『愛があれば何でもできる?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
覚えている。
「人は、愛があれば何でもする」
夢見がちなあの人の、たくさんの戯言の一つに過ぎないのだ。
だがいつにない後ろ向きの表情が、言葉と一緒に記憶に焼き付いていた。
「人は、愛があれば何でもする――」
あの視線はどこに向けられていたのだろう。
今となっては聞く術がない。
自分の中にも答えはない。
君のためなら何でもできる。
……本気で、そう思っていたよ。
両腕で抱きかかえられるほど小さかった頃は、君が欲する物が何かなんて、的確にわからなかった。
あげられるものは、ほんのわずかで。
君が欲しがる物も、少なくて。
当てはまらず泣きじゃくる君に途方に暮れきって疲れ果てた時間は、思い出したくもないけれど。
それは君のお仕事だったんだから、仕方がなかったね。
どんどん大きくなって、意志の疎通が取れるようになって。
……いや。
言葉は通じても互いの意思疎通は、はかれてなかったや。
とんでもない欲求を押し通しされ、うんざりしきって諦めるしかなかったことも——笑い話にもならないようなことも多くて、これまたあまり思い出したくないな。
やっと我慢や常識、良識を覚えてくれたかなと思った頃には、反抗期的な自己欲求の押し通しが始まり。
この時代は、さすがに『パパ』が叱ってくれて本当に助かった。
……暴れる子じゃなかったけれど、パワー系父子の相撲みたいな押し合いへし合いで家が壊れるのではと思ったのも、この頃だ。
趣味やその時の遊びまでは、全部満たすなんて到底無理だったけれど。
スポーツや進路は、出来うる限り、取り組めるよう努力したつもり。
感謝してると言ってくれたから、及第点はとれたのだと思う、多分。
本人なりに、悩むことはもちろんあったのだろうけれど。
私のように、大きく病むことは、なかった模様。
君が就職して、ああこれで一段落ついたんだな、と。
ホッとした、矢先。
「あのさ〜。
初給料全額ガチャに突っ込んで爆死したから、明日から弁当と夜ご飯、用意してくれ」
——ハァ!!?
仲間とついノリでやっちまった、じゃねぇわ!!!
初給料つったら、花束くれたりしてもいいんじゃないの!?
別になくたっていいけど、そーゆーのもあるかなって夢見ちゃてましたよ悪い!!?
それが、何?
ガチャ!?
おまフザケンナよ!!!
何で今更、ご飯1日10合炊き、おかず約6人前分作るような時代に戻らにゃならんのよ!!!
中高生の時よりだいぶ減ったけどなーって、そういう問題じゃないの!
こっちだってその分、年くってヘタれとるんじゃ更年期障害ナメてんじゃねーぞっっ!!!
ホントに、フザけんじゃねーぜ、ですわ。
「ヒデェ、俺のこと可愛くねーのかよぉ」
……じゃありません。
いつまでも何でもしてあげるお母さんでいてたまるかって話。
しっかり自活して生きていってくれなきゃ、君だってゆくゆく困ることになるんだからね!
これだって愛だと思うの。
愛しているから何でもやってあげるなんて、ただのダメ人間製造機だと私は思う!!!
——あう、これじゃ表現悪いな。難しい。
「猫には何でもしてやるクセに」
……お猫様と比べるんじゃないよ、おこがましい。
あの子達の可愛さに並ぶわけないでしょ。
そもそも基準というか指標というか——が、違うのだし。
ああでも、そうだね。
猫ちゃんやふわふわな子達のためなら、何でもしてあげたい……、けど。
やっぱり——できうる限り、になってしまうな。
だって、自分が倒れたら猫ちゃんやふわふわな子達が困ってしまうから。
自分が倒れないことを前提にすると、『何でも』とは言い難いな……。
すべてを捧げるなんて、自活できる『人』に対してしか出来ないことなのかもしれないね。
そんな対象に出会えるのは——幸か不幸か。
散々自我を叩き潰されてきたせいか。
自分で必死に自我を何度も再構成した私は、もう誰にも殉じたくない気持ちが強すぎるのかもしれない。
『愛する対象のためなら何でもできるよ』
もし、そんな言葉を躊躇なく言える人と出会ったら。
……かつて若かった日の自分を見るように、思うのかな。
感動するのか、ひいてしまうのか。
想像、つかないなあ。
まあ愛、は。
何かしてあげることだけのものではないものね。
そんなことでは、はかれないから、愛なのでしょう。
私の、結論は。
『愛があっても、何でもは、できない』
これで、いーのだ。
愛があればなんでもできる?
