『愛情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛情とは。
某TV番組の、猫を預かるボランティアで、預かった人が、「譲渡会へ行く時、愛情をもって世話をした子を、洗濯ネットに入れる時が一番つらい」と言っていた。
今さらながら、愛情を向ける対象は、なにも人だけではないと気づく。
人でも動物でも物でもいい。
自分が愛しい気持ちを持つものであれば。
「愛情」
『愛情一本、シオビタドリンク』
テレビから流れるCMの音をBGMに皿洗いに勤しむ。
手を動かしながらも、思考が手持ち無沙汰になり、
(愛情か...結婚してから数年はあったかな...)
などと考えていると、2階から
「ママー、お風呂入っていい?」
と次男が問う声が聞こえた。
「いいよ」と答えるとドタバタと階段を降りてくる音がする。
リビングからは缶のレモンサワーをゴクゴクと、喉を鳴らしながら飲む音が聞こえる。耳が真っ赤だ。
(弱いくせに良く飲むわ)
「この芸人さ、よくドラマにもでてきれるんだけど、芸人のイメージ強すぎて役が入ってこらいよね」
呂律が回っていない。
生返事をしながら、皿洗いを続ける。
皿洗いが終わってリビングへ行くと夫はドラマに飽きたようで、寝そべりながらスマホをいじっていた。
ドラマは途中から見たが、案外面白く すっと見入ってしまった。
CM中に話しかけると夫は寝息を立てて眠っていた。夫のスマホは、なにやらショッピングサイトで花のアクセサリーや雑貨を見ていた様子だ。
(そうだわ...そろそろ結婚記念日...私は正直忘れてたのに、律儀に覚えているのね、適当に見えて真剣だから、そういうところが好きなのよね)
と考えたところで、気付いた。
(愛情はすぐ近くに隠れてたのね)
「愛してるわ」
と小声で耳打ちをした。
「んんっ」照れ顔を隠すように寝返りを打ったのは気のせいだろうか。
そっと手を掴まれる、私を見てにこやかに笑う君につられ笑いしてしまう。
半ば強引に手を引かれる、何かに夢中になっているその視線が愛おしく感じる。
手を繋いで横を歩く、少し緊張した顔をする君が大人っぽく見えた。
強く手を払われる、毎日のように喧嘩して毎日仲違いをした。
私の手から離れた、いつもそこにあった筈なのに全て無くなった。
君が再び私の手を取った日、君が歪んで見えた。
私を見てにこやかに笑う君につられ笑いしてしまう、あの頃と変わらぬ笑顔を君は見せてくれたね。
背丈も声も変わってしまったけれど、君の手の温もりは変わらない。
私から離れていっても、私は変わらぬ愛を君に捧ぐよ。
そして君は私になって、君は私に小さな手を握らせた。
貴方に似た笑顔に、私は再び笑ってしまった。
i乗
ある値xをi乗したx^iを考える。
x^i = e^(i*logx)
オイラーの公式を用いて、
e^(i*logx) = cos(logx) + i*sin(logx)
これは複素平面の単位円上の点( cos(logx) , sin(logx) )
と理解できる。
xは1次元を自由に動けるが、i乗を受けると2次元を動ける代わりに、単位円上に束縛されてしまうのだ。
愛情によって束縛されていると感じることがあるかもしれないが、愛情によって広がる世界もあるだろう。
あなたの愛情がほしいの。
あなたの言葉、あなたの優しさ、あなたの厳しさ、全部全部全部、ほしいの。
あたしの愛情は、もう、あなたに全部あげたから。
望んだ形にしてください
じゃないと気づけない
与えたいものと
受け取りたいものが
一緒だとは限らない
「同情するなら金をくれ!」テレビの中で少女が叫ぶ
わたしがそれを言い換えるなら
「金をよこすなら愛情をくれ!」
歴史の流れがそうさせるのか、はたまた、境遇故にこんな思考をするのか。
金だけを月に一度与えて、家から去る父親が憎い。
そしてその金額が年々、もしくは月によって釣り上がるのが寂しい。まるで、愛してる証だと言わんばかり。
わたしが欲しいのは金じゃない。
わたしは別に、高価なバッグや財布などいらない。
高いご飯なんか、味の良し悪しがわからないので、家で納豆ご飯を食べる方が良い。
昔日のあの日のように、ただ抱きしめてくれたら、わたしの話を聞いてくれたら
それだけで年端もいかぬ小娘の心は埋まるのだ。
一度与えておいて、二度と与えぬつもりなのか?
