恋物語』の作文集

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恋物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/18/2023, 1:51:39 PM

―恋物語―

貴方に会える日、朝からワクワクしていた。
髪を結い、青いワンピースを着て、忘れ物が無いか何度も確認した。
貴方に会えるのが嬉しくてバスの中では、ふわふわした気持ちだった。

待ち合わせの駅に着くと見知った顔にホッとした。
二人で新幹線に乗り、たわいもない話で盛り上がった。
「その服似合ってるね」って言われたのが照れくさかったのを覚えている。

そして、目的の場所に到着。
「あそこで写真撮ろう……横に立って」と言われ、私は貴方が写るポスターの横に並んだ。
「ハイ、チーズ!」
友人がカメラのシャッターを押す。
「上手く撮れた?」
「うん、何か恋する乙女って感じ」
「止めてよ。恥ずかしい……」

私は友人と大好きな推しさんの舞台を観に来たのだ。まぁ、恋してるっていうのも間違いではないのかも。

貴方に会えたあの日はとても幸せだった。
一生忘れられない日。

5/18/2023, 1:51:29 PM

永遠未完の物語。
私の恋は終わったけれど、
この物語は終わらない。
幸せじゃないと終われない。
これじゃ一生、
終わらない。






「恋物語」

5/18/2023, 1:48:28 PM

恋物語


それは、たった一言を伝えるためのお話。
そして、その恋の終わりまで続く物語。
優しくて、甘くて、ときどき苦くて、痛い。
そんな気持ちが詰まったお話。

5/18/2023, 1:47:32 PM

4文字だったり
5文字だったり
9文字だったり

まあ何文字でもいい

筆を握る
液晶をなぞる
声帯を震わせる

「それ」を伝える動作すべてが
僕にはあまりに大きい


「テーマ:恋物語」

5/18/2023, 1:46:54 PM

「恋物語」

あの日から私は恋をした。毎朝訪れる素敵な君に
ささやく言葉とたっぷりの愛情を全身で受け止める
がんばっても、報われない。ならば一番綺麗な私を…
おちる前にどうか私を摘み取って


花言葉(はかない恋)

5/18/2023, 1:43:19 PM

あたしが愛した男は、
昨日あたし以外の女と寝た男だった。
ウケる、もうやだ。


「恋物語」

5/18/2023, 1:43:19 PM

@恋物語


教室の外を眺める君がいる。
僕に気づいて、笑ってくれる君がいる。
クラスリーダーな君がいる。
かっこつけてる君がいる。
可愛い君がいる。
僕は色々な君が好き。
全部の君が好き。
全部が愛おしく見えてドキドキが止まらない。

好きすぎて恋どころじゃない。

5/18/2023, 1:42:19 PM

【恋物語】

現実は物語の様にはうまくいかない。
だからこそ恋物語は人々に人気があるのかもしれない。
運命的な恋とか、禁断の恋とか、
壁ドン、顎クイなどのシチュエーションなど、
現実ではほぼないような物語も多い。
ないからこその憧れもあるのかもしれない。

けれど、事実は小説より奇なりとも言う。
物語に憧れを抱くのも良いけれど、
人生を楽しく生き、自身の物語を紡いで行こう。

5/18/2023, 1:34:23 PM

「たまには恋物語でも読んでみたらどうだ?」

珍しく飲みに誘ってきた兄はそんなふうに話を向けた。
察するに、ミステリなんて殺伐とした本よりも、
純愛ものを読んで刺激を受けろ、と言いたいわけだ。
さらに推せば、お前もそろそろ恋人くらい作れ、と。

「読まないよ。所詮、千円以下の恋愛だろ?」
「本の虫とは思えん発言だなぁ」
「恋愛ものはなかなか感情が入らないんだよね」

自分とは無縁な世界だからだろうか。
純文学の崇高な考え方は読むのに疲れるし、
かといってライトノベルはリアリティがない。

「もっとこう、のめり込める恋愛小説ならなぁ」
「のめり込める?」
「そう。胸を掻きむしられるような物語。燃えるようで、苦しくて、切なくて、恋焦がれるようなさ。なかなか無いんだよね」

