『手を繋いで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
暗い道で離れ離れ
怖い思いをしながら再開
もう離れないようにと握りしめた
寂しい道も寂しくない
明かりが見えて安心がやってきて
見えない相手も頭を撫でる
明るい場所に出てきたら
握りしめてた手袋はすとんと落ちた
――サメの言うことにゃ、
手を繋いで
どこまでも
連れてってくれた
今度は私が連れていきます
あなたが好きだった、あの海へ。
_手を繋いで
素敵な夢だったよ
貴方の隣にいられた日々は
私の人生で最も幸せな瞬間だっただろう
何ものにも代えがたいくらいに
だからこそ後悔しているの
すぐに会えなくなるとわかっていたら
もっと私に勇気があれば…
貴方に想いを伝えればよかった
たとえそれが叶わなくても
ただ一度でも、貴方と手を繋いでみたかった
手を繋いで
ねぇ、知ってる?赤ちゃんが生まれた時、
白い色紙にみんなで手のひらの形を残す
でしょ?
あれってね。何世代にもわたってみんなが
健康でいられますように、
仲良く出来ますようにって
手を繋いでるようにする為にやるんだよ。
「え?!そうなんだー!初めて聞いた」
『そりゃそうでしょうね。作り話だもの』
「は?!なんなの、嘘なの?!
信じちゃったじゃん」
『そうよ。嘘。でもね、私思うの。世の中、
全部都合のいい嘘なんだって』
「どういうこと?」
『うーん、今はまだ知らなくていいよ。
ただね、好きだなって思った考え方とか歴史とか、
嘘か本当かなんてそんなに重要じゃないの
よ。
自分の思いに嘘をつかないことが大切なの。』
『だからさ、今話したみんなが手を繋いでるようにするためって話。
もし、あなたが素敵だなって思ったら心のどこかに取っておいて欲しいの。いつかきっと何処がであなたの為になるからね』
: 手を繋いで
ぼくは恋に落ちたんだ
彼女はいつもぼくに優しいんだ
温かい笑顔でぼくに話しかけてくれる
この間なんて、手を繋いで歩いたんだ
きっと彼女もぼくのこと好きだと思う
え?彼女は君より年上だって?
それがなに、なんの問題もないよ
え?彼女は誰にでも優しいって?
それは…それは心が優しいから…
確かに彼女は人気者だ
いつも分け隔てなく笑顔を返している
でもきっと彼女はぼくのことを…
「まゆみせんせい、てぇ〜つなごうよ〜」
「あぁ~ずるい〜、ぼくともつないでぇ~」
「はいはい、順番につなごうね」
なんだか…目がうるうるしてきた…
いや、ぼくは年長さんだから…
泣いたり…しないもん…
空に知られぬ雪
手を繋いで
手を繋いで、あなたと歩いた道。今もまだ残っているのだろうか。ふと、あなたを頭に浮かべては思い出す。
またあなたと手を繋いで、共に歩きたい
またあなたと心を通いて、共に笑いたい
古い記憶のページをゆっくり、ゆっくりとめくりながら。
「手を繋いで」
もうこの世には
居ないけど
手を繋ぎたいよ。
あの時
手をとらなかったから
生きているのかもしれません。
【手を繋いで】
手を繋いでいれば大丈夫。
手を繋いでいれば、遠くに行くのだって平気。
手を繋いでいれば、離れる心配はない。
手を繋いでいれば、きっと立っていられる。
…
…
…
…手を繋いでいれば、同じ場所へ行けるはず。
さぁ、手を繋いでいま君と、翔ぼう。空の彼方へ
「ねぇ、てをつないでかえろうよ。」
幼い女の子は屈託のないにこやかとした顔でこちらに手を向けてくる。
「そうだね、なんか、久しぶりだね。」
そういう僕は小さくなった手足と今よりも高い声で無意識にそう言った。どうやら僕は小さい頃の夢を見ているらしい。
「きょうは、ごめんね。」
「いいよ、大丈夫。」
昔の自分は異性に対してこんなにもスムーズに大人ぶったことをいえていたのかと思うと、不思議と自分が自分じゃないような感覚になる。一体何に対してのゴメンだったのか、何がごめんねなのか、以前の記憶が全くと言っていいほど思い出すことは出来なかった。ただ、この子の申し訳なさそうな可哀想な顔を見るにこの子にとってとても大きな事だったんだろう。
「ねえ、こうえん、いこうよ」
「いいけど、暗くなるよ。」
いつの間にか別の話が始まっていた。小さい時、いや、昔に限ったことでは無いが、話題が切り替わる速度はいつだって女の子には勝てない。子供の頃は門限は暗くなる前には帰るという比較的優しいものだった。
