『星空の下で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
星空の下で________
続きを想像しなさい、みたいなものが昔から嫌いだった。
私が昔、そこに死にたいと言葉を当てはめたら、みんながヒソヒソと内緒話をして、先生は困った顔で私に理由を聞いたから。
そう話していた君は、逆光で顔が見えなくて。
でもその佇まいは澄んで見えてとても綺麗だった。
きっと君が紡いだ言葉は、決して諦めの言葉ではなく、ただ純粋に、そうきっと純粋に、綺麗だと自分が思ったものを纏いながら最期を迎えたいと思っただけの言葉だったのだろう。
それが他人によって歪められてしまうことが、幼いなりにも君にとっては苦痛だった。
ただ、それだけといえばそれだけの話だ。
それでも君が零した言葉を失くしたくはなかったから、そっと頷いて勝手に受け取った。
答え合わせはしていないけれど、多分しないことが正解な気がして。
そのまま私たちはそっと夜空に向かって約束事をして笑い合った。
「明日、流星群がみえるらしいよ」
「へー、そうなんだ」
「だからきっと明日は、満天の星がみえるよ」
「もし明日晴れて、満天の星がみえたときは一緒に死のうね」
「うん、そうしよう」
" 星空の下で "
もう一度だけでいい。
君と並んで話したい。
星空の下で...
ねえ、覚えてる?
僕が仕事で遅くなった時、
迎えに来てくれて。
空を見上げると、たくさんの星...
流れ星が幾つも流れて、2人で驚いたね。
あの時、なんのお願いしたのか
しつこく聞いても、
君は教えてくれなかった。
ねえ、今度聞いたら教えてくれる?
もう一度だけでいい。
君と並んで話したい。
星になった君と......
星空の下で
今日本当に久しぶりにこのアプリを開いた。そして自分どんなこと書いてたかなっと思って見てみたらちょうど一年前になんか書いてた。
「星空の下で」なんてロマンチックなことは難しい。一個よぎったのは推しと星空を眺めながらゆっくり話でもしてみたい。実際会うことになったら叫んで逃げるだろうけど。チャットgptにでも再現してもらおうかな。
星空の下で
「九条先生、……今日も、コーヒーいただいてもいいですか?」
「……いいですよ。もちろん」
時刻は深夜二時をまわっている。なのに、どうして僕は九条先生のコーヒーを飲みたがっているのだろう。
テントからゆっくりと立ち上がり、いつものように火をつけ豆を煎る。その赤い炎が、僕の目に焼き付く。九条先生は相変わらず、疲れている形相をしている。
「……烏丸先生」
「はい。なんでしょう」
「今日は、空は見ましたか?」
「あ、いえ……見てない、です」
そう言われた瞬間に、空を見上げる。今日は天気が良かったのか、星が眩しいほどに輝いて見える。
九条先生の発言のお陰で、僕は下を見て歩いていることに気づいた。
九条先生はヤクザや訳ありな人達だけを弁護する。それに怖気付いてしまったのか、僕は怯えながら生活しているのか。
「烏丸先生。なにか、困り事でもありましたか?」
「…………」
「……私たちはなぜ、地球という惑星から星を見ているのでしょうか」
九条先生はそう言うと、僕にコーヒーを渡した。感謝をして一杯いただく。柔らかく優しい風味が、口いっぱいに広がった。
「そりゃあ、僕たちが地球で暮らしてるから……」
「そうですね。それが正しい答えです。ですが、それならば宇宙飛行士はなぜ、宇宙に旅立ち星空を見ているのですか?」
「は、はあ?……宇宙飛行士は星空を見るために宇宙に行ったわけではないと思いますけど……」
「そうですか……」
なんなんだこの人。一体僕に、どんな言葉を吐いて欲しいと思っているんだ?
