『月夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『月夜』
こんなに綺麗な月夜には、君に逢いたくなる。
隣に並んで夜空を見上げて、月が綺麗ですね、なんて言ったりして。
きっと君は気付かずに、そうだね、って返してくるんだろうね。
君がこの言葉の意味に気付くのはいつになるんだろう。今から楽しみだ。
《月夜》
満月に向かってピースサインするの。
その後、縁を切りたい人を思い浮かべて
ピースサインをハサミのようにチョキンって切る仕草をするの。
そしたら、縁が切れる
というおまじない。
幼い頃に読んだ雑誌に載ってた。
大切なことは何一つ覚えていないのに
こんなことは覚えている自分に時々びっくりする。
ほんとなのかな?
半信半疑だった。
少し明るい夜
ふと見上げると満月。
思い出した時にチョキン♪
ってするくらいだった。
ある日
切れた鎖のような、綱のようなものが
目の前にどさっと落ちてきた夢をみた。
その日を境にみるみると状況は変わった。
私は拒絶する勇気を持った。
関わることを避けることができるようになった。
今までの嫌な思い出を手放すことができるようになった。
すると
その縁とは
もう2度と交わることがないようになった。
もう、泣かなくていい。
もう、理不尽だとわめかなくていい。
だから、振り返る必要はないし、振り返ってはならない。
だから、歩き出していい。
そう。
勇気をもって
大きな一歩を踏み出したのだから。
つまらないきもち抱えた
金曜日
夜道を歩く足取り軽く
(『月夜』なら明日はきっと晴れるよね)
お題┊︎月夜┊︎23作目
光り輝く月
それはとても綺麗で
でも
ほんの少し
悲しいもの
朝になれば見ることはできない
夜しか見れない
特別なもの…
「月夜」
満月の日の夜
綺麗な湖に親友と行った。
湖について、月を見上げる、丸い月と湖に反射する少し崩れた月、それはとても綺麗で神秘的だった 。
親友が「綺麗だね」と言いこちらに振り返った瞬間、すごく綺麗だと思ったんだ。
月の夜に輝く、女神のように
素足のまま、ただぼうっと空を見上げている。
春先の暖かい夜風が頬を擽り、それが心地よくて、ずっとこのままで居たいと思えた。
アスファルトが刺す足裏の痛みも、鬱陶しいくらいに胸を刺す憂慮さえも気にならない程に、本当に綺麗な夜だった。
それからずっと、朧げに唄う月夜を眺めている。
夜が明けるまで、誰にも邪魔をされる事なく。
ー月夜ー
月夜
やっぱり見上げる夜空には
月があってほしい
どんな形に見えても
ただそこに在るだけで
愛されて
色んな物語を生む月
そして
周りで瞬く星達は
頑張って自ら輝いたり
月と同じく
太陽に美しさを
引き立てられて
キラキラと
人間と同じだね
「月夜」
私は、彼の脳が月に盗られてしまわないか心配で眠れない。
彼は本当にうつくしいから、月の神が私から遠ざけてしまうのだ。彼の、心も、その夜の夢も。
彼の為の罠など月の前では腐りかけた洋梨と変わらない。
真の白昼夢が甦るのはこの夜でも、月の監視下にある額の膿の中でもなく、彼をいちばん愛する月たる私の腕の中でもなかった。未来永劫など衆目に晒されたところで末路が変わるはずもなかった。彼は本当に夢の中。彼は本当の夢の中。
目の前で堕ちた、一昨日を二年半後に知らせに来る白鷺は、月に辿り着けずに未来に死んだ。
私に見栄を張る朧雲など気にも留めないが、あの死は実に有意義な来るべき日を示し、彼を抱いて逃げてゆく。気に病み追うことも憚られる月のなかの私は彼の邪な心に住む、まるでhom-whiotの逆さに生えた羽の様に!
