『月に願いを』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『月に願いを』
光を照らし輝く太陽は、生命力そのもののよう
朝という時間、それ自体に
生きとし生けるものたちを生み出すような
動的なエネルギーが満ちている
対する夜は、静かに、内側をじっと見つめるような
静的なエネルギーを宿している
闇夜に煌めく月は、生きとし生けるものたちに
慈愛を注ぐ 母性そのもののよう
だから今夜は、
子どもが お母さんに抱きつくみたいに
月に願いを 聞いてもらおう
朝と夜の価値は等しい
同じように
生と死の重さも等しい
月に願いを
月に願いを
月に願いを
どんな朝を過ごすかで
どんな夜になるかが決まり
どんな夜を過ごすかで
どんな朝が来るかも
決まるのだ
朝と夜は ひそかに繋がっている
だから、月にお願いしよう
希望の朝が来るように
勇気の夜を過ごせるように
見上げることしか出来ない君と
どうしたら向かい合うことが出来るのだろう
正直、自信がないとか
努力し続ける根気がないとか
批判されるのが怖いとか
出来ないことの理由ならいくらでも連ねることが出来る
そうしているうちにどうしたいかがいつからか分からなくなって
遠い存在になっている
なぜ君なのかなぜ気になるのか
気付けば頭のどこかにいて、
ちょっとした隙間に入っては
これでいいの?と問いかける
いい加減離してくれないかなって思っても
どうやらもう無理らしい
離れがたい程に
多分私が執着してる
いい加減認めなければならないようだ
多分満月なら言えそうにないから
半端に欠けた今日の月に
私に、どうか向き合う覚悟を下さい
月に願いを込めて
地球が祝福に包まれますように
私たちが楽しい夢を見れますように
宇宙の仲間がはじけるような、優しさと安心に包まれますように
お題:月に願いを
繁華街から離れた寂しいこの場所はひんやりとした夜風と静寂に包まれている。
あまりの静けさに少し身震いをする。
「どうしてこんなことに」
空を見上げると吸い込まれるような暗闇にただ月が美しく輝いていた。
すがるように月に祈りを捧げ、無事に明日を迎えられることを願った。
タイトル
終電寝過ごしたヤバい
【月に願いを】
月に願いを込めるのならば何を願うだろう。私はきっと今ならば帰りたくないと願う。空に向かって空虚に向かってどうか、私を連れ戻すなかれと語り掛ける。報われなくてもいい。ただ、この人の死を、永遠を、一瞬を。この目で見届けたい。そう願ってしまったんだ。だから、どうか
「連れ戻さないでくれ。」
「月に向かって語り掛けているんですか。相も変わらず、私がしないようなロマンチストみたいなことをしてくださる。」
後ろからかけられた声に耳が反応する。騒ぐな、心臓。
「うるさいぞ。ロマンチストでも何でもない。ただの、上を向いてしまっただけの独り言だ。」
嘘じゃない。月に、空虚に向けた独り言。大きいだろうか、いや私からしてみれば小さすぎるくらいだ。ふと、気になって、下を見てみれば大勢の人、ひと、ヒト。見るんじゃなかったと後悔してしまうほど。次の台詞は何だっけ。私は何者なんだっただろうか。
「余所見ですか、私がこんなにも熱烈な視線を送っているというのに。」
「何をする、前が見えないぞ。」
突然、後ろから目の前を暗くされる。手で覆われた真っ黒な視界。全く、台本にはない。アドリブなんていきなりで、演技じゃなく全くの本心から出た言葉。どっちがロマンチストだ。さっきのだって聞いていない。私以外だったらどうしていたというのだろう。視界が開けると眼前に見目麗しい誰もが恋するであろう王子様、そんな風に見える奴の顔。
「近い。」
「近づけてるんです、帰らないでくださいよってお願いのために。」
この台本の中のこいつも現実のこいつも策士だろう。じゃなきゃ、下の黄色い悲鳴が嘘になる。嘘にはさせない。だから。
「私は帰るよ。この綺麗な藤の花が見れなくなるのは残念だけどな。」
台本の中だと、この場面はこれで終了だった。だから、安堵していたんだ。知らないわけない、この言葉。
「私としてはもう少し惜しんでくれてもいいんですけどね。それはそうと、ほら月が綺麗ですよ。」
今なら死んでもいい。そう、思った。月に願いを込めるなんて充分
「ロマンチストだ。」
