『最初から決まってた』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛しいひとは
空の上…
それが
最初から決まっていたことなら
寿命とか
運命とか
そう思うしかないけれど
このやるせない悲しみは
置き去りにされた想いは
最初から決まっていたなんて
思えない
思わない
思いたくない
# 最初から決まってた (236)
最初から決まっていた
そこしかなかった
雨の中
ずぶ濡れでも走った
あなたしかいなかった・・・
何故?なんて考えられない
確かな確信
信じてもらえなくても
可能性がないのだとしても
行かない訳にはいかなかった
泣くことなんてできない
今すぐにあなたの元へ
『最初から決まっていた』
本当にツイてない。今日はもう、本当に、本っ当にツイてない。
待ち合わせに遅れてしまったのに、謝罪もせず、開口一番そう叫ぶ私を、生暖かい目で見る友人に抱きついた。
繁忙期、無理矢理こじ開けた休みだったのだ、今日は。抱きついた私の背中を優しく撫でる、この友人と会うための休みだった。
前日から"ツイてない"の前兆はあった。
もうとにかくクレームの嵐で、対応に追われ、休憩も取らずに働いて、結局残業してしまった。帰ったら日付が変わっていた。
風呂に入って部屋に戻った瞬間に寝落ちした。疲れていたから。でもアラームはついていた。必死にスマホをまさぐって何とかつけたのだ。
なのに、なのにアラームってやつは、鳴ってくれなかった!
聞こえなかったわけじゃない。充電器ケーブルが何故か断線していた。昨夜寝る前は繋がっていたのに!私の寝相のせいか?何かに引っかけたのか?蓄積ダメージで不意に?
でもそんなことを考えている場合ではなかった。とにかく、充電をして遅れてしまうと伝えなければ。何せ何時なのかも分からない。デジタルに侵された人間だから、アナログ時計は持っていなかった。
奥からコードを引っ張り出し、1週間前から悩みに悩んで決めた服を着て、化粧もヘアセットも終わらせた。冷や汗をかきながら確認したスマホの中には、待ち合わせぴったり11:00の表記。
これには絶句した。待たせてしまう申し訳なさと、会う時間が減ることへの悔しさがどっと押し寄せた。
トークアプリから悠にチャットを送るため、スマホは軽快なタッチ音を鳴らす。既読はすぐについて、大丈夫のスタンプ。大丈夫といったら、大丈夫な奴なのだ。本当に大丈夫だと思ってるような奴なのだ。これ以上謝っても時間は縮まらない。急いでスマホをバックに放り込み、足早に家を飛び出した。
必死に走ったというのに、家の最寄り駅に着いてまた愕然とした。
今度は待ち合わせの駅まで、電車が遅延している。腹が立って仕方がなかった。何に対しての苛立ちかも分からなかったが、地団駄を踏んで暴れ散らかしたい気分になった。私は今すぐ悠に会いたいのに!
結局、悠と会えたのは待ち合わせから1時間が経っていた。
溜息混じりにこぼすと、悠が笑う。
「早く会いたいって思ってくれただけで嬉しいよ。」
私は、柔らかく結ばれた三つ編みに頬擦りするようにくっついた。
「それに、ちょうどよかったの。」
そう言うので、不思議に思った。それが顔に出ていて、恐らく間抜けな顔をしていたんだろう。悠は淑やかに笑った。
「昇進祝いに連れてくって言ってたお店、1時間間違えて予約しちゃってたみたい。お店に連絡したら言われたの、12時半だったんだって。今から行けばちょうどよ。」
ちょっとだけおっちょこちょいな悠のことだ、これはきっと本当のことだろう。
それに読みたかった本も今読み終わったところなの。悪戯っぽく笑って言ったこれは、優しい嘘だ。
だってさっき、本の真ん中に栞をさしていた。
「結果オーライってことか!」
でも、信じたことにしよう。
「そうだよ。さすが優子ちゃん。」
笑う悠の手を取って、歩き出す。
出会ったあの時から、決まっていたんだろう。
今日私が遅刻してしまうことも、悠と私ではずっと一緒にいられないことも、友達の振りをして手を繋ぐ中にそれ以上の情があることも。
それでも、悠が、他の誰かと結婚することも。
今日会う前から、風の噂で聞いていた。いつもと違う表情をしていた。悠が私に話すならきっと今日だ。
遅れてやってきたことを、悲しむような安堵したような気にしてないような、感情の綯い交ぜになった顔をしていた。
出会ったあの時に、私は決めたのだ。
どんな終わりになろうとも、どんな決断をされようとも、私だけは。