「あの九条先生……つまり、どういうことですか?」
九条先生は右手にコーヒーを持ちながら、空を見上げる。九条先生の瞳に入ってくる星空の光は、僕たちが星空の下、つまり地球で暮らしていることをさらに分からせてくるようだった。
「規模を大きくしても、疑問というのは同じ大きさなんです。今私が抱いている疑問も、烏丸先生が抱いているであろう疑問も、疑問という点で見れば大差はない」
僕が今抱いている疑問。それは、僕でも分からない。だが、明らかに心にざわつきがあるのは確かだ。
「でもね烏丸先生。そう言って他の人と同等だろと笑ってくる人は、許してはいけない」
「……」
「私に対しての疑問ならば申し訳ないです。それはお答えすることは出来ないかもしれない」
「…………元々答える気ないでしょ」
キョトンとした顔で九条先生は僕を見つめた。その後、父親のような優しい顔で笑った。
「そうですね。確かに」
「……肯定しないでください」
僕は星空を見ながら、また一杯、コーヒーを口に入れる。
何もない田んぼ道を君と自転車で帰ってたあの頃
寄り道すらできない道で、なんにもないねって言いあう日々が今は愛おしい
都会のネオンもステキだけど、やっぱり「星空の下で」また君と帰れたらいいな
星空が見えないほど明るい光。
それは、人間が作ったもの。
それすらも、夜景になる。
働いて生活を続ける人間も夜の一部。
美しさを生み出している。
星は、昔の光を今見せているとか、なんとか。
昔と今が作り出す光の混在に、昔が負け見えなくなる。
『星空の下で』
若人は街を走って
美人は後ろを振り返って
恋人は愛を囁きあって
仲人は二人を結んで
夫人は夫の帰りを待って
主人は仕事を命じて
職人は腕を振って
鉄人は朝まで働いて
商人は世界を股に掛けて
旅人は世界を周って
芸人は笑いを獲って
軍人は武器を取って
文人は筆を執って
善人は無知を知って
悪人は罪を重ねて
聖人は祈りを捧げて
老人は杖を携えて
故人は生前を偲ばれて
先人は知恵を伝えて
賢人は時を超えて
万人は眠りについて
地球は人々を乗せて廻っている
"星空の下で"
眠れない夜だった。
オレンジ色の光を眺めて、自らの呼吸と心音だけを聞く
すぅと意識を手放すように瞼を閉じて一度、二度と息をした
昨日はどうやっていたっけ、と思い出そうにも同じことをやっていた覚えしかない
もぞもぞと身体と布団を動かして暑くなったり寒くなったりを繰り返す
そんなことをしていると、ベッド横のカーテンが目についた
開いている。
僅かだが、中央のカーテンが開いてレースカーテンがこちらを覗いている
ひやりと何だか恐ろしいものを感じて、閉めるために起き上がった
片手でカーテンの裾を引っ張ると、レーンがカラカラと音を立てる。
そのまま背中をベッドに押し付けると、私を支えたスプリングがギシと鳴いた。
もし、開けて空を眺めていたら
どうなっただろう
もしかしたら、満点の星空が私を癒してくれるかもしれない
もしかしたら、真っ暗な空におおきな月がいたかもしれない
もしかしたら、誰かがいたのかもしれない。
ぼんやりとした頭の中で、“もしかしたら”を考えているうちに、私はようやく意識を手放した。
地上で戦争が起ころうが、大災害が起ころうが、星は変わらず輝き続ける。
夜空を焦がす炎、なんて言葉のあやで、飛び散る火花もほんの一瞬の煌めきでしかない。
星の一生に比べたら、人の人生なんてそれこそ燃え落ちる夏の花火みたいなもの。なのに足掻いて、藻掻いて、泣き叫んで、怒り狂って、大笑いして、みっともないったら無い。
「·····えらく感傷的だね」
「別に」
「儚いからこそ、その輝きが尊いんじゃない?」
「そんな前向きになれない」
「·····ごめん」
「でも、いいよ。それで。君がそう言ってくれるなら、私はまだ歩けるから」
