『星空の下で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
星は夜が明けたら消える。
けど、
私たちは夜が明けても消えない。
ずっと一緒にいるよ。
星空の下で
一生の約束。
【星空の下で】
大切な人が言った。
「あなたと星になれたら、ずっと一緒にいられる」と。
そんな時、あなたは、どう感じ、思い、声をかけるの?
私は、とても嬉しいと、ありがとうと喜ぶのだろう。
でも、私は、その提案を受け入れることはできない。
確かに、大切な人と星になれたら、ずうっと一緒に隣でキラキラと輝いていられるかもしれない。
だけど、私たちが発する星明かりは眩しすぎて、きっと大切な人の姿を隠してしまうから。そうして、お互いが見えなくなってしまうのはイヤ……イヤなのだ。
どうせなら、互いに顔を見合わせ、身体をくっつけて、手のひらをギュッと握りながら一緒に夜空を見ようよ。
たとえば、そう。ほら、星空の下で。
星が見えない空を星空とは呼ばない
雲の上には満天の星があるけれど
言葉は見えているものにあてがわれるだけ
評価とかイメージとかいろいろな言葉が世界を覆っている
けれどそこを突き抜けた先に
ほんとうに美しいものが
きっとあたりまえのようにあるのかも
#星空の下で
と言いながら、3日がたった
星空の下で
星を見ることはできても
言葉を綴ることはできなかった
言葉を綴るのは体力が要る
まるで鉛筆の芯のように
自分の芯まで削れていくようだ
それでも星は変わらず輝いている
星空の下で 2023.04.06
人は死んだら星になると言うけれど、今見上げている夜空に君は居ないのだろう。あの無数に瞬く星の光は全て過去のものなのだから。
早くて数秒、長くて一生。すぐそこにいて、ずっと会えない距離に行ってしまった君を、きっと私は見つけられない。
隣合って空を眺めた幼少期、君は金平糖を空に掲げ、お星さまの欠片だと笑った。
君が星になったなら、遠い夜空で瞬かないで。私の中に溶けて消える、甘い星の欠片であって欲しい。ひとりぼっちの空の下、金平糖を口に運ぶ。じんわり溶ける砂糖の粒は、瞬く暇に消えていった。
【星空の下で】
星空の下で、キミと迎えた2人だけの結婚式。神父もいない、本当に2人だけ。さざ波の音をBGMに指輪を交換すれば、星たちが瞬き祝福をくれる。
「星って、こんなにキラキラ輝いてるのね」
うっとりとした表情で、キミは星空を眺める。
「ああ。こんなにキレイな星空を見たのは初めてだ」
俺たちが住んでいる場所では、こんなにキレイな星空は見れない。キミの
「自然豊かな場所で、2人だけでナイトウエディングがしたい」
という願いを叶えられたことで、夢のようなステキな景色を見ることができた。
「キミの願いのおかげだね」
キミを抱きしめ頬に手を添えると
「あなたが叶えてくれたからだよ」
星に負けないくらいの煌めく笑顔を見せる。
「この星のように、眩しいくらいに明るい道を、一緒に歩いて行こうね」
「うん」
夜空いっぱいに広がる星空の下、見守る星たちに誓うように、キミとキスを交わしたのだった。
黒の上に深い藍を何度も塗り重ねた空に煌めく無数のまたたきを遠い天蓋にして手を繋ぐふたり。
「待っていてくれる?」
願うように繋いだ手に力をこめる。
応えるように握り返してくる力に、安堵がにじむように広がっていった。
「待てるあいだは、待ってる。待てなくなったら、ごめんね」
「おてんばさんをあまり長く待たせないようにするね」
「えぇ? 別にちょっと長くなっても平気だからね。ちょっと外に出るだけだから」
「いーや、それを聞いたら頑張って急がないとって気持ちになった。……がんばってくる、から」
「うん。いってらっしゃい。待ってるよ」
軽口を交わしても、それでも最後には怖気付く気持ちが顔を出す。
そんな弱い気持ちを見透かすように、やさしい声が送り出す言葉を紡いでいた。
#星空の下で
星空の下で
