『束の間の休息』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
息を吸いこんで、目を閉じる。
必要なのは、それだけ。
積み重なった『やらなくちゃ』
これを片付けないといけないの
先延ばしにしてきたものから
新しく追加されたもの
色んな『やらなくちゃ』があって
なかなか終わらない
集中力が切れてきたら
好きな紅茶とお菓子を食べるのが
束の間の休息
渦巻く感情の波に囚われた時は、
目を閉じて、耳を塞いで、心を遠く遠くへと飛ばす。
どこがいいか。南の島……では平凡か。
月の裏側の湖で光る水面を眺めたら、
白い魚がパシャリと跳ねた。
日々は絶え間なく、緩やかに死へと向かう道筋。
その途中で、こうした束の間の休息を摂ることも
そう悪くは無いだろう?
明日もまた笑えるように、日々が優しく彩られるように。
そう願えたら、もう眠りに落ちるだけ。
テーマ『束の間の休息』
学校の休み時間って
授業毎に10分、短すぎるよね
それで、トイレ行っとけ!
次の授業の準備しろ!
って言ってくる
これぞ、束の間の休息
束の間の休息なんていらない。大変な事は途中に休憩を挟むと気持ちがだれてしまって再開する時に非常に憂鬱な気分になる。それだったら全集中で仕事を終わらせてしっかり休憩を取りたい。束の間の休息なんていらない。
❒wing「束の間の休息」
俺は宿題が全部終わりやっと休息ができると
ひと息吐いて笑みを浮かべた
背筋を伸ばし飲み物を取ろうとリビングへ向かう
冷蔵庫から冷えたお茶を取り部屋に戻る
椅子に座りお茶を飲みながらふと何かを
忘れているような気がする
何か大事な事な気がする
なのに思い出せない
もやもやしながら「うぅ~ん」と口にだし
ふとまさかと思い学生バッグの中を見てみる
あぁ〜と心の中やってしまったと
まぁ気づかなかった俺が悪いのだけれど
簡単に言えば自業自得
まさか英語を忘れるとは思わなかった
「はぁ」とため息をついてノートを机に広げ
思う束の間休息とはこう言う事なのか?
仕事が
ひと段落した時など
大きめのマグで
コーヒーを飲む
大きなマグだから
なみなみとコーヒーをいれると
ずしりと重い
マグのとってに
指4本を束ねて入れ、
しっかりと持ち、口に運ぶ
正真正銘、
ちゃんとした
『束の間の休息』だ!
まー
【束の間の休息】
カロンカロンと水筒の氷を鳴らすように
涼しげに笑っていたあなたが懐かしい
やれチェスで勝っただのアイツが好きなのかオイオイどうなんだうるせぇよだのと聞き合った昼休み、ろくに勉強もできやしなかったがそれは確かな救いだった
なんだかんだあなたのさっぱりした性格は好ましいものであったのだ
氷が溶けるように、休みが永遠に続かないように、あなたもまた同じようにいなくなってしまったけれど
深夜2時
垂れ流しのテレビ
片耳だけ付けたイヤホン
流し見る短い動画
自分の呼吸だけが空気を揺らす
みんなが寝静まったリビング
今日も私、頑張ったよね
【束の間の休息】
昨日が記憶の中に沈んでく。
憂鬱で残酷で
夢のような、
戻ることのできない
過去の時間。
今日は明日に力を込めて、
またと来ない今を
大切にしたい。
︰束の間の休息
心底ムカついている。定期的にやってくる怒りというものに後押しされ振りかざす暴力。えぐり取った部分は結局コレ、いつもどうやって埋めていたっけ。
なんだ?何故己は加害者に心配されているのだ?「恋人できたら変わるよ」だの「恋人に会わせたい」だのなぜそんな無神経なことを言われねばならない?なんだ??他の奴もそうだ。トラウマだから無理だから恋愛とか気色悪いと言ったことがないからか?「なんでそんなに無理なの?」って、なんでそんなに追い打ちをかけてくる?トラウマの内容全部ぶちまければいいのか?
