忘れたくても忘れられない』の作文集

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忘れたくても忘れられない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/18/2023, 10:07:26 PM

君を忘れたくて忙しくした、友達と笑いあった、けど全部心の底から笑えていなかった、取っても取れない君との記憶が僕の頭にはしつこく残っていた。

10/18/2023, 12:54:44 PM

愛というのはもっと、尊くて、清らかで、美しいものではなかったのか。こんな自ら望んで身を切るような無味の苦しみを、取り憑かれたように追い求めるものだったか。陽炎の揺らるような暮れの中、蔵の中はひたりと冷えるような感覚があった。こころのそういう部分に踏み込んだような感触が。
 理性を縛る理性があるのだ、と、ここにきてはじめて気が付いた。手探りで真暗な闇をいくときの、夏のい草の香りが生易しく。苦しみ続けることに美徳を見出してしまう愚かさを、こんなものを、愛と呼びたくなどはなかった。
 それは精神的潔癖だろうか。モラルも一種人間的本能であるらしい。欠けてなどいない。いないといったら、いないのだ。こんな真夏の外れの場所は、たしかに此処から帰れるだろう。それでも、忘れたくても忘れられない。忘れたいとも思えない。

10/18/2023, 12:13:43 PM

僕は日記をつけていた。
高校に入った頃から10年間、毎日欠かさず書いていた。
どんなに忙しくても、その日の出来事や思ったことを書き綴っていた。

最愛の彼女が、病気になるまでは。

難病にかかってしまった彼女は、治療方法が見つからず、薬で症状を押えながら延命措置を施すしかなかった。

余命を宣告されても、徐々に体が思うように動かなくなっていても、彼女は笑顔だった。

そんな彼女を見ていたからか、僕は彼女を支えられるよう努力した。お見舞いもできるだけ行って、色々な事を彼女に話す。仕事の話、同僚の話、家族の話。楽しかったことを彼女に伝えていた。
他愛もない話を、ニコニコと聞いてくれた彼女が大好きだった。

