『時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
チリリン
チリリン
別れの時を告げる小さな鈴の音。
「行かないで。」
絞り出した声を
神様は聴いてくれない。
あの人の白い肌がもっと白く輝く。
ちらり
ちらり
散っていく姿は
まるで桜のようで
止めることすら忘れて
見惚れる。
シャラン…。
さっきと違う鈴の音が
また1年始まる独りぼっちの時を告げる。
「時を告げる」
時を告げる
幼少期をともに過ごしていた友達と久しぶりに再会したのは、
私が20歳の誕生日を迎えたその日だった。
彼女とは同じ学校へ通い、毎日の登下校や、放課後の時間を一番長く一緒に過ごしていた。
たが、仲良しだったのかは分からない。
家がご近所だったから、なんとなく一緒にいただけかもしれない。
その証拠に、私は彼女のことをあまり知らなかった。
話すのはいつも彼女の方だけど、何の話をしていたか、忘れてしまうくらいにはどうでもいいことだったのか、昔のことすぎて忘れてしまっているだけか。
彼女が何を好きで、どんなことに楽しみを感じ、嫌っているか、
思い返してみても、分からないのだ。
ある時、何かのタイミングで友達を紹介するスピーチをした。
友達と聞いて頭に浮かんだのは、彼女だったけれど、私は言葉をつまらせた。
私自身が口下手なこともあったけれど、それを差し引いても
彼女について説明できることは容姿といつも自転車を乗り回していたことくらい。
でも、多分彼女も私のことを多くは話せまい。
彼女について多くを知ろうとしなかったし、私も自分のことを話したがらなかったから。
それでもいつも一緒にいてくれてたのはありがたかったなと、
彼女を思い出すたびに感謝の思いを抱く。
中学、高校と、学年が上がるたびに私たちは少しずつ疎遠になった。
思春期で周りのいろんなことに敏感になって(もともと私は周りの目や空気に敏感だった)学校へ通えなくなった。
時間のほとんどを家で過ごして、卒業するまでは数えるほどしか学校へ行かなかったし、こんな惨めな自分を見せたくなくて彼女との関係もぎこちなくなってしまったと当時の私は思っていたから。
偶然にも、私は彼女と進学先は一緒だったけれど、
周りの環境に慣れなくて、一ヶ月も経たぬ間に私はそこを去った。
私が学校を辞めることになったとき、
彼女から呼び出されたことがあった。
「学校、どうしても辞めるの?」
私は自分のことを話したがらなかったし、彼女も私のことは別になんとも思っていないだろうと思っていたから、彼女が私のことを気にかけてくれていたということに驚いたのを覚えている。
もしも、そこで彼女が辞めないでと言ってくれたら、
私はどうなっていたのかなと考えることもあったけど、
きっと変わっていなかっただろう。
ただ、何が言いたげな、苦しさとも寂しさとも言えぬ、顔を歪めた彼女の表情が忘れられない。
あの日を最後に、彼女は私の生活からいなくなったのに
またこうして再開するとは何事か。
「久しぶりだね、元気にしてた?」
そう笑う彼女は、いつだかの思い出の中の面影を残していた。
会えた嬉しさもあったけれど、私は言いようのない悲しさを感じた。
綺麗に結われた髪、可愛く着こなす洋服、大人びた顔立ちに映えるメイク。
あの日少女だった彼女が、大人の女性へと変化して、今、私の前に現れたことが、ひどく心を締め付ける。
ああ、いつの間にか、こんなにも経っていたのか。
彼女の存在が、私に静かに時を告げる。
時を告げる
スマートスピーカーから
スマートスピーカーから流れるラジオから
11時の時報
時を告げる
そろそろ昼食の支度ね
壁掛けの電波時計を見る
11時 35秒
スマートスピーカーだから、ね
タイムラグ、あるんだよ
ささやかな納得
スマートスピーカー
時を告げる
"どうしたの?"
"話聞くから、言ってごらん?"
いくら待っても、
いくら我慢しても、
自分には決して向けられない
分かってる
期待なんかしてないし、
はなから諦めてるから
そう言って自分を宥め笑うしかない
感情は、、、こもってない
別に気にかけてもらわなくたっていい
全部一人で耐えればいい
全部一人で抱えればいい
全部一人で、、、何とかすればいい
もうどうでもいい
みんなの関心なんて必要ない
僕は一人で...寂しくない
僕は...大丈夫
僕...は.....あ、、れ?
なん、、で?
僕は、、大丈夫なはずなのに...
止まらない..
止まらないよ...
あぁ...