「ねえ、そつぎょうしたらいなくなっちゃうってほんと?」
「、、、、うん。」
懐古に浸っていると時間の進みは早く感じる。そう、僕は幼稚園を卒業して親の都合で隣の県に行くことになった。小さい頃は隣の県というのはまるで他の国のような距離感とアウェイさがあった。
「またあえるかな」
「会えるよ、いつか」
綺麗なオレンジ色に照らされた女の子はまるでドラマのワンシーンのように子供ながら大人っぽくしかし、子どものあどけなさを残した顔で首を傾げ、こちらの様子を伺っている。
「おもいでつくろう。おもいで。たくさん。」
そうゆう彼女はドラマの影響なのか少しおませさんなのか顔を近ずけてくる。
「おかあさんがいってたんだ。おもいでがあったらいつかあったときにあいてのことをおもいだせる、って。どこかであえるかもしれない、うんめいって、いうのがあるって。」
「ねえ、わすれないで。わたしのこと。きみを好きってこと」
彼女がそう言うと、他の景色は見えなくなり、影が顔を覆っていく。唇と唇が近づいていく、つまり、マウストゥーマウス、、、
「、、ゆめ、か。」
意識のある夢を、現実味のある夢、それも記憶に元ずくものを見た時の気分というのはあまりいいものでは無い。
「あの子、だれだっけ。、、やばい、完全に覚えてない」
母に聞いてみようとも思ったが、今の僕では気づきもしないのかもしれない。小学校で僕は虐められた。理由は、覚えていたくはないが、恐らく離婚だろう。引っ越してすぐ母と父は離婚した。僕は言われるがままに母について行った。離婚の原因は分からない。聞こうか聞くまいか悩んでいるうちに時間が経ちすぎてしまったのだ。
「あの子も高校生か、キラキラした日々を送ってるんだろうな、きっと。」
諦めたような、自信の無い思想と声の原因は自己肯定感のなさから来るものだろう。母は離婚してから気丈に振舞っていた。だから自分も、何とか学校に行き、何とか進学高に通った。何とかできている日々が続いて言った。それでも、綻びというのは静かにやってくるものであるのはいつだって、変わらない。
母に新しい男ができた。自分が高校にはいり、ある程度落ち着いたからだろう。相手の男は眼鏡の真面目そうでスーツが似合いそうな母と同い年位の見た目だ。母がパートに行っているスーパーであったそうだ。事細かに馴れ初めを話されたが正直、あまり興味がなく母には申し訳ないが覚えていない。
高校に入っても友達は少ない。いや、ともだちはいたのかもしれない。少なくとも僕はそれを友達とは形容出来なかった。部活は中学から吹奏楽をしている。楽器はトロンボーン。トロンボーンを吹く時だけは不思議と自分を出すことが出来た。合奏で音と一体化している時間は何にも変えることは出来ない。友達は少ないがともだちはいる。昔から初対面の相手や、表面だけの付き合いは、上手かった。だからともだちはいる。元々吹奏楽で運動部に入ったことは無いから分からないが、運動部より他の人と話す機会や、知らない人と関わる機会がおおい。だから、ともだちは普通の人よりは多いかもしれない。もしかしたら、知り合いくらいかもしれないが。
僕は居場所というのを求めているような気がする。あるはずなのに、ないように感じる。本当に身をおける場所を探している。
次の休みの日ふと、公園に出かけた。隣町のあの夢で見た公園。そう、隣の県と言っても距離的には隣の街で電車で1時間ほどで行ける距離だ。母は心配していたが携帯は持たせてもらっているし、最悪車もある。何よりここ最近事件もなく平和な日々が続いているので、それほど話すことなく家を出た。
「懐かしいな、でも、知らないものも増えてる」
そんな独り言が出てくるほど、時間の流れというものは心に大きな影響を与える。
「遊具もふえて、知らないところみたいだな。」
今は、昼の時間。でも、お腹は空いていなかった。スマホを見る気にもならなかったのでぼーっと近くで遊んでいるこどもとそれを脇目に井戸端会議をしている大人を見つめすぎないように日陰でそれを見ていた。いつの間にか寝ていたようだ。周りから雨の匂いがしてくる。公園に屋根があったのでそのベンチに座った。次第に雨粒の軍勢は勢いよくなり、土砂降りと言っても過言では無いほど雫がアスファルトを叩きつけ出した。雨が止むまでここにいようと思っていると