仕事に行って、休日はお見舞いに行ってと目まぐるしい日々を過ごすこと一、二年。


彼女が天国へ旅立っていった。


その日も体調は安定していたが、いきなり様態が急変して、そのまま帰らぬ人になってしまったらしい。


僕は仕事中だったので、夜に彼女の母からの電話で知らされた。

前日も、彼女と話して笑いあっていたのに。
また旅行に出かけたいね、と未来の予定も立てていたのに。
来週本を貸すからねって約束したのに。

あっけなく病魔が彼女の命を奪っていった。

涙は不思議と出なかった。
むしろようやく苦しい闘病生活から開放されたのだ、どうかあっちの世界では安らかに楽しく過ごして欲しい、と安心の気持ちがあった。

でも、もちろん今までいた存在がいなくなるのは大きく、心にぽっかり穴が空いたようだった。


そこからはほとんど記憶が無い。
気づけば彼女の葬儀も一通り終わっていて、時間が過ぎていった。



そして先程、彼女の三回忌が終わった。
電車に揺られ、一人暮らししている家へ帰る。

ゆっくりネクタイを外し、椅子に座る。

部屋を見渡すと、少し物がごちゃごちゃとしていた。
彼女が亡くなってからの三年は自分の事にはもちろん気を遣えていないため、家事もしっかりやれていない。

そろそろ片付けるかと、のそのそと床に散乱している本やカバンを取ろうとしたその時。


バサッ


一冊の本が棚から落ちた。
なぜ今?と思い、拾いに行く。

落ちたのは自分がかつてつけていた日記。
もう何年も開いていないから、埃をかぶっていた。

『こんなところにあったのか。』

埃を手で軽くはらい、日記を開く。

そこには、彼女がまだ元気だった頃の日々が綴られていた。
映画に行った、彼女が家に来た、色々書いてある。

『ふっ、色んなところ行ったよな。』

懐かしいなとペラペラめくり、手が止まる。

あるページから字が違う。
日もだいぶ空いてから書いてあるが、その日付の頃は彼女はもう闘病中だったので、書いてる暇は無い。

これは紛れもなく、彼女の字だった。

彼女は短期間退院する事があった。
その際、よく僕の家に来ていたから、僕の目を盗んで書いたのかもしれない。

彼女の日記はとても短かくて、数ページだけ続いていた。


【 7/22
日記書いてないんだね。代わりに私が続き書いとく。
今日は仮退院日。体調も良いから気分もいいよ。】

『君らしいなぁ。久しぶりに会えてはしゃいでたよね。』


【 12/18
薬で体しんどいけど、君の家来れてよかった。
どうしても会いたかったの。
浮気してないかな。】

『するわけないだろ。僕には君しかいなかったんだから。』


【 3/3
ひな祭り!!ちらし寿司美味しかった〜君の料理好きだな。】

『病人なのに、沢山食べてたね。ちょっと心配だったけど嬉しかったよ。』


【 10/5
体調安定しなくてなかなか来れなかった。今日も朝はしんどかったんだ。私このまま死んじゃうのかな。】

『不安だったよね……言ってくれれば、良かったのに。』


視界が歪む。
ホロホロと涙が頬を伝った。
久しぶりの彼女の言葉たちに、嬉しさと寂しさを感じたのだ。

そして彼女が遺した日記の最後のページを開く。


【君へ。

きっともう私は長くない。
急に苦しくなるし、もしかしたら前触れもなく君の前から消えちゃうかもしれないけど、それでも許してね。
戦ったけど、もう負けそうなんだ。
もしかしたらこれを読む頃には、私はもう死んじゃっているかもしれないね。
私が居なくても、ご飯食べて、寝て、幸せになるんだよ?
私以外の人と付き合うな!なんて言わないから笑 】


彼女らしい文章に、ふっと笑ってしまう。
そういえば、こういう子だったなと。


【 あ、でも一つだけ。】


【誰かを愛していても、私の事はたまにでもいいから思い出してね。】


【2/15 あなた幸せを願う者より。】


彼女が最後に残した願い。

きっとどんなにたくましい彼女でも、誰かの中に残っていたいと。僕の中で生きていたいと。忘れられたくないと願いたかったのではないか。

その憶測は、一度止まりかけた涙をまた流すには十分だった。


『……っ、忘れるかよ……忘れたくても!!忘れるわけないだろ!!』


日記を抱きしめて、うずくまる。
ただ静かに声を殺して泣いた。

その日初めて、僕は彼女の死に向き合う事ができた気がした。

#忘れたくても忘れられない

10/18/2023, 11:06:25 AM

初恋。
「好きです。付き合ってください」
君は、あの日金木犀の木の横で私に言った。
夢かと思うほど幸せで、私は震えた声で
「私なんかで良ければ。」と返事をした。
そこからは映画を見にいったり、動物園に行ったり、遊園地に行ったり、とにかく楽しい時を一緒に過ごした。
毎日一緒に登下校もした。
その楽しい日々が続くと思っていた。
「ごめんね。別れよう」
君は、あの日金木犀の木の横で私に言った。
夢かと思うほど悲しくて、私は震えた声で
「私なんかでごめんね。」と返事をした。

その日から私は金木犀のいい匂いのせいでいつまでも君のことが忘れられない。

#忘れたくても忘れられない

10/18/2023, 10:58:51 AM

忘れたくても忘れられない


(お題更新のため本稿を下書きとして保管)


