『木枯らし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「うわ、寒いー」
木枯らしが吹き、世の中に冬の訪れを告げる。
「もう秋も終わりだね」
「そうだね、そろそろ本格的に寒くなるんだろうなー」
冬は嫌いだ。冷え性だから体は冷えるし、朝にTシャツ一枚選ぶだけの服装で過ごせない。寒いから温かい飲み物を飲みたいところだが、猫舌なので飲むのが億劫で結局体を冷やしてしまったり。
「そうだ! 冬になるってことは、誕生日にもらったマフラー、やっと使えるね」
「あ、ほんとだ。忘れてた」
「あげた本人が忘れないでよー」
「だってあげたの夏だし」
今年の夏、季節外れなのになぜかやっていた冬物バーゲンで、恋人に似合いそうなマフラーに出会ってしまい、どうしてもプレゼントしたくなったのだ。
「もらってから、ずっと冬が楽しみだったんだ。早く着けたところ見てもらいたくて」
そんな反則級の言葉もしれっと言っているようで、決してこちらと目が合わないのがどうしようもなく愛しい。
「僕も楽しみ。君が僕のあげたマフラーつけてるとこ見るの」
耳まで赤くなってる君の頭をくしゃっとなでて、腕の中に抱きしめると、さっきまでの寒さも感じないようだった。
待ってごめんなさい
今日のお題とか関係ない、
心が空っぽで体調も治んない
とりあえずしんどいです
ひとりぼっちだー
お題「木枯らし」なのにね
木枯らし
秋が早足で去って、冬がただいまって帰ってくる。
今年もゆっくりしていくみたいだ。
世界から熱を食べ尽くして、雪をふりかける。
ぼくにとっては死神。
葉っぱを根こそぎ持ってちゃうんだ。
でも、ほんとは死んでなんかいない。
またたくさん実るため、蓄える季節。
冬のおかげでまた咲ける。
ありがとう。
きっとまた春一番がゆっくりこちらに向かってる。
木枯らし
何故だろうか。
体の真ん中が、とてつもなく冷えていた。
私は、風を避けるようにして街を歩く。
それでも冷えは私の体を蹂躙したままだ。
何故?
…いや、分かっているはずだろう。
この冷たさの正体を。
私の心は、木枯らしの後の木のように。
隙間だらけなのだ。
「木枯らし」
木枯らし
綺麗な黄色い葉っぱも落ち
マフラーをつけ始め
手袋をつけて
冬への準備へ
動物さんは冬眠をし
肌も乾燥してきて、あぁ
月夜の晩に独り
波打ち際で木枯らしに吹かれる
冷えきった指先を温める者は
もうこの世にはおらぬ。
「寒い~」そう言って
貴方の腕を掴みたい
チャンス到来の
木枯らし1号
『木枯らし』
久しぶりの木枯らしの風が吹く。
寒そうだ。
でも、私からしたらどうだろう。
いつも暑くなってしまうから履けない中がモコモコのブーツ。
新しく買ったけど、今年は暖かくて着れていないロングコート。
ミニスカが履けるようにと買った裏起毛タイツ。
男を一発で仕留められるような可愛いマフラー。
両側の耳が私の好きな色のふわふわに塞がれる。
嬉しいな。
人それぞれ感じ方が違う。
木枯らしも、寒いけど良い日になりそうだ。
冷たさを増して、風に色が着く
人の世に似ている気がする
『木枯らし』
「木枯らし」なんて
寂しい呼ばれ方してるけど
きっとこれも
春への必要なプロセス
木枯らしおいで
私に吹いておいで
肌に刺さるような空気感。冬の空気だ。刺すような乾いた風。木枯らし。字のごとく寒さで木が縮み上がって枯れてしまう。そんな寒さと乾燥。しかしそれは表面だけ。どんなに寒かろうと、芯はモウモウと熱を帯びて耐えている。その熱き血潮こそが生の鼓動そのもの。
#5 木枯らし
木枯らしが吹く。
冷たさをまとって
もうすぐ冬が訪れると告げている。
寒いのは苦手だけれど、
貴方と出会ってから少しだけ楽しみになった。
貴方の左手に繋がれた私の右手が
ひんやりとした空気のなか
ゆるりと熱を帯びる。
これからくる寒い季節も
こんなふうに貴方に触れていたいから
手袋をわざと忘れてみようかな。
今日は刺すような寒さだった。
厚着をしすぎたため、電車の中で気持ちが悪くなった。
夏もそう。暑いから薄着で出ていくと店のクーラーの寒さでお腹が痛くなる。
春は花粉症が酷いし、ここ最近の秋は短すぎるし
生きやすい季節なんてないな。
日本のいいところ四季…?
