『旅路の果てに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
旅路の果てに
人も自然も一滴の水だと思う
水源から川へと旅立ち
海へとたどり着くのだろう
流れ流され、その果てに
待っているのは
どんな未来だろう
そしてまた
海から空に還りたい
先に還った
友に会えるのを信じているから
旅路の果てに、
「この旅路は幸せなものであったかい?」
と、彼は聞いた。
「ええ、幸せでしたとも」
と、彼女は囁いた。
二人はもう、生涯を共にすると決めてから、死がふたりを分かつまで一緒にいた。
彼が、ドラゴンの毒にやられた時も、死の魔法にかかった時も、餅を喉に詰まらせたときも……って、俺いっつも死にかかってるみたいじゃんか!
と、彼が大袈裟にツッコミを入れていたのは、三十代も半ばぐらいまてで、そのひょうきんさはなりを潜めてから、もつ五十年は経つ。
彼女は、彼が死にかける度に彼を蘇生し、介抱した。
彼は、むせぶように泣きながら、息を引き返したこともあったし、思わず吹き出しそうになりながら、
「なんで、こんなことで死にかけたの?」
って、彼女に笑われたこともあったんだ。
それから、幾星霜が過ぎ、二人はすっかり、おじいさんとおばあさん。
「ねぇ、あなた?」
「なんだい?」
「もう、あなたを生き返らせてあげることは出来ないけれど、これだけは言えるわ」
――私と一緒に生きてくれてありがとう。
旅路の果てにどんな景色が待っているだろう?
道の途中では険しい道、どん底に落ちたり、誰かと手を取り合ったり。
ただひたすら自分の信じた道を行く。
その先に何が待っているかは分からない。
選んだ道を正解にしていきながら。
旅路の果ての素晴らしい景色に思いを馳せて。
100年間、さまよっている。
私は、不老不死を捨てる術を探していた。
大切な彼に、もう一度会いたくて。ずっと探している。
今日は、願いが叶うと言われている泉を訪れた。手で水を掬い、飲む。
「汝の望みは?」と、声が聴こえた。
「私は、恋人のいるところに行きたい」
「よかろう」
次の瞬間、私は、地獄の門の前にいた。
「遅せーよ」
振り向くと、君が笑っている。
「お待たせ」
※ご注意※
ぼんやりIF歴史?
ぼんやり二次創作?
ぼんやりクロスオーバー?
出てくるのは、オリジナルのモブ。
混ざり物ごった混ぜにしてます。
〈旅路の果てに〉
ふと気が付くと、見たこともない景色に囲まれていた。
(まともに帰れる訳もない、ですよね。)
そこは不思議な檻か、座敷牢のような場所だった。
「気が付いたか。―――へ、参じよ。」
音声だけが聴こえてきて、カチャリカチリと金属音が響いた。
「案内する故、申した通り、―――へ、参じよ。」
先導する音声の言う通りに、潜り戸を通り抜け、通路を渡り、右へ左へ。
「その扉を開け、中へ入るが良い。」
重たげな大きな扉をそっと押し開けて、中へと足を踏み入れる。
(…ひ、広いし、寒い?)
ひんやりとした空気は、少し淀んでいるような気がした。
「前へ。階に立ち、尋問に応えよ。」
音声だけが高い天井に木霊し、天井の奥は闇に閉ざされて、何も見えない。
言われた通り、前方に紋様が書かれた桟橋の先に似た造りの場所へ、足を踏み入れる。
「汝、何故に時を渡り、我欲の赴くままに、時を掻き乱したのだ。」
音声だけが滔々と流れて行く。
『龍神様との約束を果たし、穏便にお還しする方法を探していたら、偶然そうなってしまって…。想定外の事だったんです!』
口元を動かしても、はくはくと息が抜けて、声にならない。
「応えよ!何故、何も申さぬ!」
苛立つ声が、大きな雷のように落ちて来る。
ひゅっと喉元が鳴って、恐怖に身体が竦み上がる。
「待て!応えようとしているのを聴かぬのは、どういった了見だ?委員会とやらが、聴いて呆れる。」
若い男の声が後ろから聴こえてくる。
「悪意なし、と見受ける。何かに、巻き込まれたのだろう?同族ともとれる。こちらで預かりたい。」
顔の前に白い布を垂らした長身の男が隣に立ち、闇を見上げていた。
「時を渡り、時を歪めたること甚だし。歪めし時を、正しき時へと還せ。」
厳かに告げる声が響いて、気配が消える。
「さて、君の行き先を考えよう。」
隣に立つ長身の男が手を取って、来た道を引き返す。
気まぐれな神様による大抜擢の代償は、簡単には帰り路に辿り着けないということらしく、たくさんの時代を彷徨って、終わりがない様だった。
『…諦めたほうが、早いのかな。』
心が折れそうになるのをぐっと堪えて、新たな旅路を辿ることにした。
旅は良い。
非日常に浸れる。
毎日旅をする人は、非日常じゃないんだろうなあ。
でも新しい発見は毎日あるのかな。
じゃあ、私の人生も旅だってことかな。
人生という旅路の果てに何があるのだろうか。
#旅路の果てに
旅路の果てに
#07
※体調不良のため今回は休みます
この旅のおわりに
あなたとの未来を夢にみる
どんなに辛くて暗くて先が見えなくても
私が道標になって、ずっとずっと照らすから
あなたの旅のおわりに
私を側にいさせてほしい
何か目的があって、歩いていたわけではない。
いつのまにか歩き始めていて、突然走ったり立ち止まったりもした。
気づけば隣にあなたもいた。
旅路の果てにわかったこと。
私の旅の目的は、あなたと歩くこと。
2021/02/01『旅路の果てに』
