『時間よ止まれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#18 【時間よ止まれ】
もしあの人が、私のことを考えている時間があるのなら
そのまま時間が止まって欲しい
あの人の頭の中に
少しでも私がいる瞬間があるのなら
それを薄いガラスに彫り込んで
額に入れてしまいたい
それを抱いて生きる
月明かりがレースカーテンをすり抜けた先で、人差し指の先と人差し指の先が重なる。琴線が張るような緊張がその面いっぱいに広がり、簡単に離れるはずなのにもう一生離すことができないような気がする。実はもう繋がってしまっているのかもしれない。この指先が離れたらこの世界が終わってしまうかもしれない。僕がこの小さな居場所について真剣に考えていると、彼女の指が意志をもって動き出して指先が離れた。僕の夢が一瞬はらはらと夜の暗闇に溶けて、その隙に君は僕の手を握り締めた。心臓がぎゅっと痛くなり、僕も強く握り返す。閉め切った窓からは、車の走行音が途切れ途切れに聞こえるし、時折り男や女の声も聞こえた。でも僕はこの世界に、僕と彼女しかいないような、他のものなんて何もないような気がしていた。違う、多分これは願いだ。僕の欲張りな願い。僕と君以外のものが全てなくなって欲しいんだ。君以外なんにもいらないって、ほんとうの意味で言えたらどんなにしあわせなんだろう。いや、いまだってしあわせなんだ。僕はしあわせで、しあわせで、たまらなくしあわせで、この時間が終わることが怖いんだ。ずっとしあわせでいたい。だから、はやく死ななくちゃって、君といるときは薄ら、ずっと思ってしまうんだ。
【時間よとまれ】
君と出会ってからは、早く大人になりたい。
そう思うことのほうが多くなった。
早く大人になって、自立をして。
そうすればきっと、君との将来を誓い合えると思ったから。
そう思っていたはずなのに。
「しばらく、会えなくなるね」
まさか自分達の将来のために、君が海を越えてしまうなんて。
いや、君の夢のことを知っていたのだから、薄々分かってはいたけれど。それでも、やっぱり、寂しい気持ちは変わらない。
あぁ。
子供のままでいいから、ずっとこのまま君のそばにいられたらいいのに。今だけ、時間が止まってくれたら。
にこりと微笑む君がゲートの向こうで小さく手を振る姿を見つめながら、覚悟を決めきれない幼い僕はぎこちない笑顔を向けることしか出来なかった。
「時間よ止まれ」
いつも通りの帰り道。
ふと君の住んでるマンションを見る。
よく見ると君の部屋の近くの部屋で誰かがベランダに立っている。
特に何も考えず、その人を見つめる。
その人は縁に登ろうとしていた。
ちょっと考えてみた。
こんな高い階のベランダに立って何をする気なのだろう。
嫌な予感が頭をよぎった。
自殺
その人をもう一回、よくみてみた。
ベランダに立っていたのはやっぱり君だった。
嗚呼、間に合わない。
リュックを投げ捨て、君に何度も電話を掛けて走る。
時間よ止まれっ
お願いだから止まってよ、
遅くて鈍い足を今までにないくらい動かす。
階段を駆け上がり君の元に急ぐ。
やっとの思いで部屋に辿り着いた。
鍵は空いており、無我夢中で部屋に入った。
窓から入る風でカーテンが揺れた、
それと同時に君の後ろ姿が見えた
まって
まって
お願いだから
今にも落ちそうな君を引っ張ろうと手を伸ばした。
その瞬間、君の姿が消えた。
漫画みたいに手なんか掴めないよ、
そのまま
グチャッ
鈍い音がした。
時間なんか要らない。
時間なんて苦しいだけだ________。
〖 時間よ止まれ 〗
こころ、ボロボロになっちゃった。
いきるかち、なくなっちゃった。
もりににげたの。
わたしのちいさなあしで、
なんじかんもはしったの。
もりのふかくおくに
すごくとおくについたとき、
おおきなきがあって、
そのきにはようせいさんがいたの。
ようせいさんとおはなししたの
すごくたのしかったよ
でも、ようせいさんはもういなくなっちゃうんだって、
かなしいよ。
このままじかんがとまればいいのにな…
空中に漂う量子が止まれば、
私は動けず。
あなたの心臓が止まれば、
私は進めず。
あなたが生きる今の時間が、
動き続けることを願って。
終わらないことを祈って。
「──時間なんて、止まってしまえばいいのに。」
これがいつもの僕の口癖である。
進みも戻りもしなくていい。
ただ、止まって欲しいのだ。
永遠に何も感じず、何も考えず、何も感じさせず、何も考えさせず。
それだけでいい。
そう、それでいいんだ。
もう僕は、誰にも迷惑をかけたくないし、誰も傷つけたくない。
時間さえ止まってくれれば、僕は楽になれるのに。
「…ははっ。そんな事を妄想して何になる?どうせ、止まりやしないのに。」
「はぁ。…疲れた。」
いつもの睡眠薬を飲み、僕は静かに眠りについた。
「時間よ止まれ」
そういうのは、もういいんだ。
叶った事ないから。
いつも通りの毎日、変わらない毎日、だから早く終わらないかなとか思う毎日
けどもその中に、友達と毎日会って笑い合う日々、帰り道に大はしゃぎする日々、部活を全力で頑張る日々、好きな人がいる日々、色んな尊い日々があって、そんな時にふと思ってしまう
時間がこのまま止まってしまえばいいのにな
「時間よ止まれ」
私一人居なかったら。
娘は生まれてなかった。
あの日助けた男の人は生きていなかった。
親友は泣いていた。
私が生きている意味って何?
