『泣かないよ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「泣かないよ」
泣きそうな顔でそう言った少女を、今でも覚えている。
僕の引っ越しが決まったとき、君はどうにか僕を遠くへ行かせまいとやっきになっていた。僕の大切な物を隠して「引っ越し止めると言うまで渡さない!」と言ったり、わざわざ家に来て引っ越し準備の邪魔をしたり、色々やっていた。
けれど、お別れの時はきてしまった。
君は、引っ越しの邪魔をしていたことがバレて、両親に怒られて
「さくちゃんのお母さん、亡くなったんだって」
買い物袋をキッチンに置いて、マフラーを外しながら母がいった。
「え?さくちゃんって小学校の?」
「そうそう、さくとくんよ。仲良かったじゃない」
ソファでくつろいでいた雅也は、驚いたが、まだ、高校生だ。身近な人の『死』は、よくわからない。
その日の夜、雅也はベットに寝転び天井をぼーっと見ていた。
雅也のなかで、さくちゃんは、小学生のままだ。中高はなればなれになってから、一度も会ってない。
最後の運動会。リレーのアンカーだった雅也は、バトンを落として最下位。まわりのため息や罵声が聞こえる中、さくちゃんだけは「がんばれ、がんばれ!」と応援してくれたことを思い出した。
さくちゃんの母の葬式。
すすり泣く声が響く。
「まだ、若いのに‥一番下の子は3歳だって」
「これから大変ねぇ」
同情と悲しみに包まれた空気に、雅也の目頭も熱くなり、唾がうまく飲み込めない。
高校生になった、さくちゃんを見た。
周りの大人が泣いてる中、涙をこらえて毅然と立っている。
雅也は、泣くのをぐっと、こらえた。
かわりに、さくちゃんにエールをおくった。
(がんばれ!がんばれ!がんばれ!)
お前が生き返っても、ぜってー泣き顔なんか見せてやんねえ。
お前がこうなったのは自業自得なのに、何も知らないオレが生き返らすために奔走してる。
よく考えりゃおかしいよな?テメェのケツはテメェで拭くべきだろ。
絶対、絶対泣いてなんかやらねえからな。
そう、思ってたのに。
なんでお前の目が開いただけで呼吸がうまくできないんだろう。
なんでこんなにお前の姿がぼやけるんだろう。
なんで怒りをぶつけたいのに声が震えるんだろう。
なんで、
お前が息をしてるのをだけで、感情が溢れてくるんだろう。
【泣かないよ】
泣かないよ
卒業式は泣かないって決めてる…親友って言う感じの人も居ないし、特に思い入れはない…はず…ただ、3年間過ごしただけの、通過点なだけで…
屹度、当日は、ポロポロ涙零す女子もいるだろう…去年の先輩達の卒業式は、泣いてる先輩や、鼻をすする音があちこちから聞こえていた…
でも、わたしは、多分泣いたりはしない…と思う…まともじゃないと思う家族の出来事、クラスメイトからの執拗なイタズラ、何かと五月蝿い先生達…振り返っても、いい思い出なんて浮かんで来ない…
そんな学校生活なのに、時折浮かぶ、何気ない出来事…ぶっきらぼうだけど優しかった先輩、たまに愚痴を聞いてくれた同級生、ウザいけど、構ってきた後輩達…
何気ない一コマが、突然蘇ってくる…ただのつまらないエピソードなのに、何かが、胸にこみ上げてくる…屹度、泣かない…筈の卒業式…なのに今は…
「泣かないよ」、「泣かないよ」と言いつつ涙があふれるような泣き虫で、周りの大人がニコニコしながらからかってくる子供時代でありました。そのせいでか、泣くことをコントロールできる大人になりました。「泣かないよ」と唱えるとすぐに泣けてくる。
お通夜お葬式では、故人との関係に合わせて小さく「泣かないよ」から、大きめの「泣かないよ」と唱える。どうも声の大きさで涙の量をコントロールできるようなのだ。まあ、大の大人が大声で泣くのも変だから、小声がいちばん多い。ところが、この能力を使っていると、この涙が本物か能力かわからなくなってくる。まあ、周りにはわからないので問題はないのだが。
祖母が死んだ。大好きだった。
相当な高齢で大往生、むしろ祝ってもよいくらいだと法事の席で誰かが言ってた。
この時ばかりは「泣かないよ」と言う前に涙が出た。
でも念のため、小さく「泣かないよ」と言ってみた。涙がとめどなく溢れてきた。
それ以来「泣かないよ」は効かなくなった。
泣かないよ
花粉で涙が止まりません。
薬が効いたら泣かないよん。
泣かないよ。
私の前で転んだ君が起き上がって言った一言。
痛そうに目に涙をためている。
少し前までは泣いていたのに。今はもう立派な大人に見える。
小さな小さな体。そんな小さな体を反りあげて。
胸を力いっぱい張り上げている。
大丈夫?もういたくない?
