『星が溢れる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
海を渡り山を越えた
乾いた大地の下 奥深くに
その泉はあった
透明すぎるくらい澄んた水を
いつから湛えていたのだろう
磨かれた鏡のような水面に映る
数々の鍾乳石が まるで
銀河のようで
吸い込まれそう
急に周りから何もかも消えて
無数の惑星や星雲の中
上も下もない宇宙に たたずんでいると
あの人が呼んでくれた
振り返るとあの人がいて
星空の瞳で微笑んだ
#星が溢れる
真っ暗な空に満天の星。
天の川がはっきり見える空をまだ見たことがない。
それを見ることができたら、きっと星が溢れるって言うことが分かるんだとおもう。
よしこ
万華鏡の中はくるくる回る小さな宇宙。
色とりどりの星々があふれるばかりに軌道は無限に変化する。
どんなに傾けても倒しても星はこぼれ落ちず煌めいている。
題「星が溢れる」
「ん〜………」
「ねえリース。さっきっから空ばっかり見てどうしたの?」
すっかり辺りも暗くなり、もうそろそろ宿屋の部屋に戻ろうかななんて考えている時、リースの様子が気になり聞いてみる。
「え?あ、ごめんなさい。ここらへんは星が見えないのかなって………」
「星?」
確かにリースの言う通り空にはただただ果てしない黒だけが広がっている。
「ここらへんは建物が大井からかな〜。森とかならもっと見えると思うけど」
「そうですね………」
どことなくリースの顔がしょんぼりしている気がする。星が好きなのかな?………それなら。
「確かこの町って近くにカーネーションの花畑があったよね?」
「あ、はい。そうでしたね」
「少しそこまで散歩しに行こうよ!それで、一緒に星も見ちゃおう!」
そう言うとリースの顔はぱぁっと明るくなる。
「いいんですか?」
「うん!行こ行こ!」
シーマはリースのてを引いて町を出た。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「わあ………!」
暗くて多少視界は悪くなっているがそれでも視認するには十分な程にたくさんのカーネーションが広がる花畑へとついた。
「星はっと………あ」
空を見上げ確認してみれば、確かにそこには星があった。
………しかしそれはあまり多くなく、指で数えて事足りる程度だった。
「………………」
せっかく星を見ようと思ったのにこれではリースをがっかりさせてしまったのではないか。そう思いリースの方を見ると………
「綺麗………………」
驚くほどに輝いていた。
「不思議ですね。家でいつも見ていたときより数は少ないのに、とても輝いているように感じます」
シーマも不思議だった。がっかりされちゃうと思っていたのに。
「シーマと一緒に見ているせいでしょうか」
リースは冗談っぽくそう微笑み星を見上げていたけど、その言葉は、答えな気がした。
シーマも星は永い生の中で何度も見てきた。それでもリースと見る星は特別輝いて見てた。
だがもっとも輝いていたのは
リースから溢れ出ていた表情だった
それはまるで、星の様に輝いていた
リースが星を見ている横で、シーマはリースから目を離せないでいると、不意にリースがこちらを見た。
「どうかしましたか?」
「あ……ううん!なんでもないよ〜!」
慌てて目をはなし空を見上げる。
「そうですか?」
不思議そうな声を出しつつもリースも空へと視線を戻す。
「………ね、もう少しだけ見ていよっか」
もう少しだけ………………この星を………………
ー星が溢れるー
シーマ・ガーベレル
お気に入りの瓶から星が溢れる。少なくなったから補充しようとしたのだ。
横着して漏斗を使わなかったから。ちょっとよそ見をしていたから。
ころころと転がる星をつまみ上げ、口に含む。
口内でとげとげした星がゆっくり溶ける。じわり広がる甘味を飲み込んで、通販サイトで追加注文をした。
時々、
音楽を流したイヤホンで
出来るだけ、
いつまでも耳を塞いでいたいと思う
私のことはもう放っといてくれ
誰も私に関わるな
誰も私を必要としていない
誰も私が邪魔なんだ
星が溢れる夜空がやけに眩しい
希望なんて無い
満天の煌めく星に焦がれても
溢れ落ちれば、もう光らない
/お題「星が溢れる」より
両手を夜空に向けて伸ばし
「ねぇ!ほら、星が溢れる!!」
振り返って僕をみた彼女は
零れ落ちる星々よりも綺麗で
「うん、そうだね」
優しい輝きを放つ
僕だけの"一番星"だと思ったよ
#星が溢れる
最近あたしの夜空が綺麗な気がする。
あたしの空には君がいるからね
君で溢れてるからだよ。
星が溢れてしまうから
星には、星が溢れてしまうからそれをすくう為の雲が必要なの。
だから、人間でもそれは一緒。
悲しいから、涙が溢れてしまっても、涙が溢れてしまう前でもすくう人が必要なの。
放っとかれるほど、悲しいものは無いわ。
だから、…
だからさ…?
