『新年』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
配信を見ながら静かに一人で迎えた新年。
人混みは嫌いだから外で過ごした事はないけど、なんだか毎年部屋で新年を迎えるのも変わり映えしないなと思い、配信を聞きながら近くのコンビニまで行くことにした。
田舎で何時もは人の気配しない夜道も、今から初詣に向かうのか車や人とぽつぽつすれ違う。
配信者のあけましておめでとうを聞きつつ、ひとり夜空を見上げながら歩く新年はなんだか気持ちがよかった。
コンビニも人がぽつぽつ居て、人が居るんだなぁと自分だってそうなのに他人事の様に思えた。
適当にジュースとアイスを買って帰ろうとしたが、レジ横の肉まんを見て急に食べたくなり、肉まんも買ってしまった。
しかも袋入りませんと言ったあとだったのでそのまま渡される事になったが、肉まんを食べながら歩いて帰る夜道も何だか良くて、今年は良い1年にしたいなと思えた。
あけましておめでとう。
「これお年玉」
渡された薄いポチ袋を手に取る。ポチ袋にはもうこの歳に相応しくない子供向けのキャラクターが描かれている。
昔はポチ袋はこんなに薄くはなかった。もっと分厚くて分厚ければ分厚いほど嬉しかった。でも今は薄い方が嬉しい。その方がお金の価値は大きいんだから。
でもこの歳でまだ貰えるのか、と驚いた。毎月お年玉全額の2倍から3倍は稼いでるのに。こんなお金、少しの足しにしかならないのに。服数着買ったら無くなってしまうのに。
それでも人からこうやってもらうお金はやっぱいいものだ。3つ折りになったお札ほど素敵なものはない。銀行に振り込まれた数万円よりもよっぽど嬉しい。
さて、何を買おうか。せっかくだから童心に返りゲームでも買ってしまおうか。
新年
新しい一年の始まり。
わくわくする気持ちもあるけど、
なんだかつらくもある。
今年こそは!と願うことがあればあるほど、叶わなかったらどうしよう・・・って考えてしまうから。
そして、一年経つのが早すぎて、時が止まればいいのにって思う。
新年だからと何が変わる訳でもなし。溜息は白く烟り、煙草の煙と共にふんわりと夜空に消えた。好きでもないその味は未だに噎せるけれど、肺を犯すこの毒があんたは好きだったんだよなと思い出す度にもう一本とやめられなくなっていった。年末は大変だったなぁ。元旦から仕事かぁ。俺の休みどこ?祝日にかこつけて遊び呆けるこいつらも呑気なものだ。いいご身分だな。ぐるぐるともやもやと、やるせなさに苛まれまた1本。コンビニで買ったあたたかい缶コーヒーはとっくにアイスコーヒーになっちまって口をつける気にもならない。こりゃ帰ったら牛乳と砂糖をぶち込んでレンチンするしかない。くだらないことばかり。世間から置いていかれる間隔。何も成せないでまたひとつ年号が進んでしまった。去年に取り残されている。何が新年だコノヤロウ。もう少しゆっくり進んでくれたっていいじゃないか。吸ったヤニが変なところに入って盛大に咳き込む。ああ、だから好きじゃないんだよ。吸うのへたっぴなんだから。ヤケクソで唯一の光源を踏み躙ろうと指を開いた。まだ火をつけたばかりの一本がするりと落ちて
誰かの手に拾われた。
勿体ないから寄越せって。禁煙してるくせに。
あけましておめでとうだなんて呑気なやつだ。
新年だからって別に、何も変わらない。今日も疲れたか体を引きずって帰って、こうやって管を巻いて世間を自分勝手に呪ってお前に物騒だなとか笑われてまた今年も終わるんだろう。俺はそれだけで充分だ。
年が明けたら何かが変わると、
そう信じていたのは子どもの頃だけだった。
信じなくなった大人に囲まれて
なにかを見失ってしまいそうな夜だけど、
私だけは、まだあの希望を忘れたくない。
0時ぴったり
電波に乗って挨拶が行き来する時代に
こないと分かっていても
パジャマでポストを覗いてしまうのよ
新年
〈新年〉
元旦、俺は一人で駅伝を見ていた。
