『枯葉』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「こっちだよ」と呼びかけられ
「まてまてまて」と追いかける
風と戯れ散歩道
__枯葉
薄暗がりカウンターの奥から
枯葉のような含み笑いのマダム
「あんたはまたやってくるのさ」
猫の影が忍び足でドアのベルを鳴らす
♯枯葉
気が付いたら森の中に寝ていた。
見知らぬ場所である。
私は制服を着ているのを確認する。
自分の高校の制服。
名前は…ちゃんとわかる。
胸のポケットから生徒手帳を出し、
記憶と相違がないか確認する。
少し離れた場所に靴が転がっているのが見えた。
他に自分の持ち物らしきものは…?
手足が動く事を確認し、靴を履き、周囲を探索する。
シャク、シャクと森に積もった枯葉が音を立てる。
水音を頼りに沢に出た。
このまま川を下って行けば人里に出るのかな?
見慣れぬ植物に嫌な予感を覚えつつ、
ズキズキとしてくる頭を抱える。
これって…もしかして異世界ってやつ??
学校の階段から落ちたのは覚えてるんだよなぁ。
シャリ、シャリ
と歩を進めれば進める程に枯葉を踏み潰す音がする。
なんだか、シャーベットを食べた時の音みたいだ。
秋なのに、夏を感じた。
_______________
「枯葉って、ポっきん食べた時みたいな音するよな。」
下らない、なんて思ってしまったけれど、私も思っていることは同じだ。
「せやね、確かに、ポっきん食べた時みたいな音やわ。」
ここの所、こんな会話が多いのだ。日常的で平和な会話。
烏滸がましいことはわかっているけれど、私はもっと彼と色んな話をしたい。
勉強の事、部活の事、なんでもかんでも。
私は彼を知りたい。
わが子が小学生の時のこと。
夏休みの宿題だった絵画で、彼はカブトムシを描いていた。画用紙の真ん中にどーんと1匹。周りにも数匹...。当時ケースに入れて飼っていたカブトムシの絵だった。
カブトムシの周りは枯葉などのおがくずが敷き詰めてあったから、わたしは当然茶色っぽい色で塗るのだと思っていた。
仕事から帰ってきてふと絵を見ると、カブトムシの周りが緑色に塗りつぶされていた...。
なんで緑?
彼いわく「この色やん...」
子どもの感性って凄いなと思いつつも、不思議だなぁと思っていたわたし。その時は、「ああ、そうなんや...」と受け流した。
後日、実家の母と話していて、ふとその出来事を話したら、「あ! あなたに言ってなかった?!」と何かを思い出したような母の口ぶり。なんのことかと思ったら、実はわたしの家系には色覚に障害があるのだとか...。
初耳だった。
色覚障害は男系に遺伝していることが多いらしく、母はわたしに男の子が生まれたら伝えておかなければいけないと思ってはいたらしいが、すっかり忘れていたのだそうだ。
兄に色覚障害があることもその時初めて知った。
ほどなくしてわが子を眼科へ連れていき、検査を受けたら、茶色と緑色の区別が非常に難しいことがわかった。
あーなるほど。だからおがくずを緑で塗ったのか...と腑に落ちた。思い出してみれば、下書きしたカブトムシを塗る時も、どの色でぬろうか?と聞いてきたのだった。
さらに振り返ってみれば、幼稚園入園の際に受けた面談時に、先生から色鉛筆の色を尋ねられた彼は、ほとんど答えられなかった。言葉が遅かったのでそのせいだと思っていたけれど違ったのだ。
ごめんね...気づいてやれずに。
幸い、色覚障害が生活に及ぼす困難はほとんどないようだ。
ちなみに、バックが鮮やかな緑色に塗られたカブトムシの絵は、思いもよらず、ある絵画展で入賞したのだった。
タイトル【嫉妬】
文字数 575文字くらい
公園に設けられた青いベンチに座って、自販機で購入した缶コーヒーを飲みながら、覚醒した時のように惚けていると、電球頭の男がひとり、公園に入って来た。
遠目ゆえ、歳はハッキリと知れないが、仕草から察するに若く見える。三十、いや、下手するとそれより若いと思われる。