これ以降のアドリブはなく、劇が無事に終わった後。アドリブが多くてすごかったなんて言われたけどそれは王子様に吸い込まれただけでしかなかった。学園祭の出し物でここまでやるか、なんて野暮なことは言わない。みんなが楽しんでくれたらそれでいいんだ。そうして劇中の想いを静かに月に帰ったお姫様の元に投げた。
「藤の花に酔いしれて、か。」
眠れない夜はあっても明けない夜はなかった。
#30 月に願いを
雨に愛を、月に願いを。
ここは地に雨無き世界。
大地は水の流れから潤いを得る。
流れの源には海と呼ばれる広き水あり。
その沖にて天より降り注ぐ唯一こそ、
全てを潤すはじまりの雨である。
人は、雨の優しき姿に愛の形を見て、
お互いを伴侶と誓い合う場にした。
そして、幾度欠けても満ちる月を見て、
人は己の望みも満ちるようにと願った。
「は、月に願ったってなあ」
雨のもとへ向かう船を束ねる港町のひとつ。
酒を飲んだ帰り道、埠頭で酔い覚ましをしている男がいる。
その頭上には、あと少しで満ちる月が雲の隙間から覗き、その月明かりは他に明かりのない中でも男の影を地に落としている。
『雨を共に見に行こう』
そう男が告げたかった相手の女は、自分ではない別の男と行った。
通じ合っていると思っていたのは勘違いだったと思い知らされた日。
その夜に来たときも、こんな月明かりだった。
「叶えるなぁ自分じゃねえか」
自分以外のものに願いの行き先を託すのは性に合わない。
それが良くなかったのだろうが、それでも変えられないのが性分というものだ。
「なあ、オツキサマよ」
男が月を見上げると、再び雲が掛かろうとしていた。
---
世界観は#29より
学生時代は好奇心で動かされる子どもが多い。
自分のそのうちの1人にすぎない。
損得なんて考えないで目の前の事に一直線に食らいついてられるのは若いうちだけ。
---あのとき、
咄嗟に放った言葉一つが脆く崩れ落ち、生涯こんな後悔に苛まれるなんて知る由もなく、故に自惚れが招いた結果にさえ思える。
普段から信仰心なんて皆無な自分でも「(神様がいれば・・・)」とフッと柄にないことを考えるほどに、だ。
神社へ赴くも、心のどこかではこんな時だけ都合がいいと笑ってしまう。普段、平穏な日々を過ごしていれば神様頼りなんてする訳もない。都合がいい。虫がいい。身勝手具合に吐き気さえ覚える。
家にいても仕方が無い。気持ちが落ち込む一方で、一つも前向きにならない。足が重い。とても外出する気分にならない。どうしたものか、と窓を空けた時感じたのが---
「 空気が美味しい 」
外出を全くしない訳では無い。
でもここ数日は食事がまともに取れず、人と話してもどこか上の空。
窓を空け視界に入ったのは星だった。
窓を空けるまで後ろ向きな考えだった自分が、上を向いたのは驚いた。
何の考え無しに取った行動に肩の重荷が無くなった気がした。
コロッと生き方を変える、性格を変える、は簡単な事じゃない。
けどきっかけを作ることなら...?不可能じゃない。
私はテーブルの脇に置いてあったノートに小説をしようと思う。
題名は---
星に願いを
今日は月が綺麗だった
馬鹿らしいと思いながらも
密かに願い事しちゃったりなんかする程
どうやら私は、君に惚れ込んでいるらしい
#月に願いを
「月に願うなら今日はやめときなよ」
ベランダの蹴破り戸越しに、年上の女性が言う。酒焼けのしたざらざらとした声は抑揚がふわふわと不安定で、匂う距離ではないのに酒精交じりの空気が籠もっているみたいだった。
「あんたの宗教が月に祈れって言うならそれでもいいけどさ」
「そういうのでは……」
「だったらあと二週間後にしなよ。満月に祈るのはよしな」
「どうしてですか?」
それこそ宗教みたいじゃないか。不満を隠しはしなかったが、酔っ払いのくせにそういうところばかりは察しがいいようで、ごめんごめんと板越しに宥められてしまった。何となく私は、いかにもなお店の「ママ」みたいなのを想像した。
「だってこれから欠けていくものに願うなんて、験を担ぐには向いてないじゃない。それに奇麗な時にばかり祈られちゃあ月も疲れちゃうよ」
それは他人を丸め込む理屈にしてはいささか馬鹿げている。しかしなぜか、そうかもしれないなぁなんて思わせる不思議な説得力を持っていた。
高層マンションの中層階。全てを見下ろすと言うには半端な高さのここからでも、ポツリポツリとベランダに出て月を眺めている人が見える。地上の人も皆見上げていた。明日は首が痛いと言い出す人がたくさんいるかも。