泣きそうな君に私は問いかけた。
うん。いたくない。ぼくつよいもん。そうくんつよいもん。
今にも泣きそうな顔。
昨日まではすぐに泣きついてきたのに、自分で立派に立ち上がっている。
嬉しいような、どこか寂しいような、そんな気持ちが湧いてくる。
おかあさん。ぼくもう、なかないよ。
だってそうくん。もう大きいもん!
眩しいくらいの笑顔を私に向けて君は大きな声。
たしかに昨日よりも君が大きく見える。
笑顔の眩しい君。
お母さんの方が泣いてしまいそうになるよ。
でも、お母さんもそうくんと同じで、もう、
泣かないよ。
そうくんとは、毎日笑顔でいたいから。
そうくん。帰ろうか。
うん!
帰ったらまずは、泥を落として傷の手当と、絆創膏をしようね。そうくん。
自分で立てるようになったの。偉いね。
そうくん。
泣かないよ
幼いころ、泣くと男の子がくさった女みたいに泣くな!とよく言われた。
その時代の価値観と言われればそれまでだが。
子供心になぜ、泣きたいときに泣いてはいけないのか?と思っていた。
自分でも知らないうちに泣くのをガマンするようになっていた。
大人になっていろんなジャンルの本を読み、知識を得て思うようになったのは、泣きたかったら泣けばいい!!と、幼い日の自分に言ってやりたい。
そのガマンが人の内面的な成長にどれほどの悪影響を与えているのか?
いま中東で戦争をしている。
でも、これは戦争と呼べるのか?
戦争とはお互いに同じくらいの血を流すこと。
イランが一方的に血を流している。
権力者が勝手に死んでいくのはよいが、
自分の意思で何も決められない国民が死んでいくのは、なんか違う。
ペルシアの地に大量に流れた血雨と涙は、この殺戮を終わらせるのに質、量共に十分に足りただろうか?
視座を上げればこのような考えも浮かんでくる。
泣かないよ。
この言葉にどれほどの意味があるだろう?