兄は息をつき、それ以上は深入りしなかった。


それから数日が経った。
一人暮らしのアパートに一冊の本が届いた。
えんじ色のシックな装丁。タイトルはない。
開いてみると、つらつらと文章が続いていた。

なんとなく読み始めると、次第に目が吸い寄せられていった。恋に悩む男子高校生の純情な恋物語。一輪の花のような女の子に見惚れた所からそれは始まる。心に芽生えた感情に対する戸惑い。それを受け入れる決意。その子の一挙手一投足に心が揺れ、少しでも距離を縮めようとするも、想いはなかなか実を結ばない。会いたいと焦がれる日々。見えない恋敵。一歩踏み出そうにも届かないかもしれない恐怖。ためらい。身悶えする夜。繰り返し夢に見るあの子の姿。ああ、二人だけで話し合えたら。その手を握れたなら。どんなに幸せだろうか。
……

恋焦がれるような青春の日々が幕を閉じた。
俺は顔が火照り、切なく、心焦がれていた。

最後のページに、作者として自分の名前があった。
タイトルは、『日記 』

「…………あう……あっ……うわあああああ!!!」

俺は雄叫びをあげて胸を掻きむしった。

5/18/2023, 1:27:30 PM

−少女と少年−

ある小さな花魁と少し大きな男のコの

恋物語があった。
 
花魁は華やかであり
美でもある
誰にでも惚れさせる

毎夜その顔探すと
見つけたとて
今晩は貴方です
落とされてしまったらおしまい
さあ今宵もどうぞ

ーーーーーーーーーーーーーーーー
少し歩いたところに賑やかな街を見た
とっても人が多くてて
三味線や琴の音色が飛んでいた
突然甘い匂いがした
とっても甘い匂いだ
匂いの方に走った
僕はすごく走った

やっとついた
匂いの場所に
誰だろう
小さい子だな
僕が話しかけたけど
そのこは無言のままだった
そのこは甘いものをくれた 
多分これだ

「甘いなこれ
 あとあんたきれいだな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
琴の音が悪いと叱られた
まただ
また泣いちゃった
逃げちゃったよ
なんて言われるんだろ

私は涙を堪えていたもう溢れそうだが
堪えていた

我慢だ私頑張れ

その時後ろに誰かがいるとわかった
正直終わっちゃったなとも思った
だけどその正体はボロボロの少年だ
とても汚れていたし
髪もボサボサ

声をかけられたけど
何をされるか解んなかったから
私は無言でいた
だけどポッケにしまっていた
とっても甘い飴を
その少年にあげた
ひと粒だけ

きれいだって言われて
少しだけ笑っちゃった

次のお題で繋げれたらやります
では良い夢を

5/18/2023, 1:20:42 PM

[恋物語]

恋の定義は人によってあやふやなものなのだ。例えば、恋愛対象が人間以外でも恋だと言う人もいれば認めない人間もいるだろう。だが当人が恋だと言ってしまえばその想いは『恋』になりえる。恋というものはまるで善悪のように、個人の尺度で簡単に測れてしまう酷く曖昧なものでしかない。

「……だから、貴方の行為も恋だと?」
ああ。私の想いは紛れもなく恋なのだ。こんなにも胸が高鳴り、心が弾み、愛しさが込み上げる。これを恋と言わずして一体何と言えばいいのだろうか。この想いを他に言い表す術があるのならどうか私に教えてはくれまいか。

「……狂気」
狂喜?狂喜か、ああ悪くない。悪くないとも。私はこんなにも喜びに満ち溢れているのだから。気の狂いそうな程に長い時間私はきみたちに会えなかった、その苦しみを耐えた末にようやく見出した喜びだ。素晴らしい名前を付けてくれた、感謝しよう。これは恋で、狂喜で、哀しみで、愛で、救いだ。私からきみたちへ送るこの世で最も尊い愛の形だ。

