『恋物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この先のことなんて分からないけど
私はあなたの隣で日常を感じていたいよ
カラオケ映像で流れるチープな恋物語は
きっと人類をバカにした宇宙人が作っている
だいたい街中以外には海岸か芝の広い公園がロケーション
運命的な出逢いを経て何かしらの共同作業の後
自宅で一人相手を想うパートもマストで入る
花や果物あとは手紙も登場したりする
なぜか連絡手段として公衆電話も活用する
ファションセンスは永遠に平成初期で止まっている
最初から失恋スタートパターンもある
その場合の男女は夜の都会を背にシビアな表情をしている
男は黒のタイトなシャツを着て目線は絶対カメラから外す
ツッコミどころが多すぎて正直歌わずに見ていたい
恋愛というか恋愛ドラマあるあるを意識したかのような
実際の恋愛に抽象に抽象を重ねた映像の味わいが好きだ
あれが映しているのはもはや概念としての恋愛だ
超うっすいイデアのような恋物語の垂れ流し
簡単に言うと人間の恋愛なんてこんなもんでしょという
結果としてバカにしているような映像がたまらない
まるで人類を外側から観測しているような
カラオケ映像の監督はきっと地球外生命体だ
恋物語
突発性フェードアウト
隣の席の彼が深いため息をつくようになった。
視線はどこか上の空で天井に穴が開くのではないかと思うほど時間が少しでも空けばただただ放心している。
本人から直接尋ねた訳ではないが、なんとなくわかる。
たぶん、「恋」だ。それも片思い。
クラスにやってきた1人の女の子、髪はブロンドに青い瞳の小柄で愛らしい他国籍の留学生。当時はそのこの話題で持ちきりで、容姿の珍しさ美しさに男女問わず質問を持ち掛けてきた。
汎用的な質問から家族構成、身長体重、彼氏の有無まで根掘り葉掘りインタビューを受けた彼女は、嫌な顔をするでもなく流暢な日本語で返す。
彼は一度も留学生に話しかけはしなかったが、お互いの年齢が一桁の時代からの付き合いだ、この位想像に硬くない。気になっている、そんな視線だ。
担任の采配で僕と反対側の席に着いたあの日から、僕越しに刺さる視線を肌で感じるようになった。
席も近くで度々話しているうちにお互いの言語で分からない箇所を教え合っている内に友達になり、仲間外れにされたと思った彼はとうとう抑えきれず、「海外の言葉が気になるから教えてほしい」と無理矢理話に混ざる様になった。僕と彼女と彼の3人で放課後まで残っては勉学と言う名の交流を楽しんだ。お陰でこの間の英語のテストは過去最高の点数で彼も赤点を抜け出し、まさに留学生様様。
お礼にと観光がてら地元を巡りを提案するととても喜び週末は3人で出かけるのが習慣となっていった。
どうせなら記録に残した方が思い出にもなるし、と彼はスマホを構えシャッターを切る。その空間ごと留学生と僕は一枚の画像に収められ、時には単体の彼女、僕、名所でカメラロールは埋まる。
だけどそんな生活も唐突に終わりを告げる。
突然ぱったりと来なくなり連絡もつかず行方不明になったのだ。隣を見やれば俯き表情の読めない彼がそこに居て悲しいのか無関心なのか、心情を伺えない。
事件性も兼ねて担任からも事情を聞かれ、警察の人が何度か学校を出入りしていたなんて話も聞いた。でもとうとう手掛かりを見つけることが出来ず捜査は打ち切られた。
翌日彼に変化があった、笑顔が増えた、元々明るい性格
なのもあり元に戻ったとも取れるけどアレは違う。目が笑っていない。
晴々としているのに言葉にできない気持ち悪さがあって、次第に僕は彼の事が心配になった。壊れてしまったんじゃないかと。
結論から言えば半分正解で半分は不正解。
後悔があるとすれば彼の家に心配だからと訊ねるべきでは無かったと言う事、見つけてしまった長い髪の毛、バラバラに刻まれた写真でいっぱいのゴミ箱、押入れに貼られた大量の写真、写真、写真。
不要な部分を切り取られ、そのどれもがカメラ目線でこちらに笑顔を振りまいている。
今、僕は椅子に縛られ身動き一つまともな声を出すことさえ出来ない状況だ。唯一機能する事が許された視覚でさえ恐怖を与えるだけの役割と化している。
目の前の物怪がゆっくり近づく、手に持ったハサミが怪しく光る。これから行われる地獄を、壁際から沢山の僕が笑顔でこちらを観ていた。
終わり
恋物語
私にとっての彼は、好きを…恋を教えてくれた人
あなたが私のことをどう思っていてもかまわないけれど、好きでいさせて