私には、ガマン、くるしみ、かなしみ、にくしみが頭の中に投影される。
泣かないよ
もうここであなたとは会えないんだね。
毎日顔を合わせていたのに。
なんか……切ないというか寂しい感じがするね。
あなたの顔を真正面から見たのは初めてのような気がする。
いつもの当たり前が明日からなくなってしまうのに実感がわかなかった。
そうやって僕は大切なものが遠ざかっていくのを見送っていたようだ。
「行かないで」という言葉は心のドアを叩いても外へ飛び出すことはなかった。
一人、いなくなってしまった人を思い続ける春。
幾つ春を廻っても苦しみは旅の途中、私の中を彷徨う。
あなたは長い長い旅の最中なんだ。
きっとまた巡り会えるでしょ。
僕も旅立とう。
別れじゃないから泣かないよ。
旅立ちだから笑顔で送り出してよ。
泣かないよ
「泣かないの!!」
「こんな石ころに負けちゃダメなの!」
「あんたは石より強いんだから!泣いちゃだめ!」
小さい頃から、姉にかけられ続けた言葉だった。姉とはよく外で追いかけっこをして遊んだものだ。その度に擦りむいて、傷口にそんな言葉をつけられてきた。
そんな事言われたって、痛いものは痛いし。そもそもこんなところに石があるのが悪いんだ。
まず石より強いって、何よ。物と人は比較対象じゃないでしょ。当時そんなことが言えれば良かったけど、小さい頭と身体では、考えるには痛いという感情を消さなければいけなかった。そんな事できるものか。痛い以上に出てくる言葉なんてひとつもなくて、次に出てくるのは大声と涙だった。
それでも姉とやる追いかけっこは楽しくて、何度擦りむいても、何度泣いてもやり続けた。
泣いちゃだめ、という言葉と共に。
時が経ち、追いかけっこよりショッピングが好きな歳になった。
一人暮らしをしたことで、姉と全然話さなくなっちゃったし、昔のおもちゃとも、遊ばなくなってしまった。
…机に向かう作業が苦手なことは、昔から変わらないけど。
社会人になり、職場が決まったのは別にいいことだ。でも仕事が想像していたよりハードすぎる。何度企画案を提出しただろう。全て変なところで辻褄が合わなくなって、却下されてしまう。
何をやっているんだか。私の考えていた人生と全然違うじゃないか。回らなくなった頭すらも夕日の光が照らしていた。
どうしよう、もうすぐで締切。このまま上手くいかなかったら。
なんて嫌なことが頭の奥をぐるぐると回る。このままじゃ打開案なんて出るわけない。
ふと夕焼けに目をそらす。
懐かしい。小さい頃はこの時間まで近くの公園で姉と遊んでいたものだ。
擦り向くと分かっていながら走り回っていた、あの頃が懐かしい。
あぁ、あの頃に戻りたい。大人になると子どもに戻りたくなるというのは、事実なのかもしれない。何をやっているんだろう、と思わず目元が滲んでくる。惨めだ。仕事に追われて、それで上手くいかないだなんて。なんて惨めだ。
「泣かないで!!」
あの頃を思い出すと、同時に姉の言葉も反芻してくる。ああうるさいな、大人だって泣きたい時はあるんだよ。
「こんな石ころに負けちゃだめなの!」
石ころ。追いかけっこするには邪魔な存在だった。まるで今の私の人生を邪魔する、仕事のように。
「あんたは石より強いんだから!!」
石より強い。今の私で言う、仕事より強いって事なのかな。
まさか、考えすぎ?
そこに石があろうと、楽しいから何度だって追いかけっこして、何度だって転んだ。痛かった。でもそれ以上に楽しかったんだ。
……今までだって、そうか。
まだまだ社会人としては未熟だけれど、人生はそれなりに長く生きてきたんだ。大変な事だって多く経験してきた。
それでも、何度でもやり直して、立ち上がって、歩いてきたんだ。
そうだ、痛みを恐れず挑戦をやめなかったんだ。
「石より強い」
そうか、私は苦労をもろともしていなかったんだ。
深く考え過ぎ?
だとしてもいい。まさか小さい頃の姉の言葉に元気づけられると思っていなかった。姉はこれを見越してきたのか?