「きゃー!ぬれるぬれる!!」
そう言いながら女子高生ほどのずぶ濡れの女の子が屋根の中にやってきた。
「こんにちは。こんなに降るなんて、災難ですね。」
「こ、こんにちは。そう、ですね。」
いきなり声をかけたからか、声をかけられるとは思ってもいなかったのか、びっくりした様子で、それでもしっかりと答えてくれた。
「あの、、」
女子高生がふと、声をかけてきた。
「どこかであったことあります、かね。すみません、変な事聞いちゃって。」
不思議な人だと思った。初対面の人にそれも、異性の人にそれを聞くのはなかなかできることでは無い。
「そうですかね。どこかであったかもしれないですね。」
いつも通り、表面だけの言葉をかえした。
「」
彼女はその返答が気に入らないのか、そんな浅いことが帰ってくると思ってなかったのか黙ってしまった。
「この前、ここにいる夢を見たんですよ。自分が小さかった頃、ここで同じ歳くらいの女の子と思い出って言いながらあの滑り台の上でキスした夢を。忘れてたんですけど、思い出したらここにきたくなっちゃって。なんか変ですよね。」
「そんなことないと思いますよ。」
「え、?」
そういう彼女は何かを確信したような、でも何かを探るような声を、どこかで聞いたことがある声でそう言った。その顔もどこかで見たことがある気がする。そう、まるで夢の中の女の子と重なるような。
「いま、おいくつですか?」
「16です。ことしで」
「そうなんですか、私も今年で16なんですよ。」
何かを確かめ合うように情報を共有していく。
「もしかして、、幼稚園卒業と同時にほかの県に行きました?」
「ええ、はい。」
「夢を見たのっていつですか?」
「えっと、、たしか水曜の夜に見たので木曜?」
「実は私も同じ日に同じ夢を見たんです。まぁ、私は覚えてたんですけど。」
「え!?えっと、、ごめんなさい?」
「この公園まで手を繋いできたのを覚えてる?」
「うん。」
「じゃあ、私がおかあさんに教えられたことは?」
「運命があって、いつか会うことが出来る、だよね?」
「そう、そう。うんめいってあったんだね。やっと、やっと会えた。」
「ごめん。忘れてて。大切な記憶なのに。なんでおぼえてなかったんだろう。でも、良かった。今日ここに来て。雨が降って。たまたま、夢を見て。偶然会えて、良かった。」
「ねぇ、手を繋いで帰ろうよ。」
「どこに?」
「私の家、ママもまだ君のこと覚えてるからさ。ね?行こ」
気温はだいぶ高くなってきてはいたが、北風がまだ冷たい朝だった。
付き合い初めて三回目のデート。
二人で観ようと決めた映画の、上映開始一時間前に駅で待ち合わせた。
冬が終わり、春が訪れるその狭間。服装に困ったのだろう、二人とも肩を竦めて歩いている。
映画を観たら少し遅いランチ。
その後はモールで買い物をして·····と、他愛ない会話をしながら映画館へ向かう。
その道すがら。
「手、繋いでもいいですか?」
立ち止まり、そう尋ねたのは今日で二回目。
「·····えっと」
前回同様口ごもる相手に、今日は少し強く出る。
「嫌ですか? もしそうなら僕はもう二度とそれを望みませんから·····」
「違います!」
思わぬ激しさに、少したじろぐ。
「じゃあ、どうして·····?」
自分で自分の手を隠すようにする相手の目は、俯いてるせいでどんな表情をしているのか判然としない。
「·····荒れてて、爪も綺麗じゃないから」
ぽつりと零した小さな言葉。
ぎゅっと固く握った相手の指の、その先。
指輪もネイルも無く、あかぎれとさかむけだらけの荒れた指。
「やっぱり僕は、あなたと手を繋ぎたいです」
固く握った相手の手に、そっと手を重ねる。
ビクリと一度跳ねた指先は、やはり少しかさついて冷たかった。
体温を分け与えるように、掌で包み込む。
「あなたのこの手は、生きてきた証でしょう?」
人のために、自分のために動き続けた手。綺麗かどうかなど、気にならない。
そう言うと、相手は一瞬泣き出しそうに顔を歪めて·····そして、笑った。
END
「手を繋いで」
手を繋いで
→手を繋いだらだめ。
触れないようにする。
近づき過ぎると良くない。
「手を繋いで」
さぁおいで、怖くないよ
