今日も1日が終わる。日が眠る準備をし始め月が起き上がる時、彼が言った。
「夕日が……夕日が綺麗ですね」
思わず顔を見ればその頬は夕日のせいか、赤く染まっていた。
「そうですね。1日が終わってしまいそうでさみしいです」
そう返すと彼は悲しそうに眉を下げた。
「でも、月も一緒に見るのですよね?」
そう続けると口角を上げ目を輝かせた彼がいた。可愛いという感情が胸に湧き上がる。
わかりずらい人だと、周りくどい、めんどくさい男だと言われることが多い彼だけれど、そんな彼のことを愛している私がいる。
「夕日が沈んでも、今日が終わっても、明日も明後日も一ヶ月後も一年後も僕のそばにいてくれますか!?」
プロポーズまがいなことを言う彼に今日も振り回されてばかりだけれど、平静を保って返す。
「当たり前でしょう?私は貴方が思うよりずっと貴方と一緒にいたいのよ。」
私の言葉に一喜一憂する彼に今日も私は愛の言葉を紡ぐ。
#沈む夕日
4/7/2024, 10:46:28 AM