別に見たいわけじゃない。ただテレビをつけたら映っていただけだ。
スーパーで買った一人用のおせちをつまみに、ビールを飲む。スマホを眺めながら、時折テレビ画面に目をやる。そんな正月。
実家は電車で一時間ぐらいのところにある。母親から「帰ってくるの?」とメッセージが来ていたけれど、「仕事が立て込んでて」と返信した。嘘だ。三が日くらい、どこも動いていない。
学生時代の友人たちは、SNSを見る限り、すっかり家族メインの正月だ。
子どもを連れて初詣、義実家と実家をはしご。そこに割って入ってまで誘う気にもなれなかった。
映画でも見に行こうか。正月映画、何かやっているだろう。
でも正月の映画館なんて、家族連れやカップルで溢れかえっているに決まっている。人出を想像したらなんだか億劫になった。
ソファに座ったまま、ぼんやりと窓の外を眺める。
子供の頃は、正月が楽しみで仕方なかった。あの気持ちは何だったんだろう。お年玉をもらえるから?
いや、それだけじゃないよな。
家族とどう過ごしていたっけ。父親は朝から酒を呑んでいた。おせちをつまみながら、ずっとテレビを見ていた。駅伝だったり、バラエティ番組だったり。
でも、それが嬉しかったのかもしれない。
普段は仕事で朝早く出て行って、夜遅く帰ってくる父親が、朝からずっと家にいる。それだけで、なんとなく特別な日なんだって感じがした。
一度、初詣に行くと言って父親と電車に乗ったことがあった。あれは何歳の時だったかな。小学校低学年くらいだろうか。
行った先で、馬が走っていた記憶がある。いや、走っていたというより、ぐるぐると歩いていた。たくさんの馬が、円を描くように。
──あれ、競馬?
でも、正月から競馬ってやっていたっけ……?
記憶を辿ろうとしたその時、スマホが鳴った。母親からだ。
「あけましておめでとう。何してるの?」
「ああ、うん。おめでとう。特に何も」
「やっぱり。
おせち食べに来なさいよ。お父さんも待ってるわよ」
母親の声は、いつもの明るい調子だ。
俺はさっき思い出したことを聞いてみる。
「昔、父さんと二人で電車乗って初詣に行ったことあったよね?」
「え?」
「小学校に上がる前ぐらいかな。
なぜか馬がたくさんいるところに連れて行かれて」
アハハハ、と母親が笑った。
「あったあった!
川崎大師に行くって言ってたのに、あんたが『おうまさん見た!』って言ったから競馬場行ったのがわかったのよ」
「競馬場?」
「そう。あの年は午年でね。
お父さん、普段ギャンブルなんて全然やらないのに、あんたに馬を見せたかったのかしら」
「へえ……」
そうだったのか。あれは競馬場だったんだ。
「あなたが言ってた馬で馬券買ったら大当たりしたみたいね」
母親は楽しそうに話し続ける。
「え、そうなの?」
「そうよ。帰ってきてから、お父さん、ものすごく上機嫌だったもの。あんたにおもちゃ買ってあげたでしょう?」
──そうだ。思い出した。
馬がぐるぐる歩いているのを見ていたら(今思えばあれはパドックだ)、父親が「どれがいい?」って聞いてきた。俺は適当に「あの焦げ茶と茶色いの!」とか言ったんだ。
そのあと父親がやけに上機嫌で、ちゃんと初詣に行った後、参道の露店でおもちゃを買ってくれた──
あの生真面目な父親が、正月だからと母親に内緒で競馬場に連れて行ってくれた。
なんだか、おかしくなった。
「これからそっち行くよ」
気がつけば、そう言っていた。
「本当?待ってるわね」
母親の声が、一段と明るくなった。
電話を切って、俺は立ち上がった。
着替えて、財布とスマホをポケットに入れる。玄関のドアを開けると、酔った頬に冷たい空気が心地よい。
帰ったら、父親にあのときのことを聞いてみよう。自分の中ではすごく楽しかった、あの「初詣」のことを。
今なら、父親と一緒に笑いながら話せる気がする。
新年。新しい年の始まりは、もしかしたら、古い記憶を掘り起こすことから始まるのかもしれない。
俺は駅に向かって歩き出した。
──────
川崎競馬場の正月競馬。誘導馬が干支の格好するんですよ。