「あんた調子に乗らないでよ」
「お前なんかが快斗くんと付き合ってるとかありえないんだけど」
「ブスのくせに」
何度こんな言葉たちを聞いただろう、、、
「ごめん‥「あのさ、俺の彼氏になんか用?」
「なに?男同士だから?」
「俺の可愛い彼氏傷つけられちゃ困るんだけど」
少しの沈黙の後、彼女たちは目を見合わせ蔑んだような視線で見下ろしてきた
「え?だるくね?」
「普通にキモいわ」
「いくらイケメンでも男同士ってw」
そう言って同じクラスの女子たちは去っていった。
「ごめんね」
「蒼が謝ることあった?来るの遅れてごめんね」
「ううん。ボクが言い返せないの悪いんだ」
「それにボクが好きになっちゃったから」
「あ〜、それなら俺の方が先に好きになったから」
「え?」
「てか今日俺ん家来る?そろそろ親に紹介したい」
「うん///」
「お母さんただいま」
「あら、おかえり。隣の子は?」
「俺の彼氏」
「、、、、、、、、、そう」
「じゃあね苦しい世界」
「来世では幸せになろう」
【愛があれば何でもできる?】
[愛を叫ぶ 続編]
登場人物
剛志
雅
「ただいま」と言ったところで返事が返ってくる訳でもない。
いつからこんな風になってしまったんだろう。
ボクと雅ちゃんは幼稚園の時に偶然知り合った。
運命的な出会いだった。
小中学校を一緒に通い
高校大学は別々になったが、ふたりの気持ちが変わる事はなかった。
雅ちゃんは短大を卒業すると、小さい頃からの夢だった保育士になった。
ボクも大学を卒業し、小さいながらもアットホームな会社に入った。
3年後、ボクたちは結婚をした。
雅ちゃんの為ならば、ボクは何だって頑張れる。
2年後、長女を授かった。
子供はあまり好きではなかったが、自分の子がこれ程までに可愛いなんて思いもしたかった。
ふたりの為ならと、仕事も人一倍頑張った。
そんな時、倒産する会社が相次ぐ中、人の良い社長が信頼していた人に騙され会社は窮地に立たされた。
この危機を乗り越える為、みんな必死に戦った。
次第に帰りが遅くなり、そのうち3日に一度帰るような生活になっていった。
‘家族の為にも頑張らなければ’
‘愛さえあれば何でもできる’
その思いで必死だった。
だが
悲劇は突然訪れた。
その日も夜遅くなったのだが、いつもは寝ているはずの雅ちゃんが起きて待っていてくれた。
「ただいま」
「おかえりなさい。大事な話があるの」
いきなり離婚届を見せられた。
「別れて下さい」
「どうして、ボク何か悪い事でもした?もしそうなら謝るから考え直して」
「剛志くんは私達の事を何だと思っているんですか?仕事が大変なのはわかります。私達の為に頑張ってくれているのもわかります。だから、剛志くんに負担をかけないように家事も、育児も私ひとりでやってきました。‘愛さえあれば何でもできる’と思いやってきたんです。でも、最近は剛志くんの愛が、私たちに届かないんです。届かない愛は、無いのと同じです。
サヨウナラ」
雅ちゃんは娘と共に家を後にした。
ボクは悲しみのあまり思い切り泣いた。
「わ〜!」
ボクは自分の声に驚き眼を覚ました。何だ夢だったのか。よかった。それにしてもリアルな夢だったな。まさか予知夢?