金よりも価値があるものが私は欲しい。
この思いは強欲で汚らしいとも思う。そして、ついぞ叶うことはないだろうと諦めている。
それでも私は 愛情 がほしい。
僕は、がむしゃらに走っていた。
自分が馬になったかのように思えていた。風が僕の耳元を通り過ぎていく。
静まり返った街では、ただ、僕の生きている音だけがした。
霜柱のできた砂利道を蹴り上げる音、フェルト生地のコートが擦れる音、荒い息遣いの音、
僕の、心臓の音。
さっきまで僕を動かしていた心に、突然恐れが芽生える。
息が荒くなり、足ももたつきはじめた。
僕を守る何かが食い尽くされていくように、ただ、ただ、恐ろしさが増していく。
「はぁっ、はぁ、はぁ…。」
足が止まる。もう、走れなかった。
僕が止まると同時に、すべての音が消えた。
世界に静寂が訪れる。
僕は、本当に1人になった。
それを知ると、鼻の奥がツンとなって、急に目の前がぼやけはじめた。
しまいには喉から出る声が抑えられなくなってしまった。
何か、何かを求めている。
目を擦る手は、氷のように冷たかった。
しかし手よりも、僕の心の方がずっと冷えてしまっていることに気づいた。
僕は求めた。必死に求めた。
1人の世界で、ひたすらに。僕を温めてくれる何か、守ってくれる何か、満たしてくる何かを、
――僕は、求めていた。
―愛情―
愛情🌹
愛情のある行動。
思いやりのある行動。
それが相手に伝わって欲しい時もあるのにな。
三話
私「定番の告白の仕方。検索っと」
んー?…やっぱり直接にだよね。でも…
自分で呼び出すのは恥ずかしい…そうだっ!ラブレター書こう。どこに呼ぼうかなぁ。校舎裏でいいか。
神田 なつへ
私、ずっとず〜っとなつが大好きでした。初恋です。
昔、自分に自信が持てなかった。でも、その時励ましてくれたのがなつ。あなただった。私、嬉しかったんだ…
『俺は君の笑った顔が好きだから、笑ってくれよ』って
私、初めて心から笑えたんだよ。だからなつに言いたい直接に好きだよって。…放課後、校舎裏で待ってるから
絶対だよ?
こんなんでいいかなぁ。
なつ…絶対来てよっ///
〚愛情〛
私には付き合って半年の彼がいる
私は彼に目一杯の愛情と、私のすべてを捧げた
毎日「好き」とちゃんと口に出して伝えるなど、彼を満足させる努力はしてきた
でも、そんな私とは対照的に彼は素直に感情を見せるような性格ではなかった
今まで私が付き合ってきた男性と比べても言葉少なだったし、正直何を考えているのかよくわからなかった
私は彼のそんな性格も個性の範囲内として受け入れていた
だが最近彼のぶっきらぼうな態度に嫌気が差してきている自分に気がついた
それに気がついてしまったためか、彼のする仕草全てに嫌悪感を抱くようになった
その後度重なる口論にお互い意気消沈し、別れを決意する
失恋の寂寥感や喪失感が心を蝕む
ただ、それ以上に解放感で満たされていた
さっぱりした脳は、今までとは違う客観的で俯瞰的な考えを浮かばせてくれる
私は彼と付き合っていた時、私と彼の愛情に不平等が生じていると思いやきもきしていた
でも、恋というのはもっと曖昧で漠然としているものだと思う
だから、どっちのほうがとか、フェアじゃないとか、そういうのを考える時点で本物の恋ではないのではないか
今までの恋に思いを馳せ、それにそっと蓋をする
これからは無条件の愛を捧げられる人を探そう
そう心に決めた
貴方からの愛情が欲しいです。
俺だけをみて欲しい。
俺とだけ話して欲しい。
こんなに愛しているのに貴方は愛してくれない、
そんなに魅力がありませんか?
19歳 誕生日の夜
バイトから帰ると冷蔵庫にあったホールケーキ
私の大好きな苺がたくさん乗っていた
その苺たちを掻き分けるようにして
真ん中に飾られた大きなチョコプレートが
機械的な冷蔵庫の光に照らされていた
父とは高校生の頃から口を聞いていない
原因は些細なことから始まった大喧嘩
頑固でひねくれた性格はあいにく父娘そっくりで
時間が経つほど私達の距離は遠くなっていっていた
"19歳の誕生日おめでとう”
バイト連勤で疲れてたからかな
なんの捻りもない言葉だったけれど
愛情に殴られたような感情で、泣けた
『愛情』
「愛情」
題と関係ない。
ちょっと重いかもしれません。
2024.2.4
2024年は幼少期の辛い経験に向き合ってる。
カウンセリングに行き始めた。生きづらさが少しでも
楽になったらなと。
辛い、悲しいという感情を感じるのは惨めだから
認めたくないんだけど、あの頃生き抜いた小さい私、
私の人格、今大人の私が無視して、これ以上いじめちゃ
ダメだなぁって思った。(今まではこんな風に思えなかった、今日だけかもしれない。こう思える頻度が増えるといい)
まだあの頃の小さい私の人格をどう扱っていいか分からない
けど、少しずつ仲良くなれたらいいなと思ってる
大切な人を思うと暖かくなる
僕はあなたにとって大切な人になれたかな?