「穏やかで優しい自分」というのはおらず、己の優しさというのは我慢で成り立っている。いいや最早脳内辞書には優しいイコール我慢が定義付けされているのだ。優しさとは我慢である。実に間違っている。そんなのだからある時ふと爆発してキレて泣くのだ。何がアンガーマネージメントだ、何がセルフコントロールだ、たわけ。
休息を取るなら外界のすべてをシャットアウトし布団に引きこもることが一番だ。有象無象がうじゃうじゃ呟いているアプリは絶対に見ない、メッセージも全部通知オフ、連絡なんて受け取るだけダメージが蓄積される。怒りに身を任せているときに誰かとやり取りをするのは危険だ。どんなメッセージも負担にしかならずストレスを増やし、返信もどうにも刺々しくなり、これではいけないと文章を練っているその時間ですら腹立たしくスマホをぶん投げてしまいたくなる。
捨てなくとも感受性が死んでる。とにかく怒り一色で何も楽しくない。暴言を吐いているときだけスッキリ心穏やかになるだなんて重症だ。なんだか嫌な奴みたいだな。……嫌な奴なのか?全く覚えがない。キレさせるまで追い詰める奴らが悪いのだからこちとら何も悪くねぇだろ。
「勝手に我慢して勝手に自爆してるだけなのに人のせいって」ってそれでもいいかな。我慢する方が悪いってんなら我慢させる方も悪いだろ。傷つくやつが悪いってんなら傷つける方も悪いし、他責が駄目なら自責も駄目だ。どっちかだけが良いだなんてあり得ない。そもそもその良し悪しの基準誰のなんだよ。知らねぇやつの基準で知らねぇやつが勝手に口出すな。自己と他者との精神的肉体的な境界線くらい引けよ。
とにかくなんにでもイライラする。書いても書いても書いてもこれっぽっちもスッキリしないし満たされない。怒りのまま修正したってなんにもならない。美しいと思い完成させた文章を一時の気の迷いでぶち壊すことの恐ろしさとは。
とにかく破壊したい。指一本一本引き抜きたい。なんだなんで今こんなに罪悪感なんて植え付けられてるんだ。なぜ己は今加害者に心配されている??受けたことを暴露しないかと探りを入れているのか?優しく親切にすることでチャラにしようとしている??なんというド畜生!幼気な幼子にトラウマを受け付けたことを今になって思い出したのか?おやおやまあまあ!加害者はいつ暴露されるかと、その恐怖に怯えていると?
こんなの都合がいい妄想だ。どうせ加害した意識もないのだ。加害した意識もなく更に勝手に哀れまれているのだ。意識があって哀れまれているとしてもこの上ない侮辱だ。
「ちょっとやっただけ」「たかがその程度で」決め台詞はこの辺か?それとも「お願いだから流出させないでください」か?
人は誰しも間違いを犯すって?間違いの1つや2つくらいあると?己も間違いを犯したことがあるのだからあまり咎められる人間ではありませんよと?馬鹿かよ。ソレはソレ、コレはコレだ。悔やんでいようと謝られようとぜっっっっっっっってぇ許してやらねぇ!!!人の尊厳奪っといてどの面下げてんだよドアホが。
加害者も心底ムカつくが被害を受けたことがないやつってのもいいねえ!苦しむことなくお気楽に当たり前のようにそれが当然だとでもいうように、こちらが心底吐き気がするようなことを呆気なくやってその話を平然と聞かせるのだ。そしてできないこちらが変だと言う。こっちが馬鹿みたいだよ。ああ羨ましいね、完全なる八つ当たりだ。気色の悪い。最悪だ。罪のない人に怒りを向けるのは流石に違うと理解はしているが腹立たしい。
いや、無理だ。なんの罪もないわけではない。何度も何度も心をえぐりとられてる。嫌だと何度も言っているのにやめてくれないなら強硬手段に出るしかない。慈悲の心など疾うに尽きた。次同じことやったら場が凍りつこうが誰かと誰かの関係が切れようが一切合切ぶちまけてやる。いや、いやまて、軽く、説明するくらいでいいんじゃ……いいやもう耐えられない。なぜこちらが我慢せねばなるまい。
傷つけて傷つけてめった刺しにしてやる!!!