「貴方は私を"救ってほしいの"。」
~これより先は銀河ステーションです~
プラットホームに響き渡る透明な音。
静かなのに、心の中に伝わってくる優しい振動。
真っ白な服を着た人々が次々と列車に乗り込んでいく。
「ぼくも一緒にのせてください。」
車掌さんらしき人が近づいてきて、キップを確認する。
ぼくの手の中に、白く光るキップのような物が現れた。
「あっ。」
そう言った瞬間に白い光は天に昇っていき、眩しさ
の中で金色の毛をなびかせた虎が現れた。
車掌さんはいなくなってしまった。
どうやら、ぼくは列車には乗せてはもらえないようだ。
虎はやがて天を目指して駆け上がっていく。あまりにも速くて、直ぐに見えなくなってしまった。
それでも虎の通った道には、沢山の星が溢れかえっていた。
【星が溢れる】
星が溢れる
去年の夏
私達の関係に初々しさがあった頃
それでもハッキリしない関係にモヤついてた私
晩御飯を食べに2人で歩いたあの道
モヤつきながらも、夜空を見上げた
そこには星が溢れていた
私の悩みもちっぽけに思えてしまうくらい
貴方と2人で歩いていたから、あんなに綺麗だったんだと思う
貴方との関係をハッキリさせてから
それから、今年も綺麗な星空を貴方と見たい
星が溢れる。
星が溢れるこんな夜は
ゆうの事を
考える。
明日三ノ宮で
やっと逢える。
明日は
月の土地の事
しっかりと聞く。
星が溢れるほどくさん詰め込まれたガラスの小瓶をバスケットいっぱいにして一人の少年は、街へ繰り出た。
「星は、いりませんか?願いを祈って空に還せば何でも叶う星は、いかがですか?星10個を金貨3枚で売っています。」
みずぼらしい服を着た少年が高らかに声を上げると周りの人々は、縋り付くようにその少年に銀貨を渡そうとする。わたしがさきに、ぼくがさきに、と争う声が聞こえると少年は、わざとらしく咳払いをしたあと
「ちゃんと列に並ばない人には、あげませんよ」
と子供を叱りつけるように言った。
「はい、最後の一瓶です」
その瓶を渡された女性はひどく安堵し、その後ろに並んでいた人は、泣いて悲しんでいた。
少年は、帰り道にひとり、うわ言のようにつぶやいた。
「この街でも、もう人気が出てしまったな。次は、どこに行こうか。そうだ、雪の降っている場所なんかはどうだろう?きっと寒さで凍るのを恐れた人は、誰も星を買いになんて来ないだろうからな!」
名案だ、と自画自賛をした少年は、家につくと早速身支度を始めた。
持っていくのは、沢山の星と自分の体だけ。
「全く、何故これが人の命を代償にできているってこと忘れちゃうのかな?それとも知っていて星を買うの?自分たちの都合のために人の命を使うなんてばかみたい!」
呆れた少年は、見落としている星がないことを確認して家を放りだした。
新しい街は、予定通りごうごうと冷たい風が吹きすさむ場所だった。星が溢れるほどくさん詰め込まれたガラスの小瓶をバスケットいっぱいにして一人の少年は、街へ繰り出した。
「星は、いりませんか?願いを祈って空に還せば何でも叶う星は、いかがですか?星10個を金貨3枚で売っています。あ、これは、人の命からできているので大切に扱ってくださいね。」
……やっぱり誰も来ない、最初は、どこもそうだ。ここからお客を増やさないためにどうすればいいか、そう考えているとぎぃ、と何かが開く音がして、その方向を見ると一人の女性が分厚いドアの後ろから顔を出していた。
「何でも叶う…って本当?」
「えぇ、生命を生き返らせる事以外なら」
その女性が扉から出てきて金貨を3枚手渡した。それを少年は、受取り、瓶と交換した。
「これで、娘の病気が治るのね…」
そう独り言を言いながら自宅へ帰っていった。
それからは、日を追うごとにやってくる人々が増え、少年は、帰り道ため息を付いた。
「ここも、もうだめか」
そして、次は、どこに行こうかと考えた。
少年は、自身の手元の星が尽きるまで、配らなければならない。そうして、全部の星を配り終わったら自分も星になるんだと、そう神様に聞かされて生きてきた。
「ふふ、この星たちは、どんな使い方をされてお空に還れるんだろう。」今まで不幸な子たちは、何人も見てきた。沢山の人に買われれば買われるだけ不幸な子たちは、増えていく。
「まぁ、何度だってきれいな色になってお空から流れてくるのだけれどね。」そう言って少年は、大きく地図を広げた。
