先生から出席番号を呼ばれ
あの子と手を繋いで 一緒に鬼になった
ドキドキした手つなぎ鬼
足の速いあの子が走る方へ
必死でついていった
顔が赤かったかもしれない
手に汗をかいていたかもしれない
荒い息づかいが聞こえてしまったかもしれない
歪んだ顔を見られてしまったかもしれない
でもね
それらが彼にとってどうでもいいことだって
私は知っている
手つなぎ鬼なんて馬鹿みたいなクラスレク
そんなきっかけがない限り
私が人気者の彼の隣を歩くことなんて
もうないんだから
鬼と神様と先生が
きまぐれで私にくれたたった1度のチャンス
それでも
初恋の彼と手を繋いで
鬼になった私は
学校を卒業したら何にでもなれるような気がした
3/20/2025, 3:59:14 PM