こんなに機嫌良さそうにぴかぴかの月なのだ。誰だって祈ってみたくもなるじゃないか。そう思うと、隣人のアドバイスは余計に響いた。奇麗な時にだけこちらを見て祈る人間って、とても身勝手な気がしてくる。
「あんただって、調子のいいときにだけ話かけてくるやつより、へこんだときにも同じようにしてくれるやつの話を聞きたくなるもんだろう」
「……確かに、そうかもしれませんね」
私は結び目のように握った手のひらを解いた。
「いい夜だよ。本当にね」
それじゃ、おやすみと隣人はさっさと中に戻っていった。
あと二週間。祈るしかないと思っていたけれど、二週間ならもう少し足掻いてみようかな。だめだったら今度こそ、お願いしてみよう。
『月に願いを』
夜独りの時間ができると
過去のことやこれからのことを考える
過去を振り返って
あの頃が1番楽しかった
あの頃に戻りたいと思ったり
これからのことで
抱えている不安とかを考えたり
何か悩むと考え事をすることが多い
でも、悩みを相談できるような人がいないから
月に願うの
これ以上現状が悪くなりませんようにって
弟の瞳の秘密を知っているだろうか。
弟は月明かりに照らされると瞳孔が赤く染まるという世にも珍しい体質を持っていた。小さい頃は怖いと何度か思ったこともある。満月を見てはしゃぐ弟の瞳にどこか大雪の日を思わせるような冷たさが残ると感じたからだろう。その不安定さが不気味で小さい頃は何度も弟を夜に外に連れ出すことを拒否したものだ。
そんな珍しい物を、欲深い大人が放っておく訳もなく。弟が家に来てから気味の悪い大人が来ることが多くなった。幸い地位も金もある家だったため断ることも出来たのだが、やはり人間関係を考えるといつまでも拒否する訳にはいかない。食事をする弟を品定めするように見る大人の前で、弟が怯えるように僕の袖を握っていたのは強く記憶に残っていた。
一度、弟が男に襲われたことがある。そいつはどこから入手したのか分からないが、弟の瞳に価値を見出しどうにか手に入れて金にしようと目論んだらしい。
グループでの行動だったためボディガードが少し遅れた。ナイフがまぶたを掠る程度で済んだのは奇跡だったのだろう。包帯を目の周りに巻かれた弟はもう二度と見たくない。
「兄さん、今日は満月だよ。」
ルーフバルコニーで笑って振り返る弟に、そうだなと相槌を打つ。すっかり大人になった弟は未だに満月ではしゃぐ子供っぽさもあるが外では気品を兼ね備えていると言われるほどには成長していた。綺麗な黒髪が背後の月に照らされて縁取られ、開く瞳の赤が輝く様は人間のようには見えない。性格的には天使に近いが、いっそ悪魔と言われた方が納得する。
テーブルの上に置かれた紅茶を音もなく飲み込むと不思議な顔をした弟と目が合った。黒の瞳の真ん中で暗いこともあり、大きく開く瞳孔。弟はこてんと首を傾げると、少し口角を上げて笑った。
「兄さん僕が満月の日に外に出ても何も言わなくなったね。」
読めない笑みを貼り付けるようになったのは誰の影響か。赤い瞳を持つ男を想像して直ぐにやめた。気分を害してしまう。
でも、外に出ても何も言わなくなったというのは間違っていない。それは僕が弟の瞳を綺麗だと考えるようになってしまったからだろう。月明かりに照らされて満月を見つめる弟の横顔は、絵画のように見えてしまうのだ。
「何か月に願い事でもしてるんだろう?」
まぁ僕がどのように弟を見ているかなんて言える訳もなく、実は今までずっと気になっていたことを問うてみた。弟は時々月に何か呟くように見える。それはただ口が動いてるだけで音が発されることは無いが、それを何年も見ていれば気になるものだろう。
彼は数秒置いてから言葉の意味を理解したのか、ああ。と小さく口を開く。そこまで深く考えていないようだ。弟は心底どうでもいいと感じているような顔で
「明日の朝ごはんに野菜が出ないといいなって。」
と言った。さすがにこれには拍子抜けして、はぁ?と自然と眉間に皺を寄せてしまう。弟はそんな僕の顔を見て馬鹿にされたとでも思ったのか、口を尖らせて僕は野菜嫌いなんだよ!と小さく喚いた。
なんだ。もっと重要な事だと思っていたのだが。
なんとなく誤魔化された気もしなくは無いが、弟が言うならそうなんだなと納得する。納得すればそのまま言葉の意味を理解して思わず吹き出してしまった。
「な、!笑うな!」
「悪い、無理だ。」
「兄さんだってキノコは嫌いだろ!?」