手を繋いで、息を深く吸って。
大丈夫だよ、貴方が思っている以上に
怖くないよ。だから
手を繋いで一緒に未来へ行こう。
てをつないで
桜ひらひら 参道の
美しさと 儚さが
私の心を 滲ませる
繋いでくれた手
そっと力が入るたび
あなたの顔を 見上げてた
手を繋いで
幼い子供と手を繋いで歩く。
近所の公園や、最寄りスーパーや市民センター、病院など。
小さな手は段々と大きくなり、あと数年もしたら手を繋いで歩くことはなくなるだろう。
私自身はあまり成長はしないのに、子供はどんどんと心も体も大きくなっていく。
成長は嬉しいけれど、何故か、取り残された気分になる。
ああ、やっぱり私の心は昔、母に傷付けられた幼い少女のままなのかもしれない。
せめて、子供の心は傷付けないようにしたい。
私の二の舞いにはなってほしくないから。
「ひっく……」
「まーた泣いてる、どうしたの?」
「ままに、怒られたぁ」
「ちゃんと謝ったか?……まだなら、兄ちゃんと謝ろ、な?」
「……うん」
紅い夕暮が差し掛かる少し前、公園の大きな木の下に弟はいた。
どうやら、母さんのお気に入りの花瓶を割ったらしい。
だからあんなに機嫌が悪かったのか。
帰り道、母さんの好きな野菜コロッケでも買って帰るかぁと思いながらまだ泣きべそをかいているこのちびっこをちらりと見た。
まだまだ小さな手で、数年が経てばこいつには反抗期が来て俺なんかと手を繋がなくなるんだろうなぁと思い、ふと、握る手が強くなった。
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「覚えてる?兄貴、俺が─5歳くらいの時、母さんの花瓶割ってさ、俺
……その時、帰り道、母さんのコロッケと、俺に肉まん買ってくれたじゃん
嬉しくてさ
だからさ……。
…………兄ちゃん………なんで、何も言わなかったの……何か言ったら、助かったかもしれないのに……
こんな、遺書なんか残して……っ」
電子音すら鳴らない病室に嗚咽が響き渡り、白い布を被った兄は今、どんな顔をしているのだろう。
冷たくなった手を握った。
いつも、俺を優先してくれた、優しい兄
たまに怒ると怖い兄
でも、その後にいっぱい甘やかしてくれる兄
俺の事を大好きだと、自慢の弟だと、嬉しそうに笑う兄
全部が全部、愛おしくて、離したくなくて
──ねぇ、俺も、連れて行ってよ
いつの間にか意識を手放していたのか、すっかり眠っていたようだ。
目の前には目を真っ赤に腫らした兄が立っていた。
怒っていた。
「……兄ちゃん」
でも、目の前に兄がいることが嬉しくて、俺は笑った。
兄も今にも泣きそうな顔で笑った。
そっと手を繋いで、2人は歩いた。
「歩こうあそこまで。」と言うと
彼は、指を指した。
その先はまるで桃源郷を超越する
言葉では言い表せない
煌びやか世界が広がっていた。
「これが、天国か。」私はそう思った。
いや何故私が私自身が死んだことに
わかったのか。
だが、今は光を放つ方へと歩む。
"手を繋いで"
先生から出席番号を呼ばれ
あの子と手を繋いで 一緒に鬼になった
ドキドキした手つなぎ鬼
足の速いあの子が走る方へ
必死でついていった
顔が赤かったかもしれない
手に汗をかいていたかもしれない
荒い息づかいが聞こえてしまったかもしれない
歪んだ顔を見られてしまったかもしれない
でもね
それらが彼にとってどうでもいいことだって
私は知っている
手つなぎ鬼なんて馬鹿みたいなクラスレク
そんなきっかけがない限り
私が人気者の彼の隣を歩くことなんて
もうないんだから
鬼と神様と先生が
きまぐれで私にくれたたった1度のチャンス
それでも
初恋の彼と手を繋いで
鬼になった私は
学校を卒業したら何にでもなれるような気がした
手を繋いで
はぐれないようにと私の手を取った君は私と数センチしか変わらないのにね。
かっこいい君。いつもなら小さく見える背中が、大きく見えた気がした。
君と手を繋いで逃げ出した
あの吹雪の夜を
後悔なんてしてないよ
でもね、僕は君が好きだから
あの夜が吹雪じゃなかったら
あの夜が満月じゃなかったら
あの夜に手を繋いでいなければ
そうすれば、君は生きていたかもしれないなんて
どうにもならないもしもの話を繰り返すんだ
帰る先も同じなら寂しくなんてならないね。
-手を繋いで