視界が歪むほど大きな滴は、
壊れかけの僕に
"助けを呼べ"
そう告げた。
『 時を告げる』
今までの思い出
___________________
きみとの別れが着々と近づいてきている。
あぁ、会えない関係になりたくないな。
___________________
Theme:時を告げる
お題「時を告げる」
ちくたくちくたく、カリカリ、パサ。ちくたくちくたく
時計の針の音とペンを走らせる音、紙をめくる音。
静かな部屋に決して大きな音ではなけいれど、ちょうどいいくらいに聴こえてくる。
かちりと針が定刻をさせば、きーんこーんかーんこーんって鐘がなる。
途端に、あぁ疲れた〜、お腹減った〜なんて声が聞こえてくる。
今日も終わりと始まりの時を告げる。
秒針の音が気になって眠れない人
結構いるみたいね
私は逆でね
あの 規則正しいリズムで心が整うの
感じ方はほんとに様々だね
例えば今夜は
ベッドに来たけど
秋の虫達の大合唱で
秒針の音すらかき消されている
これは不規則なリズムだけど
こちらはこちらでまた心が整う 儲けものだね
夜は考え事はしない様に
自分でしっかり夜を作る
睡眠を整える
鎮める時間は生きて行く為の必須事項
《 時を告げる 》
2022年9月5日
この日は、福智さんの誕生日で
寝た後に起きて、
幸せもんだな私って。
こんなに祝って貰ってよ。
ほんとにありがとな。
気をつけて帰れよ。
と仰ってくださって、
わたしも幸せものですね。
時を告げる
もしも、「貴方の余命はあと、半年です」と医師に告げられたら、貴方はどうしますか?
私は…きっと、
誰にも言えずに一人で亡くなってしまいます…
友達に言ったら
傷つく・悲しむ姿を私は、
見たくない。
きっと、最後の言葉は
「今までありがとう」で終わってしまう。
私って、本当に情けない。
きっと、毎日のように泣く日々が続くと思う
半年、友達と楽しく生きるよ…
あなたに出会えて幸せでした…
本当に今までありがとう。
またね……
無限の時を生きている
そう感じることのなくなる日が
たしかにあなたにも近づいている
生きる価値や意味がみな同じなら
好きなように生きればいいが
思い通りの人生を
送れる人などいないのだ
どこにも答えがないとしたら
この世界は偶然に生まれ
人は偶然に生まれたことになる
虚無に支配されてはならない
希望のない世界に
身をゆだねてはならない
闇にのまれることに陶酔してはならない
あなたの無限はいずれ終わるが
未来に救いはないのだと
誰が決められるだろうか
それだから 目を醒まし
もう自分を欺くのはおやめなさい
#時が告げる
特に部活がない日でも、帰りの会が終わったあと友達と話していた。
四階の教室から正門に向かって流れていく集団を見下ろしていた。
その中に彼もいた。こっち向かないかなとか思いつつ見つめていると彼が四階の窓を見た。驚きを隠せない私に向かって「また明日な!」と手を振った彼。その余韻に浸りながら友達と話す時間。
幸せな時間の終わりを告げるのはいつも決まって17:30になるチャイムだった。
#時を告げる
私の心が
私の心の鼓動が
時を告げる。。
あなたと過ごした時間が遠くなる
何か自分がわかんなくなっちゃった
A先生が他のこと話をしてるだけで気分が落ちてっちゃう
でも今日私の真横で顕微鏡を見ている先生の横顔は
すごいかっこよかったです
- 時を告げる -
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時を告げる時計が
12時になってしまう前に帰らなきゃ。
「さようなら。私の王子様。」
2022. 09.06.
「時を告げる」
あるがままに。
貴方との思い出に、今 時を告げる。
【時を告げる】
柱時計が嫌いだ。時を告げる規則的で偉そうな音と、文字盤を駆ける小さくも耳障りなチクタク音。だから、柱時計が置いてある祖母の家が苦手だった。定期的にまき直さなければいけない時計。時を告げる大きな音。泊まりに行くと必ず時計のある廊下を通らないように遠回りでトイレに行っていた覚えがある。自分の身長よりも大きな柱時計。見上げる度に目眩を起こしそうになる。祖母の話によると、この柱時計は亡くなった祖父が結婚記念日に買ってくれた大切な物なのだとか。
「時間の音が鳴るとね、おじいちゃんがいつでもそばにいてくれるって思えるのよ。」
なんて祖母は言って笑っていたが、私は柱時計が怖いと泣きながら訴えた事がある。幼い私は祖母にあやされながら、顔を知らない祖父の話を聞かされた。私が産まれる前に亡くなった事、若い頃の祖父はとてもかっこよかった事、力持ちで柱時計を一人で運んだ事等、たくさんの話を聞かせてくれた。そんな祖母が亡くなったのは私が中学生の頃だった。幼い頃よりも身長が伸び、柱時計に手が届くようになった私は、時計の上に手紙があることを見つけた。両親にそれを見せると、居間で箱を開けた。中身は今まで祖父が送っていたであろうラブレターがたくさん入っていた。日付は70年も前だった。祖母が亡くなってから、家族はあの廊下にある柱時計をどうするか話し合っていた。処分するにも重たく、かといって譲るにしても置くスペースが無い。迷った挙げ句、結局私の家で引き取る事にした。
苦手な柱時計は私が大人になった今も新しい時を告げながら大きな出で立ちで生活を見守っている。
昔よりは平気になったが、やっぱり私は柱時計が苦手である。
<時を告げる>
平穏な日々にも終わりはやってくる
―時を告げる―
ふと、時計が視界の隅に映った。
11時48分…か。
『もう、こんな時間なんだね。』
目の前で僕と踊る少女に向けて、呟くように言った。
「え?」
光の加減でキラキラと輝く水色のドレスに身を包んだ
なんとも可憐な姿に似合わず、
素っ頓狂な声をあげる彼女がたまらなく可愛らしくて、
思わず笑ってしまいそうになる。
そんな僕を気にもとめずに彼女は時計を見た。
そして、とても分かりやすく驚いた。
「!?