「……救いですか?」
そうだ、愛であり救いでもある。きみは生まれ落ちた瞬間に幼子が泣くという話を知っているだろうか。原典はシェイクスピアの戯曲リア王の一節が元となっているのだ。『人間は泣きながらこの世に生まれてくる。阿呆ばかりの世に生まれたことを悲しんでな』とね。真理を兼ね備えた美しい言葉だと思わないか?賢いきみなら私の言いたいことは理解しただろう。これは絶望ばかりの世界から救い出す私からの慈悲なのだ。

「では、何故『恋』と呼ぶのですか?」
…………………………。
「『慈悲』や『救い』というのは利他的な感情です。その点『恋』という感情は利己的なものでしょう」
恋という感情が利己的だという認識も個人の認識の一つに過ぎないだろう。私にとって『恋』という感情は『救い出す』きみたちに捧げる『愛』の形なのだよ。

「貴方は先程『胸が高鳴り心が弾み』と言った。今行っている行為に貴方自身の喜びを見出していることを自ら証明したのでは?」
……成る程、成る程そうか。私はいつからか救いではなく利己的な欲望の為にこうしていると、きみはそう言いたいのか。ああ、言われるまで気付かなかったな。確かに私はこの行為自体に己自身の喜びを見出してしまっているようだ。ありがとう。きみとの会話はとても為になったとも。どうかきみに感謝の念を捧げさせてくれ。ああ、きみとの対話の幕が閉じてしまうのが心の底から名残惜しく感じてしまう。私はこんなにもきみとの対話に心弾ませていたのかと愚かにも終幕が近付き気付いてしまうだなんて、きみも愚かだと思うだろう?

「いいえ。愚かだとは思いません」
これがきみたちの定義する『本当の恋』なのだろうかと言ったら笑うかい?

「笑いません、貴方が先程仰ったように恋というのは目に見えない曖昧なものですから」
では、きみを惜しむこの想いを私は『恋』と呼ぼう。愛し子よ、きみに救いの光が降り注がんことを。


貴方がどれほど正当化しようともこの行為は犯罪でしかない。
他者の生を侮辱し否定し踏み躙る行為に他ならない。
この物語の結末に待つのは片や悲劇で片や歪んだ恋物語の一頁に過ぎないのだから、これ以上語ることなどありはしない。
私は審判を待つように目を閉じる。
最後に見たものは殺人犯には到底見えない貴方の美しい微笑みだった。

5/18/2023, 1:20:40 PM

私とあの人は高校生の時に出会いました。
ええ、同級生です。その当時、クラスは違いましたが。
今思い返せば一目惚れだったのかもしれません。あの人をはじめて見かけた時、すごく綺麗な人だと思いました。背筋が伸びていて、耳触りのいい声で。教室移動中に窓から教室内を盗み見る程度しかあの人のことは知りませんでしたが、毎回その姿は強く印象に残っていました。

直接話すきっかけが出来たのは次の学年に上がってからです。運良くクラス替えで同じクラスになれたんですよ。私は舞い上がって、これは運命なんじゃないかとさえ思えてしまいました。それまでと比べたら関係値を築く機会は段違いに多くなりますから。
実際、私はあの人と在学中に間違いなく友人と呼べる、いえ、もう少しだけ上の距離間を得ることが出来たんです。何気ない雑談から真面目な相談、一人では抑えておけない秘密の話。私はそれらを聞く権利を得ました。休日に駅前へ遊びに行ったこともありました。どれも思い出深い青春です。忘れることなんてできるはずもないでしょうね。

ご存知の通り、あの人とは進学先も同じでした。これは偶然ではなく、私があの人と合わせて選んだ結果です。
ええと……はい、その、お付き合いを始めたのもその後ですね。改めて言葉にするとどこか恥ずかしくもありますが……。告白は私からでした。休日、いつも通りに遊びに出かけて、帰り際に好きだと伝えたんです。
いつか言おう、いつか言おうとインターネットで理想的なシチュエーションやら勇気の出し方やらを検索して、それらを事前に計画立てると余計に緊張してしまうと諦めて。結局あの人と過ごして安心し、高揚するときめきを持ったまま自然に、自分の言葉で伝えました。
そうしたらあの人は驚いた顔をして、それから甘酸っぱくはにかんで、自分もだと答えてくれたんですよ。
その時の喜びといえば、言葉では表現しきれないほどでした。だってその後は夢見心地で、どうやって自分の家に帰ったかさえまともに覚えていないんですから。

