『明日、もし晴れたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「明日、もし晴れたらさピクニックにでも行かない?」
そう提案すると、彼女はスマホを取り出した。
「おー、明日晴れるってさ」
「雰囲気ぶち壊しやがった」
便利な時代を恨め、そう言うと彼女は明日の予定を詳しく決めだした。
明日、もし晴れたら。
あなたはここを去ってしまう。
二人きりの空間に閉じ込めたのは、あなたなのに。
あなたの声が、わたしを怖い音から守って、
あなたの色が、わたしの世界を埋め尽くして、
あなたの息が、わたしの頭上を揺らしていって。
それなのにあなたは、いとも簡単に離れていく。
今この瞬間だって、
ふっと目を開ければ、あなたはもう
溶けて消えてしまっているんじゃないかって。
溢れる涙も、あの雨のように、
いつかあなたの一部になるのなら。
どうかこのまま、雷雲よ。
「明日、春が来たら君に会いに行こう」そんな歌があった。
その歌を聴くたびに思っていたよ。
春が来ても、
夏が来ても、
秋が来ても、
冬が来ても、
どんな理由でも君に会いに行きたいと。
理由を自由に選べていた頃が懐かしい。
今、どんな理由があっても、
君に会う事は許されない。
LOOK
あなたの顔はよく見えるけど
僕の顔は見られたくない
でも、今しかないなら
次じゃあ遅いなら
とりあえず、髪を切りに行こう
もっと、良く見えるように
※明日、もし晴れたら
今年の夏で私は居なくなってしまう。
私にとっては最後の夏。
だから、憧れのあの人とお近ずきになりたい
輝く貴方に気付いてもらえるように、
周りに負けないように私は笑顔に元気に居る。
でもなんでだろう。
こんなに綺麗に咲いたって、貴方に視線を送ったって
太陽には、1輪の向日葵なんて興味無いでしょうね。
明日は何をしようか。少年は子供部屋の中を意味もなく歩き回りながら思案する。
流行りのゲームの裏ボスを倒しに冒険してもいいし、こっそり図書室で借りてきた好きなあの子が読んでいた本を読んでみるのもいいかもしれない。一度開いて断念したけれど一日掛ければ自分にも読めるかも。
そうだ。朝は少し寝坊したって構わないから今夜は夜更ししてもいいかもしれない。何かしたいことがある訳ではないけれど、窓に肘をついて少しずつ灯りを失いながら静かになっていく街の空気を眺めるのも乙なものだ。
ああ、明日が待ち遠しくて仕方がない。寝て起きる時間も惜しいほど。
でも、万が一。いや億が一。もし明日晴れてしまったら。明日の予定も今膨らみ続けているこの期待も全て泡のように消えてしまう。
ああ神様。どうかそんなつまらない結末にはしないでください。少年はベッドの上で手を組んで仰々しく祈りを捧げた。
だが、神とは残酷なものである。
「台風は逸れたから明日も学校よ。さっさと寝なさい」
部屋のドアから顔だけ覗かせた母の言葉に、少年は静かにベッドに崩れ落ちた。
/明日、もし晴れたら
#明日、もし晴れたら
屋上いこっか。
明日いっしょに帰ろうか、って言われたかと思った。それぐらい、君は滲んだ笑顔でそう言っていた。
梅雨入りした学校の中は、吸い込んだ息もじめじめしていて酸素が深く取れなかったような気がする。学校だけじゃない。世界がそうだった。どこに行っても灰色の空がぐわりと覆い被さってくる。君はずっと前から屋上に行きたがっていたから、来る日も来る日もカーテンの隙間から太陽を探そうとして、いつもため息をついていた。
それでも天気予報はずっと傘をさしていて、とうとうしびれを切らしたんだろう。君はずっとずっと屋上に行きたがっていたし、ずっとずっと我慢をしてきていたんだよね。踏み出したくても踏み出せなかった日々から、踏み出したくても踏み出せなかった日々へ、もどかしく、ゆっくりと。
「うん」
