『時計の針』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
歳を取るにつれて、時間の流れが異常に早く感じせわしなく毎日が過ぎていく。
ふとした空白時間、聞こえてくる「カチ、カチ、カチ」正しい時の流れが落ち着きを取り戻す。
最近では、秒針の音の時計が身近にないことに気が付いた。
新調してみようか。
動き出したい、今。
またあとでじゃなく、今。そう、この瞬間のことだ。
ただ無意味に過ぎていく時間を積もらせるのではなく、ちゃんと、意味のあることを刻んでいきたいから。
今は少しでも前に、ほんのちょっとでも進んでいきたいから。
私の秒針は今も尚、止まらず動き続けていると信じて。
#3 時計の針
私はすべてを知っている。
だれが、いつ、どこで、なぜ、どのように、なにをするのか。
なにが、いつ、どこで、なぜ、どのように、なにをおこすのか。
私は針を回し続ける。
この時計が破壊される時まで。
ただひたすらに時を進める。
巻き戻すなんてことはしない。
私はすべてを知っているのだから。
巻き戻したところで私にはまったく関係ない。
すべては私を知らないのだから。
時計が破壊される時、
すべては無に還るのだから。
次の時計は何をするのだろう。
私がそれを知ることはない。
私は針を廻し続ける。
長いようで短いようなすべての針。
時計の針がすべてを動かし
時計の針がすべてを止める
『時計の針』
辺りは静まり返っていた
真っ暗な闇に包まれている
月明かりに照らされて瞼を閉じる
部屋にはエアコンの音と
チク タクと規則正しく鳴る
時計の音だけだ
また明日と目を瞑ると
独りでに感情が暴れ出す
分針が17回進んだ時
ぷつっと私の意識は途切れた
今日が終わる
長い長い一日が__
『時計の針』
これはまるで君からの言葉みたいだった。
体が重いままテレビを見ていた、時計の針のメッセージを見て時間に遅れそうだと実感するけど体が動かない。
少年が居た。
夏休みが好きだった。
8月24日、カレンダーを外した。
8月25日、絵日記をつけるのをやめた。
まだ、足りない。少年の手は時を刻み続ける壁掛け時計へと伸びた。
風防を外し、時針を握り込む。
ぽきん、と音を立てて折れた。これで安心だ。
少年はカーテンを締め切って、外に出なくなった。部屋には永遠の夏休みが満ちた。
ある日、少年は扉を開けた。
理由は何でもよかった。漫画を読み尽くしたとかゲームをやり尽くしたとか。
母親が立っている。これはまた随分と窶れている。涙がこぼれてきた。
「……出てってほしいの」
少年だった彼は、姿だけ肥大して母親を見下ろしていた。
時間を捨てれば、待ち合わせ時間を決められない。
時間を捨てれば、経験も知識も貴方の後ろには何も残らない。
彼がこの部屋で時計の針を折った瞬間、彼は自ら世界との手綱を手放したのだ。人との交流も、自身のキャリアも、何も要らないと捨て置いたのだ。
無為に転がる空白の六年間の先頭で、男は咽び泣いた。
【時計の針】2024/02/06
僕の前にある時計の針は同じ場所で止まったままカクカクと時を刻んでいる。
同じタイミングでリズムを刻めばそれも時間なんだと時計が訴えている様だ。
カクカク…と秒針はリズムを刻む。
カクカク…と時間が生まれていく。
【時計の針】
パソコンで小説を書くとき、いつも横にアナログの時計を置いている
なぜかパソコンの時計じゃなく、置時計で時間をチェックする
特に理由はないんだけど、そういう習慣になっている
そして、頻繁に小説の文字数をチェックしては、「○時過ぎに○万字を超えた」とかメモするっていう、これまたヘンな習慣
ただの自己満足で、メモするメリットも特にない
刻一刻と
その針が進んでいく
進んでほしくない
だけど
進んでしまう貴方の針
止まるその時まで
君の側に居たいんだ
お題『時計の針』
こんなにも正確さを求められ、休むことを許されぬ生活必需品はないだろう。
一日に何度かのチラ見を向けるだけの時計の針に『ご苦労さま』と、折角なので、
この機会に書いてみることにした。
昔、実家には、お爺さんの古時計ならぬ
おばあちゃんの振り子時計が架かっていた。
おばあちゃんの部屋に何年も、今の時計と違い、カチ、カチ、ボーン、ボーン…と
何とも賑やかな時計があった。
おばあちゃんが亡くなり、その後も時計は時報を鳴らし続けた。時計の鳴らす音色がおばあちゃんの声色と重なる…。
そんなことを思い出だした。
ふりかえり、後戻りしながら、時には未来を待ち遠しく…。
部屋の片隅にある『時計の針』を
色んな感情と共にチラ見する事になるであろう。
時計の針
かぐや姫は
ふるさとで過ごした記憶を
どこに
隠しているの?