ふらっと消えてしまいそうな悠を、私と同じ地面に立って歩く生き物であるように繋ぎ止める、枷になると。
手に力を込めた。
それに気付いた悠が、泣きそうな顔をした。
【最初から決まってた】
その依頼を受けるしかなかったのは、立場が弱いから。
ボスに命令されては断る選択肢など選べない。
だが、なぜ君なのだろう。葛藤を見透かしてボスが笑う。
「期限は一週間。できないなんて言わねえよな?」
依頼を受けたら、まずターゲットの下調べを始める。
どんな些細な情報でも知ると知らないとでは大違いだ。
しかし今回に限っては必要なかった。
ターゲットはよく知る相手、お隣さんの君だから。
初めて話した君の印象は、ただの無害なお隣さんだった。
僕の部屋のベランダに猫が侵入したときは驚いたが。
特にきな臭い感じはなく、平穏な日々を生きる一般人。
本来なら、決して関わることのない人種だ。
依頼遂行の前日、僕は気分を落ち着かせるため外に出る。
ベランダで月を眺めていると、自然と心が凪ぐ。
「奇遇ですね」と声をかけられ、君と話すようになった。
意外と鬱陶しくなくて、むしろ安らぎを感じていた。
僕は人に言えない秘密を多く抱えている。
仕事についてもそのひとつで、会社勤めだと嘘をついた。
感情的で素直な君は僕の言葉を決して疑わない。
そして裏のない君の言葉は、僕の心すら癒やしてくれた。
こんなことを生業にしているから罰が下ったのだろうか。
今になって、この任務の意図を理解した。要は試金石だ。
僕が私情に流されず、手にかけることができるのか。
思わずため息が漏れる。期限は刻一刻と迫っていた。
今日は君と過ごす最後の夜になる。確信があった。
「そっか、晴れるんだ。明日の月はきれいだろうね」
意味を知っていてほしい、と微笑みの裏で願う。
知らなくとも不審に思って、どうか僕から逃げてくれ。
〜最初から決まってた〜
我が家には猫が3匹いる
全てオス猫だ
別にオス猫が好きだという訳ではなく
事情があって結果オス猫ばかりになった
この光景を見ると私は
過去に出会った占い師を思い出す
誰かに勧められたか、偶然入ったお店だったか
年季の入った建物の扉を開けると
白髪頭の目立つその女性は笑顔で迎えてくれた
彼女は私の過去、現在について話してくれた上で
当時の悩み事に対する“まじない”を教えてくれた
そして最後に未来について話してくれた
さすがに未来のことは…
と、話半分で聞いていたはずなのに
なぜか十数年経った今でも所々残っている
その“所々”の部分が全て現実になっていた
これは単に私が統計学的に多いパターンに
当てはまった人生を送っているだけなのかもしれない
だが、全ての物事は必然なのかもしれないとも思う
あの日あの時
誰に出会い
何を聞き、何を見て
どう行動し、何を感じ、何を記憶し、どう進むか…
どうせ最初から決まっているのだから
行き詰まった時は
ケ・セラ・セラ
時に身を任せてみようか
穏やかな風がそよいでいた。
見渡す限りの草原、少し遠くに見覚えのある小屋が見えた。
何となくそこに惹かれて歩き出す。
近づくに連れて幼い男女の楽しそうな声が聞こえてきた。
小屋の裏を覗いてみると2人の子どもが花に囲まれて並んで座っている。
どうやら少女が少年に花冠の作り方を教えているようだった。
何かが引っかかる、何か忘れているような気がするが頭にモヤがかかって上手く思い出せない。
もう少し近づいたら何か分かるかもしれない、そう思い小屋の影から踏み出そうとした。
ロベリアは目を覚ました。
窓から差し込んできた朝日が目に染みた。
なにか懐かしい夢を見ていた気がするが、良く思い出せない。
少しの間、思い出そうと思考をめぐらせてみたが
(思い出す必要も無いか)
そう思い直し支度を始めた。
最初から決まってた
私が、人から嫌われること。
将来、漫画家になれないこと。
人と、話すのが苦手なこと。
最初から決まってたのかなぁ。
でも、、、
まだ、諦めたくない15歳です。
#ところにより雨
ざあざあと雨を降らせる曇天を睨めあげて、男は短く舌打ちをした。
ついてないな。そうボヤいたところで事態が良くなるわけでもないが、ボヤかないとやっていられない、そんな最悪な気分だ。
雨は一向に止む気配がない。それどころか遠くからは雷鳴すら聞こえてきた。今でさえかなり濡れているのに、これ以上の雨に降られたら下着までずぶ濡れになりそうだ。泣きっ面に蜂、悪い事には更に悪い事が重なるのは往々にしてあるが、何も今でなくてもいいだろうと胸宇で悪態をたれる。