星空の下で寝そべっていると、なんだか自分が矮小に感じられる。顕微鏡のステージに載せられているような、なにか大きな存在から覗き込まれているような、そんな茫漠とした圧があって、対照的に自分が縮こまっていく。実際、針で空けた穴のように小さく見える星の一つ一つが、途方もなく大きい。
そして、私自身も、途方もなく小さい。
私には友人がいた。十年来の友人だった。
彼女は病みがちだった。常に気にかけていないと壊れてしまいそうな、危うい子だった。
私が上京してからは、スマホでやり取りをしていた。彼女は通話を好んだ。私は時間を作ってそれに応じた。しかし就職してからというもの、私は次第に通話を断るようになった。物理的な多忙さと、脳内の多忙さが押し寄せて、正直他人に構っている暇はなかったのだ。
気づくと彼女からの連絡は途絶えていた。こちらの呼びかけにも返答がなかった。私は彼女の実家を知っていたから、電話をかけた。
彼女は入院していた。
良くない男につかまって、傷つけられて、どうかしてしまったようだった。
私は、何かを塗り込めるように仕事に没頭した。働いて働いて働いて、私はある日職場でふらついて倒れた。ついでになにかの衝撃で棚が倒れてきて、私は下敷きになった。
真っ白なベッドで目が覚めて、現実に冷めた。私はもう二度と働けないと思った。
私は実家に帰った。
仕事を辞めたことを伝えると、母は烈火の如く怒った。責任感だとか、見通しの甘さだとか、そういう指摘は至極当然のもので、すべて受け入れるつもりだった。しかし、まさか人格否定まで口にするとは思わなかった。それも毎日毎日、顔を合わせるとは詰ってくるのだ。
私は母を憎んだ。
家にいると気が滅入るので、私は毎日犬のシロと散歩に出かけた。エサと昼食を持って、一日中外を歩き回った。公園でシロと遊んでいる間は、何もかも忘れることができた。
ある日も私はシロと散歩をしていたが、運の悪いことに母に出くわしてしまった。街中だった。母は、私がのうのうと犬を散歩させていることが非常に気に食わないようで、人目を気にすることなくくどくどと怒鳴った。私は怒りと恥ずかしさで頭が破裂しそうになった。その時私はふと、去っていく母の頭上にある大きな電光掲示板を見て、あれが落ちればいいのにと思った。右手の指に、不思議な重みを感じた。
すると、ちょうどその電光掲示板が剥がれるように浮いて、落下して母を押し潰した。即死だった。
私は家に閉じこもった。電光掲示板を引っ張るような感触が、指に生々しく残り続けた。振り返れば、あの感触には覚えがあった。きっと、職場で棚の下敷きになったときも、掴まろうとして何かを引いたのだ。
電光掲示板の下にいたのは、母だけではなかった。一人が大怪我をし、一人が今も意識不明だという。その罪悪感は、心配そうに寄り添うシロに指を舐められても、拭い去ることはできなかった。
生活についても考えなくてはならなかった。私を責めつつも、母は最低限の生活環境を提供してくれていた。今後はそれを自分で回していかなければならない。
そんな折に、電話がかかってきた。友人が病院で亡くなったという知らせだった。なぜ、とは聞けなかった。死ぬ病気でもない彼女が亡くなる理由は、そう多くなかった。
受話器を置くと、後悔の念が胸の奥底から溢れ出してきて、たまらず部屋の壁を蹴った。戸棚がガタガタと音を立てて揺れた。音は止まなかった。街ごと揺れ続けているのだった。私は気づいた。
気分が重くなればなるほど、強い引力が生じるのだ。
私はシロを殺した。
冷ややかな夜風が、丘の上を過ぎていった。
星空は無数の目のようだ。あらゆる物事が丸裸にされていくようで、いたたまれなくなる。
空に、何かが光って消えた。流れ星だろうか。だとしても、すべてを投げ出した私には、もう願うことはない。
空に手を突き出して、星を掴んだ。腕を下ろすと、見えない糸が指に手応えを伝えた。
もうすぐ、街に無数の星が降る。
2023/04/06
お題『星空の下で』
まるい、まるい、お月様。
うさぎがちょこんと丘に座りながら見上げている。
「僕はあのまるいお月様から生まれたのかな?」
「…」