こうしたらいいと言うわけでもなく
そうなんですねとただ受け止めて
自分はこう感じたと伝えてくれる
抑えた口調がもどかしい
本音を知りたい
好きも愛してるもしっくりこない
言葉を探しながら結局
ただ素直に思ったままを伝える
ふたりでそれを繰り返す
愛も恋も出てこない恋物語
高校の頃、すごくお世話になった顧問の先生がいる。
思春期特有のお調子者だった私は、下の名前で彼女のことを呼んでいた。そのたびに、先生でしょ!と嗜められたっけ。それでも名前で呼ぶのを許してくれていた気安さが心地よかった。
18歳の頃に31歳とかだったと思う。一周りちょっとの年齢差。教員の中でも一番近い歳で、話しやすかった。先生でいて、姉のようでいて、時々甘やかしてあげたくなる存在だった。
今朝、そんな彼女の夢を見た。ガラケーではなくスマホでずっと電話をしていて、ちぐはぐな時代考証に夢だと気づいた。
夢の中の先生はひどく具合が悪そうだった。熱に魘されながら、それでも何故か私と電話をしている。私は私で学校にいて、先生の代わりに外部業者と打合せをしながら。
熱は?とかごはんは?とか合間に挟みながら、珍しくしんどそうな声がして何かしてあげたいって思った。
「男所帯だからお見舞いの差入れとか全然なってないの」
「食べるものある?」
「カップ麺2個とか」
「そりゃダメだ」
「ふふふ、ね?」
「あ、ちょっと待っていま業者の人と話すから。電話切らないでね」
耳元から電話越しに聞こえる苦しそうな吐息。早く寝てもらいたいのに、業者とのやり取りを聞いてもらうために無理を押して電話を繋いでいる状況にやきもきした。こっちの焦りとは裏腹に業者のお兄さんの懇切丁寧な説明が続く。
ようやく打合せが終わって、小腹を満たすために菓子パンをもぐもぐと口に放り込む。見覚えはなかったけど、夢の中では同じ部活仲間の男の子と業者のお兄さんと3人でパンを分け合う。
不意に手元のスマホを見て通話中であったことを思い出した。
「もしもし、ごめん今終わったよ」
「…ん」
「寝てた?」
「ううん、聞いてた。切ったほうが良いかとも思ったんだけど」
時計を見ると16:30を少し過ぎたところだった。
私を迎えに来た母が傍らにいる。先生が体調を崩してることを母も知っているようだった。母に先生のところへ送ってくれるか尋ねると静かに頷いてくれた。
あとは先生に断わられなければいい。そこまで踏み込んでいいのか正直わからなかったけど。心配の気持ちが勝った。
「これから先生のとこ行ってもいい?何か食べやすいもの買っていくし、着替えとかも」
「…うん、お願いしようかな」
「言うて住所知らんからスマホに送ってくれる?」
「はーい」
「18時までには行くから。それまでちょっと寝てね」
「うん、そうする」
拍子抜けするくらいあっさり訪問の許可が下りた。普段であればきっとこうはいかなかった。と言うことは、よっぽど辛いんだろう。早く看病に行かなければ。
ここで目が覚めた。
頭が微かに痛んだ。先生の名前を口に出す。夢の中で体験したことは実際の過去では起こっちゃいなかったけど。それでもあまりにリアルな夢で心配になる。夢の中の私はちゃんと先生のところまで行けただろうか。
そして現実の先生は元気にしているだろうか。今はあの頃の先生の歳を追い越してしまった。最後に会ったのは15年ほど前。
久しく会っていないけれど、それでもたまに想い出しては胸の奥がじんわり疼く。それはあの頃名づけられなかったこの想いが、歳を重ねてから恋だと気づいたからだった。
忘れ得ぬ彼女との日々と夢想する手にしたかった時間。
『恋物語』
『恋物語』
私の恋物語はただの冒頭部分でしかない。
それはそれはキラキラ光る
トキメキ、カラフルが詰まった宝石箱。
恋が実って嬉しくて
一緒にいてみると、あらびっくり。
私はあなたの幻想に恋していたのだと気付く。
私の恋物語は
何枚も重なったフィルター越しの世界だったと。
一枚一枚はがしていけば、
より鮮明に、色鮮やかにあなたを感じることが出来る。
本当のあなたはもっとずっと
たくさんの魅力に彩られていたの。
大好きよ、恋してたときよりずっと。
テーマ「恋物語」
恋物語。
多種多様な物語があるが、いわゆる幼馴染モノが好きだ。
ハッピーエンドだと、なお好し。
きっかけは幼なじみとハマった、某探偵漫画。
−−だと気づいたのは、つい最近だ。
暫く離れていたが、偶々映画館へ足を向け、幼馴染モノ好きの原点を察した。