僕は君の手を取る。隣にいるから大丈夫だって、口よりも温度で伝える。離さないように。最後までずっと君といれるように。
明日、もし晴れたら。
やっと一緒に死ねるんだね。
明日、もし晴れたら、河川敷の方まで行ってみたい、なんて願掛けを梅雨の時にしてたっけ。
今は毎日が晴れで、酷暑に参って河川敷は行けずじまい。
明日、もし静かな雨だったら。行ってみようか。
「今日の天気はあいにくの雨模様です。お出かけの際には傘を忘れずにお持ちください」
天気予報はいつも変わらない。いつからだったか最早忘れてしまったけれど。観測史上初の連続の雨が世界を覆った。太陽が燦々と輝いている光景なんて、いまやテレビの特集でしか見られない。
それでも。いや、そんな世界だからこそ僕は君に恋をした。初恋だと言っても過言では無い。
テレビで見た君は太陽をしっかと見つめ続けていた。誰よりも太陽に近づこうとスラリと伸びた身体。小麦色よりも焼けた頬。全ての光を受け止め輝く黄色い髪。
「そんな迷信のような世界に恋をしているなんて馬鹿げてる」
友人や父親でさえも現実を見ろ、今日も明日も雨だと言う。きっとそうなんだろう。明日の為にレインコートとレインブーツ(最早傘をさして歩く人などいない)を用意する。大雨で仕事へ遅刻するなんて理由は通らないから、出勤予定より3本早い電車に乗っていつも通り仕事をするのだ。
それでも、世界で1人くらい太陽の下で凛々しく咲き誇る君--向日葵の姿を夢見てもいいと馬鹿みたいに信じている。
明日、もし晴れたら真っ先に君に会いに行こう。
もっと明日は可愛くなれるはず…太陽が私を照らして可愛さを100億倍にしてくれるの…その1つのハートが私の心を満たしてくれる明日晴れてとてもいい天気になったら私をもっと照らしてくれるはず
太陽に認められちゃうほど私って可愛いの
私の承認欲求は底沼奥が見えない出口が見えないトンネルくらい深く暗い
深い深い釜で鍋を作って……
あの子との初デート、動物園に行こうって約束したんだ
いっぱい写真撮って、ソフトクリームも食べようねって
でも、当日の朝起きたら雨だったんだよね
ガッカリしたけど、部屋で一緒に動画見たりして、それなりに楽しかったんだけど
で、明日、もし晴れたら、今度こそ動物園に行くよ、わーい!
…っていう妄想です
明日も関東は猛暑だっていうし、僕には恋人なんていないんで、一日部屋でグータラするよ
♯2 「明日、もし晴れたら」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
8月の空の下。重い足取りで地面をける。
噴き出る汗をどうにかしたくて、でも何も思い浮かばなくて。
啼いた蝉に「此処から出ていけ」と言われた気がして、蒸した空気が「息をするな」と言っているみたいで。
泣きたくなった。そのまま死んでしまいたくなった。
こんな約束のせいで、夏が嫌いになりそうだ。
雑木林の中。重い足取りで地面をける。
少し開けた場所。
目的地に着く。
────────あぁ
こんなヤクソクのせイで。
炎天下。
煩い蝉を背後に、ボクはただ
明日、もし晴れたら
お花に水をたっぷりあげます
そこにみつばちが飛んできて
花の蜜をたっぷり吸うでしょう
お花もなんだか満足げに
たっぷりほほえむでしょう
晴れるって幸せ
明日、天気になぁれ
【明日、もし晴れたら】
さいきんは、ずうっと雨ばっか…
ぜんぜん、お外に出れないわ!
アタシはお外に行きたいの!
だって、お花さんやちょうちょさんが見れるでしょ?
でもね、なによりも、おかあさまやおとうさまそれからおにいさまやおねえさまと
お外に行って
ピクニックしたいの!
だから、だからね!
あした、あした、もし、本当にはれたら…
はれたらね!
みんなでピクニックが行きたいの!
もちろん、しようにんさん?もいっしょにね!