2023.10.18 藍

10/18/2023, 10:03:50 AM

何時かは‥‥
ありがとうとさようならはセットみたいですね。
私は、何故君のことが好きなんだろう。
理解らない。
私は、何故君に拘るのかな〜。
いい加減に、そろそろ手のひらを開けばきっと私も楽になるのに‥‥。
君は、私のことが負担なんだよね。
私は、知っています。
君が、私の支援の時に、呟く一人言は‥‥。私は、どうしたら良いのかな??
短く『えっ』と、だけ私は、君の方を見て想うの。
私は、君といて超、楽しくて時間なんか忘れているの。
バカだよネ(;_;)
まるで、松田聖子ちゃんの『赤いスイートピー』みたいだよ。
、『彼女と遊園地に行くんだヨ〜^_^♫』と、君から聞いた。
私は、気持ちは穏やかではいられなかったんだ。ごめんなさい。🙏
『6月は、梅雨だからね〜。夏になってからの方ががいいんではないのな??』と、私は、当たりまえの応えしか言えなかった。
モヤモヤしているし、ちゃんと彼女さんの存在を認めて上げなくてはと、認識しています。
おめでとうございます。と、言わなきゃ、私は、惨めだよね‥‥。
 アニメ!のfree!竜ケ崎怜ちゃんをみたら、何時も私もあんな風に君の事より、大切な仲間の為に譲れる大人になりたいと想うの。
怜ちゃんは自分のことより、大切な仲間の事を選んだんだ。
私もきっと、そうするべきだろう、それが、正しいのだから。
私は、間違えていていますよネ。(´;ω;`)
『いってらっしゃい。晴れたら、いいですよネ〜(*^^*)♫』と、言えたら君にも、私は、素敵に映るのかな〜??
 でも、君と逢えるのは何時も雨なんだ。だから、私は、雨が好きです‥‥。いっぱいいっぱい可笑しいし、矛盾した答えだって理解っています。
めいちゃんなら、『君って、ダサいな〜。』と、あきれると想うな。
私は、自分でも、こんなんだし嫌いです。
君に、はじめて出逢った時のようには、ずっと優しいまんまの君でいて下さい。
君は、多分、出世して偉くなったんだよね(*^^*)
ーーだから、逢えないことが多いだね。ちゃんと自負しています。
私も、今は大好きな短詩文芸や、創作活動を頑張っています。読書は、あんまり出来てないけれど、頑張ります(#^.^#)V
こないだは、ちょっと友達と、遠出をしてコスプレのハローウィン🎃に行ったんだヨ〜^_^V
その時の路上ライブのお兄さんが、キンキキッズの『愛のかたまり』を歌われて『もっとステキになってね〜。』♫と、歌われて私は、ハッと、したの。
やっぱり、私は、間違えているんだよネ‥‥(´;ω;`)私も、早く、そんな風に想える日が来ますように⭐✨
ーー今は、もう少しだけ、好きでいたいです。ごめんなさい。ありがとうとさようならがセットみたいに、バイバイって手を振ることが出來ない私です。終わり

10/18/2023, 10:02:00 AM

私の忘れたくても忘れれないこと。

小学生のとき、私に片思いをしていた親友がいました。
その子とは仲が良く、3人グループを作って良く遊んでいました。
仲良く遊んで2年ぐらい経ち、親の転勤が決まりました。
小学5年生のときでした。
これは2回目の転勤でした、一回目の時は然程悲しまなかった。
私もその親友が好きだった。その気持ちを伝えたかった。
せめて小学校を卒業するまでは、そこに居たかった。
何十年経っても後悔しています。

10/18/2023, 9:59:11 AM

忘れたくても忘れられない (10.17)


「もー!いい加減変えてよそれ」
ミソッソソ〜ファラッララ〜♪と愉快な音で鳴るスマホを取って、青年はケラケラと笑う。
「いいじゃん『茶色の小瓶』。俺らの馴れ初めだもんな?」
「だから絶対それ嘘じゃん!」
ムッとして返しながらも口元が緩んでしまうのが止められない。

 あれは小学生の時。なぜか突然しりとりをやろう、と誘われた私は彼と話せるのがとっても嬉しくて。ずっと喋っていたいと3日間もしりとりを続けたのだ。“ルリビタキ”とか、意味も知らない言葉を調べる、なんてズルもしたけど。
その3日目、直前に音楽の授業であの曲をリコーダーで吹いた私は、「りゃくちゃ」と返した彼の言葉に意気揚々と「ちゃいろのこびん」と叫んで負けたのである。

「嘘じゃねぇよ。あん時のおまえのドヤ顔、マジで可愛かったって」
「またからかう!」
そう彼をつつくとまた着メロが鳴る。思わず吹き出していっぱいに満ち足りた顔で笑った。

10/18/2023, 9:59:03 AM

『忘れたくても忘れられない』

花が咲いたような君の笑顔が、未だに僕のまぶたの奥で鮮やかに残っている。
何度忘れようと酒を煽ってみたけど、寝付きが悪くなっただけだ。
手を伸ばして触れたくても、もう届かない。もどかしくて空中に手を伸ばしても、掴むのは細かな埃だけだ。
忘れたいのに忘れられなくて……忘れたくないのに、忘れてしまうのを畏れている。
あの時「愛してる」と言って君の手を取っていれば、何かが変わっただろうか。
最後に届いたメールを何度も読み返して、何度もまぶたの奥の残像に想いを馳せる。花が咲いたような君の笑顔が未だに鮮やかに忘れさせてくれないから。