ええ。これが私の恋物語です。勿論、ほんの一部に過ぎませんが。あの人への思いの丈を全て語るには、あまりに私の持つ言葉が足りないのです。
自分のことながらよくできた、それこそ作り話のような展開だとは思います。それでも、全て私の記憶にある本当のことなんです。恋をすると世界が色づいて見えるというのも、想い人のことを考える度に胸があたたかく、時々ささやかな痛みを持って複雑にやがて幸せを構成していくのも、どれも本当のことでした。
出会ってからずっとあの人のことを見てきましたが、今でもあの人について知らないことはあります。全てを知りたいと思う反面、全てを知ってしまったら何か大事なものが崩れてしまう気がしてならないんです。
恋とは多少夢を見ているくらいがちょうどいいのかもしれません。難しいものですね。


ああ、そういえば。あの人、最近誰かにつけられている気がすると言っていました。怖い人もいるものですね。
え? ええ、大丈夫です。私ができる限りそばに居て、安心させてあげられればと思います。


【恋物語】

5/18/2023, 1:16:15 PM

どこか、夢のような。
意外と、嘘でもなくて。
けれど、そう起きることでもない。

”恋物語”

どんな恋なのかは、おちてみないと解らない。


恋物語

5/18/2023, 1:09:31 PM

恋は、
何回しても可愛い
恋してる人間は
みんな乙女

恋物語
私の幾つ目かのそれは
明日終わる予定

嘘じゃないよ、本気の話
失恋物語も 後で語ろう。

_ ₅₆

5/18/2023, 1:07:24 PM

恋の物語なんて、いつも同じではない。
結ばれるのか離れるのか。その過程、時期もそれぞれ違う。

だからこそ人の物話を聞くのが好きなのだ。
創作でもリアルでも。

まだ自分の物語は少ないけれど、話せる時がいつか…

5/18/2023, 1:06:22 PM

楽しんで読んでいた恋物語の
作られた恋さえ苦しめる
私はそっと本を置く

5/18/2023, 1:05:39 PM

私の恋物語
完成まで序章すら終わってらない
恋はこれからだ

5/18/2023, 1:05:25 PM

お題 恋物語

キャッチーな題名だったから軽い気持ちで見たのに泣かされたのは
『世界一キライなあなたに』だな。

気持ちが昂りすぎて落ち着かなくて、結構な時間しくしくやってた。完全に舐めてた。

ラストシーンの主人公を見えなくなるまで、目が追っちゃうんだよなぁ。ほんとに最後まで。
エンドロールが終わっても
許されるなら、これから先の彼女の人生もずっと見ていたい。見守っていたい。そんな気持ちになる。
そして、気付く。うわぁーーーーってなる。色々と。

って、これは恋じゃないな。愛とか人生の話だった。
恋は、しばらくしていない。




昨日のお題 真夜中


寝てる。ここ何年かは夜遊びもしてないし、次の日が仕事だと思うとね。
次の日休みなら、尚更寝たいしね。
うん、だいたい寝てる。



暑い日が続いた。仕事関係で昨日と今日、会う人会う人だいたい全員に『暑いですねー』って言ってる。
冬はだいたい『寒いですねー』って言うし、
言う事ないと『夏ですねー』って季節言っちゃう。ついこの間までは『春ですね』だった。

この流れは、わたしも言われた相手も
だいたい決まったテンプレがあって、自然に次の言葉が口から出ている。

次から次に入れ替わり立ち替わり人が変わっても、同じ会話ばかり繰り返して、
こういうとき、自分が九官鳥にでもなったように思う。
そして同じ言葉しか出てこないときは、だいたい頭が疲れてる。