明日、もし晴れてたら、外へ出て眩しい笑顔のきみに会いたい。お気に入りの服を着て、髪も整えて、会いに行きたい。まぁ、曇りの日でも雨の日でも、きみに会いに行きたいけど。
明日、もし晴れたら
満天の星を見つめながら、君が僕に聞く。
「明日、もし晴れたらどこに行こうか?」
空には星が輝くばかりで、雲一つなく、このままいけば明日は晴れそうだった。
「それはとっても楽しみなことだけど、明日になってから決めようよ」
明日のお楽しみを作って、今日が終わる。
いつものことと言ったらそうだけど、それが幸せ。
「紘」
凍えている。
流行り病のウイルスの症状がそうさせるのだろうか。
それとも自分の脳に強く叩く言の鋼のせいか。
あるいは、その代償か。
いづにしろ、内に秘める青い炎を絶えさせては、ならないのだ。
赤はいつも去る。どんと派手に切なく。
青はいつも在る。純に確かに自直に。
―私の健康とは、暗闇を進み続ける炎なのだ。
こう言えば、時代の焔を感じさせる。
が、それでもよいのだ。
散りゆく運命を終えた後にみえる景色とは如何程だろうか。触れるが優しくすり抜け、包み込むようにぬくもりを感じさせる。そのうよな炎を想像して眠るとしよう。
明日晴れたら…秋冬のパーカーの洗濯だな。
今日半分したので、残りの半分をしよう。
あ、ドライマークの衣類の洗濯もしよう。
夏の良いところは、何でも早く乾くところだな。
ハイ、現実的な話でした(笑)。
「明日、もし晴れたら」
明日、もし晴れたら。
今更ではあるけれど全体的に暗め・ちょっぴり下の話が入ります。直接的では無いけれど、逆に直接的じゃないので嫌な人も多数いると思います。
苦手だったらごめんね。
お気に入りの服とスキニーにこんにゃく落とした。
夢だな、と気づく。
俺の姿は変わりないのに、アイツは子どもだった。
そんな同居人の朝は早い。
年数が経ちすぎて悲鳴をあげてきたシングルベッドから起きたと思えば、俺を置き去りにしてキッチンへと向かっていった。夢だと分かったのはアイツが子どもの姿だったからであって、その他は特に現実と変わりはなかった。ただ脳は夢の中でも寝ぼけるのか、妙にぼーっとした気分で身体を起こして目を擦っていると、やがて良い匂いが漂ってくる。
パンにケチャップとマヨネーズ塗りたくっただけのやつと梨と多分コーヒー。
俺も自分の部屋から抜け出しアイツの元に近づけば大正解で、オーブンに紅白の乗ったパンを入れている最中だった。夢の中だから当たったのか、でも現実でも割と当たっていたけれど。そんなことを考えつつ、手伝いもせず俺は椅子に腰掛けた。
腹は減っていない。けれど食欲はある。出された朝ごはんを手っ取り早く食べてしまえば何故かアイツは驚いていた。急いで黙々と食べ始めたアイツの姿をじっと目を凝らして見てみた。コーヒーが進んでしまった。堀も深くない、手も骨張ってない、髪が少し短い。見た目的に既に成長期は終わっているからか身長は変わっておらず、ほんの少しだけ俺の方が高かった。高校生の時か、或いは。
「今日は何処行こうか」
一通り支度を終えた後、アイツはそう言った。いつも通り少し目を伏せがちに問うてくるので、俺も適当に行き先を指定してやろうかとも思ったが、そもそも家の外は存在しているのだろうかと思い素っ気なく返した。
「何処でもいいよ」
「そう? 前夜祭って言い出したのはそっちなのに」
そういえば今日、何日だろうか。
「お前は行きたいところねぇの」
「特には……いや、海に行きたい」
「ロマンチストかよ。何処の海?」
悪戯っぽく笑い出した目の前の奴に、失言したなと思い知らされてしまった。
自転車を全速力で漕ぐ。
何故か外は土砂降りも土砂降りで、何故か雲はあるのに全体的に明るかった。
曲がっても曲がってもやってくるは坂道、それも上り坂だからすぐに俺の身体は悲鳴をあげた。自分一人ならまだいい。もう一人後ろにしがみついて乗っているからか体重が前にかけづらく、それなのにその元凶は煽ってくるものだから最悪だった。冷たいし、何故か寒くはないけど視界は悪いし、髪は濡れているのに服は濡れていないのが救いだが、逆に言えばなんてご都合主義な。体感三十分後、やっと俺たちは海岸についた。
体感十分で帰ったけれど。