【#87】
過去 現在 未来
止まることなく流れゆく時
時だけは万物に平等に訪れる
どんなに願っても過去には戻れず
今この瞬間ももう既に過去となる
当たり前のように在ると思っている
一秒先の未来は
何事も無ければ実は幸運なこと
当たり前が当たり前では無いことを
決して忘れてはならない
だからこそ
この平和な瞬間を
永遠に留めたいと願って止まない
「時間よ止まれ」
私の秒針は、あの日からずっと動かないままだ。
*
「このまま時間が止まっちゃえばいいのに」
私は思わずそんな事を呟いた。目頭の熱い私とは対照的に、目の前の優梨は優しく微笑んだ。
「そんな顔しないでよ、明莉。俺はまだ大丈夫」
頰に伝った涙を、彼は右手でそっと拭う。その手を握ると、骨張って少し硬かったけど、ちゃんと温かかった。
生きている。死を目の前にした時にそれを一番実感するのは、なんとも皮肉な事だろう。
優梨は現代医療では治すことのできない病を患っていた。少し前から体調を崩していた彼を、風邪でも引いたのだろうと思って、病院を勧める事はなかった。
もし、あの時病院に行っていたら。変えられない過去が、私の心をがんじがらめにしていた。
その日の夜、彼の体調は急変し、そのまま二度と目を覚ましてくれなかった。
*
もう優梨が亡くなった時間だ。時計を確認すると、秒針はゆっくりと、しかし確実に進んでいる。今、私だけがあの日言った通り、時が止まっていた。
棚の上に置かれた彼の写真に、目を閉じ手を合わせる。彼は前と変わらず微笑んでいるが、瞬きをする事も、髪がふわふわと揺れる事もないだろう。
目を開けると、写真の横に置かれた手紙が目に飛び込んだ。これは彼が亡くなる前に渡してくれたものだったが、読んでしまうと彼との日々が本当に終わってしまう気がして、今まで中を見ていなかった。しかし、このまま彼の死を引きずり続けていては、彼も悲しむだろう。勇気を出して、封筒を開いた。
『明莉へ。
元気にしてる?いや、明莉のことだから悲しんでくれているかな。ちゃんとご飯食べて、沢山眠れてる?俺が明莉の立場だったら、きっと何も手につかないとおもうから。
たまには俺の事思い出してほしいけど、明莉が体調を崩すのは嫌だから、元気に過ごしていてください。
俺が明莉のそばにいられないのは悔しいし辛いけど、ちゃんと見守っているよ。
優梨より。』
優梨は全部お見通しだ。私がこ半年間ろくに食べていないし、眠れていなかった。きっと彼を心配させてしまっていただろう。
元の生活に戻るのはまだまだ先だと思うけど、見守ってくれている彼に元気なところを見せたい。私はゆっくり伸びをして、涙の乾いた頰を叩いた。
テーマ:時間よ止まれ
時間よとまれ
夏休みの宿題が、大学のレポートが、友だちとの約束が、
間に合わない時
ちちんぷいぷい、時間よ、とまれ!!
明日が不安だ憂鬱だ。時を止めてしまおう。明日が来なければ、不安も何も無い。ああ、明日が不安だ憂鬱だ。
このまま時が止まれば、きみとずっと一緒にいられるのかな?