…………やめよう。幸せなら勝手に幸せになっていてくれ。見せるな。恋人を紹介しようとするな。本当にゲロってパニックになって罵詈雑言浴びせてもいいってなら会ってやるさ。やめてくれよ、犯罪者にしないでくれ。お前らの話なんて知りたくもない。
楽しくない。良くないゾーンに入っている。
「寒いこと言いやがって!」
「心なんかクソ、感受性なんて捨てちまえ、過度な繊細さなどいらん。誰にも分かっちゃもらえねぇなら最初から全部捨てろ!!」
「あっさいこと言いやがって誤魔化してるけどバレてっからな」
「ああムカつく全部ぶち壊してやる!!!!」
ありとあらゆることにキレ始めたらそろそろストレス値が限界突破しそうなんだと思う。休息が必要だ。
そうだ、自分はいつだって素敵なのだから自己否定するだなんてあり得ない。ただの不調だ。休息を取らねば。誰とも話さず誰とも連絡を取らず暗闇に引き篭もって。
どうしてあんなひどい体験をしなければならなかった?どうして?
仕方がない。だって人生だから。苦労は誰の人生にもある。自分の人生の大きな苦労の一つが、たまたまそれであった、というだけの話だ。
許せないならそれでいいんじゃないか!加害者の心一つくらいぶち殺してしまえ!安いもんだろう!はっはっは!それでトントン、チャラにしてやる。なんて慈悲深いんだろう!
生きるのをやめたい。この憎悪が消化しきれない。なんの役にも立たない。慈悲なんてこちらが注がれたい。どうしても悪人になれない。加害者であろうが傷つけられない。どうして?こんなんだから搾取されっぱなしなんだ。元来弱い人間なんだろう。笑えない。我慢して我慢して自滅して馬鹿みたいだよ畜生共。
だからとっておきのプレゼントを用意するのさ!どうやったらいかにこの被害者という武器を使えるか考えようじゃないか!相手が鬼畜ならこちらも鬼畜にならないとね!やられて黙って泣き寝入りだなんてことしないよ、でもこれ全く割に合わないからね!ほんと感謝してほしいよ向き合ってあげてるだけで仏のようだろう!挽回のチャンスを与えてあげようだなんて思っているのだから!ははは!復讐だなんてとんでもない!そんな恐ろしいものじゃないよ、ゲームみたいなもんさ!気楽にしていてほしいね。逆ギレされたいわけでもないし泣かれたいわけでもないし許しを乞うてほしいわけでもない。望みはたった一つ、ただちっぽけな精神をバキバキにへし折れたらそれで大満足なのさ。
ああどうしよう!加害している意識もなく加害できる人間ってのは頭がイカれているからな〜んの効果もなかったら悲しいなぁ。傷つけられないならどうやって困らせればいいものか。恋人に暴露?職場に連絡?ネットに流出?やりようはある。どこかに。
どうやったら苦しんでくれるだろう。赤の他人を苦しめてるのとわけが違うだろ?加害者に、正当に、異議申し立てをしようとしているだけだ。
そんなことする精神力も残っていない。悲しみに明け暮れているというのに。どうやったらこの傷を埋められる。えぐりとられた部分はどうやって補う。憎しみか?復讐心か?嫌悪か?暴力を肯定することか?なんと苦肉の選択なのだ。きれいな何かで埋めるにはあまりにも汚れ蓄積させてしまった。綺麗なもので心洗われないほど憎悪を募らせてしまった。どれもこれもスッキリしない。メルヘンすぎると羨ましくて信じたくなくてズタズタにしたくなるし、ホラーなものは記憶が蘇ってズタズタにしたくなるし、もう何もかもだめだ。いっそコメディなのか?
これっぽっちも許せない、全くもって許せない!良心なんてさっさと捨てちまった方が生きやすいのさクソ食らえ!!ははは!やりようはいくらでもある。人を不幸にするやり方は知ってる。大丈夫、いつだって人は簡単に精神を病む。ジワジワ痛め付ければ痛めつけるほど、じっとり精神に巣食って悪性腫瘍みたいになる。一気に叩かれるよりジワジワ追い詰められる方が人間苦しいのさ。
「被害者という立場を免罪符にしてそうも痛めつけるだなんて酷い」とか言われたらど〜〜しよう!とはいえそんなの元はといえば加害者が全部悪いしなあ!傷つけられたくないなら人を傷つけなければいいのさ。傷つく方が悪いと言うならやり返される方も悪い。仲良くお互い火炙りしよう。腹括れや。よう首洗って待っとけよ。
人を刺すイメージを何度もする。脂肪も筋肉も内臓も混ざりあった細切れの肉と骨だけになって、人間だった「何か」になる。ああ、こんなたかが肉と血と骨だけの何かに怒り憎悪していただなんてなんと馬鹿馬鹿しいことか、ひゃっはー!と、安堵する。
愚か者は痛みをもってしないと理解できないのだ。残念だ。本当はこんなことしたくないけれど致し方ない。教育すること、これが一つの優しさってやつだと思いますから!
