『忘れたくても忘れられない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【忘れたくても忘れられない】
小学校の先生に怒られてしまったこと。
友達に嘘をついてしまったこと。
人違いで知らない人に話しかけてしまったこと。
何気ない一言で誤解させてしまったこと。
間違えて先輩を呼び捨てにしてしまったこと。
大事な手紙を捨ててしまったこと。
勘違いで大きな失敗をしてしまったこと。
大切な人を泣かせてしまったこと。
忘れちゃいけないことを、忘れてしまったこと。
人の心。どうしても生きてる限りは僕の中で息している。人は成長するにつれて苦悩や葛藤にまみれ、選択肢を一度誤っただけでその名に大きな傷がつく。難しい生き物だ。
やっぱり、忘れたくても忘れられない。人として生き人としてしぬ。結局はその繰り返しのはずなのに。少しの幸福を感じる度、寿命が伸びる気がして、ああまだ生きられるなと安心してしまう。
<忘れたくても忘れられない>2023/10.17
No.21
-忘れたくても忘れられない-
『ただいま』
静まり返った部屋に1人電気をつけるのは何回目だろうか。
今までは彼のために早く仕事を片付けて、彼の待つ家に急いで帰ることが当たり前になっていたが
ある日家に帰ると、電気のつけっぱなしの部屋に畳み掛けの私の服が置いてあり彼が元の世界に帰ったことを物語っていた。
おかえりなさいって言いたいから、帰ってきたらちゃんとただいまって言って欲しいっす!
なんて言われていつの間にか習慣づいてしまった言葉に嫌気がさす。
言ったって、彼はもうおかえりなさいって言ってくれないのに。
ねえ、アモン。最初に私の家に来た時は君の個性かと思って少し警戒していたけど、君も同じくらい警戒していて、お互いなんだか面白い空気になってしまったよね。
君のお陰で私の部屋は綺麗になったし、家に帰るのが嬉しくなったし、仕事ばかりの生活から自分の時間を作れるようになって、心も少し余裕が出てきたんだよ。
君の背中の傷を治した時、君のことをこれからも守っていきたいと思ったんだよ。
ヒーローとしての自覚、っていうのもようやく目覚めたんだ。
なのに、なのに
なんで
『居なくなっちゃうの、アモン…会いたいよ』
長い時間が掛かるかもしれない。
少しずつだけど、悲しい気持ちから前向きな気持ちに変わっていけばいい。
彼はきっと元の世界に帰りたかった。帰ってよかった。
元の世界ではどうか、幸せに生きていて欲しい。
個性が蔓延るこの世界で、危険な目にあうこともなく、穏やかで幸せな日々を送れていることを信じて。
子供が傷つかない、幸せな世界になるように私もこの世界の子供たちを救えるように頑張るから。
君が憧れてくれたヒーローになり続けるから。だから
『いつか、また、会える日まで』
--------…
MHA世界軸×aknk
忘れたくても忘れられないと思っていることを
忘れてしまうかもしれないという事実と不安
ああ
すべてが
なかったことになってしまえばいいのに
このまますうっと
消えてしまえばいいのに
少しの湿度と
少しの軽やかさと
こことは違うどこか遠くのどこかで
漂うように
踊るように
しっかりとしっとりと
ただ生きてみたいだけなのに
「忘れたくても忘れられない」
人に苦しかった過去を話したら
「君は過去に囚われすぎだ。
もう少し外に目を向けたほうがいい。」
と言われました。
思いやりから
言ってくれていることは
わかっています。
だけど過去を話さないと
苦しくて
毒が体中を
蝕むんです
僕だって
むやみに話したくはないです
迷惑かけてすみません
僕よりずっと辛い思いをした人が
たくさんいるのはわかっています
だけど
話さないと
苦しくて死にそうなんです
囚われたくて
囚われてるのでは
ありません
吹っ切ろうと思っても
何かにつけて
フラッシュバックして
過去に
あの日あの時あの場所に
あっという間に
ひきづり戻されるんです
誰かに話そうとするたび
嫌われてしまうんじゃないか?
とか
怖くて心臓が痛いです
話すにもすごく勇気がいるんです
愚痴や不満を言いたいのではなく
僕はただ
こんな過去を背負った自分でも
あなたが受け入れてくれるのか
知りたいのです
これは甘えでしょうか?
忘れたくても忘れられない
苦しみを幾つも抱えた僕でも
あなたは
見捨てないでいてくれますか?