上記のお話は、2001年の新春杯の成績を参考にしました。馬単で6460円。お正月だから単勝・複勝・馬連・馬単で1000円ずつ買ったらいいお年玉になりそうな結果です。ウワーォ。
母親に内緒で子連れで競馬場行く人いるの?とも思われそうですが、私はよく連れて行かれましたです、はい。
【新年】
新年早々、後味の悪い夢で目を覚ました。
詳細は伏せるが、人の生き死にに関わる嫌な夢だ。年の初めから文字に書き起こすことすらしたくない。私は医療職の端くれなのだが、まさか初夢にまでそんなものが侵食してくるとは思いもしなかった。
一富士、二鷹、三茄子とは言うが、何一つ夢の中に顔を出すことは終ぞなかった。記憶にある夢の始まりから終わりまで、私は懸命に自分の仕事をしていた。目を覚まし、夢の中でのあの対応に至らぬところはなかったか、知識として不足していることはなかったか、等々を思い返す。
自分が至らぬことは百も承知である。社会人になり早○年になってしまった。後悔のないよう生きているつもりだが、毎日何かを悔いている気がしてならない。
『書く習慣』にこのような自分の話を書くつもりは毛頭なかったのだが、新年の頭からホラーを書くのも見る側は気分が悪いか、と自分に言い聞かせた結果が上記である。決して、【新年】というお題から話が思いつかなかったわけではない。
初夢は縁起の悪いものとなったが、囚われすぎず、今年も悔いのないよう生きたいと思う。
『魔法少女に新年休みなんてものはね、ないんだよ』
近くにいたマスコットがそう言った。もちろん頭にはボールチェーンも紐も付いていない。
「……休みたい。せめてお正月くらいは」
『別に休んでも構わないよ。でもね、出現する敵は……』
「あーはいはい、分かった分かった。狙うのはみんなじゃなくてあたしなんでしょ」
いつもいつも言われるその文言にはとっくに聞き飽きているんだ。そう再三再四言ってくれなくてもいいじゃないか……。
『うんうん、分かってくれて何よりだよ、カオル』
あたしの心情はすっかり無視した様子でマスコットは頷いた。
化け物に襲われそうだった時に契約をもちかけていたコイツの言われるがままに魔法少女になってからもうすぐ一ヶ月が経とうとしてるけど、未だにあたしはコイツにも、そして戦いにも慣れそうにはない。
「でもでも、パトロールなんてしなくてよくない? 敵はぼーっとしててもあっちから来るんだから」
『それは正義の味方の自覚が足りないよ。どうするんだい? もし神社でお参りしてる時に襲われたら』
「敵と遭遇したらなんかRPGのゲームみたいに自動で結界みたいなのに入るんだからいいんじゃない? みんなに迷惑だってかからないし」
どういうシステムかだって把握はできないけど、とにかく戦ってるとこは誰からも認知されない。で、みんなを襲う訳でもないからさっきマスコットが言った『正義の味方』の自覚なんて湧きっこない。全く、ないものに対して足りないなんて言わないで欲しい限りだ。
ところがマスコットは、あたしの答えに一つため息をついた。
『キミは本当に魔法少女の戦いについて何にも知らないね。結界内の出来事は確かに外の世界に影響を及ぼすことは基本的に無い。例外として結界内でキミが死んだら結界が壊れると同時に次なる魔法少女を探して辺りを攻撃するモンスターとなる場合があるけどね』
「分かってるって。あんま同じこと言わないでくれないかな」
『いーや、分かってないね。結界はキミがモンスターと何らかの方法で接触した瞬間にキミが触れてるものを巻き込んで制作される。つまりね、キミがうっかりモンスターと接触ーー視線が合うなんて行為をした時にキミが人に触れてたらその人も結界内に入れる羽目になるんだよ?』
マジで知らない新事実。でも、どうしたってパトロールなんてこんなクソ寒い中したくないから苦し紛れに言い訳をしてみる。
「……そんなこと無かったじゃん」
