『束の間の休息』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
束の間の休息
ツカツカと音を鳴らし、夜道を歩く怪物の名前は、「魔の九足」。本日も風来坊のちんどん屋さんをゴミムシダマシにサブスクライブ。何があればちゅんちゅるりと雨合羽をちんすこうにしただろうか。
即席のテント内は混沌としていた。
次々と運ばれる重傷者に、意識を朦朧とさせながら滲むうめき声、痛みと戦う吐息。
すえた臭いと血の臭い。消毒の匂い。鎮痛剤変わりのハーブのつんとした匂い。すべてがまぜこぜになってのし掛かってきてとても重たい。
「大丈夫。大丈夫ですよ」
メルルは次の患者の前にしゃがみこんで回復魔法を施す。
男性は肩と頭に巻いた包帯に血が滲んでいた。
ゆっくりと組織の修復を促す。包帯を巻き直しもう一度魔法を唱える。
「あまりうまくなくてごめんなさい」
出きる限りはやった。でも…とても完全な治癒には行き着かない。
異変には自分で気がついた。
ふらりと意識が暗闇に引きずられていく。いけない、まだ仕事はたくさんあるのに。まず視界が閉ざされ、耳がゆっくり塞がれていく。奇妙な感覚だった。
「大丈夫か、嬢ちゃん」
はっとした時には自分は横たわっていた。
「私…っ」
プラチナの身体の人が側にいた。見たことのある人だった。
「まだ寝とけって。えーと。なんて言ったかな。姫さんが言ってたぜ」
「…私、倒れてしまったんですね」
「みてぇだな。ま、無理すんな」
小さいテントには、メルルとその金属の人しかいない。
簡易ベッドに寝かされ、薄い布が掛けられていた。
「オレも動くなって言われててよ。目立つしなぁ」
「ふふ」
確かに。これ以上ないぐらいに目立ちますね、と笑ったのはメルルの口元だった。
「怖くねぇの?オレが」
「怖いだなんて。ポップさんと戦ってらした方でしょう。確かヒムさん…」
メルルがにこりと笑う。げっ、と顔をしかめられた。
「ヒム…さん? そんな呼ばれ方始めてだわ」
呼び方に違和感があるらしい。
「肩のところ、痛そうですが」
ヒムもまだ完治していなかった。
最後の脱出劇で腕はもがれ、肩までヒビが入る重傷だったのだ。老師に治してもらい見た目は腕も肩も復活したが…。
メルルが至極当然のように回復呪文を唱え始めたから、ヒムが細い手を取った。
「やめろって、またぶっ倒れられたらオレが叱られる。恐ろしいんだよなーあのお姫さん。めちゃくちゃ口が達者でよ。大丈夫だ、見た目ほどヒドくねぇし」
固くて大きな手はメルルをそっと握ったまま。嫌悪感もなにも抱かない。
「不思議」
「あん?」
「初めて会ったのに、初めてじゃないみたい」
くだけた喋り方のせいか、それともポップを通してテレパシーで見ていたせいか。妙に親近感が湧く。
「私もそれほどか弱くありませんよ」
「へっ。こんな戦場に来るんだもんな。それでこそ最後までもがく人間の底力よ」
メルルもとても身体が疲れていたけれど、ヒムの勝ち気な笑みが心強い。戦いは終わったのだとやっと実感した。
「寝とけよ。起きたらまた大忙しだ」
「…そうですね」
なんだか大きな銀色の狼にでも守られているような気がして… メルルはとても久し振りに心穏やかに目を閉じた。
僕は生きることに疲れてしまった。
ある日僕は、とある洞窟のダンジョンに置いてあった宝箱を見つけた。僕は仲間たちを呼ぼうか迷ったが、いつも自分の事を子供扱いする仲間たちの顔を思い出し、やめてしまった。うひひ、これで僕だけ最強装備ゲットだぜ。
そんなくだらない思いで僕はこの宝箱を開けてしまった。
