『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
柔らかい雨。
柔らかい雨って、一体どんな雨のことなのだろう。
君に柔らかい雨って、どんな雨だと思う?と聞いたら、君はなんて答えるのだろう。
✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵「涼(りょう)君」
「うん?どうした〜?」
私は同棲をしている恋人の涼君とソファに並んで座り、映画を見ているときに聞いてみた。
「柔らかい雨って、どんな雨の事だと思う?」
「柔らかい雨?」
「うん」
涼君は、校閲の仕事をしている。涼君の部屋には色々な種類の辞書がいっぱい置いてある。言葉のプロに、存在しない言葉を聞いてみたかったのだ。
「柔らかい雨っていう言葉自体はないよね?」
「うん」
「……でも、柔らかい雨っていうくらいなんだから、きっと、雨自体は冷たいけれど何処か温かくて、静かに降ってるんだろうね。ま、あくまで想像だから、人並みくらいしか出来ないけれど」
私は、あまり想像力豊かな方ではないと思う。だから、恋人が校閲という仕事をしているのに私は読みながら想像する事に疲れてしまい、小説を読むことはないに等しい。
けれど、涼君の言葉からは端々に温かさが滲み出ていて、涼君の作る物語は、どんな物語なのだろうと思う。
「けど、以外にバイオレンスな物語だったりして……」
「えっ?何?」
「!ううん。何でもない!ありがとう!!」
私はそういうと、珈琲おかわり、といってソファーから立ち上がり台所へ行く。
何だか腑に落ちない、という顔をソファーから覗かせている涼君は、何だか可愛かった。
空を見ていると、1粒の雨が降ってきて、だんだん雨が強くなってきて、でも、私にとっては、違うふうに、思えた、それは、何故かとゆうと、目を閉じて、耳をすめせば、ほらね。
音楽のように聞こえるでしょ。
私は、それを聞いた時に、心が気持ちよかった。
雨はさわさわと、あるかなきかの音を立て、あなたの頬を静かに濡らした。
綻び始めた桃の蕾、駐車場の車の列、斎場の灰色の建物、そして傘も持たず佇むあなたを、霧に似た雨が包みこむ。
真っ白な喪服を纏い、あなたはひとり空を見上げている。旧式の煙突は今では使われなくなって、そこから煙が排出されることはない。今頃は白々と焼けた私の骨を、年老いた両親や親戚たちが骨壺に納めていることだろう。ただ血が繋がっているというだけの他人たち。まだ何も分からない幼い姪が、形ばかり私の骨を箸で掴むことを思えば、そればかりがくすぐったい。
あなたは、長年私と共に暮らし連れ添ってきたあなたは、その場に居合わせることを許されなかった。通夜にも葬式にも出席を許されず、黒い喪服の群れに追い出されたあなたは、ただひとり雨の中に佇んでいる。この国では同性間の結婚が許されず、ささやかに、けれど確かに営んできた私たちの日々に、何の法的な保証もなされない。
桃の蕾に溜まった雨が雫を結び、あなたの肩に落ちる。雨ばかりがやわらかに、あなたと私の怒りに降り注ぐ。
柔らかい雨
しとしと降り注ぐ
紫陽花から雫垂れ、
カエルやカタツムリは嬉しそう
「絶対雨女やろ」って君がいつも言うから
「違う!絶対雨男なんやろ」って返して
目を合わせて笑う時間が好きだった。
私も君も頭が痛くなるから雨が嫌いだったのに、一緒に遊ぶ時は半分ぐらい雨だった。
初デートだったイルミネーションも雨だったね。最悪だって思ってたけど、傘をさした君が「おいで。」って相合傘にしてくれた。
あのときの雨すごい大雨だったけど、私には幸せな記憶として残ったよ。すごく寒くて、風が吹いてて、強い雨に打たれたはずなのに、心が暖かかったせいで暖かくて柔らかい思い出になったよ。
もう期待なんてしないからさ、
私のこと忘れていいからさ、
次の女の子はちゃんと幸せにしなよ。
私も頑張るからさ。
柔らかい雨がさあ、と降る。その音に耳を澄ませている時だけは、心が清らかでいられる気がする。嫌なことを忘れて、雨音に身を委ねると、やがて暖かな微睡みがやって来る。
その微睡みに負けて昼寝をするか、打ち勝っておやつにするか。悩むところである。
今日のお題は柔らかい雨、
今書いてるこの時間、
ちょうど私の地域では土砂降りの雨が降っている。
とても柔らかいとは言えない。
私は今日、とても辛いことがあった、
辛くてしんどい心境を
天気がそのまま表しているようだ。
深夜2時、夜の深い時間、
私も布団にくるまりながら寝る時間。
明日の朝はどんな天気だろうか、
まだこの雨は止まずに振り続けるかもしれない、
もしかしたら、雷すらも降るかもしれない、
天気予報を見ればそんなことすぐに分かる。
けど今日はあえてそれをしないでおこう、