『そもそもそんなパターンがなかったからだよ。キミがアイスを食べてた時に接触した際はアイスも一緒に結界内に巻き込まれてだろう? バッグを背負ってた時はバッグも巻き込まれてた。それだけパターンがあればキミだって分かると思ったんだけど』
「経験則が無ければそれが普通か普通じゃないのかだって分かんないけど」
『じゃあこれで分かっただろう?』
「屁理屈だ」
そうボヤいてもマスコットはいつもの顔で笑うだけだった。いつだってコイツは後出しジャンケン。先に説明なんて一ミリだってしてくれない。こんなに身をこにして戦ってる魔法少女に労いの一つも掛けてくれない。
『とりあえずパトロールをして敵を倒せばいいんだよ。そしたらキミだってこの新年を満喫することが出来る』
「新年はゴロゴロしたいのに〜。せっかく2026年になったんだよ?」
『勝手に決めた暦で勝手に一年を区切ってるだけで暦がなかったらどこからどこまで一年かだって分からなくなる。そんなに大事にするものかい?』
「うわ出た、人外ムーブ」
『事実だからね』
マスコットはそう笑った。相変わらず優しくない。そんなんだから魔法少女の契約だって土壇場に無理やりじゃないと契約できないんだ。
新年を迎えた街はキラキラと輝いているように見える。家が立ち並ぶここら辺は門松なんかが置いてあって新年ムード満載だ。
あたしも早く初詣に行きたいし、と少しだけ気合いを入れて街を歩くことにした。
第一話『新年』
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あけましておめでとうございます。
今年は魔法少女カオルちゃんの話を書いていくことにしました。
今度はちゃんと毎日書きたい……!
【新年】
「新年明けましておめでとうございます」
「今年もよろしくお願いします」
0時になった途端に皆から来る挨拶
今はLINEなどのSNSが普及しているから
0時に送ることができるが
昔はハガキで挨拶をしていた
時の流れを感じると共に
どこか寂しさを感じる今日この頃
年が明ける。顔を半分以上隠したあなたが横にいる。
僕はその当たり前にずっと感謝する。そこに在るのはひとつも当たり前じゃない。永久なんてない。この奇跡を一つひとつ拾い集めて抱き締める。
新年一発目の僕の言葉に、君が笑ってくれたらいい。
/新年
新年
昨年はインフルエンザスタートだった
今年こそは健康にと思った
矢先に風邪スタート
今年こそは良い年にしたいのに
無事1年を乗り切ることを願う
いつからか、年が明けるということに何の感慨も抱かなくなった。
挨拶としておめでとうございます、とは言うが年が明けたからといって世界が薔薇色になるわけでなし、物価は高いまま、給料はさほど上がらず、身近な家族の問題も社会問題も解決するわけでなく、世界中から相変わらず戦争は無くならない。
災害は時を選ばず否応なしにやって来るし防ぎようの無い理不尽はいくらでも襲ってくる。
年が変わったから何だと言うのだ。
母は相変わらずおせちを見ては美味しそう、などといい、父は相変わらず年が明けた、ただそれだけを酒を飲む口実にしている。
TVでは浮かれた芸能人達がはしゃいで笑って歌って。·····あぁ、なんだか。
ひどくくたびれてしまった。
END
「新年」
〚新年〛
_明けましておめでとうございます。_
そう声が響く、家の中をざわざわと忙しく
親戚が集まり、祭りを開く。
いつもは面倒くさい祭りも、あまり家に
来ないメンバーと一緒にするからか
楽しく感じて、早く終わるようにも
感じる。
宗教について、よくないの思う考えの方が
人は多いと思う。
でも自分は、入りたいと思って信仰したい
と思って入ったわけではない。
何かを悩んでるとかそういう物でもない。
ただ、家がそういう感じだっただけ。
教えは良いものだと思う。
そこには、'互い立て合い・助け合い'
という言葉がある。
簡単な例は、自分の意見も相手の意見
も否定せず、確かにそっちの見方も
あるよねと共感すること。
それが"立て合い"という。
新年
明けましておめでとうございます!