ご自愛しましよう。おやすみなさい。

5/18/2023, 1:04:41 PM

あの方とは小学校からずっと一緒の学校に通ってるんです。中学校では生徒会長にまでなって、凄い人なんですよ。そんな顔せずに聞いてください。
私、あの人に小学一年生の頃助けられたんです。とても軽いものだったんですけど、転んで置いていかれそうな私に手を差し伸べて皆の所まで連れてって貰ったんです。優しい人でしょう。私もそう思います。
何度も話しかけようと思っていたんですけど、その時の私は自分に自信がなくて、話しかけても見向きもされないだろうなって諦めてました。だってその時の私はぽっちゃり体型のまん丸顔だったんですもの。
だから私、彼に話しかけるためにいっぱい頑張ったんです。ランニングや筋トレ、食事制限もしました。
アスリートの貴女からしたらとても滑稽に見えるかもしれない運動量ですけど、それでも小さい頃の話ですから続ければ痩せてスラッとした体型を手に入れました。
やっとあの人に話しかけれると感じたのは、小学校四年生の頃でした。でも私たちの学校は7クラスという大きな学校だったので、あの方と同じクラスになることは全くなくて、見かけることもありません。ダイエット中は探そうとしなかったというのもあると思いますが、普通に過ごしていればすれ違うこともないような状況でした。
それでも五年生の時、神様は私の味方をしてくれたんです!あの方と同じクラスになるチャンスをくれました!毎日毎日神に願っていたことが叶って私は大いに喜び、そして話しかけることができるようにと意気込んでいました。…けれど、あの方は1年生の時のようなキラキラと輝く宝石のような瞳ではなく。黒く濁った何も映さない瞳をしていたんです。
とてもショックを受けました。私が恋したあの人はもう居ないんだと、私が努力した今までは全部無駄だったのかもしれないと。悲しくて1週間ほど寝込んでしまうほどでした。
もう新しい恋を見つけよう。そう思って学校に通っていました。でも、あの人の興味関心を持たない瞳が、時折儚げに伏せられ、丸い瞳をふちどる長いまつ毛が、どうしても気になってしまうのです。友達のいないあの人は毎日机に向かって本を読んでいました。
当時はその孤独感がカッコよくて、可哀想で。もうそれでもいいと思ってしまったんです。彼はずっと独りで生きて行く。それを見守るだけでもいい。
私はそう考えました。それがいい。あの方は高貴な方だから。だからあのように独りで寂しく過ごしているのです。私のような下劣な人間はあの方と接触してはいけない。そう思うようになりました。
だってそう思うでしょう?艶のある黒髪に整った顔立ち。大きい瞳と綺麗な鼻筋。まるで神の作り物のようでしょう?
……あぁ。ずっとずっとそう居て欲しかったのに。中学生になってからあの方は変わりました。いえ、最初は小学校の頃と同じような瞳と姿をしていたんです。あの儚げな顔をして窓の外を見つめていたんです。けれど、いつしかその顔に、笑みが浮かび始めました。
生徒会に入った頃でしょうか。何があったのかは分かりませんが、とても楽しそうだったのが印象的でした。あぁそんなのあの方では無い。あの方は笑顔など見せない。冷酷で人に興味など示さなくて何も映さない真っ黒な瞳を持ってて、人を馬鹿にしたように一瞥する。あの方はそういう方なんです。
どうにかしなきゃと考えました。あの方を取り戻さなきゃ。どうにか。
でも…そんなことは杞憂だったようです。中学2年生の最後ら辺、あの方は元の表情、いえ。それ以上に悲痛な顔をするようになりました。そこ頃には生徒会長になっていたので、仕事が忙しいのかもしれないと思いましたが…貴方のその表情を見るに、あの方が悲痛な顔をしていたのは貴方が原因だったんですね。
やっぱり、貴方なんですね。貴方があの人を狂わせたんですね。あの方は中学3年生に上がってから楽しそうに、前よりも笑って話すようになりました。生徒会長だった頃のあの他人行儀の張り付けの微笑みではなく、心から笑っているようなそんな笑顔を。貴方の隣でするようになりました。ああ、嗚呼。気が狂いそうでした!あの方はあんな風に笑う人じゃない!あんな風に笑って話して冗談を言って意地悪げに笑ったりなんてしないんです!あの方は高貴な方だ!人間味のあるような行動はしない!あの方は友達なんて作らない!あの方は、あの方は!私がずっと崇め称える神だったのに!……あの方は変わってしまった。人間になってしまった。馬鹿で哀れで欲深い人間になってしまったのです。なら、今まで唯一の信者の私ができることは。彼を殺すことでした。
あの方の血が私にかかったときの快感と言ったら!初めてあの方に触れた時の喜びといったら!とてつもない幸福感が私を襲いました。あの方はやはり神だったんです!私はあの方を人間から神に戻すために生まれた唯一の存在だったんです!
……でも、それだけじゃ足りない。それだけじゃダメ。あの方を人間に堕落させた貴方も殺さなければいけない。それが私の最後の使命なのです。天から、神から授けられしもの。
貴方ならわかってくださいますよね?