やはり人を支配するのは痛みなのだ。人の人生を奪ったからにはそれなりの誠意ってもんを見せてもらわにゃこの怒りがおさまらない。お前の大事な恋人でも差し出せよ。直接本人を痛めつけるよりその人が大事にしてるものを痛めつける方が効果があるんだ、こんなことお前も知ってるよな。我々同胞だろう?きっと分かり合えるさ、お前がこちらを哀れんでくれるというのなら。ところで恋人との間に子供はできたのか?楽しみだな。そのガキの誕生日教えてくれよ。その日に最悪な知らせができることをしたい。お前の誕生日でも恋人の誕生日でもいいけど。記憶に残りやすくていいだろう!素敵な誕生日プレゼント受け取ってくれよ。
これじゃあ関係ない人を巻き込むことになるのか。なんの罪もない人を?いやいや、罪ありますから。畜生がのうのうと幸せに生きているその肩を持ってる恋人もガキも罪だと思いますの。
威勢良く啖呵切ってはいるけどきっとこんなこと実際にはできない。だって頭イカれてないし。まともな精神してたら人の心を侵害しようと思っても実際にはしないでしょう?ただただ小心者なだけだけど。あっはっは!心持ちはこん畜生めボケがと思っておいて、どうやってひっそりこっそり痛めつけようかと空想しよう。心底腑抜けの優しい人間ですから、妄想の中だけに留めておくのです。やっぱりなんて他人思いなのか。自分って素敵!最高!
休息を取ろう。きっと疲れてるんだ。
できるわけねぇだろ!!!!!道徳心なんかクソ食らえだ!!!道徳心が大事だと説くなら加害者に言えや!!もういい。全部どうでもいい。自暴自棄でも構わない。傷の一つでもつけられないと我慢ならない。思いのままに暴れていいのかって、同じことを返すことの何がいけない?私刑は駄目?なんで?いいじゃないか!それで誰も幸せにならないなんて、被害を受けたときから既に幸せじゃないんだから今更だ。自分の不幸の上に成り立つ加害者の幸せなんてむしろ滅ぼしてやる。精々苦しめ。
束の間の休息
うんこを出し切って、
立ち上がろうとした瞬間に出たがるうんこ。
おい! 電車ん中で人の足高~いハイヒールで思いっきし踏んどいて 知らん顔の とっても綺麗なお姉さん!
タンスの角にぶつけた位痛かったんだぞ! 涙チョト出たんだぞ!
とぼけやがって!
その寄せて高く上げ捲ったオッパイつねってやろーか?!
あやまれ!💢
勤務の間に挟まる1時間だけの束の間の休息。
正直なところ、1時間では足りないと思ってしまうのは
私だけだろうか。
この休み時間の中でできることはかなり限られる。
まず、同僚との付き合いで一緒にランチなんてことになれば、1時間全てが根本的に「休息」ではなくなる。
人付き合いに神経を使うので、休まる暇が無い。
なんとか1人になったとしても、
半分はもちろん昼ご飯に費やされる。
残りの時間を睡眠に振り分けて体力回復させるか、
スマホ片手に趣味に没頭し精神を満たすか。
できれば両方やりたいが、どちらかしかできない。
だが、仮にこの休みが2時間に伸びたとする。
そうすると、今度はその分の業務のスケジュールが
押すので、退勤時間が遅くなってしまうのだ。
家での休息が短くなってしまうのも由々しき事態だ。
いや、自分の場合は1人でいることが休息になっている
タイプなので、こちらのほうが厳しい。
そうやって逡巡して、諦め、
今日もまた1時間をやりくりするのである。
束の間の休息
社畜…そんな言葉が当てはまる様な毎日…朝から夜まで、馬車馬の様に、仕事に追われて…
たまの休日は、惰眠の一日で、部屋は、荒れ放題…でも、疲れ果てた身体には、判っていても、何も出来ない…コンビニ弁当とカップ麺の繰り返しで、キッチンも、もう手が付けられない…
せめてもの救いは、休日の夜のお風呂…普段はシャワーだけれど、休日だけの小さな贅沢…入浴剤を入れて、ゆっくり湯船に入る…殆ど、うつらうつらしていて、気が付くと、1時間過ぎている…
その細やかな休息が、明日からの力になっている…
あ お湯!
