『泣かないよ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
これは、私が彼に向けて書いた手紙。
お互いに恋愛経験の少ない中で必死に正解を探し続けた。そして、それぞれで導き出した答えは合わなかった、だけのお話。
なんで別々に考えちゃったのだろうね、2人で考えれば、途中式が違っていたらその時にお互いに気付きあえたのにさ。
過ごしていく中で、お互いのことを思ってお互いに苦しめ合った、よくある表現だけど、ほんとこのまんまだったよね
私があなたと出会ったのは偶然だったのかな。けど、偶然にしては出来すぎていたよね。
「よくそんなに映画見れるね。」
2本続けて約5時間ぶっとおしで見続けた君に私は言う。
「そんなことないよ。」
2本目のエンドロールからも目を話さずに君は言う。
1本目はラブロマンスで涙を流していたかと思えば、2本目にはサスペンスでハラハラしている。相変わらずの雑食ぶりに思わず笑ってしまう。テレビ棚の上には計3本のブルーレイが置いてあるから、おそらく今日はあと2時間はテレビの前を独占するのだろう。
初めてのデートで立ち寄ったレンタルビデオ屋さんで私は久しぶりだったものだから、懐かしいなと棚を眺めていると、向こうの棚から10本以上のブルーレイを山積みにして運んできた君を思い出す。前から映画が好きなのは知っていたけれど、流石に吹き出してしまった。
愛嬌と優しさがあると言ってくれてありがとう
俺は、君の愛嬌と優しさに感動したんだよ
俺の愛嬌と優しさを、君が感じたのなら
それは、君のおかげだよ
僕は泣かないよだってお兄ちゃんだから、お母さんが居なくても僕といっしょにやっていく。
だから、お母さんが居なくても、僕は泣かないよ。
辛くて泣きたくなる時もあるけどね。
泣かないよ
「寂しくなると思ってずっと言えなかったんだけど、私明日引っ越すの」
突然のあなたからの告白に何も言えなかった。
どうして言ってくれなかったのだろう、私たち親友だと思ってた。親友なら一番に言ってくれるものじゃないの? いや、親友だと思ってたのは私だけだったの? そうか、だから何も言ってくれなかったんだね。
お見送りなんて行ってやるもんか、と思っていたのに駅まで来てしまった。
「来てくれてありがとう。あの、引っ越しのことずっと言えなくて本当にごめん、悲しむ顔見たくなかったの」
ドラマでよく見るけど、こういうときって、2人で泣きながら抱き合うんだろうなと思った。泣かないよ、私は。
発車の合図のアナウンスが鳴り響いた。あなたはなんだか気まずそうに、
「じゃあ、行くね」
と言って、新幹線に乗り込んだ。私は、ずっと無表情のまま何も言わずにあなたの姿を目で追った。そのまま顔色を変えずに見送るはずだったのに、新幹線が発車して、あなたの姿が完全に私の視界から消えた時、私の目から一粒、二粒と涙が溢れた。絶対泣かないと思ってたのに泣いちゃった。本当は分かっていた。いつもあなたは私のことを思いながら話をしてくれていた。クラスメイトが陰で私の悪口を言っていたことも、他の子は教えてきたのに、あなたは何も言わずに笑っていた。私が悲しむと思ったのだろう。だから引っ越しのことも言えなかったんだよね、気づいてたのに気づいてないふりをした。
私から会いに行くね、必ず。
泣く=弱虫。
だから泣かないよ。
なんて言うけれど、泣くことが悪いことでは無いと思う。
泣く事は弱さでは無い。
私は強さだと思う。
泣けるということはまだ強くなれる可能性を秘めているから。
小さい頃はいくら泣いても良かったのに大人になって泣いてしまったらそれは言い訳だとか弱いからだとか言われてしまう。
悔しくて泣く、悲しくて泣く、後悔して泣く
感動して泣く、痛くて泣く
色々な理由で私達は泣く。
それは1種の感情だ。
大人であっても。
子供であっても。
それが、感情だ。
泣くこと=弱さ
なんて方程式は要らない。
大人になってしまった私達は人前では泣けなくなってしまった。
そうならざるを得なくなってしまっている。
確かに泣いてしまって迷惑をかけてしまう時もある。
だけど、感情というものはなかなか制御は難しい。
迷惑だな。弱虫だ。言い訳だ。
なんて頭によぎるかもしれないが相手の気持ちに寄り添う事を小さい頃に私達は学んだはずだ。
私達の優しさの気持ちはどんどん大人になるにつれ薄れていっている。
当たり前に出来ていた優しさはどこに行ってしまったのだろうか。
遠い昔に消えてしまったのだろうか。
思い出して欲しい。
