『沈む夕日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
斜陽が
名残惜しげに世界を染めてゆく
宵の紫を引き連れて
千切れ行く月を引き連れて
何もかもが死んでゆくような
そんな静謐さを世界に撒き散らして
水平線の彼方へ消えてゆく
私だけがまるで世界の全てに拒まれたように
ぐらつく足元で帰路に着く
まだあの未練がましい橙が
瞼の裏を離れない
お題:沈む夕日
車窓に
写る景色は
北陸の
厳しい冬を
越えた桜花(さくらか)
今日という日が寿命を迎える時を待っているあなたは平和主義者
「沈むというより潜るみたい」 君におだやかな夜をたおやかな明けを
題-沈む夕日
"沈む夕日"
買い物を終え、パンパンに膨らんだ大きなマイバッグを片手にスーパーの外へ出る。
空を見上げると、店に入る前より空の橙が色濃くなっており、日もだいぶ低い位置にあった。
──思ったより時間食ったな……。早く帰って持ち場に戻らないと。
こちらは個人病院で、院内の医師も自分一人。その為どこかで食材や日用品の買い出しをしなくてはならない。
週に一回ほどのペースで『買い出しに行きたいから二時間程受け入れ頼む』と依頼をして最寄りのスーパーへ出ている。そうしなければ日常生活を送る事さえ困難だし、周りも理解しており快く承諾してくれる。
だが、なるべく早く終えて帰る事に越したことはない。
『二時間と言わずゆっくり買い出しに行って来い』と言われているが、甘えていられない。
一人と子猫一匹暮らしの為買う量は少ない。二時間で充分。それ以上ゆっくりなどしていられない。
医院までの道を早足で歩いていく。
──早く、一分でも一秒でも早く。
沈む夕日
夕暮れ
太陽は沈む、はるかな地平線の先へ
全てのものはその残光により影をのばす
そして、影がだんだんと長くなってきた、、
名残惜しさやそしてどこか懐かしい気持ちが込み上げてくる
『あぁ、もう家に帰る時間だ、』
でも、、、
もう少しだけ感傷に浸っていこう
今日という日は二度と戻ってこないのだから
フライパンマザーの叫ぶ帰宅時間 夕日じゃぼくらを止められないぜ
先輩が作ったすごく好きな曲に沈む夕日にという歌詞が入っています、それだけです
あの夕日だけは忘れない。
あんだけ短く感じた、最悪なはずだった時間。
半年に一度のワックス清掃。
早く帰りたいのに、
めんどくさい以外の言葉が出てこなかった。
でも彼がいたから変わった。
あの夕日の下で一緒に笑った
彼との大事な思い出。
何気ない日だったかもだけど、
本当に楽しかったな。
#沈む夕日
寂しくて
滲む涙が零れそう
眩しい日々が
光となって流れていく
カラスですらもう帰ったさ
逢魔時はすぐそこに
いっそのこと何処か
連れていってくれよ
「沈む夕日」
沈む夕日
綺麗で美しい赤
だけどどこか切ない
この太陽が沈んだら夜が来てしまう
暗い暗い空に包まれていまう
いつまでもこうやって夕焼け空を眺めていたいな
こんな時間になっちゃいましたね
助手席に座る彼女が
フロントガラスから空を見上げながら言った
そうですね、でも日も長くなってきましたよね
赤信号
彼女にならって少しだけ空を見上げた
まあでも買い出しもいっぱい出来ましたし、新しいメニューも生み出しちゃいましょう!
ええ、もちろんですよ!