辛いことも苦しいことも
乗り越えてゆくため
お互いに思い合って
歩いて行きたいよ
今日も話を聞かせて
明日は晴れるといいな
「愛情」
『愛情』
愛情には様々な形があるように思います。
恋人同士の愛情や、夫婦間の愛情や、親が子供に抱く愛情や、ペットへの愛情などなど微笑ましく優しさに満ちた幸せに繋がる美しい愛情の形もあれば、ストーカーやDVや虐待などの歪んでどす黒い混沌とした愛情の形も世の中にはあります。
ギリシャ神話で、愛の神はエロスです。
エロスの母親はアプロデーテ(美の神)と言われ、うお座は魚に変身した、この二人の姿とされています。
しかし、一方でエロスはカオス(混沌の神)の子供との説もあります。
古代より、愛情は持ち方しだいで、混沌にも美しさにも通ずるものだと認識されていたようですね。
何千年経っても扱い方が解明されていない「愛」ですが、どうかみなさまは、優しく美しい愛情に包まれていますように。
_____熱をだした。
覚えがある怠さにそっと体を起こした。
起こしたことによってガンガンと響き出した頭を抑えて体温計を手に取る。
ああ、熱なんて何年ぶりだろう。
ぼんやりと昔を思い出しながら体温計が声を上げるのを待つことにした。
ほとんど病気には無縁な人生を送ってきた。
病気にも、愛情にも無縁だった。…気がする。
父は短気な人だった。
何かあれば直ぐに怒鳴っていた思い出だ。
今思えば、あれば彼なりの感情表現だったのかも知れない。
ただひたすらに、自身の感情を主張することが下手だったのだろう。
………………そう思わせてくれ。いい話にして終わらせておきたい。
母は淡白な人だった。
ほとんど会話はなかった。
今も連絡は取っていない__というか、生きているやも分からない。
母と言っていいものか。
あの時、俺と彼女は縁を切ったというのに。
ただ、そんな彼女から唯一愛情を感じられたのが「風邪」だった。
極たまに体調を崩して熱が出た日。
極たまに無茶をして起き上がれなくなった日。
極たまに骨を折った日。
極たまに_____
そんな時、部屋には入りさえしないものの彼女はいつも。
ドア越しにコツリと、カットリンゴが入ったカップを置くのだ。
最初のうちは下手くそなカットだったし、翌日見てみれば指に絆創膏が目立っていたようにも思える。
段々とリンゴの形も整ってきて、絆創膏の数も減って行った。
そのうちに「床に伏せたらリンゴ」の形が板に着いた。
ピピピッ ピピピッ ピピピッ
「ん、」
重い瞼を開いて体温計を手に取る。
38.4度。ちゃんとした熱だ。
ああ、何か腹に入れないと。
そう思いながらグラりと揺れる視界と別れを告げる。
久々にリンゴを食べたい。
夢を見るのなら、出来れば、あの、ボロボロのカットリンゴを。
なんて。
扉の外には、なんの温かさもないというのに。
_________
音楽家、全くでませんでした!!!
皆さんも風邪にはお気をつけて。
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第2節 「ハッピーエンドのその先。」
#愛情
愛情って難しい。
沢山注いでも届かないし、伝わらないこともある。
途中で歪んでしまうこともある。
伝え方が分からないことだってある。
愛情って難しい…
それが、温かいのか、冷たいのか。他人のためなのか、自分のためなのか。そんなことは関係なく成り立ってしまうものなのに、なぜ、そこに普遍的な理想を押しつけてしまうのだろう。なぜ、縋ってしまうのだろう。その存在に気づかなければ、きっと、なくてはならないものだ、なんて思わずに済むだろうに。
/お題「愛情」より
他の家と比べると、自分の家には圧倒的に
愛が足りていないと感じていた。
はっきりと輪郭を持ったのは、
中2の深夜、彼氏とメールをしていて
つい夜ふかしをしていると、
母親の叫ぶ声と父親の罵声が聞こえた。
心配で2階の部屋からリビングに降りると
ぐちゃぐちゃになった部屋と
慌てて体裁をつくろう両親がいた。
父は不器用というか昭和的な頑固な人間で
ろくに話さないくせ、癇癪持ちだった。
何を考えているかわからなかったし、
母とうまくいっておらず、
私は母のことが好きだったので父を悪だと思っていた。
愛が足りていない自分がいる気がして怖い。
そんな自分が誰かを愛し、
家族を作れるのか不安になる。
周りを見渡すとみんな幸せそうにみえる。
本当にそうだろうか?
以外と、それぞれ抱える問題があり、
何かしらは欠けながらも
その日その日を過ごしているものではないか。
今更父を好きになろうとは思わないが、
嫌いになろうとも思わない。
父に限らず、周りの人間全てに対してそうだ。
わざわざ嫌な人を好きになる必要もない。
それも1種の愛情だ。
好きな人には好きなだけの愛を注げばいい。
愛はかたちがないから計れない。
自分の好きなようにしたらいい。
「愛情」