相手の気持ちになって考えるということを。
大人になっても時には泣いて甘えてもいい。
泣くことは弱さでは無い。
むしろ強さだ。
【⠀泣かないよ 】
泣かないよ
私のそばにはあなたがいてくれるから
あなたといると安心できて、幸せな気分になれる
だから泣かないよ
ずっとあなたのそばに、あなたの隣で
これからの一生をあなたに捧げていきたいです。
それぐらいあなたのことが大好きで、たまらなくい
かっこいいと人は言う
その背中は
私にとっては可愛くてたまらない
そんなあなたの背中をすぐそばで支えられる日が来るなんてあの時の私は想像することしかできなかった。
最後のひと文を書き上げて
誤字がないか確認をして封筒に封をした。
あとは渡すだけだ
あなたのそばで泣く時は感動の涙がいいな
お題[泣かないよ]
No.85
ダンジョンに置き去りにされた
今冒険者の間で、気に入らない奴をダンジョンに置き去りにするのが流行っていた。
他人事だと思っていたから、自分がそうなるだなんて微塵も思わなかった。
顔見知りの冒険者が、置き去りにされて泣きながらダンジョンから出てきたのを見たことがある。
その様子を見て大笑いしたものだが、でもこうして置き去りにされて分かった事がある。
ものすごく泣きたい。
ダンジョンの中で一人ってこんなに心細いんだなんて知らなかった。
ランタンすら持っていかれ、光源になるようなものは一つもない。
ダンジョンの壁がほのかに光っているから、進むことが出来る。
これが完全な闇だと思うとぞっとする。
それにしても理解できないのは、元パーティの奴らだ。
置き去りに関して有名な話がある。
というのも、『置き去りにされた奴は意外と帰ってくる』、『置き去りにしたした奴は全滅か著しく弱体化する』というもの。
学者肌のやつが徹底的に調べて、見つけ出した法則らしい。
調べた奴が推測では、置き去りにされた場合は生き残るため、慎重に安全に行動するようになり、結果生存するのだそうだ。
逆に追放側は気が大きくなって油断し、不相応な相手に挑んだり、格下になめてかかると言うのだ。
そりゃマイナス(だと思っている)が抜けるんだから、プラスになったと勘違いするのだろう。
結果、追放側は9割全滅、された側は9割生存。
あいつらが知らないはずが無いのだが、きっと自分たちは例外だと思ったのだろう。
そう思った事に関しては俺も非難しない。
俺だって置いて行かれるとは思わなかったから……
ただし、置いて行ったことと話は別だ。
生きて帰れたら、ぶん殴ってやる。
現実逃避にそんな事を考えながら、記憶を頼りに出口に向かう。
時折、遠くでなにかが潰される音を聞こえる。
正体不明の音に怯えながら、警戒して道を進んでいく。
この道で合っているのかという不安に押し潰されそうになる。
しばらく進むと、冒険者の死体があった。
元パーティの死体が。
オーク数匹と相打ちになったようだ。
このメンバーなら、間違っても負けるわけないのだが、気が大きくなって油断したのだろう
ダンジョン最大の敵が油断だって知っているだろうに。
恨みがあるので供養はしないが、憐れんでやる。
ともかく、こいつらの荷物を漁れば、地図と明かりが手に入る。
これで地上に帰れる。
ダンジョンはもうコリゴリだ。
「そこに誰かいますか?」
突然後ろから女性から声をかけられた。
驚いて後ろを振り向くと、妖精の様に可憐な少女が立っていた。
この場に不釣り合いなほど、かわいらしい少女。
そのあまりの可憐さに目を奪われる
俺はこの少女の事を知っている。
聖女クレアだ。
愛と平和を輪を広げるために活動していると聞いたことがある。
だが、彼女がこんな場所にいるはずがない。
なぜならここは高難易度ダンジョンであり、彼女のような非力な女性が来れるような場所ではないのだ。
見れば手には血まみれのメイスが握られている。
やはり敵か……
俺は聖女?から目を離さないよう、ゆっくりと腰の剣に手を伸ばす。
すると案の定、彼女の後ろから悪魔が歩いてきた。
グレーターデーモンだ。
高ランクの冒険者でも数人がかりでかからないと勝てない、とんでもない強て――
「ラブ&ピース」
聖女?は謎の掛け声とともに近づいたグレーターデーモンを殴り飛ばす。
いや、その表現は正しくない。
なぜなら、グシャっという音と共に悪魔の体が潰されたからだ。
一撃で。
「は?」
目の前の光景に呆然となる。
なにが起こったか分からなかった。
おそらくあの悪魔も、自分の身に何が起こったか気づいていまい。
仮にあの聖女が本物だとしても、一撃で倒すなんてありえない。
そうか!