い 沸いてるよ!
あ どのくらい?
い お前のもあるよ
あ …お、おう
い 先使うぞ
あ 何味だ?
い 味噌!
あ クソッお前もか!
『束の間の休息』
長文になりますが、
お付き合いいただければ幸いです。
著 笹本祐一
妖精作戦シリーズ 全4巻
かつて谷川流が
かつて有川ひろが
かつて秋山瑞人が
かつて小川一水が
心を熱くした小説
私も高校生の時に読んで、夢中になった
何度も読んだ10代
20代の時にも読んだ
その後は読み返すことは稀だけど
決して手放さない、大好きで大切な小説
この小説の読者は
おそらく天文学的数字になるだろう
なぜなら、
初版は1984年
10年後の1994年に新装版として
さらに、初版から27年後
2011年に復刊された
私は田舎の高校生で、
新宿や国立は地図でしか知らないし、
バイクを整備したり、
英語で話しかけたり、
そんなことは全くできない、
平凡な女子高校生だった
でも
彼ら彼女らの世界に引き込まれた
セリフが声になり
アクションが目に浮かんだ
そんな、私の、
過ぎた日を思う
#過ぎた日を思う
束の間の休息
.
目の前の彼女は小さく呼吸をおいて、あなたに残酷に宣言する。「今すぐ、寝てください」。ジッ…と私の瞳孔のさらに奥を見据えて、身をかがめていた。「私ってそんなに眠たそうかな?」、同居人はその高貴な視線から私を解放して、それから大きく溜め息をもらした。彼女の両手にひとつずつ握られたお揃いのマグカップからも、(彼女を怒らせるなんて)と溜め息をつかれている。「ごめん」、と、そっと触れるように目を合わせた。それで彼女はむくれたお顔を元どおりの可愛い顔にする。「淹れ方わからなくて、インスタントだけど…飲んで!」、彼女は左手側のカップを私の手に掴ませる。「ン、ありがとう」。ひとくち、ふたくち__コーヒーはその苦味と温もりを全身に満たしながら胃に運ばれる。「小休憩にするよ。…その間、ここにいてくれる?」、聞くと彼女はご機嫌に頷いた。
束の間の休息
もういい頃だから
蛹も蝶に変わるために
ふるえている
朝露のかかる草原
自由に飛び立つ前に
ふるえている
飛んでごらん
柔らかな羽広げて
君は最高さ
私なんかと言う奴は
自分を過小評価する奴は
全然 謙虚じゃない
わかるかい そんな奴は
たいてい こんな言葉を待っているだけ
「そんなことないよぉ」
「あなたは 素敵よ」
そういうの 社交辞令って言う
その言葉を 聞きたいだけ
聞いて 安心したいだけの
臆病ものの自称繊細
聞きたい言葉が聞けないと
世の中が悪くて
誰かが悪くて
被害者で拗ねる 困ったものだ
朝露に羽根を濡らして
目覚める 柔らかな君よ
どうか そんな風にならないで
しなやかに 舞うように
自由に飛んでおくれ
そして 時々帰っておいで
柔らかな 天使の羽
休めに おいでよ
前髪だけの女神を追いかけ
飛ぶ天使たちよ
束の間の休息を
朝露に濡れる草原で
令和6年10月8日
心幸
バタバタと出かける準備の音がする。
「会社行かなきゃいけなくなった」
完全リモートワークになっていた夫はそう言って会社に出かけた。
子供は学校。
洗濯も掃除も一通り終わっている。
一人ならお昼は作らなくて良いか、と
お菓子と飲み物を用意する。
本か… はたまた映画か…
気になっているゲームの実況でもいいかもな…
などと考えながらソファに座り込む。
不意に訪れた束の間のお一人タイムを
のんびり静かに楽しむのでした。