僕らの買い出しはいつも大量の荷物になって
いつも予定の時間をオーバーする
彼女と居ると時間が足りないと思うことがある
なんか、時間足りないですね
自分の考えていたこととシンクロするように呟いた彼女の方を見ると
夕日に照らされた髪とまつ毛がキラキラとしていた
信号が青に変わる
アクセルを少しずつ踏み込む
僕も、そう思います
とは言えずに運転に集中するように口を閉じた
私の家のベランダからは、大きな山が見える。
春になると、山の頂上だけに桜が咲くので、山のてっぺんだけ桃色に染まる。
夏になると、青々とした葉が沢山茂り、遠くからみるとまるで、ふわふわとしたまりものようにみえる。
秋になると、真っ赤になった紅葉や、茶色くなった木、綺麗な黄色の銀杏など、暖色の山になる。
冬になると、枝が丸見えになった木や、深緑色の葉が目立ち、寒色の山になる。
四季が移り変わるたび、山はさまざまな性格に染まる。
夕方、学校から帰った私は、ふと山を見て驚いた。
春だというのに、山は真っ赤に染まっていたのだ。
よく見てみると、後ろにはまん丸の大きな太陽が、存在を激しく主張するように、神々しく光を放っていた。
太陽に照らされているのは、山だけではなかった。
空も、街も、道も、さらには私も、いつのまにか真っ赤に染まっていた。
私は、全てを自分色に染めている太陽が、何故か少し自慢げに笑っているように見えた。
誇り高く、自信満々に光を放ち、周りすら変えてしまう。
そんな人間が、私は羨ましかった。
どこに行っても、カリスマ性溢れる天才はいるものだ。
そんな天才と自分を比べてしまう私だが、さすがに太陽と自分を比べることはできない。
だからだろうか。
太陽の光に当たっていると、心穏やかになる。
私は初めて、嫉妬ではなく憧れを抱いた。
- 沈む夕日 -
12月、16時4分。あのタワーの1番上。
あなたに、この景色が見せたかったのだと言われた時、少しのときめきを覚えたのはもう昔のこと。
沈みゆく日が、眩しそうに目を細める貴女の顔を照らします。
俺たちの愛する、大切な、世界にたったひとりの貴女が、今日いちにちを無事に生きてくれたことを感謝しながら、俺たちも静かに夕日を眺めます。
「沈む夕日」
そろそろ、帰ろう。太陽が西に沈む。
あるところは、山に。または海に沈む。
皆さんは、どこで沈む夕日を、見るんだろ?
でも、こんな事を何千年、何百年。
人間や動物は、見ていたんだと思うと、ロマンだね。
今日より明日の夕日はきれいなんだろなぁ。
そろそろ、夜がやってる。
昼間に活動していた人たちは寝る時間がやってる。
おやすみなさい
沈む夕日
夕日が沈むと、急に辺りが静かになったような気がした。
顔を出す星たちと、心地の良い夜の香り。
まるで空が生物に
「ゆっくりとおやすみなさい」
と言っているようだ。
土手に出てぼーっとしていた私はなんだか良い気分になり、
家に帰ったらカレーを食べることに決めた。
夜の空気を大きく吸い込み、勢いよく立ち上がった。
「何でこんな事になったのか話してくれないか?」
「うん、最初は仲が良かったの。
なのに急に私がいじめてきた、とか言い出して。
意味がわかんなかった。
本当に何もやってなくて、でも、確かに痣ができていたから嘘ではないんだろうなって思った。
誰かにやられて、それを私のせいだと言っていたんだと思う。
それか自分でドジを踏んだか…。
とにかく、殴られたとか悪口言われたとか、とにかく色々皆に言ってて。
それを信じた人は最初は半分くらいだったんだけど、日に日に元気がなくなっていく彼女の事を本当に私がいじめているんじゃないかってなった。
それから教室の空気がいつも重くて、居心地が悪い」
「教室の居心地が悪いんだったら何でわざわざ教室にいたんだ?」