あのメイスが特別製で――いや、持っているのは市販の安いメイスだ。
俺も駈け出しの時、使った事がある。
「大丈夫ですか?」
彼女は俺を気遣いながら、近づいてくる。
俺は目の前に訳の分からない存在に恐怖し、後ずさりする。
と、後ろの壁にぶつかり、後ずさりできなくなる。
逃げられない。
腰が抜けてしりもちをついてしまう。
「安心してください。悪魔は去りました。危険なことはありません」
彼女は、きわめて穏やかな表情で、俺に手を差し伸べてくる。
それを見た瞬間、俺は叫び声を上げて――
👿 👿 👿
「ああ、そんなこともありましたね」
俺は聖女クレアと一緒にダンジョンに潜っていた。
隣を歩く聖女クレアは感慨深げに話す。
結局、あの後彼女に連れられ、ダンジョンを脱出した。
泣きながら。
友よ、あの時笑ってスマンかった。
泣くほど怖かった。
コイツが。
「あの時のお前、マジで怖かった」
「おかしいですね。安心させれるように穏やかな表情をしたのですが。
ほかの方もものすごく怯えるのですよ。
なぜでしょう?」
「それは……もういいや。多分、分かってもらえない」
俺はため息をこぼす。
「ふふ。それにしてもあの時の貴方、とても可愛かったですよ」
「あのエピソードで俺がかわいい要素あるか?」
「はい、ありますよ」
クレアはイタズラっぽい笑みを浮かべて、俺を見る。
「ダンジョンから連れ帰るとき、恐怖のせいなのでしょうか、幼児退行してまして」
「え?ちょっと待って」
それ記憶にないんだけど。
「あまりにも泣くので慰めたのですが、その時あなたは『分かった。僕、泣か――」
「あーーーーー」
大声を出してクレアの言葉を中断する。
これ以上はマズイ。
俺のなけなしの尊厳が吹き飛んでしまう。
「『僕、泣かない――」
「いうなーー」
俺の反応を気に入ったクレアは何度も続きを言おうとして、俺が大声を出して止める。
俺の慌てっぷりを見て、クレアはう楽しそうに笑っていた。
こうして二人で大声を出して騒いだにもかかわらず、モンスターは一切近づく気配がなかった。
クレアが怖かったのか、俺に同情したのか。
どちらにせよ、早く来てくれ。
一緒にこの怪物を倒そう。
俺の心とこのダンジョンに平穏をもたらすために。
泣かないよ
仕事中涙があふれてくるような私が、家に帰って睡眠薬飲むと泣かないよ。
すごいね。
自分へのご褒美にしよう。
泣かないよ。泣き虫なあなたがつられちゃうから。
泣かないよ
泣かないよ、男の子だもん
泣かないよ、お兄ちゃんだもん
泣かないよ、強い子だもん
泣かないよ、偉い子だもん
泣かないよ、泣かないから、もう言わないで
「もう、泣くななんて言わないで」
「泣かないよ」
泣かないよ
泣いたってなんの意味もないもの
なんでそんな悲しいこと言うの。
そんなふうに閉じ込めないでよ。
あなたの悲しみも、怒りも、
悔しさも、辛さも、
みんな意味が無いなんて、
あなたの意志表示に意味が無いなんて
そんな悲しいこと。
泣いたって、その涙を、心を
全部ぜんぶ足蹴にされて、
ぐちゃぐちゃに踏みにじられるんだもの
疲れちゃうでしょ
いやだ。
そんな奴より僕を見て。
ちゃんと拾うよ、
全部抱き上げて抱きしめて、
沢山たくさん慈しむから。
真正面から受け止めるから。
だから、頼むよ、お願いだから、
伝えることを諦めないで。
「泣かないよ」
〝泣かないよ〟
泣き虫だったあの頃は、
よく泣いていて、周りを困らせていた。
大人はいつも泣かないから、不思議に思ってもいた。
でも、大人になった今、やっとわかった気がする。
私ももう泣かないよ。
だって、守りたい人が出来たから。
夜の似合う幼年と、
海の似合う若年と、
ハミングの似合う中年と、
ガーデンの似合う老年を経て、
全て無駄にして棺屋を儲からせたいのである
次の瞬間には床が抜けて落ちてしまうかもしれないのに一歩踏み出せるのはなぜだろう。それは、気にしていないから。自分の予測に信頼をおいているから。
泣かないよ
たとえ、1人だけ入賞できなくても。
たとえ、好きだった人が死んだとしても。
たとえ、明日生きているかすら分からない状態になったとしても。
だって泣いたら潰れるから。
いやでも認識してしまうから。
それならば泣かない。悲しくなどない、涙などでない。
そうして蓋をして、静かに少女は落ちてった。
泣かないよ
絶対に
約束する
だから、君は笑って
約束だよ?