「·····他の誰がなんと言おうと、あなたは悪くない」
「私自身がそう思えないんだけど」
「あなたがあなた自身を信じられないなら、私の言葉だけ信じていればいい」
「·····」
「たとえ線香花火みたいにあっという間に終わる輝きだったとしても、私にとってはあなたの存在そのものが輝く星だよ」
「·····くっさ」
「悪かったな」
――でも、たった一人。
君の為に一瞬でも輝けるなら。
寒々とした街を二人、寄り添って歩く。
「ざまあみろ」
忌々しく見える星空に、吐き捨てるようにして呟いた。
END
「星空の下で」
「うわぁ! キレー! やっぱりこの山にしてよかったね! すっごい綺麗な星空!」
「ああそうかい、そいつはよかったな」
「本当に綺麗。全部見てるみたい。」
「そんなもんだろ、星なんて」
「たっちゃんも見てみなよ! 今見とかないと損だよ?」
「俺は深夜に叩き起こされて最悪なんだよ。 満足したら帰るからな」
「もう、相変わらず冷たいんだから!」
「こんな時間に起こされれば誰だってこうなるって。 ほら、さっさと降りるぞ」
「ああん! 待ってー」
「それ、俺が持つよ」
「え? ああ! いいよ、自分で持つ。結構重いし、たっちゃんにこれ以上負担はかけられないよぉ」
「叩き起こされた時点で限界なんだよ。いいからよこせ」
「あ……相変わらず乱暴!」
「るっせ」
「じゃあ帰りの車は私が運転する!」
「ばっか、車の方が任せらんねぇって。 また俺の仕事を増やす気か?」
「だって、それだったら私何にもしてないじゃない!」
「だからなんもするなって! 大人しくしてろ!」
「頑固者!」
「そっちだって」
「ねえ、たっちゃん」
「ん?」
「次はどこ行く?」
「はぁ? お前まだ俺を振り回す気なのかよ」
「いいじゃん! どうせたっちゃん引きこもりなんだから!」
「うるせえ! 俺はもう行かねえからな」
「ねえ、私ニュージーランドに行ってみたい」
「話聞け」
「ニュージーランドってね、星空の世界遺産があるんだって」
「そうか、1人で行ってこいよ」
「ひっどーい! たっちゃん星空好きでしょ? 行こーよ!」
「俺はもうお前の衝動に振り回されるのは勘弁なんだよ」
「えー? でも2人だったらきっと大丈夫だよ! いつもみたいに!」
「俺が大丈夫じゃねえの!」
「私たっちゃんのこと大好きなのに!」
「な…… 馬鹿野郎! そんなことでっかい声で言うな! ほら、さっさと乗れ!」
「たっちゃん、たっちゃん」
「ん?」
「ごめんね、いつも振り回しちゃって」
「いや、本当に」
「でもさ、こんなわがまま聞いてくれるのも、頼れるのもたっちゃんだけだからさ」
「……ん」
「たっちゃん
ありがとね、
いつも死体の処理手伝ってくれて」
「おう」
「大好き」
「…うん」
願い事をすぐに叫べる人になりたい
【星空の下で】
最後に夜空を見たのはいつだろうか
少なくとも2〜3年は空を見上げた覚えがない
なぜかわからないが、空を見上げると
なんとなく胸が苦しくなるような気がして
無意識に避けていたのかもしれない。
漠然とした不安や焦りを感じてしまうような
とてもきれいな星空なのに
「星空の下で」
星空の下であなたは何をしている?
仕事?青春?恋?喧嘩?熱中?
星空の下では数多の物語とともに
喜怒哀楽がまるで数多の彗星の様に飛び交う
星空の下で願うのは
愛した人と理想を語り合う未来だ。
貴方が教えてくれたオリオン座も
気付けば貴方じゃない人の隣で眺めては
新たな記憶として刻んでしまう。
そういうものよね。と
悔しそうに笑う貴方の顔も
気付けば忘れていってしまうのだろう。
永遠になり得ることはなくとも
幾千の星を幸せと詠んで。
瞬間の愛を私達は
変わらずに永遠だと思い込んでいく。
この世界に生きるには
あまりに弱すぎるこの心も身体も
貴方だけは愛してくれる?