「いや~宝箱見つけたけど何も入ってなかった」
あの後僕は宝箱を開けたが中には何も入っておらず、結局僕は仲間のもとにふらふらと帰ってきた。そんな僕を見て、賢く口うるさいモンク、怒ると怖い魔法使い、いつも優しい僧侶は全員呆れ顔を浮かべてそれぞれ叱ってきた。僧侶は嫌がる僕を座らせ診察魔法を唱えると不安そうな顔をした。
「この子、呪われてる」
彼女のひと言に、みんなの顔は険しくなった。急いで僕は教会までみんなに担ぎ込まれた。しかし僕の呪いは解除することができず理由を聞くと、どうやら僕には自分の状態をすべて元の状態に戻す呪いがかかっているようで、呪いを解いても呪いのある状態に戻ってしまうからだった。
僕は、嬉しかった。この呪いを活かせば僕は実質不死身で、どんなモンスターにも勝つことができる、そう思ったからだった。しかし仲間たちは皆悲しそうな顔をしていた。僕にはその理由がわからなかった。
それからの僕たちは敵なしだった。向かってくるパーティーもモンスターもすべて僕の不死身の体で特攻を仕掛け、注意の逸れた所を魔法使いとモンクが一掃した。勝利を収めるたびに、僕はボロボロになり、仲間たちの心配そうな表情は深く顔に刻まれていった。
そんなことが続いたある日、モンクが死んだ。病死だった。モンクは最後に一言「もう戦うな」と僕に伝えてきた。モンクが死ぬ瞬間に立ち会った仲間の二人はベッドの脇でずっと泣いていた。その横で僕は、自分の異常に気づき部屋を出た。それは、父親のような存在であったモンクの死に僕は涙の一つも流せなかったからだった。それどころか悲しみすら湧き上がってこなかった。その原因はすぐに思い当たった。
『元の状態に戻す呪いが前より強化されて感情すらも元に戻してしまっている。』
心拍数が一瞬上がったがすぐに抑制されてしまった。やはりそうだ。
しばらくして、僧侶が冒険者を引退する事を伝えてきた。理由を聞くと僕のボロボロになる姿に耐えられなくなってしまった、モンクの死を見て死ぬまでにやりたいことができただかららしい。僕は何も感じず了解を伝え彼女を見送った。感情を失ってから精神的なストレスで僕は酒をよく飲むようになった。感情の発露がストレスを減らしていたという事がよくわかった。いくら飲んでもすぐに元の状態に戻され、その度に僕は酒の量を増やした。魔法使いは酒の量が増える度に僕を叱り、僕はその度彼女と喧嘩をした。彼女は僕を見て悲しそうな顔で泣いていた。
『そんなに辛いなら、なんで僕に会いに来たりするんだ。あの僧侶のように何処かへ行ってしまえばいいのに。』
僕はそう思った。
魔法使いが寿命を迎えた。ベッドの脇で僕は一人シワシワになってしまった彼女の手を、あの頃と同じ自分の手で握った。あれから呪いが強まり自分の体の成長は止まってしまっていた。死に際、彼女は「体に気をつけて、お酒は飲み過ぎちゃだめだよ」そう言った。「心配しなくても僕はもう不死身だ」僕はそう言った。彼女は悲しそうに笑った。
魔法使いの墓の前で僕は彼女のことを思い出していた。最後まで彼女は僕の心配をしていた。思えば、僧侶もモンクも最後まで僕の心配をしていた。何かが胸に込み上がりそうになりすぐに抑制された。なぜあんなにみんな僕を心配していたのか、僕が呪いを受けたときなぜあんなに悲しそうな顔をしたのか、今の僕なら分かっていた。