あの夢が現実にならない様に努力していこう。なにが雅ちゃんの為なのかを考えていこう。
ボクのお父さんもそうだ、家族の為に働いていると言っているけど、ボクとはちっとも遊んでくれない。そんなの家族の為じゃないと思う。いろいろと考えてるうちに学校に着いた。
「おはよう剛志くん」
そこには、あどけない小学1年生の雅ちゃんがいた。
おわり
愛があるなら何でもできると思う
私たちが愛を向けるのは恋人だけではない
モノに愛を注いだり
人への思いやりや気遣いも愛の形
愛は原動力となる
『愛があればなんでもできる?』
愛とはなんだろう。牢屋に入れられいつ始まるかわからない処刑を待ちながらいつしかそんなことを考えていた。
私がここに入るに至ったのは在籍する学園でちやほやされていた転校生の聖女とやらに執拗な嫌がらせをしていたため。女は私の知らないところで同級生であった王太子の伴侶となっており、そのために私のしでかしたことが明るみになったとき、罪の重さは王族への謀反と同等となった。
私は王太子のことを愛していたし、愛していると返されたこともある。
「愛する君のためならなんだってできるよ」
かつて胸を焦がした言葉は今や寒々しいばかり。同じ言葉をあの女にも投げかけていると思うともはややるせなさしか沸いてこなかった。
「ここから出たいか?」
誰もいないはずの牢屋の隅からぼんやりとした人影に声を掛けられる。幻覚が見えてきたのだろう。
「ええ、出られる手筈があるのなら」
「お前が私を愛してくれるなら、そのようにしてみせよう」
“愛する君のためならなんだってできるよ”
言葉は違えど同じことを言われている。おかしな幻覚もあったものだ。
「わたくし、愛は幻だと一度は知った身ですの。傷ものでよろしければ、口づけをどうぞ」
影に近づき抱擁と口づけを交わす。すると人影はみるみると影を濃くして声を上げた。どうやら歓喜の叫びのようだった。次の瞬間、人の手ではありえない力で牢屋の格子がくにゃりと曲がった。驚いた私の手を影であったその人は手に取り尋ねた。
「望み願い給え、愛する人」
それまで死を待つだけだった身に降って湧いた人ならぬ力は野望を抱かせるには充分過ぎるほどだった。
「愛するお方。この国を滅ぼしましょう」
愛があればなんでも出来る?
愛があれば?
何でも出来る?
そもそも、愛って何ですか。
一方通行の自己犠牲の事じゃないんですか。
貴方のそれは愛と呼べますか。
(自己に宛てた投稿です)
愛があればなんでも出来る?
の問い…ぱっと思いついたのは、火事場の馬鹿力的なことかな?
何か相手にしてやろうと行動するのではなく、意図せずにお互いが気遣い会える仲であれば結果的になんでもできているのかもしれない
愛があれば何でもできる?
元気があれば何でもできる!の間違いじゃね?
あたっ、ちょ、ごめんて、痛っ。
いやーうんうんできるできる何でもできる。
信じてりゃ何でもできるって。
信じる者は救われる!って言うじゃん、って痛い痛い痛いちょっ暴力反対ー。
てかさー、それって何?俺の愛を疑ってるわけ?試してんの?
それとも自分のいだく愛に疑問でも持っちゃった?
だーいじょぶだいじょぶ、俺らちゃーんと相思相愛よ?
俺なんてもー溢れまくりよ?
だからさ、安心して俺の愛に溺れてなよ。
ね?
“愛があれば何でもできる?”