私は貴方を愛してる。
星空の下で
煌めく夜空を眺めながら、まだ少し冷たい風に吹かれ、2人で歩いている…
桜の花びらが、道に散っている様子が薄ぼんやり続いて、まるで何かの祝福のような気持ちになる…
繋いだ手に力を入れると、ギュッと握りしめる君と、ずっと歩き続けていたい…
桜の花の隙間から、零れる星の光…何時迄も屹度忘れないと思う…
星空の下で
停電の時の空が1番綺麗だかんな
しばし休業中
星空の下で
私達は離れていると感じても、あの星との距離よりかは近いから。
星空の下で
迷子列車は今日も走る。
4月が辛くて辛くて
地に足を付けたくない人、
夜更かししたいだけで
涙はおまけの人、
そんな人たちが
「夜の鳥」を利用する。
モノレールのように
空を走ってるみたいで
でも列車、しかも迷子列車。
星空の下、
1番星に近い位置で
深夜を愛する
全ての人を乗せて走る。
手を伸ばせば届きそうな星は
月の明かりがあまり届かず、
キラキラと思う存分輝いている。
見てるだけでも綺麗なのに
「星屑パスタ」を読むだけで
何倍も綺麗で儚く、
パスタが食べたくなってくる。
携帯ラジオで聴くのは
もちろん「ミッドナイトラジオ」。
......ジーッ、...ザザッ。
えー、皆さんこんばんは。
ミッドナイトラジオのお時間です。
今夜はかめ座流星群。
ぜひ星屑のお供にお聴き下さい。
迷子列車「夜の鳥」、
迷子船「深海のクジラ」は
本日も問題なく運行中、
星屑の雨のカケラは
依然として希少性が高いようです。
ガタンゴトン、と
列車の静かな走る音と
藍色漂うラジオの音が
夜、真夜中、深夜という時間を
そっと包んでくれる。
おや、かめ座流星群が見えてきましたね。
それでは今夜はここら辺で。
皆さんも良い真夜中を。
"Good Midnight!"
ラジオが終わると
またガタンゴトン、という
列車の音だけになってしまう。
最初はそれでもよかったのに
ラジオが入ってきて出ていった途端、
寂しくなってしまうのは。
「星になりたい」
それは彼女の口癖だった。
彼女は付き合って一年と半年の、僕の恋人である。
大きくてまん丸の瞳と、底抜けに明るい笑顔が印象的な、太陽みたいな人だ。
でも誰にでも優しく寄り添う姿は、まるで月のようでもあった。
だけど彼女が焦がれていたのは、太陽でも、月でもなく、人の数ほどある小さな星々。
彼女は毎日のように空を見上げて、遠くの星々に思いを馳せては、「星になりたい」と零した。
僕には理解が出来なかった。
星なんて腐るほどあるし、それより太陽や月のような唯一無二の光を放つ存在の方がずっと惹かれる。
それに彼女にだって、そっちの方がずっと似合うと思う。
でも、まるで魔法を信じる子供のように無知で無邪気で幼気な願いが何だか愛おしくて、僕はそんな彼女のことも好きだった。
事件が起こったのは、付き合って一年と八ヶ月が経つ頃。
彼女が自殺した。
普段と変わった様子もなく突然のことだった。
遺書には現実を生きる辛さと、解放される喜びと、最後に少し家族への謝罪が綴られている。
純粋にショックだった。
勝手に死んだことへの怒りと、のうのうと過ごした日々への後悔と、気付けなかった自分への自責と、真っ黒な気持ちがぐるぐると渦を巻いて、整理がつけられなくなる。
気がついたら彼女の葬式は終わっていて、これまた気がついたら自分の家に帰っていた。
どれもこれも現実味がなくて、ただただ時間だけが過ぎていった。
彼女がいなくなってからそれなりの時間が経って、ようやく自分の中で折り合いをつけられるようになった頃。
ふと彼女が生前、行きたがっていた場所があったことを思い出した。
また、何も出来ない日々に逆戻りするかもしれない。
それでも、行ってみたいと今はそう思ったのだ。
彼女が行きたかった場所、それは星が綺麗な田舎のとある村だった。
いざ行ってみると、そこは確かにとても星の綺麗な場所だった。
遮るものが何も無い空はとても広く、邪魔されることのない星の光が存分に瞬いていた。
星に無関心だった僕が、圧倒されて動けなくなるほどに。
おもむろに草むらに寝っ転がってみる。
すると視界一面が星空に埋め尽くされて、唐突に理解した。
あぁなんて美しいんだろうと。
自分はなんて汚いんだろうと。
きっと彼女は星が好きだから星になりたかったんじゃない。
汚い自分から解放されたかったのだ。