10/18/2023, 9:57:59 AM

𖤣𖥧𖥣。忘れたくても忘れられない𖤣𖥧𖥣。

先輩、今日も私はあなたの姿を学校で探しました。

あのたった一日の夏の思い出。遊びに誘ってくれて、お祭り一緒に行って。私にとって憧れで、ずっと遠くから眺めていた先輩からのお誘いは夢のようで…。
優しくゆったりとした声。大きくて骨ばった手。優しく微笑む顔。モテ男のような甘い香水ではなく清潔感のある洗剤の香り。車を運転する姿。

私は忘れたくてもふとした瞬間に思い出してしまうのです。先輩とは連絡が取れなくなっても。

何度も決心したのに。忘れよう、忘れよう。
でもやっぱり先輩の姿を見つけると耳に残っている声が、肩が近くにあった体温が、洗剤の香りが思い出され、身体を駆け巡り熱くなるのです。心は氷のようにひんやりと冷たいのに。

こっちの気も知らないで廊下を楽しそうに友達と歩く姿。私は何も気にしてないフリをしてすれ違い、必ず振り返るのです。少しの期待を胸に。

私はあしたも探してしまうでしょう。たった一日の思い出の中にいる大好きな先輩を。

10/18/2023, 9:55:52 AM

⇢忘れたくても忘れられない⇠

私が好きだったあの人

大好きだった
でも理由は無い
一目惚れでした
うるさくてほんとにやっかいな人でも
話しかけられると胸が高鳴るの

忘れたい
でも忘れられない
あーあ忘れてみたい過去のことなんて

10/18/2023, 9:54:05 AM

私は自分の首に刃を入れる。痛い。赤い液体が服に染みていく。生理的な涙が出る。これくらいじゃ、だめだ。
『やめろー‼︎』
私はもう一度自分の首に刃を入れようとした。誰だか知らないが、止めないでほしい。私は死んで当然のことをした。村のみんなが私を嫌っている。

 血飛沫があがる。

『うっ。』
誰?
 その瞬間、私は抱きしめられていた。その衝撃に私の手から刃物は離れる。
『大丈夫…。死ぬべき人なんて、いない。』
『でも、私は…。』
『おれは君に死んでほしくない。』
その人は私を離して、目と目を合わせる。
『大丈夫だから…。』
彼は私の頭をなでる。
 彼を正面にして、ふと気づく。彼の右腕からドクドクと鮮血がこぼれている。
『!それ…。』
私が、やった…?
 気づいた瞬間、私は震えが止まらなくなった。また私は誰かを傷つけた。誰かを傷つけたいなんて、思ったことないのに。
『なんでもないさ。君も血が出てる。大丈夫、助けはすぐ来るよ。』
彼は笑った。痛くないはずがないのに。


 彼の言う通り助けはすぐに来た。淡い金髪で色白で細く美人な女性が。アイシェルと名乗った彼女は治癒魔法で私の首の傷を元通りに治してくれた。右腕を切った彼の傷も同様に。彼曰く、こんなに綺麗に傷を治せる魔法使いは、アイシェルくらいだ、とのこと。どうやらアイシェルはすごい魔法使いならしい。か弱そうな彼女が、まったくそうは見えない。
『シャト君、その子。』
アイシェルはひどく冷めた目で私を見る。
『ああ、自殺未遂ってとこ。』
シャト君と呼ばれた彼がそう言った瞬間、アイシェルは私から目をそらした。そして小さくため息を吐いた。
『先に戻る。好きにして。』
それだけ言い残して、彼女は来た道を戻っていった。彼は私の方を向く。
『おれはシャトレー。君は?』
『エリリ。』
『エリリ。どうして自殺を?』
彼は真剣な顔で私に問う。
『…。』
『ああ、言いたくないなら言わなくていい。』
『…どうして私を生かすの?』
『死んでほしくないからさ。親は?』
『…いない。』
私が誤って殺したなんて、言えない。言ったら、村のみんなと同じように私を嫌うだろう。助けたことを後悔させてしまうかもしれない。これ以上彼を傷つけたくない。
『そっか。じゃあ、おれたちと来る?』
柔らかく笑ってそう言う彼を、断るなんてできなかった。それに、生きていいと言ってくれた彼に、嬉しいと思った。
 私を連れて戻ったシャトレーに、アイシェルは小さく、やっぱり、とつぶやいて私から目をそらした。


 そうして始まった、3人での生活。彼らは旅人らしく、毎日移動しては野宿を繰り返した。その合間に、シャトレーはいろいろなことを教えてくれたし、アイシェルもなぜか目は合わせてくれないし冷たかったけれど、魔法を教えてくれた。