愛があればなんでもできる?#64
お母さん、お父さんへ
お久しぶりです。
やっとこの生活にも慣れてきたので、報告書も兼ねて手紙を届けます。
手紙なのに喋り口調なのはちょっとおかしいかなと思うのでこのまま書きますね。
手紙を書こうと思ったのはちょっときっかけがあって、この前高校の新しいお友達の諸橋ちゃんが手紙書いたって言ってたからちょっと書いてみたくなって書いてます。
これを書いている私はまだ16歳です。
高校2年生になれました。
気づいたら5月も終盤になってしまいました。
最近、“愛さえあればなんでもできる?”という本を読みました。
また夏になったら帰省しますね。
それではお元気で。
綾瀬楓梛より
なんでもない日に
白いフランス窓から射し込む陽を浴びて会話をするのが好きだった
珍しい両開きの窓があるこの一室で
いまは夜の空を眺めている
下の方は生活灯で白んでいるが
真上は濃紺のこの空を
チカチカと光る点が過ぎっていった
ふたりでこだわって探したキャメルカラーの文机に置かれたチケットを見ないよう、力を入れて枕を抱きしめた
白いシーツの張りのあるストライプの織りを指でなぞる
私はここに居たいの、ごめんね
広くなった部屋を、明日私は白いペンキで塗り替える
-愛があればなんでもできる?-20240517 青
愛があれば何でもできる?
答えは、ひとつ。
できない
何故かって、
人はみんな
自己中な子供なのだから
愛があれば何でもできる?
「俺の《化学愛》によって、今回のテストは98点を取ることができたぞっ!!俺ってまじで天才だわ。」
「あー…。」
「そんな天才のお前に勉強を教えている、俺のお前への愛の方が負けてないと思うぞ?」
愛があれば何でもできる?
隣で眠る君の耳の後ろをそっと撫でながら囁いた。
少し身じろぎをして深く息を一度吐き、また静かな呼吸に戻る。
君からもらうたくさんのもの、愛と名づけていいだろうか。
もらった以上のものを君に返せるだろうか。
君の名前を呼ぶこと。
それに君が答えること。
そこに潜む愛がこの日々を一日でも長く伸ばしてくれますように。
想いを受け止めた合図のように、君のしっぽがぱたりと揺れた。
愛があれば何でもできる?
物理的に不可能なことは無理だろうけど
愛があれば頑張り、時には無茶もするんだろうね。
愛は人を馬鹿にするとも聞いたことがある。
ま、ほどほどに。
(愛があれば何でもできる?)
あんときの花に誓った二人にもう通わぬ心 元気ですかー?
愛があれば何でもできる?
オメエらの愛を見せて見ろコノヤロー!
と、まあねンムフフフ愛について語ってみたわけですけどエー愛、ということで皆さんにお伝えしたいことがある。「この道を行けばどうなるものか。危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ。」
愛があればなんでもできる?
んなわけがない
愛があれば働ける
となれば話は別だろうけど。
愛する人のために、他の人に身体を差し出す
そんな物語を聞いたことがあるが
そんなの自己満足でなんにもならないと思う。
愛なんてあったとしても
子供を大事にしない親はこの国に山ほどいるだろう。
子供が第一優先では無い人、子供より新しい恋、ネグレクト、大事にしてると思っていても怒ってばかりじゃ、兄弟姉妹は甘やかしていざ自分が言うと「なんで?」と
愛なんて意味が無い。
愛なんて結局は自己満足でしかないんだ。
もしも愛があれば、私はもっと素直にいれた。
もしも愛があれば、もっと優しくなれた。
もしも愛があれば、良い人にもなれたんだ。
誰かの為にじゃなく自分の為に 愛されたいが為に
理想の自分を演じて 偽物の顔をつけて
それでも愛されないことに傷ついて
また演じて 大人になってきたんだ。
大人になって気づき始めた。
望み通り愛されないことくらいわかっていた。
それでも人に期待して
そんな自分が嫌で嫌で嫌で仕方がない。
もし愛とやらがこの世界にあるなら
愛を教えてよ。
自分で自分を愛せる方法を教えてよ。
誰か、
教えてよ、
愛があればなんでもできるの?
