Umi

Open App

「ねぇ、芽依。相談があるんだけど。」
と放課後、親友の夏美に言われた。
『うん、どうしたの?』
「私ね、滉一くんのこと好きになったかも。」
えっ・・・滉一を?
『夏美、滉一と関わりあったっけ?』
たしか、夏美と滉一は、中学も高校も違うはず・・・。
大学だって、まだ入学して2~3ヶ月なのに。
「ないよ。ないけど、高校の頃から名前は有名だったから知ってるよ!向こうは、私のこと知らないと思うけど。」
『サッカー部のキャプテンで有名だったもんねー!』
サッカーしてる滉一を近くで見たくて、応援したくて、サッカー部のマネージャーになったんだもん。
「それでさ?芽依に応援してほしいなって。」
応援・・・か。したくないな。
『いいよ、応援する!』
あー、私のバカ。でも、私も好きだなんて言えないよ。
「ありがとう!」
はあ・・・、言ったら夏美怒るかな。一緒に頑張ろって言ってくれるかな。
でも、応援するって言っちゃったから、今さら言えないよなー。
「芽依がついてれば百人力だよ!他の女子なんて怖くないね!」
いやいや、怖いよ?高校の頃、結構睨まれてたし。
馴れ馴れしくすんなって言われたしね。
何を根拠に、私がついてれば無敵だと思うんだか。
『そうかな・・・。』
「そうだよ!高校も同じだし、滉一くんは芽依のこと知ってるもん!今度、紹介してね💕︎」
そうなるよねー。紹介かー。
夏美みたいな可愛い子紹介したら、滉一絶対好きになるよねー。
こんなの、最初から私が負けに決まってんじゃん。
諦めなきゃダメかな。
いや、諦めるなら、きっぱり振られてからだ!!

8/7/2023, 4:53:33 PM