おじいさんと
おばあさんの
優しさを
恋に
頬を染めた日々を
魂は
覚えているよ
あの人がいなくなってしまってから、どれほどの時間が経ったのだろう。
私の中の時計の針は、その時から止まっている。
【時計の針】
あの時計は、長い針と短い針が、必ず重なる時が来るけれど、私とあなたの針は重ならない。
いつも、15分と45分で、ものすごく距離があいていて、重なるなんて、到底無理で、すれ違うことさえ出来ない。どうして、私はあなたに近ずく事が出来ないの?
あの子とあなたは、何度も重なって、すれ違ったりしてるのに、私は、遠くからあなたを眺めているだけ。目が合っても、すぐに逸らして、そしたらあなたも目をそらす。そして、向こうからやってきた、青空みたいなあの子をあなたは見るの。
そして、あなたとあの子は2人で微笑みあって、「またね」と、言うように、あの子と別れる。
そして、またあなたとあの子はすれ違って、針と針が重なって、それをまた、私は30分も離れたところから見ているだけだった。
同じ時間を過ごしているのに
キミとボクとは違うんだ
時計の針のようにボクが1周する間
気がつくとキミは何周もしていて
ボクを置いてけぼりにする
いいんだ
キミが楽しいなら
置いていかれたっていい
キミの喜ぶ顔を見ているだけで
ボクは幸せなんだ
できればいつまでもキミとこうしていたいけど
ボクとキミでは生きる時間が違うから
重なる時間を精一杯生きるよ
小さな穴をあけた袋に
あのひとへの想いを
全部詰め込んで
時計の針の先端に
ぶら下げよう
時計の針が動く度に
袋は揺れて
あけた穴から
想いが
少しずつ零れ落ち
いつかすべて
時の流れの中に
消えて行くだろう
想いは失せても
残る思い出
それでいい
それがいい…
# 時計の針
君と一緒なら
時計の針は不思議に動き出す。
瞬間が永遠に続くように
時の流れは変幻自在。
針が跳ねたり止まったり
揺れる針とともに君と過ごす。
花火が華やかに打ち上がり
パレードの旋律が耳に響く。
題「時計の針」
récit œuvre originale
時計の針で裁縫するんですってねえ。
違うわーってかあε=(ノ・∀・)ツ
時計の針
たまに見ちゃう
見てたら見続けれる
続けてたら何してたか忘れる
見てる時計はデジタルだけども
罠だよね
ちょっと待つこと
そのことが冷静さを生む
疑問に思うことで考え感じる
迷いまで来たら厄介だけど
迷ったら別の事をやると同じ感じ
私たちの時計は音を重ねることはなくなった
奏でる旋律は遠の昔に
今日もすれ違うことすらできず
巡り会えるわけもなく
ただのヴィンテージになって
在るだけが私の
こんなことばかり私だけ
ジャズみたいな音の絡み
思い出したくない
思い出すしか
【時計の針】
“クロノスタシスって知ってる?
知らないと君が言う。
時計の針が止まって見える現象のことだよ。”
きのこ帝国の『クロノスタシス』という曲の歌詞である。
私はこの曲とバンドを大学の時に知った。
今は活動休止中だが、おそらく復活することはないのではないかと察する。
所謂サブカル好きが食いつくようなバンドでもあろう。
『花束みたいな恋をした』でもこの楽曲が使用され、サブカルの一部として消費されていた。
私が知った頃にはバンドは活動休止となっており、もちろんライブなどには行ったことはない。
私のなかで知らぬ間に時計の針が止まっているバンドであり、再び動き出す瞬間を見ることができないかもしれないバンドでもある。
私はちゃんと楽曲を聞き、いいなと思ったから聞いている。
ファッションで聞いている人間とは違うということを記しておきたい。
このように、待っていても時計の針が動かないことはある。逆もまた然りである。
クロノスタシスのように止まって見えるわけではなく、止まっているのだ。
私が止めたい時間は止まらず、動かしたい時間は動かない。
嫌なことが翌日に控えているときなどは顕著である。
「あぁ~とっとと嫌なことが終わった後の時間に行かせてくれ。」
と言えど誰も助けてはくれない。私の力で何とかせねばならぬ。
こうして嫌な思いを持ちながら越す夜を、永遠に閉じ込めておきたいがそうはいかない。
太陽はそ知らぬ顔をして、私を出迎える。
明日は決戦である。
何とかなるだろうの気持ちで何とかするのだ。
…誰か代わってくれ。