その時、僕は誰かに似た声で後ろから呼ばれた。回想を邪魔され不愉快になりながら振り返ると、そこにはヨボヨボになった僧侶が立っていた。驚き、何も言えないでいると僧侶は「モンクに頼まれていたものです、飲んでください」と言い僕に薬瓶を渡してきた。怪しみながら僕はそれを受け取った。急過ぎないかと思い会話をしようとしたが耳が遠くて何も聞こえていないようだった。少し躊躇したが、自分が不死身なのを思い出しやけになって飲み干した。瞬間、頭に痛みが走ったかと思うと胸に何かが込み上げてきた。吐き出そうとしたが何も出ず、代わりに嗚咽と目から何かがこぼれた。
涙だった、止まらなかった。
僧侶を見ると泣いていた。
仲間との思い出が蘇った。
ともに旅をし、笑い、怒り、そして泣いた。
しかし、どんなときもお互いを思い合った。
モンクが僕に戦うなと言った理由、魔法使いが僕を心配した理由、呪いを受けたときみんなが悲しい顔をした理由は
すべて僕の成長を願ってくれていたからだ。
僕はもう限界だった。膝をつき、魔法使いの墓に頭をこすりつけ、泣き喚いた。僕はみんなの思いを無駄にしてしまった、そう思うとまた泣いた。みんなと一緒に死にたいそうつぶやきそうになったとき、僧侶が優しく僕の背中を擦ってくれた。
生きなければ、生きて成長しなくては、僕はそう思った。
それから僕の成長を止めていた呪い、もといすべてをもとに戻す呪いは消え去り、まもなく僧侶があの世へ去った。彼女は最後、「体に気をつけて、長生きしてね」そう言った。僕は「強く生きるから心配しないで、今までありがとう」そう言った。
そして今、僕は冒険者の指南のしごとをし、若い芽を育てている。
「先生、どこが悪いかわかりますか私の剣」
「踏み込みが甘いな、あと一歩踏み込んでから切るようにしなさい」
僕は指導をしながら、木下で汗を拭きつかの間の休息を取った。
自分の中のマイルーティン。
お昼の食後のコーヒー。
午後の仕事が辛い時や
家族の入院付き添いのお昼だったり
良い日じゃない時もあるけれど
コーヒータイムで束の間の休息を取る
自分がフラットになる魔法の飲み物
力を込めて
ドンッバンッガタンッ
「このッ」
ドゴンッガンッダンッ
「くっ……!」
グッグッグッ
「っそ、のヤ、」
ドガンッビタンッベタンッ
「おりゃああああ!!」
ドタンッバタンッグニャン
「はあ、はあ、はあ」
ピピピピ、ピピピピ、ピピピ
震える手でタイマーを止める。思わず深いため息が落ちた。
「やっと終わった……」
しかし全力を尽くした分、上手く行った気がする。
調理台の上には白くて丸くて艶やかなパン生地が、早くも眠ろうとしていた。
過ぎた日を想う
「あ、日付変わってる」
もう寝ないと、と携帯を閉じる手が止まった。10月7日0時9分。ということは。
「昨日、10月6日だったんだ」
丸1日気づかなかったことに、胸がちくりと痛んだ。
もう何年も交流のない、かつての"親友"の誕生日。去年までは当日に気づいて、結局何もしなかった。
でも、忘れたりはしなかったのに。
楽しかった日々が脳裏を過ぎる。
「寝よ」
こうやって日々は過去になるんだな、と思いながら目を閉じた。
星座
「今日のNo. 1星座は、牡羊座⭐︎」
食い入るようにテレビを見つめる。
「気になるあの子に近づけるかも! ラッキーアイテムは水色のハンカチ」
水色のハンカチ持ってたっけ。あ、この前買ったやつ。
バタバタ用意して家を飛び出し、遅刻ギリギリで学校に着いた。汗だくの額をハンカチで押さえる。
「三間、おはよ」
「おっおはよ!」
「そのハンカチ、ゲームのコラボのやつじゃん。好きなの?」
「う、うん」
牡羊座の高坂くんが笑った。
束の間の休息
「いらっしゃいませ」
そう優しく声を掛けられて、ようやく気づく。
いつもだったら、会社へと向かう時間帯だ。昨日と同じように満員電車に乗り込み、揺れに揺られながら、目的地の駅で降りるつもりだった。