…もう帰らなきゃ…!!
…今日はとても楽しかったわ。
一緒に踊ってくださってありがとう。さようなら…!」
そそくさと別れを告げる彼女に、今度は僕が驚く。
彼女はスカートの先を摘んで、上品にお辞儀すると、
即座に踵を返す。
その姿に、胸が締め付けられる。
まだ彼女と居たい。離れたくない。そんな衝動に駆られる。
今彼女を止めなければ、一生後悔してしまうような、
そんなことを直感的に感じた。
もう一生彼女に会えないなんて、そんなこと…!!
『待ってくれ!!』
叫んだ。
周りの目なんて全く気にせず、口が勝手に開いた。
彼女が振り返ることは無かったが、
裾の長いドレスとヒールのある靴はやはり走りにくいのか、
僕が数歩走るとすぐに追いつくことが出来た。
僕は、衝動的に彼女の手首をグッと掴んだ。
そして彼女の反応なんて気にせず、そのまま僕は口を開く。
『僕は…僕はまだ、君と居たいんだ。
少なくとも、明日の朝は、君と2人で迎えたい。
君さえ良ければ…僕と一緒に居てくれないか?』
突然の告白。なんなんだこれは。自分でも笑えてしまう。
こんなことをされたら、誰だって困惑でしかないだろう。
でも、僕自身は、至って真剣だった。
「…あの、気持ちはありがたいの。
それに私も、まだ貴方と居たいわ。
でも…鐘が鳴って魔法が解けてしまったら!…あ。」
しまった、とでも言うように彼女は口を手で覆った。
『魔法?』
「…………私、魔法使いに魔法をかけてもらって、
今この姿でいるの。今日ここに来られたのも、
そのおかげよ。でも、12時の鐘が鳴ったら、
魔法は解けてしまう…そしたら、そしたら私は…!!」
暫くの沈黙の後、彼女は思い切ったようにそう言った。
その彼女追い詰められたような声からは、
どこか怯えているような、
不安に打ちひしがれているような、そんな感じがした。
根拠なんてない。ただの直感だ。
だから――
『大丈夫だよ。』
そう、優しく優しく言って、彼女の言葉を遮った。
魔法が解けるとどうなるのか、聞くべきだったはずなのに、
僕は遮った。
しかも、何がどう大丈夫なのか、どういう理由があって
大丈夫と言えたのか、全く分からなかった。
けど、今は彼女をただ肯定してあげたかった。
僕は勢いに任せて彼女を優しく抱きしめた。
全く緊張しなかったと言えば、嘘になってしまうな。
「…!!」
そのまま、僕は彼女の耳元で囁くように言った。
『大丈夫。怖がらなくていい。何も怯えることは無いよ。
もし魔法が解けてしまったとしても…
―僕は、ありのままの君を愛すから―。』
目を見開いて、ただ驚きの表情を浮かべていた彼女の顔に、
キラリと一筋の光が伝う。
抱きしめていた彼女の体を1度離し、しっかりと顔を見た。
彼女の瞳は濡れていた。
僕は彼女の目に溜まった涙を、そっと指で拭った。
そして安心させるようにふわりと笑う。
『約束するよ。だから大丈夫。』
彼女の顔にはもう、驚きの色はなかった。
代わりに戸惑うような表情を浮かべていた。
そんなに、普段誰かに愛されることに
慣れていなかったのだろうか。
自分を好いてくれる人なんてきっと居ないだなんて、
思っていたんだろうか。
そんな思考を一旦振り切り、
可愛くて、優しいのに、愛され慣れていないお姫様を、
まっすぐと見つめ直す。
なら、僕が最初に愛してあげたい。
そして、この人の笑顔を、ずっと守っていたい。
『君のことが好きだ。
ずっと、一緒に居てくれ――シンデレラ。』
「…ええ。私も、貴方のことが、好きよ。
ずっと、一緒に居たい…。」
そう言いながらシンデレラは、とても幸せそうに微笑んだ。
この優しさに溢れた笑顔が、僕は好きなんだ。
ゴーン…ゴーン…
今、12時の鐘が鳴った。
舞踏会会場の真ん中で口付けをする2人に、
鐘が時を告げる。2人を気遣って、遠慮しているかのように。
やがて
シンデレラのドレスがボロボロのエプロンに変わっても、
ガラスの靴が消えて、裸足になっても、
2人の意思が変わることはなかった。
そして2人で微笑みながら、朝を迎えましたとさ。
めでたしめでたし。