それじゃぁ
私は
今日も
なんにも、できないや
愛があれば何でもできる?
愛の力は凄まじいと思う
ソシャゲでもアイドルでもホストでも
キャバ嬢でも車でも子どもでも宗教でも
推しのためならいくらでも貢ごう
という気持ちにさせられてしまうから
愛に脳が支配されると金銭感覚が麻痺してくる
子どもの頃は千円が大金だと思っていたけど
今でははした金に見える
千円ではガチャ十連分は引けない
愛とはなんと恐ろしいものか
愛があれば何でもできる?
(ちょっと怖いかもです。狂ってます。ゾッとする感じが嫌いな方は注意)
貴方と出会った春が、あまりに眩しくて。その美しさに魅了されてからというもの、僕の日々はこれ以上に無いほど美しく清廉に爽やかに色めき始めたのだ。
校内の目立たない草臥れたベンチに、貴方は一人横たわっていた。あまりにぐでんと沈んでいるかの様に見えたので、心配して思わず肩を叩いた僕を貴方はぼんやりと見て、それから眼を擦り掠れた声で欠伸をした。その姿に僕はこの人は昼寝をしていただけなんだ!と漸く気づいて、自分が宛らヒーローにでもなるかように、救世主にでもなるかのようにキリッとした顔で声をかけてしまったことを酷く後悔した。あろうことか、貴重な深い眠りを妨げてしまった…!と頭を抱える。そんな僕の挙動不審な動きを静かに見つめる視線が痛くって、恐る恐る目を合わせると貴方はふんわり笑って天使みたいな優しい眼差しで言葉を口にする。
「優しいね」
って。
その瞳が初夏の海みたいにキラキラと煌めいていて、その瞬間僕は恋に落ちたんだよ。
それからの日々はずっと夢心地で、生温い映画でも観ているかのような感覚で時が流れていった。恋が叶うジンクス!なんてものを信じて、後夜祭でいきなり手を取り大きな声で「好きです!」なんて叫んだ僕のことを、貴方はまたあの時と同じ瞳で笑って「同じだよ」って耳際で囁いた。真っ赤になった頬を余裕そうな顔で撫でられて、僕はもっと格好良く素敵な大人にならなくちゃと決心したわけだけど。それはまだ、到底夢のまた夢のみたい。
いつしかね、僕が貴方はいつも大人みたいだから僕は早く大人になって貴方の手を引きたいなあと言った時貴方は見たことないくらいに真っ黒な瞳をさせた。
「大人になんて、ならなくていい」と。
そう、低い声で強く言われて訳も分からず泣いてしまった僕に貴方は酷く焦って、ごめんごめんとひたすら謝っていた。貴方が謝ることなんて一つもないと言い切って強く抱き締めたかったのに、鉛のように身体が重くて糸で縫われたみたいに上唇と下唇がくっついていて僕はなんにもしてあげられなかった。
…ねえ。今までのこと、覚えてた?僕は貴方のこと全部覚えてるんだよ。その全部が大好きなんだよ。分かる?分かってくれる?ねえ。
「分からないよ」
「なんで、なんでなんで、分かってくれないの」
そんなに怒った顔をして…。やめてよ、怖いよ。僕は貴方の笑った顔が好きなんだ。
「…私のために死んでくれるの?」
「うん死ねるよ。貴方が死ねって言うなら」
「じゃあ、今ここで___死んで」
とんっと胸を押された。ふわりと身体が浮いて、一瞬空を飛べる魔法を使えるようになったんじゃないかと思ったんだけど、そんなこと無いみたいだなあ。身体が真っ直ぐ、物凄いスピードで落ちてゆく。
僕を見下ろす顔が逆光でよく見えないんだ。ねえ、もっと見せてくれよ。僕がここでプロポーズなんてしたら貴方はまたバカだねえって優しく笑ってくれるだろうか。どうかな?あは。あはは、ねえ、笑って。笑って!
一生のお願いだよ!笑って!