でも、何故か体は電車から降りようとはせず、目の前で無慈悲にドアは閉まった。それからいくつも、いくつも駅を通り過ぎて、本当に何となくでどこかの駅に降りたのだ。
ビル街とはうってかわって、緑あふれる自然豊かなその場所は自分が住む県内なのに、まったく別の世界のようだった。
時間がゆったりと流れるようなその場所で、ただ行き先もわからないまま、体にすべてを任して、考えることを止めた。
そうしてたどり着いたのがこの茶屋だった。古き良き木造建築があたたかく迎えてくれる。声を掛けてくれたのはきっとこの店の主だろう。それにしては随分と若いように見えるが、子どもらしいわけではない。美しい大人の女性だった。
「お茶でも、飲んでいかれますか?」
そう優しく微笑まれて、こくりと頷いて返事を返す。
中に他のお客さんはいなかった。促されるように席について、そっと息を吐き出した。何をするでもなく、ただじっと外の景色を見ながら待っていると、お待たせしました、とお茶が運ばれてくる。
点てた抹茶とそれに合うようなお茶菓子。見た目でも楽しませてくるような美しい見た目のそれに感動しながら、ゆっくりと楽しむ。
ひどく穏やかな時間だった。
抹茶の苦味と濃厚さに包まれて、お茶菓子の美味しさと美しさに癒されて、ようやく心が戻ってきたのはお昼をとっくに過ぎた時間だった。
仕事が、とか連絡しないと、とか思うところはたくさんあったが、少しだけ知らない振りをして、店主である女性に声を掛ける。
「あの、……この辺でおすすめなお昼を食べれる場所とかって知ってたりします?」
お会計がてら、そう聞けば、女性は優しく教えてくれた。おすすめのメニューも教えてもらい、お礼をして店を後にする。
向かう先はもちろん、駅ではなく、教えてもらった店だ。何はともあれ、お腹が空いてちゃ何もできない。
まずは腹ごしらえだ、と歩き出した足は思ったよりも軽くて、死んでいた表情筋が生き返るように笑みをこぼす。
きっと後でたくさん怒られるだろう。それでも、これはきっと必要だったのだ。
戻ってきた心におかえり、と声を掛けて、弾むように歩き出した。
束の間の休息
気が抜けるとついスマホを開いてしまう。あと10分、何時まで、これが見終わったら。色んな区切りを設けても、結局守られることなんて、滅多にない。
束の間の休息。勤勉さとは程遠い自分にはそんなものは存在し得ないと気づいて、容量が良ければこんなに締切に頭を悩ますこともないのにと溜息をついた。
やらなきゃいけないことはまだ目の前で白紙のまま放置されている。それでもスマホを手に持つ癖はやめられず、休んでいるはずなのに拭えない息苦しさから意識を逸らした。
正しい人生とは?
死にたいと言ったら「生きろ」と言われる。
生きたいと言ったら「なんで?」と聞かれる。
どうすれば正解なのか分からなくなってくる。この2つの4文字は同じで逆の意味を持つ。
正しい生き方も間違った死に方も知らないのに人生を謳歌しようなんて馬鹿なんじゃないのか?
正しい生き方なんて誰もしてない、間違った死に方も誰もしてない。ただ生まれてしまったことで苦しむ人生を歩くも外れるもどうすることも出来ない。
それではあなたに質問だ。
《あなたにとっての正しい生き方とはなにか。》
時間をとって考えてもらっても構わない。
無駄だと思ったのなら飛ばしていただいても構わない。
嘘ついてもそれは間違いと本当にいいきれるのか?
一つ有名な話を出そう。5分前に世界は出来たのではないか、と言う話を聞いたことはあるか?