いいところもあるけど、年取ると季節の変わり目が身体にこたえるね。
木枯らし
さみぃ。
・・・・・・想像力の貧相さを晒すけど、これ膨らましようのないお題でしょ? だって寒い時期のつむじ風ってだけだよ? そんなもん冬の季語として時候に使うくらいしかないやん。
一人で生活してるやつが木枯らしに感じることなんて無いわ。寒さに風情を感じるより暖房で季節感もへったくれもない温室のありがたみに感謝感激雨あられです。
凍死してからじゃ何も言えない死人に口なし。死因は木枯ら死。あぁい(ラップ感)
ざざざ…
「これは?」
チチュンは隣に座る初老の女性に、いま流された三次元情報についてたずねた。
一枚の葉が、枯れ木から離れ、暫く虚空を漂ったのち、水溜りに落ちる。水面には既に幾枚かの葉が層を重ね、水溜まりの縁に集まり、先程落ちた葉もそこに集まろうとしており、葉で隠れていない部分はそよそよと薄い波紋が無数にたっている。
そんな、一連の映像だった。
「これはね、〝かぜ〟を映したものね。貴方はこれにどんな感想を持った?」
「かぜ?葉っぱや水じゃなくて?」ううん、と唸って「水に落ちるまで時間がかかったのは、枯葉が軽いからかな」
女性は確かにそうね、と「私は、とても寒そうで、木々や葉の音がたくさん聞こえているんだろうな。と感じたわ」
「ええ?それは嘘だよ。無音映像だし、暑いか寒いかなんて分かるわけがないよ」
チチュンの声には疑いと批判の色が混ざっていた。
「そうね。もちろん。本当はわからないけど、人は、今までの経験してきた事から、こうかな?ああかな?と想像してしまうものなの」
「ふうん?僕もメモリが溜まってきたらそう思うようになるの?」
女性はチチュンに、「そう、なるだろうな、と思っている」とふわりとした笑顔を向けた。
チチュンは女性の笑顔が好きだった。
「それも、経験から思うの?」
女性は首を振る。
「これは…祈りかな。二人が健やかに過ごして欲しいという、祈りよ」
「ふうん?」
ざざざ…
懐かしい、昔日の思い出。大切なメモリ。
眼を覚ましたチチュンに一瞬纏うように、びゅうと〝かぜ〟が吹く。
-今日は寒くなりそうだな。
チチュンは風が吹いた方向に向かって、よいしょと歩き出した。
【木枯らし】
木枯らし吹かせてこないで
ずっと好きでいたいよ
まだ放してこないで
ずっと好きでいるのに
「え〜、恥ずかしいよ……」
「いいじゃんかよぉ」
不貞腐れた顔で、ぶっきらぼうに「好き」と君に言われた日から数ヶ月。気温はグッと下がったが、誰かさんのおかげか、心はやけにポカポカ暖かい日が続く。
「ちょっとくらいいいじゃん、誰も見てないんだし。な?」
「でも、周りに人いるよ?やだぁ…」
「つべこべうっせーな、」
拒否していたのに半ば強引に手を繋がれた。
「あーもう、恥ずかしい!!」
手を振りほどこうとした時、突然強い風が視界を遮る。
「うわっ、風つよ……」
「ちょwwおまえスーパーサイヤ人かよww」
そう言われ、近くの湖の水面を見る。水面に映った自分の髪は、ガチガチにワックスを塗ったように逆立っていた。
恥ずかしくて、おかしくて、2人して笑い合う。
木枯らしが絶え間なく吹き荒ぶ。
それでも、2人の手と心は暖かかった。
寒さを感じる木枯らしよりも、心に木枯らしが吹いたときの方が肉体的にも精神的にもダメージが大きい。
『木枯らし』
木枯らしが吹くころ
言葉を交わす事なく
君は去っていった
やがて寒さが和らぎ
陽気な日々が続く
秋風が枯れ葉を落し
寂しさと孤独を抱かせる
枝を揺らす音に
僕は耳を澄ます
END-名も無き小説家-
木枯らし
枯れ木を揺らす風…冷たく乾いて、肌を刺す…ポケットに突っ込んだ手が、なかなか暖かくならない…寒々しい景色と、時折吹く突風に心が折れそうになる…道沿いのコンビニや建物の陰で休み乍ら、車で移動していたら、だの、こんな日に出掛けなきゃ、なんて思いつつ、一歩一歩、歩むしかない…早く家に辿り着いて、炬燵に潜りたい…そう思い、冷たい木枯らしに抗い乍ら、歩いて…