公園に誰が入ろうと、気にも留めないのが普通だろう。しかしその男は違った。それというのが、何を思ったのか猿の如く木に登るや否や、狂ったように葉を毟り始めたのである。まるで羅生門の老婆だ。きっと気狂いに違いない。
眼前で何かが起きれば、気になるのが人のサガというやつで、無論、それは私もそうであった。
男に近付いて私が下から、
「何をやってんですかい?」
その声を聞くと、男は振り返ってつとめて和かに、
「いえいえ、ただの憂さ晴らしと言いますか、嫉妬のようなものですよ」
「どういうことで?」
「木はね、寒くなると葉を散らすじゃないですか。それで温かくなると新しい葉が生える。ぼかぁ、どうもそれが許せないのです。人は禿げりゃあ、二度と生えない場合が殆どでしょう。僕は見ての通り、こんな頭ですからね。まだ二十歳だってのに。頭はてらてらと眩しいのに、毛髪はお先真っ暗ですぜ。ですからにくいのです。何度でも葉を生やす、木の野郎が」
その答えを聞いて、益々この男は気狂いだと、私は思った。
「枯葉」
カサッ… カサッ… カサッ…
歩く度に小さく聞こえる この鼓動
もう今年もこの季節
生命いっぱい生きた君の姿
いつも見ていたよ
こないだの黄色や赤の絨毯
本当ににきれいだったわ
凛とする君の姿
私も見習わないとね
ショコラ
土曜日の午前8時。
電車に乗って目的地まで向かう。
ボロボロになった参考書を必死で眺める。
電車から降りて少し歩くその間ももったいなくて、
英単語を聞き流す。
道路沿いの木の下には枯葉が絨毯を作っている。
大丈夫。あれだけ勉強したんだから。そう自分を励ましながら、大学までの道を急ぐ。
今日は大学入試本番。私と同じ高校生が大学に向かって歩いている。
今ここにいる人たちはみんなライバルなんだ
そう思うとより一層気持ちが引き締まる。
負けないからな。
そう呟いて、大学の門をくぐった。
木の葉の散る頃、君が溢した涙。
二人の間のテーブルに枯葉が落ちてくる。
君の目は潤ってこそいるけれど、
その涙は枯葉みたいなものだ。
急に葉を落とし始めた木々を見て、季節の移ろいを感じるように。
その変化の途中には全く気づけなかった、自分を責めた。
地面に敷き詰められた枯葉を二人でせっせと集めそれを焚き火にして芋を焼く。
芋が焼けるまで時間がかかる。それまでの間おしゃべりしたり焚き火を眺めていた。
渋めの赤や黄色が鮮やかな赤に包まれている光景は圧巻だ。
「ほい、先に食えよ」
差し出されたしわくちゃの銀色の包みをはがし、中にある焼けた芋を頬張る。
「焼けてる?」
相手からの問いかけに首を縦に降った。
相手はよっしゃ、と焚き火の中から銀色の物体をいくつか掘り出し、その中で一番大きい物体がちゃんとほくほくしているのを確認してから食べたのだ。
秋の休日。もうじき本格的に寒くなる。
子供の頃は昆虫少年だった。
自然が豊かなところで育ったせいもあるが、愛読書は『ファーブル昆虫記』だったし、近所の野原や森の中で、昆虫を追いかけていた。
ジャン・アンリ・ファーブルは昆虫記で有名だが、子供向けの自然科学の本も書いていた。昆虫だけではなく、その他生き物や自然現象について、優しく詩的な文章で教えてくれた。
子供にとって、森羅万象はおもしろい。
野原や森にスコップを持って行き、少し土を掘れば、訳の分からない小さな生き物たちがウジャウジャ蠢いている。
ミミズが、枯葉を食べて分解する、その排泄物によって無数の微生物が繁殖する、微生物を求めて小さな生き物たちが集まる、さらにそれらを食べようと集まる捕食者たち。
枯葉は偉大だ。
大地は、土壌は、正に枯葉とミミズと微生物が作り出したものなのだ。枯葉がなければ、地球はこんなに美しい星にはなれなかった。
枯葉こそが本当に必要不可欠なものなのではないだろうか?
子供のころ、オタマジャクシをカエルになるまで飼い続けた事はないだろうか?その後は逃がしてしまいましたか?
小さなカエルにエサを与えるのは難しい。カエルは生き餌しか食べないが、サイズが小さ過ぎるカエルにそれより更に小さな生き物を探すのは大変だろう?