意を決し、いざと掛け声をかけて立ち上がるも、利き足の足首に走った激痛ですぐさま地面に座り込む羽目になった。どうやら馬の背から振り落とされた拍子におかしな捻り方をしたらしい。そうして気付けばあらためて強い痛みを覚え、腫れているらしい患部が熱をもっている気がしてきた。
座り込んだまま利き足をそろそろと伸ばして、ブーツの編み紐を緩める。それから皮の部分をぐいと引き下げ足首を露わにすると、案の定そこは赤黒く腫れ上がっていた。
最悪だ、と今度こそ隠しようのない弱音が声となって口から滑り出た。乗ってきた芦毛の馬は行方知れず、自分は足首を捻ってしまって立つことすらままならない、しかもそこへ持ってきてさらに悪天候、雷雨が重なってくる。これが弱音を吐かずにいられるか。
こんなとこでくたばることになるなんて。それならせめてあの男の顔を拝んでから死にたかった、そう意味のわからない自暴自棄になりかけていた時だった。
「たかが捻挫くらいでヒトが死ぬわけないだろ。バカか、君は」
心底呆れたような声が随分上から降ってきて、俯きかけていた顔が上がる。
そこには主人たる自分を振り落とした芦毛の馬に跨り、こちらを見下ろす男がいた。漆黒の雨具に身を包むその姿は、他人から見ればさながら黄泉の国からの迎えのように見えるかもしれないが、その時の自分には何より心強い、そう覇王のように感じた。
「まったく、君らしくないね。そんな弱音を吐くなんて」
馬上から降りたその男は、痛めた足の負担にならないようにこちらを立ち上がらせると、上手に馬の背へ乗せる。それから自身もそこへ乗り上げると、降りが一層激しくなり出した雷雨の中、疾く馬を駆る。
「……でも無事で良かったよ、本当に」
びゅうびゅうと流れる風の音にまぎれるみたく、手綱を繰る男のそんな小さな声が聞こえたような気が、した――。
本当に自分でいいのか、この出会いは、間違いでは無かったとこの先何年後にも言っていられるだろうか。怖くて、手が震える。
「俺らって、なんで、出会ったんだろう。本当に、これでいいのかな。」こんな俺と輝く君じゃ何もかも違うのに。
そうしたら、いたずらっ子のように笑った君が泣きそうになってる俺の手をとってこう言うんだ。
『最初から決まってた』
有限の世界
眩暈とワルツ
泪と邂逅
流星の欠片を砂漠で探す
それが運命と人は言う
#最初から決まってた
きっと何もかも最初から決まってた。
私が何も出来ないのも。こうやって思うことでしか、受け止められないことも。
ぜんぶぜんぶ、分かってたのに、
私は今日も、知らんぷりをする。
「最初から決まってた」
こんな人生が最初から決まっていたのならば、これからどんな未来があるのだろうか。
いくつも予想はできる。だがそれは予想にすぎず、必ずそうなるとは限らない。
良く言えば無限の可能性。
悪く言えば無限の死に方。
過程ではなく、結果だけしか私には予想できなかった。
嗚呼、この考えも最初から決まっていたのか。
最初から決まっていたにしろ
自分が選択したつもりにしろ
そのうちの一本のルートしか
先に延びていないんだろうな
自分で選択したつもりになり
進んでいけばいいのかな
「最初から、こうなるのは決まってた」
ゆっくりと通学鞄に、白い手をかける。勿体つけるようなのろのろとした仕草で、彼女は銃を取りだした。
「嘘だろ、……」
掠れた声で僕はつぶやいた。僕は動けない。心臓だけがバクバクと爆音をたてて唸るのに、凍りついたように指先まで動かない。
「さよなら、主人公くん?」
彼女の薔薇のように華やかな笑顔が、やけに目に焼きついた。
君の手で終わることを幸せに思う。
首にかかる君の手を、払うことなく受け入れた。
君の琥珀色の瞳から雫が零れ落ちて、私の頬を濡らしていく。
ああ、私のワガママは何時も君を苦しめてしまう。
優しい君の手を感じて、そして口角が上がった。
終わらせてくれ、他でもない君のその手で。
この狂おしい程の怒りを永遠に鎮めて欲しい。
そして、私の居ないハッピーエンドの世界で。
私の事など忘れた君が笑っていてくれればいい。
それだけでいいんだ。
それだけで、私は幸せだから。
テーマ「最初から決まっていた」
「ねぇ、芽依。相談があるんだけど。」
と放課後、親友の夏美に言われた。
『うん、どうしたの?』
「私ね、滉一くんのこと好きになったかも。」
えっ・・・滉一を?