今年は久しぶりに1人で実家に帰省した。
子どもたちも大きくなり、それぞれに忙しい。
いろいろと気は遣ってくれているが、
まあ、それぞれに忙しい。
そりゃそうだよね。
自分なんか若い頃は親に気も遣わなかった。
そんなモンだとうっすら思っていたし、
なんせボクはそんな余裕も度量も優しさも
持ち合わせてはいなかった。情けない。
今、実家には母が1人で住んでいる。
幸いそのごく近くに弟夫婦が住んでいて、
母のことについては普段から頼りきっている。
たまに顔を見せるだけのボクなんか
実際なんの役にもたたない。分かってはいる。
父の遺影に視線を送り、仏壇に手を合わせた。
はやいもんですね。
あれからもう4度目の年越し。
仏壇横の床の間には三宝の鏡餅。
"代々このトコロにスミつく"
ちゃんとボクのココロには残っています。
いろいろと。子や孫に残せるかな・・
何かと世話を焼いてくれる母が
少し小さくなったようにみえる。
ミカンを食べて、温かいお茶をのんで、
ぜんざいはなかったけど、
きな粉餅を食べた。美味かった。
なんか、ごめんなさい。
ボクは引き継げてないね。
温かい家族の系譜を。ごめんなさい。
新年 あけましておめでとうございます。
2026年始まりましたね なにか目標立てましたか?私はなにひとつしておりません みんなの雰囲気についていくので精いっぱいです。同じように息苦しい人、なにもできてない自分に焦りを感じてる人。一旦止まって深呼吸をしましょう。ゆっくり深く呼吸をする 周りがどんなに明るく見えても、あなたは置いてけぼりになんてなってないしちゃんと前に進もうとしてます。スピードと歩幅が違うだけ 急ぐと息が上がります。雲の流れ、風の吹き方、周りの景色
そんなのを楽しんで見れるぐらいの少し心にも余裕を持てるペースでいい。先のことなんて誰にも分からないけどあなたはひとりじゃないから 少なくともここには帰りを待ってる人がいます。作品を読んでほしいからじゃない 今日も生きて帰ってきてくれたことに、ありがとうって言いたいから。綺麗事に聞こえるかもしれないけど、心からそう思ってます。そのついでに作品を読んでちょっとでも心を緩めてくれたら嬉しいなと笑 みなさん今日もお疲れさまでした、生きてきてくれてありがとう。明日ものんびりやっていきましょ 今年もよろしくお願いします!