けれど私は簡単に解決出来た。プラケースを森に持って行って、微生物ごと土を入れた。極小さな虫も入っている。
後は小さなカエルを入れて、スプレーで適当な水分を保てば、案の定カエルは生きる事か出来た。(キリがないのである程度大きくなったら逃がしました)
大地は生きているのである。ファーブルと、ダーウィンから教えてもらったことである。
ヒラヒラ
落ち葉が私の頬を掠めた
私が好きな学校の中庭にある大きな木
入学した時からずっとお気に入りの木
上を見上げる
もうすぐここともお別れだ
来年には私はこの学校を卒業する
肌寒い風が吹きつけるけど、木の下から見上げると、葉の隙間から太陽の光が優しく差し込むのを見るのが好きだった
葉っぱから雨上がりで付いた雫が垂れて、ポツポツと私や周りの芝生に落ちる様子が好きだった
何と言っても、入学した時に、ここで見上げた桜の花・・・
満開の桜と、無数のヒラヒラ散る花びら
優しい淡いピンクの色が胸が締め付けられるくらいに好きだった
どうしてかな
辛い時はついついここに来てしまう
今だってもう、3月のお別れが悲しい
落ち葉が物悲しくて
落ちていく様がこの学校を離れる私を表現しているみたいに感じてしまう
見上げて、風と共に降り注ぐ茶色の枯れた葉っぱを見上げる
落ちないで
無意識に思う
桜が咲いてしまったら私はもうここには来られないから
この場所の不思議な空気を
もう少しだけ感じていたいから
私自身にも理解できない感情
執着みたいなもの
不思議な思いをこの木に抱いている
どうか落ち葉よ、まだ落ちきらないで
足元で枯葉を踏みつける音がした。
そんなものは無かった筈だと足を上げる。だが記憶に反して枯葉と思しきものが現れた。
すっかり乾燥し少しでも力を加えればパリパリと音をたてる枯葉。元の色などわからない。それでも元は瑞々しい緑だったに違いない。茎の部分を持ち上げればハラハラと破片が散らばった。これをひと所にあつめるには人の手では難しい。
箒と塵取りうぃ持ってこよう。
枯葉
末枯れる、という言葉がある。
意味は草木などが冬が近づいて枯れ始めること。
読み方は『すがれる』。『うらがれる』とも読むが、私は『すがれる』の方が綺麗だと感じるのでそう読んでいる。
初めてこの言葉を知ったとき、なんて美しい表現だろうと嘆息すると共に、木の葉が枯れてもなお枝に縋っているというイメージが浮かんだ。
そのときから私は新緑や若葉や紅葉よりも枯葉が好きだ。
(枯葉)
枯葉満つこの身の内のかさかさと
音聞きつつも凪ぐ不思議さよ
〈枯葉〉
歩くたび、サクサクと乾いた音がした。
足裏から伝わる感触もやわらかい。歩道を埋める茶色の葉はまるで絨毯だ。
視線を少し上向ければ、葉がすっかり落ちて黒い針のようになった枝が空へと伸びている。
今は青空に映える枝が、じきに白い雪を乗せて頭を垂れるようになるだろう。
枯葉を踏みしめながら並んで歩く。
言葉は無く、落ち葉を踏む音が二人の耳にやけに大きく響く。
平日の公園は歩く者もまばらで、数えるほどしかいない。ふと、悪戯心が湧いて男は歩道の柵をまたぐとでこぼことした根が張る木立の中へと歩き出した。
追いかけてくる気配に胸の内で微笑む。
歩道を外れると途端に歩きにくくなる。
落ちている枯葉も小さくやわらかなものから、大きな湿ったものに変わっていた。
木の種類が変わっているのだ。構わず奥へと歩き続けると、重なりあった落ち葉と盛り上がった土に足を取られた。滑って転びそうになるのを、すんでのところで止められる。
強い腕に、引き寄せられた。
「子供みたいな事をする」
咎めるような声に、思わず笑みが浮かぶのを抑えられなかった。
END
「枯葉」
かーれはーちーるしぃーろーい
てらすーのごごさんじー
違うわーってかあε=(ノ・∀・)ツ
それは、元祖天才バカボンのエンディングじゃあーってかあε=(ノ・∀・)ツ
お題は、
枯葉じゃあーってかあε=(ノ・∀・)ツってかあε=(ノ・∀・)ツってかあー!ε=(ノ・∀・)ツ
僕が君に伝えたかった言葉は、
いつも結局言えないまま季節が変わって、
いつのまにか枯葉になる。
そんなことを何度も繰り返してる。
桜の花びらがひらひらと舞い散る。
言えないまま君とは簡単に会えなくなってしまった。
「卒業してもみんなで遊ぼうね!」
言えるのはこれだけ。本心だけど本心じゃない。
本当に言いたいのはこんなことじゃなくて。
当たり前に毎日君に会えていた日常を思い出す。
明日からは当たり前じゃなくなる。
学校なんて行きたくないと何度も思ったのに、今ではそんなこと微塵たりとも思わない。
一日一日が、楽しくて大切で幸せな日だった。
枯れた葉と時間は、もう二度ともどらない。
-枯葉
枯葉は枯葉の良さ
若葉は若葉の良さ
若葉のふりも枯葉のふりも
種のふりも木のふりも
そして土のふりもみんなお見通し
@枯葉
僕は枯葉が嫌い。
春の暖かい色を突き落として、
夏には暑苦しい緑色で存在をアピールしてくる。
だから僕は枯葉が嫌い。
秋になり、やっと綺麗な紅葉になったと思えば、
ひらひらと舞い落ちて寒い冬を連れてくる。
だから僕は枯葉が嫌い。
あの日は生きていた山が、森が、木が。
今年の夏には死んでいた。
一年を通して変わり続ける葉の色を、
もう、見ることができない。
だから僕は枯葉が嫌い。
別れを言っているように聞こえるから。