別にいいんですよ
見捨ててくれても
見捨てられたり
無視されるのは
慣れてますから
だけど
もし
あなたが受け入れてくれるなら
私はあなたを信じて
頑張って
もう少し生きてみようと思います
忘れたくても忘れられなくて
私の頭に刻み込まえた記憶は
幸せな思い出でもなくお母さんが私に向ける鋭く冷たい目だった
きっと私のことを娘だとも、人間だとも
思ってもいないような視線が私の心に傷を付けに
忘れられずよみがえってくる
『罪の味』
洋食屋のデミグラスソースと添い寝する 濃厚という言葉を体現して飛び込むプール 5mいや10m 泡になれば後ろめたさも無いのだよ 濡れたブルーベリー蜂蜜添えて 忘れるに忘れられない罪の味
忘れたくても忘れられない
物忘れを防ぐようなアルツハイマー向けの薬があるなら
それを飲めば全て忘れることができる薬がほしい
きれいさっぱり忘れて
もう二度と思い出すことのないように
「人間は忘れる生き物」とは言われるけど
それは全くの間違いだ
「人間は忘れられない生き物」
だから何度も過ちを繰り返す
だから何度もあの人を思い出す
それが辛いと分かっているのに
忘れたくても忘れられない
忘れたくても忘れられない
忘れられなくても遠ざける
思い出すことが捌け口になってる
ダブルバインド
忘れようとしてると忘れれない
思い出しているってことだから
忘れたいってことは忘れてないわけです
忘れたいんだったら
他のことをやるしかない
それに解釈違いもあるから
一旦は距離を取るしかないかと
乗り越えられたらなんてことないよ
自分や周りに支配されてない
自分だったものとして見てみる
現在の自分とはあまり関係ないもの
現在を知ることは
それはもう過去だってこと
一緒にしちゃってるんじゃないかな
現在と過去や未来を
何も決まってはいない
それを決めてるのは現在に過ぎない
個人的に忘れたいことはない
必要なければ忘れてしまうんだから
「今日まで貴様の事を、忘れた事はなかったぞ!!」
そう言って女は双剣を構え、射殺すような目で俺を捉えている。
そりゃぁそうだ、彼女にとって俺は両親の仇だからだ。
7年前に目の前で殺されたんだ、忘れたくても忘れられなかっただろう。
あれから復讐する為に随分と鍛錬したのか、顔や身体は傷だらけだ。勿体ねぇ、美人なのに。いやそんな人生にしたのは俺か。
「熱烈なアピールありがとよ、お嬢さん。一応言っとくが、俺けっこう強いぜ?」
少しだけ挑発すると、猫が獲物に飛び付くように攻撃を仕掛けてきた。おぉ怖え、一瞬ビビった。俺の愛刀が折れるかと思った。
「貴様を殺す為だけに、この7年間生きてきた!今こそ父さんと母さんの無念を晴らす!!」
烈火の如く怒る女は、手を休めることなく連撃を続ける。大層な娘だな、それだけ両親を尊敬してたんだろうな。
『--ありがとうございます…娘を襲う前に…止めてくれて…』
『あぁ……すまない…こんな事しかできねぇ俺を…恨んでくれ』
ご両親よ、安心しろ。娘は立派に育って、俺を恨みながらも今生きている。随分と逞しいぜ、女らしい楽しみを奪っちまった責任はちゃんとするさ。
「そう簡単に殺されてたまっかよ」
お題「忘れたくても忘れられない」
叔父が死んだ。自分をとても可愛がってくれた叔父。死とかまだ小さくて理解してない歳。現実味がなくて死んだって聞いてもへーくらいにしか感じなかった。冷たくなった叔父に触った瞬間一気に現実が押し寄せてきて、涙が止まらなくなった。忘れたくても忘れられないこと。忘れてはいけないこと。
忘れたくても忘れられない
良い記憶も悪い記憶も、
だいたい一緒になって保存されてる気がする。
だから苦しいのかな。
喧嘩してたくさん傷つけられて
たくさん泣かされて別れて
それでもふとした瞬間にあなたの匂いを思い出す
あなたの口癖を思い出す
あなたの歩き方を話し方を横顔を思い出す
もう好きじゃないはずなのに
嫌いになったはずなのに
忘れたくても忘れられない
僕というこの人格を形成するまでに、数え切れないほどの失敗があった。
それらがずっと耳に貼り付いて、僕に囁く。
ああしておけばよかった、こうしなかったから駄目だった、
何度言ったって成長しないお前は馬鹿だ、と。
僕は今を生きていない。過去を生きている。
より良い過去であったらば、どれほど良い人生だったろうかと夢想しながら、響く木霊の言うことに怯えて。
お題「忘れたくても忘れられない」
「早く忘れなよ」なんて、簡単に言ってくれる。