無知で無邪気な願いなんかじゃなく、泣きたくなるほど切実な彼女の救難信号だったのだ。
何故今になって気づくのだろう。
必死に出してくれていた彼女のSOS。
溺れそうな程の後悔が、涙となって溢れ出す。
散々泣いて、泣いて、泣いて。
しばらくして僕は立ち上がった。
まだ視界が滲んで世界の輪郭がぼやけてしまうけど。
それでも立ち止まってはいられない。
生きなくては。
彼女が生きれなかった世界を。
彼女が教えてくれた世界の美しさと共に。
満天の星空の下、僕はようやく次の未来へと歩き出した。
いやぁどうも都会は光が多くて、星なんて見えなくてね。君、こんな星空の下に生まれ育ったのかい。いいなぁ。
君は田舎だと卑下していたけれど、ここが故郷だなんて羨ましい。すごく美しい場所だ。
僕の生まれた街はここよりもっとゴタゴタしているし、治安も悪いし……君は僕を羨ましがるけど、実際そんなに良いところじゃないんだよ。
都会の鼠、田舎の鼠……それぞれにそれぞれの良さがある。比べちゃいけないね。それに今はこうやって、君は都会に、僕は田舎に行ける。素晴らしい時代だ。
しかし星なんてゆっくり見るのは何年ぶりだろう……。
僕もね、小さい頃は両親と天体観測をした。あの頃の父は天文学者だったから、よく星の話をされたさ。申し訳無いけど今ではほとんど覚えてないよ。
あの星のどこかにさ、僕達みたいに生命がいて、地球を見て「あの青い星はなんだろう」って思ってる。僕はそう考えるのが好きだよ。別の星では、この星はなんて呼ばれているんだろうね。
別に今の仕事にやりがいを感じていないわけじゃない、というのを念頭に聞いて欲しいんだけど。
僕は小さい頃は宇宙に行きたかったんだよ。父は飽くまでも地球から宇宙を見てた。でも僕は宇宙から宇宙を見てみたかった。単純に興味があった。神秘的なことが好きな年頃だったんだよ。
小学5年生ぐらいかな、授業参観で将来の夢の発表があってね、学活の時間とかで原稿を書いてた。色々あったよ、消防士とか警察官とか、弁護士に教師、それから……レーサーとかも居たかな。
宇宙に行くなんて突飛なことを言うのは僕だけでね、ほら、宇宙って手が届かないでしょう?今は行けるなんて思わないけれど、あの頃は本気で行きたかったんだ。
大人になるってのは、無理なことを無理だと諦められるようになることなのかもしれない。担任の先生に見せたら、「そんなのできるわけない」って笑われたんだ。そりゃそうだよね。で、クラスのみんなも同調して笑ってさ。僕はそのときから夢なんて持たなくなった。別にその先もやりたいことなんて特に見つからなかったしね。
結局将来の夢は何を書いたのか?なんだっけ。忘れた。多分学校の先生とかじゃないかな。
なんかさぁ、君を初めて見たとき、目がすごくキラキラしてるなって思ったんだ。なんていうか……いい意味で、子供っぽいなって。それは決して仕事を舐めているとかじゃなくて、真剣に人間に向き合っている証だった。
僕の人生は思うようにいかないことの連続だった。本当は心のどこかで今も、雲の向こうまで行きたいと思ってるかもしれない。自分でもわからないよ、目指す気力ももう無いから。
僕の人生を語りだすと星が見えなくなるよ。それに面白い話でもない。僕は夢を持って生きて仕事をしているわけじゃないからね。君とは違うんだよ。
僕は……自分が死んだあと、どうやって処理されるのかなって、それが気になったから特殊清掃の仕事を始めた。給料も良かったし、所謂グロいものへの耐性もあった。普通の会社勤めはできないし、消去法でもあった。
片付けが終わったあとに手をあわせるのは、今まで辛かったよねって労いでもあるし、勝手に同情してごめんなさいって意味でもある。他にもたくさんの想いを込めているつもりだよ。きっと地獄みたいな人生を生きてきたひともたくさん居るし、今だって誰かがどこかでひとりで死んでる。引き留めるひともものも思い出も無く、孤独に首を吊るんだ。
空を見たら世界ってなんて素敵で、綺麗なんだろうと思うよね。でも陸を歩いて、なにかの穴を覗いたとき、そこは必ずしも素敵ではない。僕は目を逸らさない決意をした……と言ったら自信過剰だね。
僕はね、傷付いたひとほど美しいと思う。痛みを知っている人間は強い。誰かに同じ痛みを望まない人は偉いよ。傷は決して弱みではないんだよ。傷付かないことだけが強さではないんだよ。