめるかもしれない」
「うぅん、どんなお化け屋敷なのか
聞きたいような聞きたくないような。
……でも気になるから、教えて、
天明くん」
「本物の古民家使ってるお化け屋敷
なんだけどな。その家に殺人鬼が潜んでて」
「え」
「そいつに見つからないように
隠れたりしながら、家の中を調べて
ヒントやアイテムを探して脱出するのを
目指すっていう……」
「襲われる恐怖がある中で、探索や推理も
するってことか。確かに、お化け屋敷と
しては珍しいし、楽しいかもしれない。
……行ってみる?」
「そんなリアルにクトゥルフTRPGを
体験させられそうなおうちは
遠慮したいかな!」
泣かないと言っていたのに、
完全に涙目になっている古結が
宵に抱きつきながら言う。
古結を抱き締め返している宵も、
平静を装っているようだが
顔は真っ青だ。
「……2人のSAN値が限界を下回りそう
だから、やめておく」
「SAN値がなんなのかは分からないけど、
無理なのは見て分かるよ」
2人には悪いと思いながらも、
笑ってしまう。
真夜が過保護になってしまうのは、
こういうところをずっと側で
見てきているからなんだろう。
拝啓、まだ出会いもしていない貴方へ
はじめまして。こんな手紙をいきなり渡してしまいごめんなさい。そして、見てくれてありがとう。この手紙が届いてくれてありがとう。
唐突ですが、私は出会いもしていない貴方のことを待ち焦がれて焦っています。
焦りから情緒不安定になり、貴方と会えるのを妄想しただけで、ポロポロと期待と不安で涙を零してしまうくらいに、私は貴方のことを待ち焦がれています。
待ち焦がれては、「貴方と私は会えないのでは無いか」「もっと意識を高くしていかないと貴方と釣り合わないのではないか」と焦ります。
私は正直言います。寂しがり屋です。寂しいからひとりでごっこ遊びをしたり、寂しさを拭うために抱き枕を使うくらいの変人な寂しがり屋です。
片付けは苦手です。料理もきっと面倒くさがります。精神的に辛くなればお風呂をいやがり、そのくせ夜はSNSの友達と大声で会話します。散財癖もあります。
そしてこの手紙でもわかる通り、私は不思議な事、所謂「スピリチュアル」に興味を持つ変な人です。どのくらいかと言うと、占いが出来ちゃうくらいには興味を持っています。
でもきっと、そんな私を貴方は選んでくれる。
なぜだかその感じがしてしまうのです。
だから、貴方に出会うまでは、弱々しい自分を封じることにします。頑張ります。
もしかしたら、貴方に出会った時に、私は貴方を見るやいなや泣いてしまうかもですね。
その時に、貴方が泣きじゃくる私を抱きしめてくれることを期待して、涙を貯めておきます。
毎日が怖いです
人の目も…何もかも
いつか安心する日がきますように
「夕食は俺が作るよ」
新しい隠し味を思い付き新鮮な食材を揃えた。腕を捲って実行に移そうと具材を半分に切り、みじん切りの最中に玉ねぎから攻撃を受けた。
どこまで耐えられるかと玉ねぎの攻撃をそのままに切り続けていると、滲んだ視界で指先が鋭い包丁の犠牲に。
意識しても流れる涙を止められず、タオルで目を抑えてリビングで絆創膏を求めるも、視界が制限されて探しにくい。俺を2度見して救急箱を用意する君のもとへ。
「泣くほど…深かったの?」
血で濡れた人差し指にタオルで顔を隠していれば…、まぁ、痛みで泣いていると思わなくもない。あいにく怪我には慣れっこだ。この程度、かすり傷にも入らない。が、涙が引かない。
「君も知ってるだろ?これは別。食材が手強くてさ」
血を拭き取れば切ったなんて分からないほど綺麗な傷口だった。君がやさしく絆創膏を付けてくれる間に「ハンバーグを作ろうとしてたんだ」と夕食のメニューを明かす。
「こんなにしみたかなぁ」
瞬きを繰り返しても成分か何かが残ってるらしく、なかなか本調子に戻らない。
「疲れてたんじゃない?代わりに私が作ってくるから休んでて」
「助かるけど…。奴は強敵だ。泣かないでよ?」
「頼られるみたいで嬉しいから『泣かないよ』」
ふふん、と上機嫌に立ち上がった君がキッチンに向かって数十分。
グスグスとティッシュで鼻をかみ、タオル片手に戻ってきた。
「何あれ。すっっごいしみる…」
「…君も駄目か」
「ううん、強敵は寝かせてきたの」
「頼もしい」
「あとは、選手交代で」
生地を寝かせてると言うから君がおさまるまで傍にいられる。俺の症状は大分落ち着いて、君のタオルを奪うとポロポロと落ちていった。「返して」と君の感情とは関係のない涙に色はなく
「俺の代わりにありがとう」とひとつ丁寧に吸い上げた。
「たかが玉ねぎの話なのに」
「なんだか勿体ないんだよ」
泣かないよ
泣かないよ、約束だもの。
君が虹の橋を渡るとき、笑って送ると約束したものね。
泣かないよ、お兄ちゃんだから。
僕はそう言って母に向かって微笑んだ。
少し歳の離れた弟が産まれたのは、僕が7歳の頃だった。本を読むのが好きな僕とは反対に、弟は外で活発に遊ぶいわゆるやんちゃな子で両親の関心が弟に寄るのは自然なことだった。
弟は本当に嵐のような子どもだった。
僕のおもちゃを奪い、壊し、大切に読んでいた本はジュースにまみれにされたこともあった。
それでも僕はお兄ちゃんだからと許してあげてと両親に諭されるばかりで、少しだけ黒いこの気持ちをどこに投げたらいいのか分からなかった。