 でも、それらが辛い。
 シャトレーが私に優しくしてくれる度に、私は優しかった両親を思い出し、それを自分の手でつぶしたことが思い起こされる。かといって、アイシェルみたいに冷たく目をそらされると、私の死を望んでいた村人たちを思い出す。

 私は失踪した。

 久しぶりに1人だった。こんなに寒かったっけ。

…寂しい。

「いた。」
私はばっと振り返る。
「なんで…。」
そこには、私を嫌っているはずのアイシェルがいた。
「戻るよ。シャト君も心配してる。」
「…やだ。」
アイシェルは私をじっと見つめている。いつもは目をそらすくせに、なんで。
「何かあった?」
私は驚いた。こんなに優しいアイシェルの声を、初めて聞いた。なぜか涙が出る。
「あ、アイシェルとシャトレーといると、忘れたいこと、忘れられない、から。」
私の声はなさけなく震えていた。アイシェルは何も言わない。間が気まずくて、私は思ってないことまで口にしていた。
「っ、アイシェル、私のこと嫌いなんでしょ、いつも目をそらしてさ、私1人でも、なんともないし。」
「じゃあなんで。…泣いてる?」
「!」
「私は、エリリを一人前だと認めた覚えはないよ。勝手にいなくなられると、困るんだけど。」
きつい言葉のわりに優しい顔をしていた。どうして、よく知りもしない私をこんなに想ってくれるのだろう。
「…魔力の暴走で、誤って両親を殺めたって聞いてる。それでみんなに嫌われていたとも。あ、シャトレーは知らないはずだよ。」
ずっと、知ってたんだ、アイシェルは。彼女は続けた。
「魔法は、制御できればとても便利なものなのに。魔力の暴走だって、魔法の才があるってことだよ。」
そんなこと、考えたことなかった。私に、魔法の才がある?
「目をそらしていたのは悪かったと思ってる。私も自殺未遂をしたことがあって、エリリを見ていると、あの頃の弱い私を思い出してしまいそうだった。でも、それも私だから。だから私は、エリリに魔法を教えた。」
すごい魔法使いの彼女でさえ、忘れたいけど忘れられないことがあった。そしてそれを、受け入れようとしている。
「エリリも、両親殺しの事実は変わらないけど、それをどう活かすかだよ。」
目をそらして冷たく接するアイシェルの内側は、すごくあたたかい。
「戻るよ。」
アイシェルは踵を返す。私は彼女に後ろから勢いよく抱きついた。
「…うん。ありがとう。」
今度こそ、私はちゃんと生きよう。こんなに素晴らしい人が師匠なのだから。

10/18/2023, 9:48:44 AM

忘れたくても忘れられない嫌な思い出。
 それが、いつしか彼の生き甲斐だった。
 だけど憎んで生きて、笑っていきて。
 どっちが良いかなんて分かりきってて、、
 それなのに。

 それから時が経って彼は憎む力がなくなった。
 若さを失ったらしい。
 若さを失った彼は周りに優しくなっていた。

10/18/2023, 9:45:50 AM

そこは閉ざされた世界で 小さくて閉鎖的,部外者の侵入を拒む未完成で不完全かつ出来上がった空間だった。


まだ幼かった私にとって"学校"という名の牢獄は1日の半分を過ごす場所。けれど,牢獄の名に反して無法地帯なそこは気にくわないものを排除するために 囚人たちが結束して私を虐げる。

彼らにとって私はいらない それどころか害を及ぼす異物であったのだと思う。そこには特別な意味などありもしない。ただ単純に外から侵入した何かを許容できるように仕組まれていなかったから。

だから私は いないもの であった。




『どうして』

そう 何度問うたか。


『ごめんなさい』

魔法の言葉も無意味で。




「離れてても友達」

ねぇ いまさら。あなたの言葉なんか信じられないよ。きっと一生。








テーマ ; «忘れたくても忘れられない»

10/18/2023, 9:40:31 AM

ベッドの中で眠れないまま何十分か過ごし、そろそろかと微睡んできた頃、なんとも形容しがたい奇妙な音が聞こえた。機械的な、また民族的な音だった。
急に目も覚め、すぐに毛布を被った。

