ただの空

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―恋物語―

貴方に会える日、朝からワクワクしていた。
髪を結い、青いワンピースを着て、忘れ物が無いか何度も確認した。
貴方に会えるのが嬉しくてバスの中では、ふわふわした気持ちだった。

待ち合わせの駅に着くと見知った顔にホッとした。
二人で新幹線に乗り、たわいもない話で盛り上がった。
「その服似合ってるね」って言われたのが照れくさかったのを覚えている。

そして、目的の場所に到着。
「あそこで写真撮ろう……横に立って」と言われ、私は貴方が写るポスターの横に並んだ。
「ハイ、チーズ!」
友人がカメラのシャッターを押す。
「上手く撮れた?」
「うん、何か恋する乙女って感じ」
「止めてよ。恥ずかしい……」

私は友人と大好きな推しさんの舞台を観に来たのだ。まぁ、恋してるっていうのも間違いではないのかも。

貴方に会えたあの日はとても幸せだった。
一生忘れられない日。

5/18/2023, 1:51:39 PM