他の家と比べると、自分の家には圧倒的に
愛が足りていないと感じていた。
はっきりと輪郭を持ったのは、
中2の深夜、彼氏とメールをしていて
つい夜ふかしをしていると、
母親の叫ぶ声と父親の罵声が聞こえた。
心配で2階の部屋からリビングに降りると
ぐちゃぐちゃになった部屋と
慌てて体裁をつくろう両親がいた。
父は不器用というか昭和的な頑固な人間で
ろくに話さないくせ、癇癪持ちだった。
何を考えているかわからなかったし、
母とうまくいっておらず、
私は母のことが好きだったので父を悪だと思っていた。
愛が足りていない自分がいる気がして怖い。
そんな自分が誰かを愛し、
家族を作れるのか不安になる。
周りを見渡すとみんな幸せそうにみえる。
本当にそうだろうか?
以外と、それぞれ抱える問題があり、
何かしらは欠けながらも
その日その日を過ごしているものではないか。
今更父を好きになろうとは思わないが、
嫌いになろうとも思わない。
父に限らず、周りの人間全てに対してそうだ。
わざわざ嫌な人を好きになる必要もない。
それも1種の愛情だ。
好きな人には好きなだけの愛を注げばいい。
愛はかたちがないから計れない。
自分の好きなようにしたらいい。
「愛情」
11/27/2023, 11:43:29 AM