同時に再燃したが、語り尽くせないのでここでは割愛する。
昔も、幼なじみ共にハマり方は凄まじいもので、毎日感想を語り合い、同じ習い事のあとに漫画を買いに走るほどだった。
小学生ながらなかなかの勢いだったと振り返る。
ふと、疎遠になった幼なじみの近況が気になった。
しかし連絡先さえ交換していないため、知る術がない。
幼なじみとは幼稚園から週7で遊ぶほどの仲だった。
互いの家に入り浸り、家族ぐるみで遊園地や旅行なんかにも行った。
幼なじみのことが好きだった。
好きとは言っても恋ではない。と思う。
「恋物語」なんて人生で最も縁遠いテーマで思い出している辺り、少しは気があったのかもしれない。
そうは言っても、それこそ漫画のように一目惚れをしたわけでも、好きと断言できるほどの強い想いも無い。
けれど、幼なじみと過ごした日々はいっとう楽しかった。
こんな話、恋物語じゃない。
恋に変わらなかったし、物語る価値もない。
ただ幼なじみを懐古した。なんでもない、それだけの話だ。
そんなつまらない日常で読むのだから、幼馴染との恋物語はせめてハッピーエンドが好い。
それが至って独りよがりな自論である。
お題『恋物語』
「私、今狙ってる男がいるんだよね」
とか
「えぇーん、彼氏が浮気したのぉ」
とか
「私、今度結婚するんだよね。もう七年も付き合ってるからねぇ」
とか
そういった話を聞くたびに私には縁のない話だなぁと、聞いている。私には恋愛経験がないし、そもそも恋心が湧き上がった経験がない。私にとって『恋』は、物語みたいに空想じみてるものだ。知らない世界の話を聞くために私は今日も友達の恋物語を聞くのだ。
恋物語
恋愛漫画とかおもしろいよね
キュンキュンして、
ドキドキして、
青春時代を思い出す
私も恋愛してみたかったなぁ
お題:恋物語
流行りの小説も抑えておきたいので、たまに恋愛モノも読んだりするけど、ゴリゴリの純愛もの以外は恋愛中心の本を読むことは少ないかなあ。
どちらかというと、恋愛も一つの要素、みたいな感じのほうがまだ読めるかな。
もう若くないので、あまりに恋愛脳な二人が出てくる話とかは見てて辛くなる。
何でカネ払って他人がイチャコラしてるのを観てるんだ私は…って虚無ってしまう。
【恋物語】
あなたと出会えてよかった
恋物語を読んだあとは
幸せな気持ち
二人の幸せを
お裾分けしてもらったような
そんな気持ち
悲しい恋物語もあるけれど
そんなときは涙を一緒にたくさん流す
ときめきをありがとう
オレはミュージシャン。
数々の恋物語を紡いできた。
ヒット作は数知れず。
ドラマや映画の主題歌にもなった。
そんなオレも、今年で40歳。
彼女はかれこれ40年いない…
僕とキミが出会って、惹かれ合って紡いでいく恋物語。
出会わなければ、お互いに好きにならなければ、それは始まらない。
僕とキミだけにしか書けない恋物語。
唯一無二の物語を、ずっとずっと書き綴っていこう。
恋物語
これはラブコメの話ってことでいいのかな。俺はそう認識したから今日はラブコメの話にするか。
恋をテーマにした話は映画からアニメ、漫画に小説まですべてのジャンルである王道のテーマだ。
そんな数ある作品の中から一つ選ぶなら俺はローマの休日かな。有名な洋画だな。
これを好きな理由は若い頃に見たからだろうな。やっぱり感性が豊かな年に見た作品は特別なものになっちゃうよね。
正直見たのが昔すぎて話の内容とかさっぱり覚えてないんだけど結末だけはなんとなく覚えてる。ああいうビターエンドはいいよね。大人の恋って感じだ。
でも見たのが昔すぎて本当にビターエンドだったのかすら定かじゃないんだよな。いやでもさすがにそこまで忘れてるとは思えないんだけどどうなんだろ。
ラブコメだとほかには漫画のかぐや様とか五等分なんかが人気のイメージ。でもこの二つはどっちも途中で読むのやめたから感想を言えない。
あとはラブひなとかニセコイとか、なんか漫画ばっかになっちゃうな。ラブコメは漫画が市場でかい印象ある。なんでだろ。
恋物語
あなたのことを知りたい、私のことを知ってほしい思った日、あの日から私の恋物語は始まった。
そして、今日私はこの恋物語に終止符を打とうと思う。
私に素敵な恋の夢に溺れさせてくれてありがとう。
どうか幸せになってくださいね。
(題目しらず)
私はよく悪夢を見る。
自分ではどうしようもない危機に陥っている時は、ありがたいことにだいたい夢だ。