暗く燃えた蟹の屋敷には男が住む。女が住む。子供が住む。月は話せなくなる。
あれはおまえが望むもの
総ては日が沈む浦に
おまえの望むままに
月は無慈悲な夜の女王が所望するのは欲望。つまり、生涯満たされる事のないクラインの壺である。かぐや姫は相変わらず燦然と輝いて届きそうも無い月に希望を我々に植え付ける。
「月夜」
今日 乾電池を買ってきた。
月を見上げて 電池のいらないライトだと思った。
しかもいつも適度に明るい。
自動調光までされている。
月夜の光を見ると疲れが取れるし、
すばらしく魅力的な星だ。
こんな月明かりの日にはドビュッシーの月の光がぴったりだな。
ぼんやりそう考えていたら、
君はまんまるなりんごを剥いて私に差し出した。
あ、月を食べてるみたい。って心の中で思った。
#52
月夜に溶ける匂いはもう春
お題「月夜」
月が綺麗な夜はベランダに出てぼーっとしてる、
たまにはそうやって何にも考えなくても良いよね。
春の夜気は
ぬるく気だるく
わたしを油断させ
花の香りを含んで
やさしく撫でてくる
どこへ行くあてもない
今日はあいにくと満月で
隠しごとなんてできない
こんな光に照らされて
静かだな
美しい夜だ
あちらやこちらで
猫も油断している
空気にも等しい散歩者に
細い視線をよこすだけ
月はまだ
止まらない
月は天を散歩する
わたしのあとをついてくる
#月夜
#月夜
夏休みが始まり3日目、アンナは夜の海岸で突っ伏して泣いたていた
新学期が始まった時を考えると毎日辛くなり、眠ることができなかった。
「どうして泣いてるの」
海の中から女の子がこちらに顔を出して聞いてきた
泣いていたアンナは涙を拭い答える
「ごめんなさい、人がいるなんて知らなかったの、私すぐに離れるわ」
「待ってちょうだい、良かったら私とお話ししましょう」
「え?」
海の中の女の子は一度水中を潜り水面から水しぶきとともに飛び上がり
彼女の下半身は琥珀色の鱗と魚類のヒレが見えた鮮やかに映る
見ていた、アンナは驚いて目を丸くした
「ねぇいいでしょ、私とお話ししましょう」
それが月夜の晩の親友
彼女との初めての出会い。
月夜の愉しみは、月を見ながら、明日の事を、考えたりする事や、お酒を呑んだり、床に入り、寝たり、して、月夜を愉しむ事。
春なら、花見団子と花見酒、夏なら、おつまみとお疲れ酒、秋なら、お団子と月見酒、冬なら、お鍋と熱燗。
月夜と言えば、少し前に学校の図書室で借りた本を思い出す。題名は「君は月夜に光輝く」。最初は私が前に読んでいた小説 「あの花が咲く丘で君とまた出逢えたら」にハマりすぎてあまりいい作品だとは思わなかった。だが読んでいくうちに少し胸がキュンキュンした。キスするシーンなんかはとても良かった。期限が来てしまい最後まで読めなかったが主人公ご好きな女の子まみずは死んでしまうという事はわかっていた。なぜなら私には悪い癖があり、小説の最後の1行を1番最初に読んでしまうのだ。だから読む前から、まみずが死んでしまうのを知っていた。最後の1行を読んでいなかったら、もう少し面白かったのかもしれないととても後悔した。
あの日の夜も、月が出ていたと思う。寒い夕方、ところどころ凍っているアスファルト。そんな悪条件の中を、俺は自転車をこいで恋する相手が住む家に向かっていた。
相手の名前は、今井裕子。教育実習で中学校に来た、先生の卵だ。
ただ…。『犯罪者の娘』という、オマケが付く。小学校の校長をしていた父親の貞夫が、汚職事件で世間を騒がせたのだ。
悪いヤツのところには、悪いヤツが集まるのか。それとも…。甘い汁を吸わせて貰った連中からの、御礼なのか。保釈金が支払われたらしく、すぐに娑婆に出てきた。
もちろん…。そんなことは、どうでも良かった。…という以前に、忘れていた。
しかし…。俺は、その犯罪者の血筋を思い知らされることになる。
裕子の家に着いたのは、辺りが暗くなったころ。ハンドルを握っていた手が、かなり冷たくなっていた。それでも…。勇気を出して、ドアチャイムを鳴らした。
小さな和室に通され、ふたりきり。アポ無しの訪問だったから、慌てて暖房を入れてくれたが、暖かいとは言い難く、コタツの中で懸命に両手を擦り合わせる。
「今井先生が…、好きなんです」
年頃の女に対して、こちらはまだガキだ。叶わね恋と分かっていても、それでも…と、精一杯自分の想いを訴えた。
「憧れなのかな?」
諦めの言葉を俺に言わせようと言うのか、そんな言葉ではぐらかしに掛かる裕子。
同じ言葉しか言えず、同じ言葉しか返さず、ムダな時間だけが過ぎる。
しばらくして、裕子の母親が顔を覗かせた。冬の夜道だから、これ以上遅くなると危ない…とのことだ。
今度会ったら、ちゃんと言わなきゃ! そう自分を奮い立たせ、あちらこちら凍っているアスファルトに注意しながら、自転車をこいで家に帰る。
帰宅すると…。予想外のことが、待っていた。
「どこへ、行っていた? 父さん、謝ってこなきゃいけないじゃないか!」
裕子の父親の貞夫は、俺の父親の恩師に当たるらしい。それで、お叱りの電話があったというのだ。
俺と裕子の問題だ! そんなに、自分の顔が大事か?