笑いすぎて涙が出て、それを拭うと顔を真っ赤にした弟が目に入る。これは明日口を聞いて貰えないかもしれないと思いながらもツボに入ってしまったためか、笑いは収まらなかった。
「〜っ!笑うなって!!」
静かな満月が見守る夜に弟の恥ずかしさが含まれる叫び声がこだました。
【月に願いを】
月に願いを
僕は貴方に恋をしました。もう、2度と会えない貴方
に。貴方はもう、僕じゃ会えないところにいる。貴方
は夢を叶えたのに。僕は、ずっと貴方の居た、あの時
代に取り残されています。いい加減僕も前に進まない
といけないけれど、貴方に、言われた最後の遺言だか
ら。あの頃の、まだ、僕と同じだった頃の貴方の、最
初で最後の遺言。僕は貴方に「幸せになってほしい」
と言われたけれど、貴方は、その一言が僕をあの
頃に縛り付けていると知らないんでしょうね。だって
貴方にとって僕は、過去の人だから。でも、僕は愛し
ていましたよ。貴方のこと。ずっと。けれど、いい加
減私も踏ん切りをつけなければいけませんね。です
が、今日だけは、貴方がいるあの月に夢を託すのを許
して欲しい。今日で全て終わりにします。あの頃の私
の人生も。そして、この恋心も。それを、今、月に誓
いましょう。宇宙飛行士になった貴方はきっと笑うで
しょうね。月に誓うなんて不誠実だと。
月に願いをなんてさ
今までの私なら絶対に言わなかったのにね
もしも、もう一度貴方に会うことができたなら…。
貴方が居なくなってから時が止まってるように感じた。
すべてがつまらなくて、頭には貴方のことしかなくて、
好きだよ。離れたくない。
月にお願いしたってなにも叶わない。
貴方がいるのは月じゃなくてこの世の何処にもない所。
私は貴方が居なければずっと1人だ。
月にまた貴方に会えるようにと願いながら私は真っ逆さまへ落ちっていった。
「月に願いを」
貴方と赤い糸で結ばれますように!
願っても無駄ってこと分かってる。
でも月に願って叶うなら何回でも私は月に願う。
貴 方 と 結 ば れ る な ら 、
愛 が あ れ ば なんだってできる気がする。
そう思うと、
私の体は宙に浮いて、
月へと進む。
月 に 居 る 王 子 様 はきっと貴方。
ねぇそうでしょう?
あの子と結ばれたなんて
嘘でしょう?
だって、これは 運 命 だから、、!
初恋の人に会いたい
眠れない夜はよく初恋の人を思い出す
その人との出会いや心の緊張感が今でも1番の恋だと思っている
そうやって時に思い出し
夢の中で少女時代に戻り
初恋の人と話したいのになかなか顔を見ることができない自分を取り戻し
初々しい恋する気持ちを忘れずにいる
一生、死ぬまで
時々でいいから初恋の人に夢で会い
出来れば話をしてキスをしてみたい
夢でしか出会えないし叶わないことを
月にいつも願っている。
綺麗な満月を見ながらお酒を飲む…
思わず月の写真を撮った…
1人で呑みながら、世間にのまれながら過ごした日々を思いだす
情緒不安定になったりしても、時間が進んでしまう…
寂しくなってしまう…この月もいつか太陽に変わる…
涙をこらえて、ツマミを食べる…
月よ…私に共に飲んでくれる仲間をくれ
なんとなく呟いた。
あれから1ヶ月経って
1人でまたお酒を飲んでた日に
ふとスマホを見た…あの日撮って待ち受けにした満月…
LINEが来た…
(一緒に飲みたいからお前の家行くから!)
やった、1人で飲まなくて良い!
それから満月の日は2人で飲むのが習慣になった
わたしは太陽より、月のひかりが好きである
闇夜を照らす慎ましかで慈悲深い光
神格化した月は中心というより周縁にいて
そして、身近だ。
そっと寄り添ってくれる
ギラギラと万人を照らし紡げるのではく
月光を見た人を柔らかく
闇夜を彷徨う人に寄り添うのである
月に願いを
私の名前は瑠奈(るな)。出産予定日が満月の日だったので、母がローマ神話の月の女神、ルナから取ったそうだ。私の母は出産時に亡くなってしまった。だから母親の記憶は全くない。
母が私の出産時に亡くなったと聞いた時、私はかなりショックを受けた。人を1人殺してしまったような気持ちになった。苦しくて辛くて、死んでしまえば母と会えるかも、なんて馬鹿馬鹿しいことを考えた時もあった。でも母は命懸けで私を産んでくれたのだ。その命を自ら絶つなんてそんなことはしてはいけない、と、思いとどまった。
私のこの名前は、母から貰った最高のプレゼントだ。私は月を見る度に遠くの母に思いを馳せる。そして願う。
『どうか、見守っていてね』