明日の天気は
綺麗な虹の架かる、柔らかな雨だと信じて。
頰を被う産毛が生えていて、柔らかい雨はその一本一本さえ小さな水滴でコーティングしていく。柔らかい雨が優しく覆った産毛の生えた顔はしかし、大きな水滴一つ落ちただけで呆気なく、産毛の奥の肌を濡らすのだ。
あの日柔らかい雨が降っていた
私にとってあの日の雨は空に帰ったお父さんが泣いているだろうなと思いながら自分の小さい体いっぱいに、1歩1歩駅へと歩く…。
『ねぇ…お父さん、どうしていないの?』
『何で?、どうした?ってお父さんの優しい声が聞けないの?』『何で傷づいてたりして泣いてるのに私の名前を呼んでくれないの?』
『お父さんごめん私好きな人と結婚出来なくて』
『お父さんの夢は私が好きな人と結婚して家庭をもつ事だった。でもそれは私も同じで自分が好きな人と結婚してお母さんになる事だったな…。』『お父さん本当に私男嫌いで』と思いながら電車に乗って乗り換えて…。
地元に帰って来てかも涙を堪える私。
その代わり空から柔らかく悲しく切ない雨が降る
そういえば、私が好きな人と上手くいかなった時周りが否定した時空からいつも雨降ってる
お父さん、空からいつも私の代わり泣いてくれてありがとう…。
でもまた家族の言いなり周りの言いなりで別れたり、新しい人と恋愛をしたくない。
これ以上自分が汚れてしまうのが嫌だから…。
やっぱり私の好きな人はね…。
言葉にできないくらい〖好き…。〗なんだ。
「雨」
私が笑えば清々しい雨が降る
私が怒れば荒々しい雨が降る
私が泣けば暗然たる雨が降る
私が泣いた時はきまって柔らかい雨で包み込んでくれる
そんな雨が私はだいすきだ
「これじゃ帰れないね」と君は言った。
止まない雨、暮れゆく空。
「どうする?」と僕。
柔らかな檻のような雨に閉じ込められた僕らは、まるで世界で二人ぼっちになってしまったようで。
「どうしよっか」
「どうしたものかね」
同時に呟いて、笑い合って。
嗚呼、
「二人でこのまま雨に溶けて消えてしまえばいいのに」
どちらともなく呟いた言葉は、お互いの唇の中に溶けて、消えた。
#93 柔らかい雨 / どこまでも続く青い空(10/23)
雨…雨は、やっぱり好きになれない。
傘をさしていても、
荷物が濡れないように気を抜けないし、
あと僕はメガネを掛けているから、
濡れても見えないし、下手したら曇るし…
ぶちぶちと内心文句を言いながら、僕は家路を急いでいた。
強く降る雨の前に、折りたたみ傘は無力だ。
それでも視界と荷物を守るため、滑る持ち手を握りしめていた。
悪路でも無事に帰宅し、荷物も少し湿ったくらいで済んだ。
だけど、容赦なく雨に叩かれた僕の体は-
-雨の音がする。
熱に倒れた僕は、スイッチの壊れた目覚まし時計のように絶え間なく続く雨音に目を覚ました。
雨は好きになれない。
なにより逃げ場のない感じが嫌だ。
外にいても、家の中にいても、
雨は窮屈さを連れてくる。
「おにいちゃ、おきた?」
寝起きと熱でぼんやりとしていた僕は、
声をかけられてやっと、ベッド横で座る小さな妹の存在に気づいた。
「…マリー」
妹は身を乗り出し、額に手を当てる。幼子特有の、小さくすべすべした手は気持ちがいい。
さらに体を寄せて僕の顔を覗きんできた妹の、
普段なら、どこまでも続く青い空のように澄んでいる瞳は、心配の色に曇っていた。
「おねつ、つらいね、ごめんなさい、マリーが…マリーのせいで…」
確かに、外に出たのはマリーのちょっとしたわがままを叶えるためだったが。
でも、そうすると決めたのは僕だったし、
何より、風邪を引くほど強く雨が降るなんて、誰も予想してなかった。
妹の瞳から、ぽたぽた涙が落ちてくる。
至近距離から降る温い雨を頬で受け止めると、とても柔らかく感じた。
ああ、こんな雨なら好きだけれど。
だからって妹を泣かせておくのは本意ではない。
「いいんだよ、マリーは何も悪くないんだ。泣くのはおよし。せっかくの晴れ空が曇ってしまう」
いつもなら、この言葉で泣き止むが。
「でも、でも…」
「気にしてくれるんだね、ありがとう。それなら、母さんの所に行くんだ。そうして僕の看病のお手伝いをしてくれるかい?」
皮膚を擦らぬよう、そっと涙を拭い、頭を撫でて。
「…うんっ、わかった。おにいちゃ、まっててね」
僕の配慮も知らずゴシゴシ目を擦り、使命感に燃えた妹は、部屋を出ていった。母なら、僕の風邪がうつらないように、かつ妹が満足できるように、うまくやってくれるだろう。
部屋が静かになって、雨の音がより聞こえるようになった。だけど、思っていたより柔らかく聞こえる気がした。
まるで、優しく包み込むような。
ポモドーロタイマーをスタートすると
チッ、チッ、チッ
古めかしい秒針の音が心をザワつかせる。
早く!早く!