だいたいと書いたが、現実ではそんな場面に出くわしてないので、全てが夢だ。
あまりにも悪夢を見すぎて、夢の中である考えをするようになった。
「こんな悪いこと、今まで夢の中でしか起こらなかった。だからこれも、きっと夢だ!」
もちろん夢という自覚はない。
現実として起こっている。
夢であれという気持ちを込めた願いに近い。
そして、夢から覚めた時に思う。
「ほんとに夢だった…」と。
しかしこの悪夢、あまりにも現実的すぎてこう思うようにもなった。。
「これはきつい…。だけどこれは、さすがに夢じゃないよな…。なんとかして立ち向かわないと…!」
夢なのである。
もう悪夢には、ほとほと愛想が尽きた。
花なんて、別に好きじゃなかった。
祖母はよく部屋に花を飾っていたけれど、名前を知っているのはバラとかチューリップとか、そんな有名どころくらいだった。
あの人は、花みたいな男だった。
華のある、と言っても良いかもしれない。スケコマシで、女の子によく花束をプレゼントしていたから、花には結構詳しかった。そのせいか、私も少しは知識が増えた気がする。
本人はヒマワリが好きだと言っていて、洒落臭いと笑い飛ばしながらも、心の中では何だか似合うと考えていたのは秘密だ。
花は綺麗だが、いつかは枯れてしまう。特に、美しい花の寿命は短い。
美人薄命という言葉は、案外迷信でも無いらしく、あの人は二十歳そこそこで永遠の眠りにつくこととなった。
シャボン玉のように儚く消えてしまうものだから、本当は初めから存在していなかったんじゃないのかとさえ思ってしまう。けれど、最期に託された黒い手袋は、確かにあの人の物だった。
シャボン玉みたいに、綺麗で、眩しくて、壊れてしまうと知っていたなら。
喧嘩別れしたあの時、引き止めて一言謝れていたなら。
何かは変わっていただろうが、考えてもどうにもならない。
あの人の人生は、あの時、あそこで終わったのだ。
誇り高き血は、私と共に生きることを選ばなかった。いや、選択肢なんて与えられていなかった。
それでも私たちは、きっとどこかでまた巡り逢う。奇妙な絆で結ばれている限り、永遠に。
「──あれはスイートピー、花言葉は『優しい思い出』だったかな。で、あっちのがモクレン。白色だから花言葉は『気高さ』ね」
「ママはどうしてそんなにお花のことをしってるの?あ、お花とおしゃべりできるんでしょ!」
大きな瞳を輝かせて言う愛娘に、苦笑しながら答える。
「違うわ。詳しい人に教えてもらったの」
「…?だぁれ?」
「…さあ、誰だったかしら」
見上げた空には、飛行機雲が一筋伸びているばかりだった。
お題『恋物語』
恋
それは呪縛
恋物語
それは呪縛の物語
学校の屋上に立ち、街を眺める。建物から漏れ出る光は何度見ても同じ。つまらなすぎる。毎日同じ日の繰り返し。生きている意味なんて無い。今日こそ、ここから飛び降りたい。フェンスを越え、落ちるか落ちないかのギリギリのところに立つ。
「何してるの?」
声が聞こえた。こんな時間に自分以外の人が学校にいるわけない。自分は不法侵入なのだが…。
「話聞いてる?君はここで何をしているの?」
「なっ、何もしてないし!」
また失敗した。誰かに見つかった。でも、その声に聞き覚えがない。ふわっとした優しい声。聞く人を包み込むような温かさ。なぜかまた聞きたくなった。
すべてが正反対の兄。勉強もスポーツも万能。そんな兄が小さい頃から羨ましかった。しかし、いつしか家族は変わっていった…。両親は完璧を押し付けてくる。分からないところを聞いただけで怒られる。殴ってくる。兄には見捨てられた。俺には関係ないとでもいうかのように。家族との衝突が増え、心も体もボロボロになっていった。こんな毎日なんて嫌。
ある日の夜、家族が寝静まる頃、こっそりと家を抜け出した。行き先は取り敢えず学校。1晩だけでもいいから落ち着くところに居たかった。非常階段を使い、学校に入った。日中よく行く学校の屋上。夜には行ったことがない。階段を登り、扉を開ける。そこには動く人影があった。身長や体格からして、不登校気味のあいつだろう。
「君、何してるの?」
相手はビクッとなった。自分1人しかいないと思っていたのだろう。
「なっ、何もしてないし!」
相手は自分の横を通り過ぎ、逃げていった。話せるチャンスだったのに…。自分で逃してしまった。たった1日で振られたようなものだ。でも、あいつには会えそうにない。すべてを諦めるため、屋上のギリギリに立ち、目を閉じ、体を前に預けた。
※フィクション
【お題:恋物語】