いや、なんだっていい。だって私は、負けたりしないんだから。
「泣かないよ」
誰に言うでもない言葉をかけて、私は企画書に目線を戻した。
どんなに悲しいことがあっても、どんなに辛い目に遭っても、僕は泣かないよ。
泣いてるヒマがあったらこれからのことを考える方が有益だもの。
泣くのは弱い子。だから僕は泣かないよ。
僕は強い子だから。
だけど周りの人は泣いてもいいんだよ、とか君の心の声を聞いてあげて、とか言うんだ。
僕の心は僕が一番知ってるのに。変なの。
それに人に優しくされたら胸のあたりがキューってなって、目がジンジンするんだ。
だからあんまり人に優しくされたくないの。
僕は一人でも大丈夫な強い子だから。
悪が悪としてはびこる政権に
綺麗な涙はもったいない
#泣かないよ
泣かないよ。
わたしが独りになっても泣かないよ。
さみしいなとか虚しいなとか思ったりしない。
逆に、独りって最高だな〜とか、楽だな〜とか
そんな感じで、楽しむよ。
簡単に、人に胸の内を明かさないよ。
知り合いにも言わないし、気の合う人にも言わない。
でも、全く知らないその日にしか会わない人には
言うのかも知れない。
イスに座って、缶コーヒーでも飲みながら。。
大好きという言葉が本当に信用できるのか私は思った。
その場繋ぎの都合のいい言葉のように思えてきて、口にすれば本当になり言わなければ嘘になる。
つまり本当を知らず嘘をつかれたままの人間はいつしか壊れると、私は言いたいのだ。
すぐ好きになってしまうのだ。
異性も同性も。自分にないところも、話し方も仕草もいつも間にか好きなる。
本当に好きなのか、と思えば思うほどよくわからなくなってくる。好きの基準が広すぎて、自分の好きは本当ではないのだろうと。
大好きという言葉に限らず、信用、ありがとう、ごめんなさい、こんな言葉も結局のところ嘘なのだ。
嘘は約束を破るというイメージで事実は約束が守られることとして考える。
つまりいつか叶えば事実になるのだ。
だが嘘も事実も人の考えることであり他人の心理などわかるはずもない。
いつか愛してくれるのならそれでいいじゃないか。
いつか叶えばそれでいいのだ。
今はまだ泣かないよ
返信が来ない
泣きたい
間違えたかな
順序が違ったかな
聞き方が悪かったかな
嫌われたんだ
こんなマイナスの考えに支配されて眠れなくなる自分が情けなくて、泣きたい
『泣かないよ』
太陽が暖めてくれるから
月が照らしてくれるから
木が日陰をくれるから
花が彩りをくれるから
風が吹き飛ばしてくれるから
雨が代わりに泣いてくれるから
だから僕は泣かないよ
だから貴方も泣かないで
〖泣かないよ〗
空と海はきっと親子
空が子で、海が親。
空は雨という名の涙を流す
海は上空から零れる空の涙を受け止める
海は、泣いているのだろうか
海の涙は、誰が受け止めるのだろうか
海の水がしょっぱい理由に
「海が沢山泣いたから」という
理由があったとしたら。
海の涙を「塩」にして人間様達に届ける
「塩は、海の涙のほんの一部なのよ」と
私たちに訴えかけるかのように。
人間や空の何倍も泣いて
しょっぱく、塩辛くなった海。
心を奪われる水の透明度。
海は自分の泣く姿なんて見せずに
空に向かって「泣かないの」
「でも、泣かなすぎはもっとだめよ」と
そんな会話をしていたら素敵だなあと。
X(旧Twitter) @Amoon_3k
泣かないよ
あなたからのメッセージがなくても
後悔するのは、私じゃない
精一杯頑張った勇気に気づかないあなたは
きっと、後悔する
私は、そのうち忘れるけど
ふとした瞬間に、思い出しても
もう戻せない
私は、もう戻りたくはない
でも、ありがとう。
きっと、縁があれば、どこかで会えるはず
その時は、笑顔で会えるといいね
風羅羽
学校の卒業式で泣いていた頃はどこへやら。
今は誰とお別れしても、過去の失敗を思い出しても泣かないなぁ。
悲しい気持ちはいつまでも。
お別れだけど
もう泣かないよ
大丈夫
たくさんの思い出があるから