お月様に問いかけても返事はなかった。
ぴょん、ぴょん、ぴょん。
「ねぇねぇ、すすきさん。僕はどこからやってきたのか知らないかい?」
「……」
すすきはただただ風に揺られていた。
ぴょん、ぴょん、ぴょーん。
「ママ〜。あそこにかわいいうさぎしゃんがいる!」
「本当だねぇ。可愛いうさぎさんだねぇ。」
「パパ〜。うさぎしゃんに良い子良い子してきてもいい?」
「良いよ。ただ、あまり遠くへ行ったらダメだよ。」
「は〜い。」
小さな女の子は嬉しそうにうさぎの元へ近付いた。
だが、うさぎは警戒心剥き出しで怯えながら見つめた。
“ヒトだ…。きっと僕を捕まえようとしているんだ。逃げなきゃ。”
「あっ!待って!うさぎしゃん!」
小さな女の子は夢中になって追いかけた。
ぴょん、ぴょん、ぴょーん。
その様子を微笑ましく眺めていた両親は丘の上に寝転んだ。
「今夜も月が綺麗だね。」
「そうね。私はあの星が好きかなぁ。」
「僕はあの星が好きだなぁ。」
気が付けば時間を忘れて会話をしていた。
ただ、さっきまで娘の声が聞こえていたのに全く聞こえてこなくなった。
辺りを見渡して焦る二人。
探しても探しても娘の姿はなかった。
お月様は相変わらず穏やかである。
「大丈夫だよ。君たち二人に代わって僕が女の子を良い子良い子してあげるから。」
ぴょん、ぴょん、ぴょーん。
寂しがり屋のうさぎは小さな女の子を拐ってどこか遠くに消えていった。
綺麗な星空ばかり見ていちゃ近くにある大切なものまで見失う可能性もある。
たまには足元にある小さな花にも気付かないとね。
小さな花にはたくさんの涙が零れ落ちていた。
━━━━━━━ ∙ʚ♡ɞ∙ ━━━━━━━
※なんとなく浮かんだフィクションの物語です。
星空の見えない都会の夜の街並み。君は白いワンピースを着て、僕の前を歩く。田舎から上京したばかりの彼女は、その目をキラキラと輝かせていた。
「ねえ、あれ見て!東京タワーかなぁ」
そう言って君は、東京スカイツリーを指差す。タワーとスカイツリーは全くの別物だが、彼女にはどちらも、美しいものに見えた。「それはスカイツリーだよ」と教えてやると、少し顔を赤くして頬を膨らませた。しかしすぐに、花のように笑うのだ。
僕にはその姿が、星空の下に咲く白いユリのように見えた。とても美しく、たくましい。
僕はそんな君が、大好きだ。
【星空の下で】
綺麗……あ、金星と火星だ!
―――ははは……
このままずっと何もせずに星を見ていれたらな
もう疲れた……逃げたい……
でもみんなそうか…みんな疲れてるよね…
自分だけ逃げるなんてダメだよね。
はぁ、せっかくの長期休暇だったのに
ちゃんと休めなかったな。
逆に疲れた気がする。
でもその疲れは休んだ時の疲れだから
疲れが取れてない訳では無い…と思う。
『やりたいことを後悔のないようにしろ』
って言うけど、
仮にやりたいことを後悔のないようにしたとしても
その後に後悔をするんだから
怖くて出来ないんだよね
だから学生のうちに遊んどけって言うんだよ。
1人だからめっちゃ喋っちゃった…
でも、誰も聞いてないしいいよね。
誰も聞いてないし…聞いてないから…
………誰か、聞いてくれないかな。
―――――――星空の下でちょっと独り言
ふう、とため息一つ。
それから、空を見上げて、背伸び。
憎ったらしいくらい好天だった日の夜は、満天の星が煌めく。
窓の外の、そんな景色を恨めしく一睨みして、再びため息。
……わかってる。
なってしまったものは仕方ないってことも。
誰のせいでもないことも。
でも、「もう治らないんだよ」って宣告は、やっぱり残酷。
おしゃれや恋愛や就職に、こんな重荷を背負わないであろう友人たち。
対して「あなたの症状は、難病からくるものです」「完治はしませんが、症状は抑えられます。ただ、ずっとお薬を飲んで、定期的な通院をする必要があります」……って言われる私。
無理しないこと。ストレス溜めないこと。薬は処方どおりに服用すること。……いちいちうるさいよ。
不公平だ。
理不尽すぎる。
何で、私??