そう訴えたくても出来ずに、これでもか…というくらい、俺は殴られ続けた。
初恋なんて、上手く叶うモノだとは思っていない。それでも、俺は勇気を出して告白した。その見返りが、この仕打ちとは…な。何故、自分の口で言ってくれない?
犯罪者の娘も、所詮は犯罪者なんだな。人の思いを、何の躊躇もなく踏みにじる。それも、姑息な手で。自分に都合の良い人間の言葉にしか、耳を貸してはくれない。そんな悪いヤツが教師になれるって、本当に思っているのかな?
眩しさに目が覚める。
窓の向こうに白く輝く丸い月が見えた。
少しだけ眠るつもりが、寝入ってしまったようだ。
そのままぼんやり月を見ているとさっきまで見ていた夢の断片が頭をよぎる。
(ラノベみたいな夢だったな。)
銀の狼、迷宮、魔剣、そして月の化身のような女性。
(月明かりのせいだったのか…?)
身体を起こし、ビールでも飲もうと冷蔵庫を開けようとして、昨日の夜に最後の一本を開けたことを思い出す。
外は風もない月夜だ。俺は財布を手に取る。
(公園で月見酒と洒落込むか。)
コンビニで気が変わり、俺は日本酒のワンカップを2本持ちながら公園に向かっていた。
(月と呑む、みたいな漢詩があったんだよなぁ。)
公園には誰もいなかったが、月に明るく照らされているせいか近寄りがたい雰囲気はまるでなかった。
俺は目の前に月が見えるベンチに腰掛けると、ワンカップの蓋を開け、こっそりと月に献杯した。
あまり飲み慣れない日本酒をちびちびと舐めるように飲んでいると、公園に人影が現れた。
影の大きさからして男のようだが、ずいぶん足取りが乱れている。
関わり合いになる前に立ち去りたいところだが、酔っ払いのような人物がいるのは公園の出入り口だ。
下手に動いて存在を悟られるよりじっとしているのが得策と、俺は男の動向を見守ることにした。
「でっさぁ、付き合ってるわけれもないしぃ…」
やはり男だった酔っ払いは俺の隣りに座り、もう一本のカップ酒を飲みながら、女友達に怒られて部屋から追い出された経緯を呂律の回らない舌で語っている。
「その子君のこと好きなんだって! 絶対そう!」
俺は慣れない日本酒でかなり楽しい気分になっていたので、全く知らないその男と普通に話していた。
「いや好きはいいんすよぉでも夢で見た女の子がかあいかったっていっただけでそんな怒りますぅ?」
「夢の子って、どんな子だったの?」
男はちょっと迷って「引かないでくださいよぉ」と前置きをすると「月の女神みたいな子だったんすよぉ。」と恥ずかしそうに言った。
俺は思わず「え?」と男を見つめる。
「それも、その子ってオレなんです。オレがその月の女神ちゃんなんですけど、実はフェンリルっていうでかい狼で。」
「うん、それで?」
「あ、こういう話好きなんすかー。引かれなくてよかった。」と男は話を続ける。真っ暗な場所で苦しかったこと、目の前が開けて男が来たこと、食べようとしたこと、そして女性の姿に変わったこと。
男はふにゃふにゃと話を続けているが、俺は冷水をぶっかけられたように酔いから醒めていた。
「どしたんすか、顔色おかしい色ですけど?」
「夢だ。」
「はい、夢の話って言ったじゃないすか。」
「これも夢だ。」
「え? これ夢なんすか?」
じゃあこれから自分ち帰るのメンドいんでお兄さんち行っていいすかと男が腕を掴んでくる。
そうだ、全部、月夜の夢だ。
そうして俺は公園の酔っ払い男と肩を組み、月の女神について熱く語り合いながら帰路についたのだった。
#月夜
満月は少し気怠い狼に
成る人あるもウサギになろう
ウサギ飼いにとって、月は特別。
虹の橋を渡った子たちの、安らかな楽園であって欲しいと思う。
うちの先代白ウサちゃんも、仲間と会って、のんびりしてるんじゃないかな。
と思ったら、
「みんな集まれ〜って言われてね、お餅つき大会があったの。なんかおもしろくって、ぴょんぴょんしてたら、あなたが優勝でーす、って、いい紙もらったよ。これをお舟にして、隣の青い丸に行けるって」
そんな電話があった。
【月夜】