『沈む夕日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
太陽の時間に終わりを告げて
今宵もやってくる、月を待つ
世界が色を変える しばしの時間
沈む夕日に背を向けて
さぁ 家へかえろうか
5:沈む夕日
沈む夕日____
ゆっくりと沈んでいるはずの太陽。
目を凝らして見ると眩しさに目を瞑りたくなる。
それでも見つめ続ければ沈む速さに気付かされる。
よーく見てみれば思っているよりずっと速く沈んでいく。
ぐーっと沈む夕日に吸い込まれていく感覚がする。
すーっと私の心の黒い部分を抜き取っていくようで、どこか軽くふわふわと浮いた気分になる。
いつの間にか沈みきった夕日。
光の源は見えないもののほんのりと赤く染まった空間が儚く思えてくる。
いっそ吸い込まれてしまいたい。
< my >
沈む夕日
雪解けの精霊、キャストペリンと会えるのは一年に一度、雪が溶ける頃、日が昇る間から日の落ちる間まで。
草原の灯火、草の露から生まれる妖精達、太陽と月の逢瀬、隣の谷で山羊が三つ子を産んた話、幼なじみの恋の話、村の大人しいおかみさんがろくでなしの旦那をついにぶちのめした話、これから向かうという北の国の話、空の上でそれらをたくさん聞いて、たくさん話して、話の尽きる頃に二人は再び日の落ちる草原に舞い降りる。
足の裏が牧草を踏みしめる。体の重みを感じてシーカシーナは無性に泣きたい気分になった。
「また来年、ね。」
「うん、また来年。待ってるからね」
「わかったよ、僕のそばかすさん」
待っててね、額と額を合わせて囁く友人に、シーカシーナは涙を止め、ぐいと唇の両端を上げて強気に笑う。
「もちろんよ。嫁に行かないでずっと待ってるから、絶対に来てね。わたしの大事なお友達」
「おっかないなぁ……」
困ったように笑って、でも、僕の事は忘れて嫁に行っていいんだよ、とは言わない友人にシーカシーナはふふんと笑いながら強く鼻息を吐いた。
ゆうやけこやけで日が暮れる。
そんな歌を口ずさみながら、あなたは私の隣を歩く。
少し外れた音、間違えた歌詞、最後のほうは覚えていなくて、声はそのまま消え入った。それを惜しいと思わないくらいには、私の居場所はあなたの隣だった。
夕日がうんと傾いて、あなたの顔が翳っていく。それが帰路の終わりの合図であることを知っているから、私たちは短い言葉を交わして背中を向けた。
別れがたくはなかった。だって明日も会えるから。
私の居場所が、明日も訪れることを知っているから。
明日の居場所が無かったのは、そんな惨めな傲慢のせい。
夕日は今日も綺麗なまま。
私の居場所は、今日もどこかに消えたまま。
「沈む夕日」
母方の実家に行った帰りには いつも
電車の窓からあかあかと下りゆく儀式に歓声を上げた
あの頃 座席の隣りには母がいた
学校へ上がる前の幼児が
駅の名前を十も覚える程には 頻繁に
何故いつも父の車ではなく
電車で里に帰っていたのか
遠い記憶を辿っても
母の表情は思い出せず
尋ねる相手も もう居ないが
夕日という言葉で思い出すのは
あの頃見ていた 窓から見える日没
彼と遠くへ出かけた帰り道。いつの間にか陽は沈みかけ、空は茜色から紺碧へのグラデーションになっていた。私は、昔から夕焼けを見ると切ない気持ちになり、時には泣いてしまうこともあった。一日が終わってしまうことに対する後悔か、あるいは夜の闇に対する無意識の恐怖か、理由は分からないけれど私の中で何かが込み上げてくるのだ。
「おや…どうしたのですか?」
「えっ、と…」
そんなことを考えていたら、私は足を止めてしまっていたらしい。その様子に気づいたらしい彼が、心配そうな顔をして私に声をかけた。はっ、と我に返った私は言葉を紡ごうとするが、声は出ず口をパクパクするだけだった。彼は何かを察したのか、何も言わずに私の手を握った。
「こうして手を繋げば、暗くなってもはぐれないでしょう?」
見上げて首を傾げる私に対して、彼は優しく微笑んでそう言った。繋いだ手はとても温かく、私の心のモヤモヤを溶かしてくれるようだった。私は強く頷いて、彼に感謝の気持ちを伝えた。
「それじゃあ、本当に暗くなる前に帰りますか」
そうして私たちは、再び歩みを進めて帰路に着くのだった。
テーマ「沈む夕日」
#31【沈む夕日】
5時から6時の合間に
透明な時間が流れている
ダスクブルーの子守唄
沈む夕日と、溶けてゆく
きれいな色のメロンソーダ
溶けて消えれば夜がくる
昼と夜の合間に
透明な空気が流れている
ダスクブルーの子守唄
僕はすっと、溶けてゆく
紅葉する木々の隙間から、差し込むオレンジの光は
少し寒くなってきた夜の第一幕。
紅葉を撮影する人の影が、群舞のようだった。
綺麗な夕日はあっという間に沈んで、
星を連れてやってくる。
何気ない日常風景のはずなのに、疲れた日は夕日が目に染みる。
何で涙が出るのだろう。
頑張ってるはずなのに、報われないこの虚無感は何処からやってくるのだろう。