さて、5分前していたことを振り返って欲しい。今と変わらず何かしらの文を読んでいたり、スマートフォンと呼ばれるネットの海を探索していた人も、勉強に挑んでいた人も、仕事していた人も色んな人がいるだろう。
それではその5分前の記憶は誰かに作られたものだとしたらどうする?
5分前以前は我々人類は存在しておらず、今、我々の知らない人に記憶を想定され作られたとしたら完全否定は出来るだろうか?
自分が作ったと思った物も何もかも知らない間に用意されたものだとしたら?
本当に真実を掴めるのか?理解できるのか?私は不可能だと考えている。
結局私が書いた最初の問題も同様だ。真実は分からない、誰一人として正解なんてないのだから。
貴方の瞳の中で休ませて
走り続けてしまう私たちだから
せめて今だけは
見つめ合う今だけは
眠りに落ちるその時まで
瞳に映し続けていて
互いの今を
めっちゃ二次創作
お題 束の間の休息
「音楽祭も終わったーー、これでこの年のイベントは終わり!あっという間だったなー!」
「ロビン先生、まだまだ終業式は遠いよー」
放課後の職員室に疲れてぐったりと寝そべるのは一年目のキラキラの新人、バルス·ロビン。ぐたーっとのびて机を占領し、子供のように騒いでいるが、教師であり、一応バルバドス(分家)である。
わあわあぎゃあぎゃあ騒ぐ彼に、俺は紫の帽子を被り直しながらゆるーく返事をする。しかし、彼からその返事がかえってくることはなかった。いつもの一点集中モードに入ってしまっているようだ。
「もうすぐ悪魔学校勤務も二年目になる!…?もしかしたら、僕にも後輩、出来るのかもしれない?!うわーい!やったー!」
「やかましいっ!」
「うわあああああ」
「あははは…」
こういう時は逃げるに限るなー!カルエゴ先生にバレませんように!バレませんように!
「ちょっとオリアス先生、助けて下さい!!!」
「なんで言っちゃうわけ?!」
手がつけられてない締め切り間近の書類があるのに、俺まで八つ当たりされてむしろ倍になってしまうじゃないか。
「…オリアス先生」
「…はい。」
死。今までありがとう。
「オリアス先生ー!この前の書類どうしましたー?」
「あっダリ先生、今日中には出せます」
ダリ先生ーーー!救世主!!神!
「急いでねー、締め切りは絶対!って、どうかしましたカルエゴ先生」
「…いや、なんでも。…新人、仕事に戻れ。」
「いやだって止めたのはカル」
「やめてこれ以上はやめて」
「…後で追加の書類を持ってきてやる。(暗黒微笑)」
「wwwだめだお腹痛い!大変だねオリアス先生」
「ほんとですよ」
「???」
「締め切りは、守ってね?」
「うう」
今日は久々にゆっくりゲームできると思ったのに、無理そうだ。こういう時だけ「ジミー先生」になる同期も巻き込んで、今日も残業だ!
束の間の休息。
予定もない、一人の休日を部屋でテレビを見ながら過ごしてしまう。
1日が終わる頃、何て下手な時間の使い方をしたんだと毎度後悔しつつ、その刹那、これが休息だよなと納得させる。
他の人達はどんな風に過ごしてるんだろうか。
皆さん、【趣味】はありますか?
私は【YouTube鑑賞】です!