変わらない世界、変わらないきみのままで。
そんな、叶うはずのないことを願ってしまう。
どんなに願っても、時間は残酷に僕たちをさらっていく。
わかっているよ、永遠なんてないこと。
だけど、せめて今、この瞬間だけは永遠を願わせて。
『時間よ止まれ』
「時間よ止まれ」
部活帰り、午後7時。太陽も家に帰ってしまって、空はすっかり紺色に染まっている。身体が重いのは、ノートや教科書が詰め込まれた鞄を背負っているからだけではない。理を歩く友人二人も同じはずだ。「疲れた」の一言だけで感情も感覚も共有できるこの時間は嫌いではない。とっくに飽きてしまった下校道。言葉はいらない、考えていることは同じだ。6本の足は自然に直帰ルートを外れて、駅前のコンビニエンスストアに向かう。白と緑と青の光に迎えられながら店内に吸い込まれ、思い思いのアイスを手にする。すぐ隣の人気のない公園で、ブランコに乗りながら、まだ硬く冷たいそれを齧る。ここで私たちはたくさんの言葉を交わした。その日の楽しかったこと、辛かったこと、嬉しかったこと、傷ついたこと。たくさん笑って、たくさん泣いた。これからもそうなのだと思う。その日何があったとしても、この時間、この場所だけは私たちのものだ。私たちは、忙しい。帰ったら課題も山ほどあるし、明日のテストの勉強もまずい。あぁ、今日部活で注意されたこと、直さなくちゃ。全部、家に帰ったら頑張るから、だから。今はどうか、何も考えず、このままで。願わくば同じように苦しみを抱える二人も、同じ気持ちでありますように。
ブランコが高く上がる。このまま何処かに飛んでいけたら、なんて会話、この前もしたっけな。
「時間、止まってくれないかなぁ」
時間よ止まれ
▼雑談
朝のアラームが鳴り始めて思ってしまうことですね。時間よ止まれ。
なんで夜更かししたんだと脳内反省会をし、今日は早く寝るぞなどと気合いを入れるが、同じ過ちを繰り返してしまう。
日々家
時間よ止まれ。これまで生きてきて一体何度こう思ったことだろうか。朝寝坊して電車に遅れそうな時、テスト中まだまだ時間がかかりそうなのに「残り5分です。」と告げられた時、プレゼンテーション用の資料制作が期日に間に合わなそうな時、昔仲の良かった友人と久しぶりに会って会話している時、それこそ挙げ始めればキリがない。しかし、現実とは無常だ。幾度となく「時間よ止まれ。」と願ってきたが、その願いが叶ったことは一度としてない。
とはいえ仮に時間を止める能力が自分にあったとしても、完全に堕落した生活を送るようになるか、なぜあんなところで能力を使ってしまったのだろうかと後悔するかのどちらかにしかならないのだろう。ならば、そのような能力は最初から無くてもいいのではないかと思う。そしてまた、事あるごとに思うのだろう。「時間よ止まれ。」と。そのたびに止まらない現実に嘆くのだろう。だがそれで良いのだとも思う。時間は止まらない、だから人は必死に生きるし、人生は面白いのだ。
お題「時間よ止まれ」(雑記・途中投稿)
……先日辺りからずっと思っていた……。
いや仕事の話は先日のお題「溶ける」(だっけ?)でも書いたな。
……ダリだっけ、シュールレアリズムの絵画 ≪時の固執≫ を思い出した。(溶ける時計って書いた方が通り良いかも)
先日読んだ精神科の漫画に認知症のセルフチェック項目が載っていて、自分の年齢を答えられるかってのがあったんだけど。
三十代中盤辺りから、西暦と生まれ年で計算する癖がついている……。年なんかもう取りたくない。「永遠の十八歳」とか「二十九歳教」とか入信したい。(年齢を詐称できる顔はしていない)
ハリポタの逆転時計とかセーラームーンの冥王せつなとか、ドラえもんのアニマル小惑星(プラネット)とか、ファンタジーだと時間を操るって定番のネタだよね。
タイムマシンはだいぶ前のお題で書いた通り。
光を超える速度だと年齢に誤差が生じるんだっけ? 忘れた!
今日所用でTwitterを見ていたら(だいぶ長々と見てからTLじゃない事に気づいて不快になった)年齢はレベルじゃなくてプレイ時間ってツイートがあって、私ゲーム苦手だから一生無理じゃんってなった。
時間よ止まれ
待ち合わせに遅れちまう!!