ひとつだけ分かっていたことは、泣いてはいけないということだった。弟は小さいから僕の物を壊すのはどうしようもないし、だからそれを両親に訴えたってただ困らせるだけ。泣かないことは僕がお兄ちゃんとして果たすべきことだとさえ思っていた。
そうして弟が僕の物を壊さなくなるまで泣かずに過ごした僕は、ついに涙が流せなくなった。
泣き方が、分からなくなってしまったのだ。
「…だからかな。僕が泣かないのは」
心配してくれてありがとう、迷惑かけてごめんね。と先輩は困ったように眉を下げて笑った。俺は語られた先輩の過去にただただもどかしさを感じるばかりで、気の利いた言葉ひとつかけてあげることができなかった。
泣きそうな顔はするのに、決して泣くことはしない。そんな先輩の心の拠り所になりたいと願った俺は、自分より少しだけ小さい背中に手を回して抱き寄せた。
泣くのが下手くそなこの人が、自分の前で上手に泣けるようになるまでずっとずっとそばにいようと思いながら。
君は強いから滅多に泣かない。
僕は君が泣いているのを見たことがなかった。
でも今君は泣いている。
君が言い出したことなのに。
僕だって泣きたい。僕こそ泣きたい。
でも泣かないように堪えているわけじゃない。
薄々勘づいていた。
だいぶ前からこうなるだろうとは思っていた。
僕も君も、どうせ興味が失せて、
数年後には忘れているんだろう。
忘れなくても、忘れようとするんだろう。
君は今、僕のために泣いているのか。
自分のために泣いているのか。
僕には分からないけれど、
僕は、君のためには泣かないよ。
「泣かないよ」
「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
というオプチャをご存知ですか!?!?
オープンチャットってなんやねんって人も大歓迎!!
いつでもメンバー募集中です!!
気軽に入ってみてください!
特に、今日3月18日が誕生日な方はぜひ入ってください!
待ってます!
「泣きたくない。泣かないよ。」
私は小さく呟いた。溢れ出す涙と皆からの冷たい視線。
何故こうなってしまったのだ。私は下を向いて涙を拭く。皆からの怒号と罵詈雑言が突き刺さる。心が痛くて仕方無い。ただ立ってるしか無かった。ぼんやり突っ立て居れば気付かれずに済むと思って。
泣かないよ。
いつまで泣いてだ!!
またなく〜!!
泣いても解決しないよ!!
泣いても誰も慰めないよ!!
その言葉は全て泣かない、泣いてない人からの言葉…。
そつが泣いてる時は私はどぅ声かけたらいんだろ。
いつも私に言ってるだろ!!
だから泣くなよ!!!
気持ち分かった?
もぅ泣かないよ!!
少なくともあんたの前ではね!!
泣かないよ
何て言わなくても良いのよ
減るもんじゃない 溜まりもせん
涙って、嬉しいときも悲しいときも悔しいときも
腹立ったときも、、、、
いろんなことに使える万能な感情表現なんだから
泣き顔はみんなかわいいのよ 誰が言おうと
だから人目もはばからず、我慢せず
スッキリさせよう
そしてまた明日からシャキッとできたら良いんです
涙は傷薬の役目もしてくれます
揺らいだ心を癒す神秘の塩水なので~す
ちなみに汗は物理的にはスッキリできる塩水ですね
そう考えると人間って塩水ばっかり出してるなー
やっぱ塩水は心の傷口にも沁みるんだなー
皆さん塩分過剰摂取にはお気をつけを
完
【泣かないよ】
友達は、いつも泣いてばかりいた。
逆上がりに失敗した時、発表でのセリフを間違えた時、食事に苦手な枝豆が出た時……どんな時も泣いていた。
そのたびに「弱虫」「泣き虫」「へなちょこ」と呼ばれる友達を泣き止ませることが、私の役目だった。
私は友達を励まし、笑いかけて、支えた。
私も、どんな時でも泣いてしまう友達のクセは、あまり好きではなかったけど、嫌いにもなれなかった。
今でこそ、身体も心も成長した友達は泣かなくなった。
逆上がりはできるし、発表でのセリフを間違えることもないし、食事に苦手な枝豆が出ても食べられる。
「もう、泣かないよ」
友達は笑顔で、私に力強く言った。
すでに「泣き虫」と呼ばれていた頃の面影はなかった。
そんな友達に「成長したね」と笑顔で返す。
なぜだろうか、少し寂しいよ。
あーあ。
おめめとれちゃった…。
公園ベンチに座ってクマちゃんを見つめる。
右目がころんと垂れ下がってクマちゃんも泣いているみたい。
よく見るとあちこちよごれていることにもきづく。
わたしも かなしくなってきた。
クマちゃん、ごめんね。こんなにだいじなのに…
涙がでてこないようにぎゅっとクマちゃんの手をにぎりしめた。
「どうしたの?大丈夫?」
やさしい声が上から聞こえた。
その姿を見て、気づけば ぽたぽた泣いていた。
「かわいいクマちゃんだね」
そう言って頭をなでてくれた。
「いいものがあるよ」
そういって1枚の紙をくれた。
“あなたのたいせつなもの、なんでもなおします”
「今度の日曜日、クマちゃんを持っておいで。」
ほんとうになおるの?ほんとうに?
わたしはぴかぴかになったクマちゃんをおもいうかべてみた。
たのしくなってきた。
クマちゃんをぎゅっと抱きしめて、
もう泣かないよ、ってクマちゃんに言った。
にちようびはもうすぐなんだから。