ほむら

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彼と遠くへ出かけた帰り道。いつの間にか陽は沈みかけ、空は茜色から紺碧へのグラデーションになっていた。私は、昔から夕焼けを見ると切ない気持ちになり、時には泣いてしまうこともあった。一日が終わってしまうことに対する後悔か、あるいは夜の闇に対する無意識の恐怖か、理由は分からないけれど私の中で何かが込み上げてくるのだ。

「おや…どうしたのですか?」
「えっ、と…」

そんなことを考えていたら、私は足を止めてしまっていたらしい。その様子に気づいたらしい彼が、心配そうな顔をして私に声をかけた。はっ、と我に返った私は言葉を紡ごうとするが、声は出ず口をパクパクするだけだった。彼は何かを察したのか、何も言わずに私の手を握った。

「こうして手を繋げば、暗くなってもはぐれないでしょう?」

見上げて首を傾げる私に対して、彼は優しく微笑んでそう言った。繋いだ手はとても温かく、私の心のモヤモヤを溶かしてくれるようだった。私は強く頷いて、彼に感謝の気持ちを伝えた。

「それじゃあ、本当に暗くなる前に帰りますか」

そうして私たちは、再び歩みを進めて帰路に着くのだった。

テーマ「沈む夕日」

4/7/2024, 10:50:20 AM