「教室から逃げれば私が認めたってことになると思ったから」
「味方はいないの?」
「味方は分かんないけど、クラスの一グループはどうでもいいとか、どっちも悪いところがあったんじゃないか、とか。
そう言う中立の立場に立ってる人はいるよ」
「そっか」
「それよりさ、早く残りを食べたほうがいいんじゃない?」
「もう時間無くなるな」
「ありがとう、急いで食べる」
「私はもう行くから」
「ちょっと待って!今日一緒に帰れない?」
「できる、と思う」
「できたら校門前で待ってて」
「分かった」
「またね」
「うん」
「あの人じゃない?」
「声かけてみるか」
「姫華さん!」
「びっくりした、そっちのクラスは結構掛かるんだね」
「姫華、すまん!」
「え?うん」
「そう言えば姫華の家はどっち方面なんだ?」
「あっち」
「別方向か、ごめんね、呼んどいて何だけど…」
「しかし、今日の夕日は綺麗だよな」
「確かにな」
「こんなに綺麗ならどんなに写真が下手でもそこそこにはなるかもな」
「撮ってみれば?」
「あぁ、……おー、……うん」
「何でこうなったんだよ」
「うーん」
「そのまま話していると日が暮れそうだから私はもう帰るよ、じゃあね」
「また明日」
「じゃあなー」
その日の夕日は息を飲むほど綺麗だった。
静かに反射し、沈む時まで美しい。
その様子を今頃新しく出来た三人の友人は見ているのだろう。
だが、三人揃ってその日の夕日を見ていたことなど知る由もないのだ。
ー沈む夕日ー 終わり
チームの前キャプテンであり、僕の憧れでもある先輩は僕を海に連れ出した。
「お前がいてくれたからここまで来れた。」
「本当にありがとう。」
───違う、僕がいたから負けたんだ。
僕さえいなければ、優勝できたのに。
僕は昨日の試合の大一番でミスをし、チーム初の全国優勝を逃した。
嫌な考えが頭を巡る。
試合から1日経っても同じ考えしか頭に浮かばない。
夕方4時頃。
先輩は僕の家にやってきた。先輩は強引に僕を外に連れ出し、車に乗せた。しばらくして着いたそこは、海だった。先輩は堤防に腰掛けた。
「なぁ。昨日の試合見てたぞ。」
───もう、思い出させないでくれ。
「お前はよく頑張った。」
「俺はいい加減だったから、俺のあとのキャプテンは大変だっただろ。ごめんな。でも、ありがとう。あんな景色を見せてくれて。」
僕の頬を涙が流れる。
「みんなにとっては、頼りになるキャプテンだろうけど、俺にとってはいつまでも可愛い後輩だからな。もっと甘えろ、先輩の俺に。」
前が見えない。
苦しい。
先輩は僕を抱き寄せた。先輩はそれ以上何も言わなかった。先輩の胸の中は温かかった。苦しい鎖が解けていく。僕の背中を摩る先輩の手が、ひどく落ち着く。
「ごめんなさい。」
「大丈夫。全部吐き出せ。」
僕の頭の中に昨日の試合が鮮明に蘇る。体育館の匂い、ボールをつく音、シューズの擦れる音。監督の声、声援。時が戻る。高揚感も、焦りも、苦しさも。
「辛かったな、全部背負わされて。」
嗚咽が混じる。
「大丈夫。大丈夫。お前を責めるやつなんかいない。」
夕日が沈んでいく。いつまで経ってもこの傷は癒えることはないだろう。だけど、ほんの少しだけ。吐き出した分だけ、心が軽くなっていく気がした。
沈む夕日をただぼんやりと眺めながら
どんな気持ちを水面に投げつけているの
少女よ
靴下を脱いでスカートを捲って
膝まで塩水を浸して拳を握る
少女よ
喧騒を忌み嫌い涙する
喉はすでに裂けかすれ声もでない
少女よ
人の気持ちを理解しろと言われ
孤独に追い込まれてしまった
少女よ
沈んでしまった者として
一つ伝えよう
少女よ
この儚く冥く暗い空間で
希望をぶら下げるのは提灯鮟鱇だ
少女よ
日常を捨て幻想に救いを求めた
ただここも腐りきっているんだよ
少女よ
だからまだここへ来てはいけないよ