そこに音はない。
交差したり並行したり、共にしたかもしれない影もない。
寒い、暑い、じっとり、かさかさ。
ひ、みず、こおり、もり、つち。どこだろうか。
そこまで考えたけれど。
硬く閉じた目蓋を開いて。
俯いた顔を上げて。
さぁ、違うルートを探そうか。
『旅路の果てに』
やっと王を見つけた。
全く、こんなところにいるなんて、今まで探し続けた僕が馬鹿みたいじゃないか。もっとはやく現れてくれればよかったのに。
「なぜ逃げたのですか。」
王は困ったように笑って答えた。
「君に会うのが、恥ずかしくて。君たちに合わせる顔 がなくて。」
情けない人である。こんな奴が王だなんて。こんな人殺しが王だなんて。僕が終わらせてあげなくちゃ。
そして僕は鏡を割った。
ここではない何処かに
きっとどこかに
渡り鳥 吹き荒ぶ種子
雲に 風に 吹き渡り
着地すれど 一時の止り木
また ふわり ふわり
きっとどこかに
きっとどこかに
やがては立ち戻り、行き戻り
いつかに飛び始めた地
胸に落ちる頃には もう帰れない
#旅路の果てに
『旅路の果てに』
長い長い旅だった。探していたものは、ずっとここにあったんだ。
あの時 歩き出してしまった
目新しさにふらふらと
躓くことすら楽しくて
ただ遊んでいるだけだった
目的は半歩先
その中に
七彩が煌めいていた
目的は数歩先
来た道が
延びていくのを悦んだ
目的は稜線の先
一帯の光景に
慣れてしまった
目的は遥か先
辛うじて
燐光を捉える日がある
止まるには愛惜してしまう
引き摺るようにだらだらと
いつか旅路の果てに
腰を下ろせるだろうか
/ 旅路の果てに
「うちに帰ろう。」
ついに、最後のドラゴンを倒した「勇者」は
その国の王から栄誉を賜わった。
だけど、用意されていた高い地位は断って
家路につく許可を得る。
長い長い旅路の果てに「勇者」は家路についた。
すっかり歳をとってしまい
傷だらけで
風貌も変わってしまったけれど、
もう、誰も待っていないかもしれないけれど、
でも、うちに帰ろう
......
「家族」はずっと待ち続けていた。
でも待っていたのは
名誉ある「勇者」の帰還ではなく
かけがえのない大切な「家族」の帰り____
お題「旅路の果てに」
【旅路の果てに】
思えば、長い人生だった。
男は来た道を振り返り、独りごちる。
一番嬉しかったことは?
一番悲しかったことは?
そんな問いがいかに無粋で無意味であるか、男は今、身に沁みて感じている。
人生という旅路の中に、優劣や順位をつけられるものなど何もない。
全てが刹那的で、そのどれもが大切だった。
身に余るような幸福も、耐え難いような悲しみも。
終着点は近い。
その先にはもう、道はない。
ぼんやりと、人影が見える。
あぁ…ようやく、この旅も終わる時が来たのだ。
『久しぶり。待ちくたびれたよ』
少し呆れたように微笑むその笑顔は、あの日から少しも変わっていない。
ずっとここに存在して、今日の日を、待ち続けていたのだ。
『すまない、随分と待たせてしまった』
男は、皺の刻まれた目元を柔らかく細め、微笑んだ。
年月を刻み、頼りなく細くなった男の腕を支えるその指には、真新しい銀の指輪が光っている。
男の指に光る指輪もまた、かつては同じ輝きを放っていたのだろう。
年月は、その恐ろしい力で全てを変えてしまう。
人は老い、草木は枯れ、何もかも朽ちていく。
それでも変わらないものが確かにあることを、今、固く結ばれた二つの手が物語っている。
長い長い旅路の果て、変わらぬ想いだけが、ただ此処に在った。
折り返しにも満たないのに
振り返ることばかりしてる
もう出会いはないかのように
古い友達のことばかり思う
長い長い旅路の果てに
巡り会う人もいるかもしれないのに
「旅路の果てに」
旅路の果てに
人生という長い長い旅のなかで、
人は人と生まれ出会い別れる。
それだけでなく、
毎日山や壁にぶつかり乗り越える。
しかし確実に乗り越えるわけじゃない。
乗り越える力がない時だってある。
そんな時は寄り道してもいい。
ちょっと休んでもいい。
なんならいっぱい寝てしまおうか。
ずっと歩き続けるのは大変だから、
時には止まってもいいじゃないか。
うさぎとかめみたいにレースをしている訳でもない。
その道は君以外誰もいないんだから。
誰からも追い越されないし、
誰も追い抜けない。
それでいい。
だから、
少し一緒に休もうよ。
旅路の果てにたどり着く場所は
どうかいつもの家でありませんように
青い鳥の物語。幸せの青い鳥を探しに旅へ出たチルチルミチルは、最後に自分たちの家にたどり着く。幸せは身近なところにあるんだ、て教訓だっただろうか。
時おり旅に出てみたいと憧れを抱く。知らない土地で新しい刺激を受けたいという好奇心は、いくつになっても枯れないものだ。
けれど最後は帰らなければ。みんな、家族の待つ家に。家に帰れば旅のあいだのワタシではなく、〜の奥さん、〜のママに戻らなければならない。せっかくの旅の話を楽しむのは、結局ワタシだけなのだ。
人生の旅路の果ては、先祖代々の石の下の予定だろう。けれどワタシは密かに望んでいない。ワタシの望む旅路の果ては、エンディングノートの最後に記されている。
君との旅の果てに見たものは
とても美しく綺麗なものだった
すぐに消えてしまいそうなくらい儚くて
はっきりとは思い出せない
だけど何よりも美しくて
鮮明に覚えている