いつも短編小説を書いている私ですが、
今回は私の生活に沿ったものを書いていきたいと思っております。
興味のある方だけ見てください。
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【YouTube鑑賞】
受験生の私にとって唯一の楽しみはYouTubeだ。
7人組アイドルや5人組YouTuberなど、
1日1時間というタイムリミットに追われながら見漁る。
そんな日々を送っていた。
時に笑い、時に涙し。
YouTubeを見始めてから喜怒哀楽がはっきりしたと感じる。
学校の友達とのひとつの話題になり、輪が広がる。
YouTubeは私との毎日を華やかにしてくれる、そんな存在。
明日はどんな幸せをくれるかな、
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#束の間の休息
自我は知覚の束である
経験から得られたものの束が自我を織りなす
哲学者のヒュームはそう考えた
知覚から離れるひととき
それは眠ることだろう
夢も見ずにただ眠ることだ
眠りは自我という一つの束からの解放を指す
束から離れたそこでは何が起きているかはわからない
何が起きているかを経験する束がないからだ
そして目が覚めることでそこから束に戻る
そこを間として再び束が織りなされる
束と束の間 そこでは時間さえも経験できない
束の間の休息
アイドルに休みなんてものは無い。
仕事が無い日でも、常に誰かに見られていると思わないと、直ぐに炎上待ったなし。
それでもアイドルに憧れて、やっとの想いでなれたんだ。
だからこれからも頑張ろう。
ミカン味の炭酸をグビっと飲んで束の間の休息をすれば、ステージへと歩を進める。
ファンの皆の期待を背負って。
#束の間の休息
「束の間の休息」
好きでもないコーヒーを飲むが、その行動にかちを
今日は、何となく日記というか、自分語りとやらにしてみましょうか。いつもそうかもしれませんが。
最近、した事。
そう、そういえば、この間母と都道府県の問題を解いてたんです。なんて事ないただの47都道府県を埋めていくだけの、そんな簡単な問題。
私は、恥ずかしい事なんですけど、本当に7問とか、そんなちょっとしか解けなかったんです。母は、全問正解してました。行ったことのある都道府県はちゃんと覚えてるからね、お前と違って。と言われました。
私は形で覚えるタイプなんです。例えば、静岡県なら、金魚。北海道なら、人魚のお姫様。奈良なら、バンザイおばけ。そんなふうに、面白く覚えたいんです。というかそんな風にしか覚えられないんですよ。私の頭は。今は全ての都道府県の形に名前をつけて、しっかり覚えました。嘘です、まだ九州が微妙に覚えられてません。今日覚えます。
私の家族って、まぁ全員中卒なんです。私も含めて。
両親がいつも言うんです。「どれだけ頭が良くて、大学に行ってても、愛想が無ければ、元気がなければ、どこいっても一緒。」って、まぁ一理ありますけどね。多分。
けど、やっぱ学校は行ってても良かったんじゃないかって今では少し思ってます。後悔はしてないですよ。私は、努力ができない人間なので、学校に行っても何も変わらずに大人になってたと思うんです。変わらず誰かの足を引っ張って、のうのうと生きていく、そんな人生だったと思う。
成長するには、人と出会うしかないんですよ。
私は人に出会うことを避けているんです。学校に行っていれば、もっと同年代と触れ合うことができていたんだと思います。大人と触れ合いすぎた私は、子供を心に飼ってるんです。
だからきっと、成長しない。受け入れられない、何もかも。嫌なことから逃げ続け、誰かのせいにして、いやでも私のせいだって思ってますよってちゃんと謙虚で、自己批判能力が高くて、悲劇の役を演じ切れる、そんな愚かで無様な所もあります。
1番人間に近い感情を持っているのに、人間になり切れない、そんな感覚がずっと付き纏うんです。いつも1歩後ろで私を私が見ている、そんな気がしてならない。
寝れば忘れると言う割に、ふとした瞬間その感情がその時の何倍にもなって帰ってくる。「遊びに来たよ」なんて声が聞こえそうなくらい、気軽に。時間も場所も弁えず友達かのように。
でも、そんな状態も私は好きなんです。今寝れば、明日にはまた忘れているだろう。なら、この状態をずっと楽しんでたい。って、ちょっと好奇心がマゾヒストな所あるかも知れませんね。