『夏美、滉一と関わりあったっけ?』
たしか、夏美と滉一は、中学も高校も違うはず・・・。
大学だって、まだ入学して2~3ヶ月なのに。
「ないよ。ないけど、高校の頃から名前は有名だったから知ってるよ!向こうは、私のこと知らないと思うけど。」
『サッカー部のキャプテンで有名だったもんねー!』
サッカーしてる滉一を近くで見たくて、応援したくて、サッカー部のマネージャーになったんだもん。
「それでさ?芽依に応援してほしいなって。」
応援・・・か。したくないな。
『いいよ、応援する!』
あー、私のバカ。でも、私も好きだなんて言えないよ。
「ありがとう!」
はあ・・・、言ったら夏美怒るかな。一緒に頑張ろって言ってくれるかな。
でも、応援するって言っちゃったから、今さら言えないよなー。
「芽依がついてれば百人力だよ!他の女子なんて怖くないね!」
いやいや、怖いよ?高校の頃、結構睨まれてたし。
馴れ馴れしくすんなって言われたしね。
何を根拠に、私がついてれば無敵だと思うんだか。
『そうかな・・・。』
「そうだよ!高校も同じだし、滉一くんは芽依のこと知ってるもん!今度、紹介してね💕︎」
そうなるよねー。紹介かー。
夏美みたいな可愛い子紹介したら、滉一絶対好きになるよねー。
こんなの、最初から私が負けに決まってんじゃん。
諦めなきゃダメかな。
いや、諦めるなら、きっぱり振られてからだ!!
最初から決まってた結果ありきだと、なにか起きる度に予定調和へ収束させようとして、選択肢が限られて思考に狭まり、柔軟に対応できないよね。目指すエンディングがあるのはもちろんだけど、マンチエンディングだと思って別パターンも考えのマージン幅として持っておこう。
先日彼女と花火を観に行った
生きる糧としていたそれは
始まってみれば実に寂しいものだった
夜空に打ち上がる光の花の一つ一つが
刻々と近づく終わりを知らせるようで
誤魔化すように綺麗とはしゃぐ心地だった
その帰り道君、と結婚願望の話になった
僕は君が貸してくれた冷風機を首に当てながら
「する気がまるで起きない」と呑気に言った
君は僕の答えに一笑すると
「私はいつかできたらそれでいいな」と笑った
その時僕は痛いほど知った
花火大会と同じようにこの瞬間も
いつか来る終わりに向かっているのだと
ずっと隣にいようよ
おばあちゃんになっても側に居てよ
そんな稚拙な言葉は胸の奥に閉じ込めた
幸せは苦しい、と思った
こんな僕に居場所なんてないような気がした
最初から決まってた
私は生贄として育てられたら。
神に見合う為には顔、身長などいろんなことが決まっていた。
だが、私は自ら命を差し出したわけではない。
私の家は代々生け贄に選ばれる傾向にあった、特に、次女はなりやすかった。
後数年、生贄になるのはこっちの生活よりましだ。
数年後…
ついにこの日がきた、直前になってくると命の実感がわいてきて、怖くて仕方なくなった。
十八歳、この年で、なにもできずに死んでいくなんてイヤだ。
私は儀式の途中で逃げ出した、森の中を走って走ってとにかく走った。
けど、全部無駄だった。
だって、神にはもう魅入られていたから。
死にたくない、けどもう最初から決まってたから、誰か一人でも道ずれにと思い私のことが嫌いだった姉を掴み一緒に生け贄となった。
もっと生きたかたっな…
そうだ、全部最初から決まってたんだ。
この年に生まれて、
この年で保育園、小学校、中学校、高校、
ここで働く
あの人と結ばれる、
そして、この年で死んで、
全ては定まっていたこと。
私なんかの手じゃ、到底届かないようなところで、高みの見物をしている人物が。
……運命。変えられるもんなら、変えたい。
〜最初から決まってた〜