下り坂を猛スピードで滑っていれば今度はアイツがそこに寄って欲しいそこが見たいと言い出すので仕方なくそれに付き合い、順路に戻り、の繰り返し。最早海よりウインドウショッピングの方が長いまであるかもしれない。飲み物が欲しくなれば金が無いからとサイダーを分けて飲み、すぐに飲み干してゴミ箱に捨てた。
結局帰ったのは夕方になる。
疲労困憊で少し横になっていた俺に、アイツは夕ご飯を用意しつつ度数の低い酒を持ってきた。曰く、「前夜祭なんだろう?」と。それを承諾すればまた嬉しそうにあれやこれやとテーブルに広げだす。酒につまみにサラダに肉に、プラスアルファに。
「……いいの?」
「いいのって、何が」
カシュ、と小気味良い音が連続で響いた。
「いつも嫌がる癖に」
「……ご無沙汰だからね、色々と」
「はぁ」
アイツの作る料理は、力が今より無いというだけのデメリットをものともしないくらいいつも通りで、とても美味しかった。
本人には言わなかったがきっと分かっている。
いつも通り、と言ってもそれこそご無沙汰であったし、手も混んでいたと思う。
本当に美味しかった。
「ピアス空けないの?」
なんとなしげに触られた耳がヒリつき、思わず声を上げた。構わず夢中になって触っているアイツの腕を掴みながら俺は溜息を吐く。
「空けない。それにさっき空けられんなくなった」
「それもそうか」
誰のせいだ。
毛布に適当に包まり身体を温めてみれば案外すぐ眠気はやってきた。だがそこまでで落ち着かず、結局諦めてモゾモゾと定位置に移動する。
「明日、もし晴れたら会いに来てよ」
同じく定位置に移動し始めたアイツがそう呟く。
「会いに来てって居るじゃん。ここに」
「まぁ、そうなんだけどね」
「ってか結局なんの前夜祭なのこれ」
「さぁ?」
「さぁってお前」
定位置に移動して数秒後、匂いのせいかうと、と軽く微睡み始める。寒いも無いのだから暑いも無い。二人分の体温に絆されながら目を瞑ると、意識がぼやけていくのを感じた。
夢の中で眠ればどうなるのだろうか。このまま眠ってしまえば明日大変じゃなかろうか。そもそも明日は大雨じゃなかったっけ。こいつどうなるんだろうな。あ、カレンダー見るの忘れた。
お腹の近くに柔い感触を感じ、まぁいいかと俺は全てを投げ出して息を潜めた。
外は雲ひとつない晴天。
鳴り響く五分毎のアラームと、不在着信だらけの電話。
何故か素っ裸で毛布ひとつ、身体中が本当に痛い。
「あーしくった、もうアイツほんと……」
丁度今出発した名古屋行きの特急列車、に乗っているであろう仕事仲間からのスタンプ連打。
鏡を見ればやはり荒らされており、隠しきれない位置に傷跡が二つ。
そして今日は、お盆。
「化けて出るなら今日出ろよ……ってか出張終わったら行くつもりだったんだけど」
もう今日は名古屋へは行かないでおこうと苦笑しつつ、適当にカップラーメンで朝ごはんを済ませて適当に身支度をした。仕事は明日で前乗りで今日行く予定だったというだけで、明日の始発で向かっても間に合いはする。線香も花も今は無いからと手持ち無沙汰に耳を触りながら外に出た。
自転車を全速力で漕ぐ。
随分と軽くなった自転車で海の横を過ぎ、アイツの居るところまで向かった。
コンビニで買った物を乱雑に並べ、夢の中で飲んだ酒を開けて真ん中に置いた。
「この寂しがり、寝坊させんじゃねぇっての」
面倒くさくなって酒を頭から注いだ。
「今日は何処行く?」
深い深い溜息をひとつ。照りつける日差しがどうも鬱陶しくて仕方がなかったが、もう連絡は済ませてあった。元々ここ暫くは働き詰めだったこともあり快く許してもらえたせいで、今日は一日何も予定が無い。
人が横を通り、妙に恥ずかしくなって首元を手で覆い隠した。
「……またウインドウショッピングは勘弁な」
風が吹く。
「はいはい」
『止まない雨はない』
古い言い伝えだ。
私が生まれてからというもの、
窓の景色からノイズが消えたことはない。
飽きもせずに形骸化した天気予報。
傘を差すことをやめた街人たち。
雨粒が降り続く原因を気にする者はいない。
漫然と、悪意もない、当たり前の光景。
「自然現象だから」
仕方のないことだと誰もが言う。
灰の上は澄んだ青色で、
綿飴のような雲が漂い、
煌々と太陽が鎮座する。
そして夜には月と星が漆黒を彩る。
私は写真やテレビでしか見たことがない。
この目で見たい、死ぬまでに。
濡れた縁側。
今日もてるてる坊主が笑ってる。
~明日、もし晴れたら~