私って涙脆いんです。いや、ちょっと違うな。喜怒哀楽が激しい?って言うんでしょうか。感情を表に出すことを覚えた子供のように、すぐ泣いて怒って笑って楽しむ。子供のままなんですよ、一向に成長出来ずにいる。どこかに大人の私を隠してきたんでしょうか。今からでも出てきていただきたい。
何でこんなに、つらつらと皆さんが、読みたくもないだろう私のことを書き連ねているかって、考えてみたんです。
私、ここが大好きになってるんだろうな、と。好きな人達には脳をかち割って、体を引き裂いて私の全てを見て欲しいと思うんです。実際はしませんよ?勿論、感情面でのみの話です。
ここは何も分からないけど、確かな存在と暖かさがある。
もしかしたら、今これを読んでる貴方はどこかの惑星の宇宙人だったり、もしかしたら獣人だったり、するんじゃないだろうか。そんなワクワク感がふよふよと漂っている。匿名は怖いばかりではなく、きっと体温だけを感じれる良い場所でもあるんですね。
あぁ、あと、何か書き残したいこと。
エンディングノートって知ってますか。私はあれを今度書こうと思ってます。死ぬ死なない、どちらにせよいつか残す人のために書いていた方が良いのだろうと。私に見送ってくれる人が居るのかなんて、分からないけど、ちゃんと在るべき形で死んでいたらいいなぁ。
人間なんていつ死ぬか分からないんです。祖父の死に際が昨日の事のように思い出せるから、私もきっと今この瞬間にも死が襲い掛かるんだろうかと。
死は唯一の平等。後悔のない死は誰にも訪れない。幸せに生きたってきっと、最後は後悔がちょっぴり生まれる。だからこそ、救済でもある。
人間が嫌いです。他者がいるから私が劣る。でも人間が好きです。他者がいるから、私が幸せになる。うざったいし、悔しいなぁと思います。もっと、大人だったなら割り切れて、屈託のない笑顔で生きれるのかな。
あぁ、もう何が書きたいのか、分からなくなりました。
頭が悪いんです。言いたいことが沢山出てくるから、纏められない。次々と話が変わる。
桜の似合う彼は、私のなりたい完璧な人でした。あの人のように、なれる日はくるのでしょうか。変わりになんて、なろうとは思ってない。ただ彼をこの世に引き止めていたい。
ああ、既に消したい。何もかも。恥ずかしくて今までの作品もあんまり見返せてないんです。書かなければ、良かったと酷なことを思ったこともあります。
生きていれば、良いことはあるんです。でも辛いことの方が多く感じる。それは、きっと不幸の定義が世の中の大体で決まっているからだと思います。
幸せは人それぞれなら、不幸も人それぞれでいいんじゃないでしょうか。私はそれがいいと思います。こんな、恥ずかしい惨めな人生でも、私は結構楽しいと感じるんです。感情が、安定しなくて1歩後ろの私が、たまに前に出てきて、「それは無いんじゃない、笑」って嘲笑って恥ずかしくなる時があるんです。それでも、私は楽しいと感じてるから、幸せって事にしませんか。
もう、今日はやめにします
束の間の休息、でしたっけ。今日のテーマは。
それをテーマに、ただ何も考えず思ったことを書いていたら、書いていくうちに書きたかったことが消えていきました。記憶力が悪いのか、脳内お花畑なのか、分かりませんね。
ふと出来た束の間の休息。
今まで出来なかったことがやれる。
心躍りながら何をしようか考える。
たくさんやりたい事あるな。
何しようかな。
やりたい事ありすぎて決められない。
ワクワクした気持ちで考えるが、
結局ありすぎて決められない。
そうして束の間の休息が終わる。
まぁそんなもんだよな。
次に備えてやりたい事でも決めておこう。
【72,お題:束の間の休息】
午後の喫茶店、昼食の時間というのもあって普段の賑わいに拍車をかけている
そんな中、浮かない顔で窓側のカウンター席に腰かけている青年が居た
日焼けしていない真っ白な肌に、良く目立つ白い髪
どこか浮世離れした容姿を持った彼の首もとには、首輪のような黒い機器が付けられていた
人工喉頭...様々な事情で声帯を摘出した人達の発声を補助する機器である
これを付けているということは、彼もまた声帯摘出の手術を受け
補助なしの発音が困難となった者の1人であるということ
そんな彼は今、大きな難題に直面していた
(あー、もう無理だよぉー...)