時限爆弾でも爆発するかのように
急き立て
焦らせ
緊張を強いる
唐突にジリリリリと
これまた懐かしい目覚まし時計のベルの音が鳴り響き
束の間のインターバルに入る。
柔らかな雨音がシトシトとささくれた心を潤す。
小さな達成感と共に頭の中で
Get Wild が流れ始める。
柔らかい雨
柔らかい雨
昼から降り出した弱い雨は、色付き始めた山の木々をしっとりと濡らし続けている。
すぐに止むだろうと店の軒先を借りて雨宿りをしていたが、一向に止む気配がない。諦めてこのまま帰ろうとため息を吐いて、既にだいぶ濡れてしまっている足を踏み出そうとしたところで声をかけられた。
「待たせたなぁ。迎えに来たぜ」
「頼んだ覚えはないが」
「俺が勝手に来ただけさ」
そう言って笑いながら黒い蛇目傘を傾けた相手の手にあるのは、使い込まれた赤い傘。本当に傘だけを届けに来たらしい。
「こんな柔らかい雨なら濡れて帰るのも風流だろうが、冬はもう目の前だ。身体を冷やすのは良くないぞ」
「お前ほど冷えてはいない」
差し出された傘を受け取りながら言い返す。わずかに触れた指先の冷たさを指摘するまでもなく、自覚があるのだろう相手は「それもそうだなぁ」と笑うだけだった。
受け取った傘をゆっくりと開く。張られた油紙が霧のような雨を集めて弾き、ころころと水滴を流してゆく。
「しかし今年もずいぶんと暑かったから、苛烈に照らされた木々にはこれくらいの雨がちょうど良いのだろうな」
柔らかな雨のおかけで相手の声が雨音にかき消されることなく、むしろじんわりと溶け込むようにして聞こえてくる。
風流かどうかは知らないが悪くはない。そう思いながら、傘を並べて歩いた。
静かに眠る姫様は、何を想っているのだろう。
異国の王子様?願いを叶える黄金の鐘?幸福を運ぶ色とりどりのオウムたち?
それは姫様にしか分からない。
青い空に輝く星を隠す雲から降る柔らかい雨は、姫様を優しく包む。誰にも害されないように。全てから守るように。
雲のベッドに包まれて、御伽噺の夢を見る。
凡百の幸福を齎す姫様。だからこそ皆が守る。
今日も朝が近づく。
#柔らかい雨
私の心はいつも冷たくて暗くて打ち付けられる雨が
痛いけど、今日くらいは誰かの温もりに触れて
暖かくあって欲しいな。
━━━━━━━━━━━━━━━柔らかい雨
恋という字を使わずに恋を表現するならば雨しかない。
それも柔らかい雨だ。
乾いた地面を雨が優しく撫でる。すると強張っていた外皮がやわやわとふやかされるのだ。じわりじわりと水が染み込むように満たされ柔くなった肌が、心が心地よい香りを発する。香りだけではない。眼差しに、所作に、声に花が咲いたように豊かになるのだ。
我々はそのようにできている。
柔らかい雨
人間にとって雨は鬱陶しいモノだという。
たしかに、雨の日は【ココロ】がどんよりと落ち込んでしまう日だと思う。
だけどね、ワタシたち【植物】にとっては大切なモノなんだよ。
太陽が出ている日があると人間は喜ぶ。
たしかに、ワタシたち【植物】も太陽の光を浴びて、光合成と呼ぶモノをする。光合成は大切なモノだからね。
でもね、太陽ばかりはダメなんだよ。
太陽ばかり浴びてしまうと、ワタシたち【植物】は枯れてしまう。人間の言うところの【死ぬ】と呼ぶモノ。
ワタシたちは、枯れたら二度と元には戻らないの。
だからね、太陽だけじゃなく雨も大切なの。
とくに優しく降ってくれる雨が好き。
とても気持ちよくて、元気になるの。
あぁ、でも、強い雨の日は少し苦手かな。風も強くなるし、飛ばされてしまうかもって、いつもヒヤヒヤ。
だから苦手。
あ、雨が降ってきた。今日は優しい雨だといいな。
悲願を遂げた。多くのものを犠牲にし、得られるものなど無かったがそれは確かに自分の全てだった。
果たした今、伽藍堂の心を撫でる雨の中ボウと佇む。
柔らかい雨
雨に当たることを、
避けようとしていた頃は、
雨がイヤで仕方なかった
が、
雨の日は『濡れる』という
当たり前のことを
受け入れるようになってからは
雨に抵抗感がなくなった
今日の雨は、柔らかい雨
優しく街を包んでくれていた
まー