「何度も使い古されて、無理矢理きれいな星に戻されて、自分の好きなところに行けないくらいなら星が尽きることなんてなくていいもんね!」
少年は、自分が星にならないようにここ200年行っていない場所を探した。
あれからXX年後高らかと街の中心で声を上げた少年がいた。
「星は、いりませんか?」
双子座β星・ポルックス
馭者座α星・カペラ
私の愛しい 未完の金剛石 永年の星
どうか季節の移ろいで往かないで
それは寒空に浮かぶことは無く
寂しがり屋な惑星の横に位置する
慈愛で汪溢した星々
例えば、あの星に手を伸ばしたとして、
あとどれくらい伸ばせば、届くだろうか。
例えば、私がその隣の星になったとして、
同じように手を伸ばせば、今度こそ届くだろうか。
そろそろ春だと言うのに、
まだまだ風は冷たい。
でも今日はそんな風さえも愛おしくなる。
だって、藍色に染まった空に、
煌めく星が溢れているのだから。
150テーマ【星が溢れる】
ニコニコしながらもう一回読んでください。
場所を想像しながら自分に置き換えると、
楽しいもんですよ。
創作 「星が溢れる」
谷折ジュゴン
どこかの村で、魔法つかいのたまごが分厚い本を開いた。頁はまだ真っ白。これからたくさんの呪文を覚え身につけていく上でこの本は、彼女の相棒となるものだ。
最初に書き込む呪文はもちろん、「星呼びの魔法」だ。だが、彼女がこの魔法をつかえるようになるには、何十年もかかる。最上級の魔法を最初の頁に書き込むのには、彼女なりの理由があった。
「目標を明確に、基礎を大切に」
言わば、彼女にとって「星呼びの魔法」は魔法つかいとなるための標星なのだった。
長く苦しい修行を経て、彼女は再び故郷の村へと帰って来た。丘の上にすっくと立ち、ぼろぼろになった相棒の本を開いた。天に真っ直ぐ手を掲げる。
「───────!」
澄みきった空気を、一つの星が切り裂く。
続いて、3つ、5つ、暗い空に尾をひいていく。
「できた……やっと、できた」
人々の願いを叶える魔法が、今ここに輝いた。
自らが呼び起こした流星群を彼女は感慨深く眺めていた。
(終)
星が溢れる
ぽたりぽたり
蛍のように儚く
星々のように眩しく
ガラス細工のように繊細で
少し触れただけで壊れそうな
そんな感覚に陥っていた。
それが漠然といつかいなくなるのではと
この手からこぼれ落ちて
波に、風攫われてしあうのではと
怖かったんだ。
俺は「ただのエース」じゃなくて良かった。
しょぼくれた時の「スパイク練しますか」と聞いたときのあの瞳を、多分俺は忘れない。
しゃがんでいた彼が、「スパイク」という単語を聞いて、飛び上がるようにばっと顔を上げたときの、体育館の天井にある眩しいライトを全て吸い込んだような瞳。
眩しいライトさえ瞳に閉じ込めてしまっては、今ではあまりみなくなった天井サーブくらい、彼が眩しすぎて見えなかった。
そんな彼に、俺はトスを上げているのか。
そう思うと多少の優越感を感じ、それと同時に自分の烏滸がましさを感じる。
"高校ナンバーワンセッター"や、1年ながらユースにも選ばれている"王様"とやってみたい、とか思ってそうなのに、彼にしては珍しい頑固さで、それを聞いたときは全否定された。
「やっぱもっとみんなとやりたかったな」
なんなら俺たちとやるバレーが一番楽しいんだ!なんて表情で、でもどこか寂しそうで、彼の背中にあった「尽瘁」も「日射」も、手の届かない所へ、遠くへ行ってしまったみたいに。
この人には"そういう"ところがある。
俺たちに大きな「信頼」を預けておいて、俺たちが「期待」してしまったら助けてくれる。
それがどんなに時間がかかっても、難しくても、無理だと思ってしまっても。
「無理だ」と思うのは、「楽」を選ぶのは、確かに間違っていない。
でも俺は、この人に出会って、此処へ来て、「難しい」と思うことも「楽しい」と思うことも、逃げない一つの理由にできる事を知った。
そして、やっぱり彼には……。
スター
"星"が宿ってるんじゃないかって
ふと思う。
_2024.3.15.「星が溢れる」
「だからそういうわけで…早く終わらせてください、締め切り迫ってます」
「イイハナシダナーで終わるとこじゃないんだね!知ってる!!」
HQ。アカシとただのエース。