せつか

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地上で戦争が起ころうが、大災害が起ころうが、星は変わらず輝き続ける。
夜空を焦がす炎、なんて言葉のあやで、飛び散る火花もほんの一瞬の煌めきでしかない。
星の一生に比べたら、人の人生なんてそれこそ燃え落ちる夏の花火みたいなもの。なのに足掻いて、藻掻いて、泣き叫んで、怒り狂って、大笑いして、みっともないったら無い。

「·····えらく感傷的だね」
「別に」
「儚いからこそ、その輝きが尊いんじゃない?」
「そんな前向きになれない」
「·····ごめん」
「でも、いいよ。それで。君がそう言ってくれるなら、私はまだ歩けるから」
「·····他の誰がなんと言おうと、あなたは悪くない」
「私自身がそう思えないんだけど」
「あなたがあなた自身を信じられないなら、私の言葉だけ信じていればいい」
「·····」
「たとえ線香花火みたいにあっという間に終わる輝きだったとしても、私にとってはあなたの存在そのものが輝く星だよ」
「·····くっさ」
「悪かったな」

――でも、たった一人。
君の為に一瞬でも輝けるなら。
寒々とした街を二人、寄り添って歩く。
「ざまあみろ」
忌々しく見える星空に、吐き捨てるようにして呟いた。


END


「星空の下で」

4/5/2026, 4:29:29 PM