「新年」
新年も始まり
いたずらに色んな目標を立てる
視野を広げる
知識を増やす
ダイエットする
旅行に行くなど
1年後どれだけ達成したか
確認しよう
新年
新年だ。
しかし、私にとってはただ日が変わっただけなので
そんなに特別なことではない。
今日も湯船のなかで日をまたいだ。
なんにもしていないはずの体が疲れ果てたふりを続けるから、
私は今日もいもむしだった。
布団にくるまって蛹、だけれど
羽化はいつも失敗して蝶になれない。
新年。
新しい年が来た。
新しい時間がまた私を追い立てに来た。
去年とちっとも変わっていない、
むしろ退化していく私を追い立てに。
いらない使えないアプリと画像ばっかり入った私のスマホ。
いらない使えないことばっかり覚えていく私。
動作ばっかり重くなって苦しくて苦しくて仕方ない。
溺れてなんかいないのに。
新年が来た。
それでも少しは変わっている。
今年は何が退化するんだろう。
〈新年〉
チチっ、チチっ……。
外から聞こえる鳥の声で目を覚ます。
「んん……」
ベッドの横にある棚からスマホを手に取ると、画面には『1月1日 7時34分』の文字が目に映る。
(あれ……? いつの間にか新年を迎えてたんだ…。)
俺、昨日は大晦日だというのに仕事があり、疲れ果てて「少しだけ」と思いベッドに潜り込んだはずだった。どうやらそのまま、深い眠りに落ちてしまったらしい。
通知画面には、知り合いからの「あけましておめでとう!」というメッセージが何件も並んでいた。
「これは返すのが大変だな……」
苦笑いしながらベッドから這い出し、カーテンを開ける。差し込んできた眩しい初日の出を全身に浴び、少しずつたが意識が「今日」へと切り替わっていく。
リビングへ向かう、昨夜食べるようと思っていた蕎麦を茹でる。湯気と共に啜る蕎麦は、空っぽの胃に温かく染み渡る。
「そういえば、今年は午(うま)年だっけ……?」
ふと思い立ってスマホで近くの神社を調べる。せっかくの新年だし、このまま何もしないのはもったいないと思い初詣の準備をして車を出す。神社に着くと、やはり多くの参拝客で賑わっていた。
自分の番が来ると、五円玉を投げ入れ、二礼二拍手。鈴を鳴らし、「今年もいい年になりますように」と静かに手を合わせる。最後にもう一礼して階段を降りた先では、お守りの授与やおみくじが行われていた。
運試しに一枚引いてみるも、結果は『末吉』。
「おぉ、末吉か」
まぁ凶よりはマシか、と自分を納得させ、おみくじを境内の結び所に結びつける。
帰宅しすぐにお茶を入れ、コタツに潜り込み。じんわりとした温もりに包まれながら、思う。
今年はどんな年になるんだろう。
スマホを手に取り、溜まっていた返信を一人ずつ丁寧に返していく。
あらためて、新年が明けたのだと実感する。
「……さて、今年はどんな年にしようかな。」
窓の外の晴天を眺めながら、俺は小さく独りごちた。
その時思い出したのは、初詣で引いたおみくじの結果だった。
でかでかと書かれた「大凶」の二文字と、それに連なる運勢たち。就職、潰える。健康、人間とは呼べなくなる。恋愛、難しい故に幸福の定義を探せ。エトセトラエトセトラ。不幸と不気味の縮図かと言わんばかりの言葉の羅列だった。
その中で燦然と輝く「失せ物、向こうから来る」だけがどうにも異質で、妙に引っかかったのを覚えている。失せ“物”なのに、来るとは如何に。まるで物に手足でも生えて、自由意志を持っているみたいな言い草だ。
ああ、でも。やっぱり当たってたかもしれない。
踏切の向こう側、ふわりふわりと微笑んでいるのは、捨てたはずの元カレで、その時に無くした恋心ってやつと一緒に彼は此方に来ようとしている。
ついでに言うなら、元カレの正体は蛇の神だ。
神様を捨てた無礼者への神罰か。はたまたこっぴどい振り方をした復讐か。どれが要件かは知らないが、ろくでもない用事であることは火を見るより明らかだ。平穏とは程遠い新年の幕開けとは対照的で、心底辟易する。
カンカンと鳴る踏切だけが境界を分かつ。電車が通過するまでに、なんとか最善策を絞り出すしかなかった。
お題/新年