相談しようと思ったけど親友に愚痴を聞かせたくないと。躊躇して。
溢れる涙を止められない。
今日も1日が終わる。日が眠る準備をし始め月が起き上がる時、彼が言った。
「夕日が……夕日が綺麗ですね」
思わず顔を見ればその頬は夕日のせいか、赤く染まっていた。
「そうですね。1日が終わってしまいそうでさみしいです」
そう返すと彼は悲しそうに眉を下げた。
「でも、月も一緒に見るのですよね?」
そう続けると口角を上げ目を輝かせた彼がいた。可愛いという感情が胸に湧き上がる。
わかりずらい人だと、周りくどい、めんどくさい男だと言われることが多い彼だけれど、そんな彼のことを愛している私がいる。
「夕日が沈んでも、今日が終わっても、明日も明後日も一ヶ月後も一年後も僕のそばにいてくれますか!?」
プロポーズまがいなことを言う彼に今日も振り回されてばかりだけれど、平静を保って返す。
「当たり前でしょう?私は貴方が思うよりずっと貴方と一緒にいたいのよ。」
私の言葉に一喜一憂する彼に今日も私は愛の言葉を紡ぐ。
#沈む夕日
【沈む夕日】
沈む夕日を初めて見たのは小学2年生の夏休み頃だ。
離島に行って、そこのホテルで夕食を食べているとき、窓から海に沈む夕日を見た。
周りにも食べている人がいる中、
「ママ!見て!沈んでるよ!すごいよ!」
と僕が大声で叫んだのを覚えている。
本当に今思いだすと家族にも家族以外の人にも謝りたい。怒られた記憶は無いからきっと周りの人は小さい子だから。と温かい目で見てたんだろう。
その場にはきっと優しい人しかいなかったんだろな。
窓にへばりついて夕日が沈むのを見ていた。
いつも見てる太陽は動いてないのに、その時は動いて見えたのを驚いたのだ。
沈む夕日は好きだ。
沈む夕日の色が推しカラーってのもあるが、海に沈む夕日が幻想的でその時だけは時間を忘れることができるからだ。
全身真っ赤な可愛いあの子は遠い遙か彼方の明明後日の方向に消えましたとさ。
そしてそして、私は後ろしか向かないから笑えませんし、悲しみもしませんでした。
でも空は暗くなりましたとさ。
沈む夕日
メロスは沈む夕日の十倍も速く走ったのだっけ。走れメロスは陽キャ太宰の最高到達点だと思う。陰キャ太宰の最高到達点は人間失格かなあ。
「沈む夕日」
最後に見たのはいつぶりだろう
赤く輝く太陽
空までも燃やしながら
夜を告げる
君は夕日を見て
何を思うだろうか
君にはこの夕日がどう見えているのだろう
夕日を見た時
私のことを思ってくれるだろうか
片思いで終わりたくない
でも、どうしても夕日というものは
落ちていくばかりで
まるで私みたいだ
時間が経つほどに
君のことをどんどん好きになって
抜け出せなくなって
最後は虚しく消えていく
まだ思いはあるのに
最後の最後まで貴方のことを思っているのに
貴方の目から消えるしかなくなる
貴方が離れていく
沈む夕日
茜色が世界を彩る。一番短い空の色。
夕日と共にこの色と沈んでしまいたい。
日々家
オレンジ色のお空に、さようなら。
もう、これを最後にしたくてさ
そのままずっと、闇夜に溺れさせて...
---二作目---
夕焼けを見ていると、何となく寂しい気持ちになる。
夜が近ずいて来ているからだろうか。
...そんな時、君からの着信音。
私の心 は、晴れやかになった
#沈む夕日
264作目
沈む夕日が空も海も山も赤くに染めた
美しい夕日だ
だが、血のような真っ赤な夕日になるときは
なんとなく恐怖を覚える
自然の物しか無かった時代
先人たちも普段と違う空を見たら
不吉な予兆と感じたかもしれない
その名残だろうか?
今日の夕日はオレンジの柔らかい夕日だ
ホッとしつつも、月曜日への憂鬱を募らせながら家路を急ぐ
夕日が沈んで行く
昼の終わりが近づいて
夜の始まりが近づいてくる
また明日って
君とお別れをした
明日が来るかわからないけど
それでも明日が来ると希望を持って
家へと歩みを進めた
お題『沈む夕日』
沈む夕日
ビルの向こうに沈みゆく夕日と、後ろからゆっくり空を覆うように降りてくる、夜の帳。
その、ちょうど間の色が好きだ。
薄暗い青と、夕日のオレンジがぼんやりとグラデーションのようになっていて、とても綺麗で。
切ないような、悲しいような。
ああ、今日も終わるのだと。
ゆったりとした闇に包まれゆく刹那の時間。
何もかもが、止まってみえるそんな時。
今日の私の悲しみも、遠くの誰かの切なさも。
全てを包んで、消えてゆくから。
明日はきっと、いい日になる。
そう思わせてくれるから。
私はこの時間が好きなのだ。
ねぇ、貴方も何処かでこの夕日を見てるかな?
今この瞬間を、同じ空の下で。
了
『沈む夕日』
君と見た夕日。
あっという間に沈んでしまうのか
それとも
退屈に感じるほどゆっくり沈むのか。
沈む夕日。
僕は一瞬の出来事のように感じたよ。
今はもう僕の隣にはいない君。
君はどう感じていたのかな。
沈む夕日を見るといつも、
今日が終わるんだなって思います。
終わってない宿題を見て焦るのは、
私だけじゃ、ないよね……。