窓の向こうの、煌めく星たちが「友人たち」で、病棟の隅っこ、ため息ついてる私を見てる。
悔しい。
この病気のせいで、今年のコンクールも、定演も諦めるしかなかった。
なのに、「人生設計も病気を加味して設計しろ」?「準備が必要だから、節目節目の判断は早めに。報告と相談をお願いね」って、ドクターは言う。
やってられない。ムカつく。
窓の外の、星たちが滲む。
悔しい。
泣いてたまるか。
私は、こんなことで負けたりしない。
絶対、諦めない。
今すぐは無理でも、必ず吹奏楽部に復帰してやる。
そんで、行きたい学校に行って、勉強して、夢を叶える。
見てろよ、星たち。
またここから、立ち上がって歩いていく。
今日から、ここから。
星たちは、私の応援団。
#星空の下で
星空の下で
星空の下で昔を思い出す。
楽しかったあの日々を。
星空の下で言葉を思い出す。
私を勇気づけてくれた沢山の言葉を。
星空の下で誓う。
強く、優しい人になることを。
主人公は前回と名前同じですが特に同一人物ではないです。夢小説のイメージでお読みください。
リュウガは目の前の現状に眩暈感じた。何故なら
「失敗しちゃったんだぜ」
とリュウガの目の前で身体中真っ黒にした霧雨魔理沙がいた。
『何で帰ってきたら家がなくなってんだよ?』
「ちょっと薬の調合していたら分量間違えて爆発したんだぜ」
『…とりあえず怪我は無いのか?』
リュウガは魔理沙に近付くと持っていたハンカチで顔をふく。
「一応シールドの魔法かけていたから大丈夫だぜ」
『それなら良いけど…霊夢の所は風呂無いし…紅魔館にでも行くか?』
「紅魔館は…」
魔理沙はちょっと罰が悪そうな顔をした。
『無断で借りている本は俺も一緒に謝ってやるから返すんだぞ』
魔理沙はガックリと肩を落としたが
「わかったのぜ」
と言った。
魔理沙のホウキにリュウガは乗せて貰っていた。魔理沙の後ろから抱き締めるようにお腹に手を回して飛んでいた。
「リュウガ。飛べるのに何で今夜はホウキに乗ったんだぜ?」
『たまには楽したいしさ…魔理沙とスキンシップしとこうかなと思ってさ。紅魔館行ったら恐らく家直すまで執事やらされるだろうし』
リュウガはため息を吐いて魔理沙の髪に顔を埋める。魔理沙の首にリュウガの息がかかる。
「ちょ…❗️息が…くすぐったい…❗️」
『紅魔館着くまで我慢な』
「うう…わかったんだぜ」
満天の星空の下で魔理沙は頬を染めながらも心中は幸せであった。
家が直るまでリュウガは紅魔館で執事。魔理沙は本の整理にメイドやっていたそうだ。
終わり
星空の下で
僕が住んでいる土地は星空が綺麗なことで有名だ。
昼間には村の人しか居ないのに夜になれば観光客でいっぱいだ。
生まれてからずっと見ているこの星空を綺麗だと感動したことはない。
これ、綺麗なんだ。としか思わない。
けど君は毎日毎日、飽きもせず瞳をきらきらさせて見上げる。
僕はこの村に、この星空の綺麗な村に産まれてよかった。
全てに
YES
だから
こんな世界
どんな色でも
構わないと
黒でも
白でも
何でもありだと
ジャッジはしないと
それでいいと
「それでいい」
だって星はキラキラ光っていて綺麗だし
勇気がもらえる。
なんていい場所なんだろう。
今日の日記書いたはずなのに消えてら。どうしようもないし今日はもういいや。
「私、マサトくんが大好きです。」
そう言われた。少し肌寒い、星が綺麗な夜だった。
「少し考えさせてくれ。」
俺はそう答えた。彼女は少し悲しそうな顔をした。
翌日俺は彼女に返事をした。
「俺で良ければ。」
彼女は嬉しそうな顔をして
「ありがとう。」
と言った。
それからの毎日は凄く凄く楽しかった。ただ俺は彼女の名前がどうしても思い出せなかった。でも自然に俺は彼女の名前を口に出して言えてる。多分……。彼女も別に気にしてないし、まぁいいか。
だがそんな毎日は、唐突に終わった。彼女が行方不明になったのだ。星空の下、まるで神隠しにあったかのように、スッと消えた。