励ましの言葉だと理解している。
けれど、そろそろ鬱陶しくなってきた。
なんとか元気付けようと、何とか捻り出された言葉にすら、苛立つ自分。
そんな自分にも腹が立つという負のループにハマっている。
忘れたくても、忘れられない。
この言葉に尽きるのだ、とりあえず。
まぁ、そもそも「忘れたい」と思ってんのかって話なんだけどさ。
「忘れたくても、忘れられない」なんて、忘れたくなった“としても”難しい、という仮定の話であって。
わたしは、本当に、忘れたいと思っているのだろうか。
まずはそこから、考えねばなるまい。
画面の向こうで、そいつは笑っていた。
嬉しさを楽しさを全面に出して、顔を綻ばせていた。
「別れて、良かった。」
画面だけが浮かぶ部屋でポツリと呟いた言葉は案外響いて、自分で言っておきながら誰かに肯定されたようで苦しかった。
少し前まで隣で輝いていたあいつは、別の人の隣で笑顔を咲かせている。
ニコイチだの運命だのファンからさんざん言われていたのに、離れる時はあっさりだった。
プライベートでの関係だって周りの誰にも言っていなかったけれど、順調だったはずなのに。
結局好きなのは自分だけだった。
“ごめん、別れよう。”と飯の誘いを断るくらいのトーンで放たれた言葉に、頷くしかなかった。“何で”も“離れないで”も全部飲み込むしかなかった。
一度決めたら絶対曲げない人だとよく分かっていたから。
それなのに、家中あいつのものだらけだ。
歯ブラシも食器もタオルも枕も全部2つずつ。
伏せてある写真立てはいくつあるだろう。
今つけてるネックレスだって、誕生日に貰ったものだ。
全部、付き合っていた頃のまま。
確かに存在した温もりを思い出さないように、俺はソファーで目を瞑った。
(6 忘れたくても忘れられない)
「ねえ、有彩、いつになったら帰ってきてくれるの……?僕、ずっと待ってるんだよ。そろそろ有彩の顔が見たいなあ……怒ってる?もしそうなら、たくさん謝るから。サボりがちだった家事も頑張るから。だから、帰っておいでよ、有彩……」
男はぎこちない笑みを浮かべながら線香をあげる。
男の目の前には黒い仏壇と、それに不釣り合いなほど満面の笑みを浮かべている有彩と呼ばれた少女の写真があった──。
五年前のこと忘れたいのに
夜になると鮮明に思い出す。
あなたを失くしてわたしは生きる気力が
無くなった。
でも頑張って生きるの。
貴方のために
忘れたくても忘れられない
あの日から、ぴぃとは話をしていない。
話かけない…というより、彼女が私を避けているような気がする。
避けられるたびに後悔と罪悪感で押しつぶされそうになる。
でも、なにより一番頭に残り続けている後悔と罪悪感は、まちがいなくあの時の行動だろう。
どうして引き止められた時手を振り払わなかったのだろう、引き寄せて翼で抱きしめたのだろう。
あの時、素直に彼女を抱きしめたいなんて思っただろうか。いや、そんな事思わなかった。それならなんで……
…きっと、
あの時言われたあの言葉を思い出したからだろう。
「なぁあんたさ、女の子を翼で抱きしめたら可愛いと思わへん?」
なんて聞かれて正常に答えられる人間の方が少ない。
それを忘れる人間も少ないはず。
それなのに私はあの日までずっと忘れていた。
……いや、友人で居る事に、目の前の出来事に必死になりすぎていて過去すら思い出そうとしなかったのだろう。
とっさの行動で、私は言い合いの末、白い羽毛の多い翼で彼女を抱きしめた。
困惑の表情を浮かべながらも彼女は包みこまれながらそっと私の翼を撫でていた。
なにはともあれ、後悔と罪悪感と嫌悪、様々な負の感情が募ったって避けられている事に変わりはない。
それでも何かが変わるというわけではなかった。
元々私の行く先行く先にぴぃが着いてきていただけで、行動する時に二人だったのが一人になっただけ。
変わらないけれど何処か嫌悪が邪魔をする。授業中だったとしても、私の目線は彼女を探し求めていた。
彼女を見つける。じっと見つめていると彼女と目があった。
私があっけにとられているうちに彼女はそっぽを向く。
そのたびに私はあのときの罵詈雑言を思い出して自分に嫌気がさす。
昼食ももちろん一人。屋上に行って黙々とコンビニ弁当を食べる。家族が作ってくれないわけではない。コンビニ弁当が好きだから好んで食べているだけだ。
コンビニ弁当が良いと相談された母は少し悲しそうな顔をしながらも「わかった」とだけ言ってくれた。