「私の恋物語を聞いてくださいますか?」

何が起こったか全く分からない。
突如プロアスリート選手達のロッカールームに訪れた女は、一番奥に座っていた俺を見て綺麗に笑って見せた。チームメイト達が何故か可愛い、綺麗、美人と騒いでいるが、ここは選手達や関係者しか入れないロッカールーム。なぜこんな所に関係の無い女が入って来れるんだと俺は真っ先に思う。それでも、チームメイト達が聞きたいと言い出すので何も言わずに頷いた。最初は普通の恋する女の子のような雰囲気で語られた物語は、いつしか狂気じみてきて、叫び声のような語り口調になった。そして最後、女は俺に血走った目で静かにわかってくれると言ってから、鞄からキラリと輝く何かを取り出す。気づいていた。それが包丁だと。鋭い俺を殺す凶器だと。けれども、俺の脳は全く別のことを考えていた。

コイツは俺の友人を殺した張本人だということ。

数年前通り魔殺人事件が起きて、その犯人は実行日に雨が降っていたこともあり何の証拠も掴めずしばらくして未解決として警察は諦めた。けれど、俺はずっと探していた。ずっとずっとずっと何年も何年も何年も何年も。
周りの奴らの一人が女に向かって突進するのが目に入る。包丁が女の手から離れ、誰かが警察に報告しようと携帯を取り出した。
自然と、足が前に出る。一歩一歩踏みしめるように3人係で取り押さえられている女の元へ歩き出す。周りの止める声が聞こえてくるが、冷静だけど混乱している頭は機能しない。何も返事を出来ぬまま、女の顔の前に佇んだ。睨みつけるように見上げてくる女に、あぁ。コイツは何も知らないんだな。と理解する。アイツがどんな気持ちで生きていたのかも、俺とどんな話をしていたのかも。どんなに意地悪い性格なのかも。何も知らないんだな。
どうしてあいつは殺されなければいけなかったんだろう。どうしてこんなクズ女に。どうして、なんで。数々の疑問が頭を埋め尽くす中、俺は床に膝をつきゆっくりとした動作で女の隣に落ちている包丁の柄を握った。何も理解出来ぬまま。周りの状況を処理しない脳は、ただ一つ。
包丁を女に振り下ろせと全身に命令した。

【恋物語】

5/18/2023, 12:55:32 PM

『恋物語』



今日もあの子の近くをわざと通る。
そして、わざとらしく話しかけてみる。

「ねぇ、次さ、移動教室だって…!」

「あ、あぁ。ぼーっとしてた。ありがと。」

「うん!」

…やっぱり一緒になんか行けないよな〜。
そもそも他にライバルもたくさんいるだろうし。私なんか、やっぱり、だめなんだ。

そう思いながら、1人で教室を出た。


その時、誰かからか肩をトントンとされた。

振り返ると、さっき声をかけた…


「あのさ、あのー、友達、先行っちゃたから………」
「一緒に行こ?」


私は、驚いたような、嬉しいような。よく分からない顔で







「うん!」

そう答えた。

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