声に出さず脳内で叫び、ずざぁと机に突っ伏す
僕は今モーレツに困っている最中です...!
(接客業は全部ダメだったし...とはいえ、力仕事も向いてないからなぁ...僕)
そう実は僕、仕事を探しているのです!
ちなみに現在の成果は、.........全敗...(泣)...うぅ、何の成果もぉ!得られませんでしたぁ!
と、なっている訳なのであります
(やっぱ声のせいだよなぁ...上手く喋れないんじゃしょうがないか...手話とか習った方がいいのかな...)
僕は小さいときに、とある理由で声帯摘出の手術を受けていて、その影響で肉声を発することが困難なのです
ただでさえ、人と顔を会わせるのは苦手なのに、おまけに会話がしにくいなんて......これもう無理じゃん...
頼んだコーヒーにミルクと角砂糖を投げ込んで口を付ける
このカフェは前々からよく通っているお気に入りの店だ、街の喧騒は苦手だし
ホッと一息つけるこの場所は、かなりありがたい
(まあ、そんな急ぐ必要もないよね)
現に普通に生活できてるし、カフェに来るほど余裕があるんだから
(ぼちぼち頑張るかぁ...!)
そのためにも今は、束の間の休息を楽しまなきゃね!
ピー・ティー・エス・ディー
俺は中隊の一員として、ひたすら塹壕の中を歩いていた。そこは国境付近だと隊長から知らされたが、実際は分からない。ただ、西へ西へと果てしない塹壕を進んでいたのを覚えている。遠くで砲弾が炸裂する音、化け物みたいな戦車の軋む音、数多の銃声が響き渡る戦場の中を歩いていた。
頭がおかしくなりそうだった。いや、もうおかしくなっていたのかもしれない。初めて戦場に来てから、イカれちまったのかもしれない。敵の新兵器がそうさせているのかもしれない。どちらでも大差ない。俺は頭がおかしくなったのは戦争から帰ってからすぐだったから。
ここには塹壕はない。舗装された道があるだけ。泥まみれの塹壕を歩きながら、死体を跨ぎながら、火薬の仄かな香りを嗅ぎながら、必死にライフル銃を握りしめながら、毒ガスに怯えながら歩く必要もないんだ。なのに、俺の頭の中では今も塹壕を歩き続けているんだ。
戦争は負けた。俺の国は降伏し、酷く貧しくなってしまった。思えば、俺はどうしてのこのこと帰ってきてしまったのだろう。俺に居場所なんて無いのに。俺を迎え入れてくれる場所なんて無いのに。もう、俺の知っている世界はそこには無かった。
別世界に来てしまったようだ。
頭が混乱している。
酷く気分が悪い。
「顔色が悪いですが、大丈夫ですか?」
紅色の帽子の若い女が舗装された道の上で立ちすくんだ俺にかけ寄って来た。
「うるさい、あっち行ってろ!! 次の指示が聞こえないだろうが!! まだ負けちゃいないんだ」
女は後退りしながら逃げて行く。
「そうさ、これからすぐに次の支援が来る…帝国に勝利を…万歳…」
そこで俺は気絶したが、死ねなかったことにいささか後悔している。
今、こうして病室のベッドの上で鼻歌を歌いながら、夢と現実を行ったり来たりしている。
ミカンの香りを纏って、スっーーーーっと足伸ばす。
連動するかのように背筋も伸びて、力無く後ろから飛び込んだ。
羽毛が私を受け止める。「あーっよかった」胸を撫で下ろし、横を眺めた。秋の風が私の前髪を揺らす。