少し経ち、だんだん暑くなり汗も流れてきて、耐えきれず毛布を取り払うと、その音は聞こえず、もう明るくなっていた。

10/18/2023, 9:33:24 AM

Theme:忘れたくても忘れられない

※ 鬱病などメンタル疾患を治療中の方は、閲覧をお控えください ※

ものを覚えることは努力すればできるのに、忘れることはできないのは何故なんだろう。
立ち直ろう、新しい人生を歩もうと何度決意しても、忘れたい記憶は不意に顔を出す。

数年前、私は鬱病を患い、それまで10年以上勤めてきた会社を退職した。
半年程療養し、2年ほど就労移行支援(※1)センターに通い、ようやく世間では大企業と言われる会社の特例子会社(※2)に就職が決まった。

治療を続けながら自分と向き合う日々は、本当に辛かった。泣き明かした夜もあれば、部屋の家具を叩き壊したこともあった。

でも、それを乗り越えて再就職が決まったときには、これで全て終わったと思った。
私は新しい人生を生きる。そのスタートを切ったと思った。

しかし、現実はそんなに甘くなかった。
忘れたくても忘れられない過去がどこまでも追いかけてくる。

「昔はこの程度の仕事、難なくできたのに」
「どうして頑張ってはいけないの?私はずっとそうやって生きてきたのに」
「あの人が言ったように、私は使えない人間なんだ」

友人や家族は私が新しい人生を歩み出したことを祝福してくれる。
でも、その道は常に過去がついて回る茨の道だ。そんなことを考えるの贅沢なのだろうし、理解が得られるとも思えない。だから、私はなにも言えない。

忘れたいのに忘れられない記憶。恐らく、生涯消えることはないのだろう。
この記憶を昇華できる日はいつか来るのだろうか。
私が自分に誇りをもって、過去のことも語れる日は来るのだろうか。


※1 就労移行支援:障害者への職業訓練制度(鬱病は精神障害として扱われる)
※2 特例子会社:障害者の雇用において特別の配慮をする子会社

10/18/2023, 9:30:43 AM

こんな感情、忘れなきゃいけないのに。

 ある日の昼休み。 俺は勝手に学校から抜け出し、一目散に走った。なんだ、これ。勝手に心臓がバクバクしてる。今はやってないけど、元陸上部だから、走るのに離れてる。ただ、アイツから触れられるのには慣れていない。
「ッ……クソッ!!」
 なんだよ、男相手にドキッって。あんな冴えないメガネ野郎にっ……なんで!ただほんのちょっと手が重なっただけなのに。アイツのハンカチが落ちたから取ってやろうと思ってかがんだら、アイツも一緒にかがんでて、いつの間にか手が触れてたっていうよくあるようなシチュなのに!!
 もう頭の中がこんがらがって、ムシャクシャしている。男が男相手に心臓が高鳴るとか、マジで意味わかんねぇ。こんな気持ち、どっかに捨ててきてやる……!その一心でオレはひたすら走った。

〜忘れたくても忘れられない〜

10/18/2023, 9:17:17 AM

「忘れたくても忘れられない」

 この季節になると君のことを思い出すよ。微睡みながらゆっくりとまばたきをする君のことを。
 でもあの頃には既に僕達の関係は破滅へと向かっていたね。季節が少しずつ冬へ向かって移ろいゆくように。僕と君は、あの夏のような情熱を遠くに置き去りにしてきてしまった。
 それにも関わらず僕に縋ろうとする君は、まるで醜かった。君ではないと思いたいくらいに。だから僕は君が、君であるうちにお別れをしたかった。急いで、急いで、急いで。今すぐに!
 そうして、あの時君に触れた感触が、今も僕の手にべったりとまとわりついて離れないんだ。

10/18/2023, 9:16:48 AM

お題:忘れたくても忘れられない

好奇心で見たホラー映画やホラーゲームの実況。いきなり出てきて見てしまった自分の大の苦手なグロテスクな映像、画像、話。人間関係での失敗。顔も年齢も全く知らない相手からの依存。依存が1番怖くて忘れたいけど忘れられない。怖いだけじゃなかった。普通に邪魔で気持ち悪い発言をされて私を頼ろうとしていた。
あんなタイプの人間とはもう二度関わりたくない。
あんなのに善意を出してしまったことに後悔をしている。あん時の自分にも嫌悪感を抱く。
怖さと憎さ、気持ち悪さ早くこの感覚と記憶を消したい。忘れたい。

3:00

10/18/2023, 9:16:00 AM

忘れないし
なんなら忘れる必要ないし
まだまだこの先もずっと続くし
死ぬまでは永遠だ

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