ぼくが泣かなかったら
君が笑う
それが、一番だから
今朝、あいつが転校するという噂を耳にした
まあ、なんとなくそんな感じ出してたから驚きはしなかった
俺は特別仲がいいわけでもないし悪いわけでもない
ただ一人、ここからいなくなるだけだ
僕は何も思わないはずだ
あいつとの関わりも指で数えられるほどだ
別に、何も――。
『泣かないよ』
卒業式の日、泣かないよと私は言った
卒業したってまた会えるし
でも君は私が絶対泣くと言う
なんでだよと軽口を叩き合いながらいつものように学校に向かう
泣かないように卒業というものをあまり深く考えないようにして卒業式を乗り切った
ほら、泣かなかったでしょ?
君はまだ終わってないよと笑う
教室に戻ってからクラスで思い出の動画を見るのがこの学校の風習だ
乗り切れると思ってた
また会えるから
動画を見てる時この当たり前だった日常がもう戻ってこないのだと思ったら止められなかった
君は何も言わず私を抱きしめてくれた
ああ、君にはわかっていたのか
私にとってこの日常が失いたくない大切な日々だったことを
私が思い出というものに弱くて泣いてしまうことを
君と出会って、笑って、泣いてたくさんの思い出をつくることができて本当に幸せだった
ありがとう
そしてこれからも…
今日で終わり。
言葉のとおりで、今日3年間の高校生活が幕を閉じた。つまり卒業したってこと。嬉しいような悲しいような。なんか今は一言じゃ言い表せない気持ちが頭の中をぐるぐるしてる。始まれば終わりが来る。終わる代わりにまた何かが始まる。そうやって、巡り巡ってゆくものなのかな。それを素直に受け入れられるにはもう少し時間が必要な気がする。だって17歳って、大人でも子供でもない歳だから。大人が言うことをはい分かりましたって簡単には呑み込めなかったりする。聞き分け良くいられた時代はもうとっくに過ぎ去ってしまった。
だから、この卒業の気持ちをうまく表現できないのも今だから故なのかな。嬉しい、寂しい。それは確かにあるけど、根底にはもっと言葉に言い表せないような……なんていうか複雑な感情が生きている気がする。これを言葉で言い表すことができたならきっと、その時は私は“大人”なのかもしれないな。
……なんて。
偉そうに語ってみたけど、やっぱりみんなと離れるのは寂しい。今はただそれだけが真っ先に浮かぶの。みんなと過ごした思い出のこの学校に明日からはもう通えないなんて。あの先生の話も聞けない。食堂のメニューも食べられない。普通にあったことがもう出来なくなると思うと途端に寂しくなるのは何故だろう。思えば思うほど切なさがつのる。
きっとこれも誰もが味わうものなんだろうな。名残惜しいけど、次に進まなくちゃ。皆それぞれの道を明日から歩き出す。私だってその1人。でも、お別れじゃないから泣かないよ。会いたいと思ったら会える時代だもん。そのことが凄く心強い。
大丈夫。
今日はとことん感情的になっちゃうけど、明日からは笑ってみせるから。
卒業おめでとう、私。
君がついに旅立ったと、手紙がありました。
大々的に、なんて昔は言ってましたけど、
随分小ぢんまりしそうな気配がするのは
気のせいでしょうか。
親も子も片割れも置いていくなんて、
薄情な君らしいなぁと思います。
結局約束を破られてしまったけど、
此方は守り続けるつもりなのでね、
後で悔しがる君の顔が目に浮かびます。
……はは、ざまみろ。
精々一人で天国探索しててください。
それじゃあ、またいつか。
<泣かないよ>
「何で大概の水場には、必ず鏡が置かれるんでしょうね」
赤い口紅をポーチに仕舞いながら彼女は言う。
「化粧室とか洗面所はまだ分かるのよ。お手洗いやお風呂場やキッチンにも置かれる理由が分からないの」
まして、と小さく指差された先。
「こんな大きな合わせ鏡にするなんて」
広く見せるためじゃないの、と問えば。
「化粧直しなんて、寧ろ誰にも見えないようにしたくないかしら」
それもまあ一理、と鏡を見やる。
化粧して尚青白い肌の彼女は、
鏡の向こうで赤い唇を吊り上げ嗤っていた。
<怖がり>