NoName

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「最初から、こうなるのは決まってた」
ゆっくりと通学鞄に、白い手をかける。勿体つけるようなのろのろとした仕草で、彼女は銃を取りだした。
「嘘だろ、……」
掠れた声で僕はつぶやいた。僕は動けない。心臓だけがバクバクと爆音をたてて唸るのに、凍りついたように指先まで動かない。
「さよなら、主人公くん?」
彼女の薔薇のように華やかな笑顔が、やけに目に焼きついた。

8/7/2023, 5:10:53 PM