その表情が不思議とぴぃに似ている。
でも根本的に変わっている所は、劣情を持つか持たないかだけだ。
私は、彼女の悲しそうな顔を見て、心の奥底で劣情を抱いた。
私は忘れるように、梅干しとゴマが乗った白米にがっつき、おかずを口に放り込む。
昔の大失態も罵詈雑言も劣情も食事と一緒に全て消えてなくなってくれたらいいのにと願うように、私は弁当の中身を口に入れては飲み込んだ。
こんな感情、消えて欲しい。無くなれ。
葛藤している中で劣情を感じる私も嫌だし、寂しそうに笑って無理に誤魔化そうとしている彼女がこびりついて離れない。
いつもはしょっぱくてとても濃く感じるコンビニ弁当が、今日は不思議と味がしなかった。
昔からいつもそうだった。
人に流されて、嫌なことから逃げ続ける。そのわりに嫌になったらがっついて色々まくしたてる。
これじゃあ弁当の食べ方と同じだ。
昔、今みたいな食べ方をしていたら犬みたいと笑われた。
それを言うならお前だって鳥頭じゃねぇか。
…なんて小学生では言えなかった。
いくら忘れたい過去があったとしても、嫌でも脳は覚えていてたまーに頭の収納箱から取り出してくる。
結局、今日も彼女と話すことはなかった。
部活もないし、私は急いで家に帰る予定だ。私はそそくさと学校を出ていく。
走ろうと思っていたのに、外は大雨が降っていた。
天気予報では曇りのち晴れと言ってたのに、私のテレビは嘘つきだ。
このまま待つのも良いけど、ぴぃと話すのは何故か少し嫌だった。
私はびしょ濡れ覚悟で外へと出た。
大雨に当たってメガネがよく見えなくなる。翼もたくさんの羽毛が水を吸い取ってかなり重くなる。
とうとうマスクもびしょびしょに濡れてしまい、仕方なくマスクを取った。
見えづらいし、少しだけメガネも拭いておこうかな…
なんて考えていたら、懐かしいような、それでも何処かで何回も聞いたような声が耳に入ってくる。
「けー、こ……!…ケーコ!!」
私は思わず振り返った。振り返るとそこには、今まで話さなかった、話してくれなかった奴だった。
ぴぃは右手に見たこともないくらい大きな黒い傘をさしていたのにも関わらず、走ったのかローファーと靴下、肩までもびしょびしょに濡れていた。
「あー、っと……おは、ようさん。ケーコ。」
なにか言い訳を言われるのかと受け身を取っていたのに、言われた言葉は何故か挨拶だった。しかも朝の。
「…こんにちはでしょ、普通。」
と、こちらも口が動いていた。先程まで普通な雰囲気どころか険悪という話ではないような重苦しい雰囲気だったのに、会話はそれを感じさせることのない程普通で、私は若干拍子抜けした。
しばらく何も言えずにお互い見つめ合っている、と言うよりその場で固まっていると、雨がやみ、日の光が雲の隙間から差し込んできて私を照らした。
日の光は眩しい分、冷えた体を温めてくれた。
「傘忘れたん?」
ぴぃがそう聞いてくる。
「まぁね。」
私はたった一言そう返した。自慢気に言うつもりもない。でも、他の返し方なんて私は分からなかった。
私は彼女に手を伸ばして一緒に帰るように促す。
手を払いのけられるのが怖かったが、彼女はそっと手を握ってくれた。
私の手が雨で濡れて冷えているのか、彼女の手はとても暖かかった。
冷たさにぴぃは驚いていた。というか、若干引いていた。
そう文句を言ってても、私の手を離さなかった。
私はそっと翼を彼女に寄せるが、雨で濡れてとても重く、このままひっつけば彼女まで濡れてしまう。
私はそっと翼を数センチ離してぴぃを濡れない程度に包み込むような体制にした。
彼女はいつものように他愛もないつまらない話を私に話してくれていた。
この感情は、きっと彼女のどうでもいい話よりもくだらないだろう。
私は名前を呼ぶとそっと顔を近づけた。
ベタなドラマの展開のように彼女は持っていた黒い傘を落とす。
内気なくせに衝動ですぐ勝手に動く。
そのせいで私は後悔と罪悪感、嫌悪感までも抱え込む羽目になる。
きっとこの行動だってその一つだ。
いつだって私は忘れたくても忘れられない嫌悪につきまとわれるのだろう。
忘れたくても忘れられない…
あなたにはそんな思い出はありますか?
さぁ、私に教えて。
なんて不意に言ってみたら
「あなたとの甘い甘いキス…かな」
って言うもんやから
…♡///
思わず照れてしまった。
「またキス…したいな…♡///」
あっ…
するとあなたは優しくキスをしてくれた。
時間が止まった気がした。