俺はすぐ警察に行った。だが警察はちゃんと向き合ってくれなかった。俺は途方に暮れ泣く日々を送った。親にも相談したが親は「大丈夫、大丈夫だよ」とだけ言った。
そして今日、俺は彼女が消えた路地に行った。時刻は夜の9時。空では星たちが煌めいていた。
「マサトくん……」
彼女の声が聞こえて俺は振り返った。そこには彼女がいた。
「どこに居たんだよ。俺は本当にお前の事を心配し」
「あのねマサトくん。私マサトくんの事本当に大好きなんだ。」
彼女は俺の言葉を遮ってそう言った。
「でもね、私はもう幸せだよ。マサトくんのおかげで毎日がとっても楽しかったよ。だから、現実を見て。マサトくんが私に囚われて生きているなんて辛いよ。」
「はぁ?お前何言ってるんだよ。」
「いい加減思い出してよ。3年前の事故の事を!」
そう彼女に言われて、頭に衝撃が走り、同時に3年前の事故の記憶が蘇ってきた。
──3年前
「マサトくん口にクリーム付いてるよ。」
「あぁ、ごめんごめん。」
俺と彼女は、信号待ちをしながらそんな他愛もない会話をしていた。
「全くもぉ。マサトくんは急ぎすぎ。」
そう言って彼女はハンカチで俺の口元を拭いた。
信号が変わり俺たちは歩き始めた。1歩、2歩、3歩……。あと少して向こうに着く。何気ないただの横断歩道。だったのに……。
「マサトくんっ。」
ドンッ
俺は彼女に押され、尻もちをついた。その途端彼女は赤い車に跳ねられた。暖かい昼下がりのことだった。
シンと一瞬静まり返ったあと、すぐに騒ぎになった。誰かが叫ぶ声、救急車を呼ぶ声、俺はただ見ている事しかできなかった。
救急車のサイレンで俺は我に返り、思いっきり彼女の名前を叫んだ。
「あずさぁーーーーーーーーっ!」
そうだ思い出した。彼女の名前も、あの事故の事も。あずさはあの時信号無視の赤い車に跳ねられた。
「そうよ。私はあの時車に跳ねられた。けどマサトくんはその時の辛い記憶に封をして、まるで私が居るかの様に3年間過ごし続けた。」
そうあずさは言った。
「そうか。俺……。何で忘れてたんだろ。あずさの事大好きなのに。あずさ……。ごめん、ごめんよ。」
「いいのよマサトくん。思い出してくれてありがとう。今こうして話しているのは、マサトくんの中の私。マサトくん自身が、私を思い出して、そして前に進もうとしているの。」
「俺自身が、前に?」
「そうよ。でも、もうすぐ行かないと。」
「何で、何でだよ。俺の記憶のあずさでもいいから行かないでくれよ。俺を1人にしないで……。前に進めなくてもいいから。お願いだよ。」
「分かってよマサトくん。これは私じゃなくて、マサトくんの本当の心、本当の思いが決めた事。マサトくんが前に進むには、私は行かないといけないの。」
分かってる、そんな事。分かってるんだ。でも離れたくない。
「これは私の願い、そしてマサトくんの願い。マサトくんは強いから大丈夫。」
「あずさの願い……」
「そう私からの願い。私の最後の願い叶えてくれる?」
最後。その言葉が胸に深く刺さった。
「分かった。」
いつの間にか、そう俺は口に出していた。
「ありがとうマサトくん。ずっと大好き。」
「俺も。だからあずさの最後の願い絶対に叶えるよ。」
「やっぱりマサトくんは強いね。」
「当たり前だ。」
俺は涙を拭きそう言った。
「じゃあね。私マサトくんと居られて幸せだったよ。」
「俺もだ。」
あずさは嬉しそうな顔をして光になって、消えた。
冷たい夜の風が涙の後を冷やした。
「あずさ。本当に大好き。一生愛してる。」
俺はそう言って家に向かって歩き出した。
ひとりぼっちでいる夜は
一緒に星をつなぎませんか
あなたはどこに住む人でしょう
そこから空は見えますか
春のかすんだ夜空では
見つかるかどうかも
あやしいけれど
春のトライアングル
さがしてみませんか
三角形をつないだら
そこから春のダイヤモンド
猟犬座のコル・カロリ
6をさかさまにした時間
かすみがきれいに晴れたなら
きっと見つかることでしょう
ひとりぼっちでいる夜は
一緒に星をつなぎませんか
#星空の下で