『心の灯火』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの日に灯った光はきっと、淡い灯火となって世界に散るのだろう。小さすぎる光はやがて、大きく育ち、いつの日か明るく照らすのだろう
そのあかりは
あかるい時にはよく見えず
気づきもしない
でも
確実にそこにある
暗い道をいく時のために
(心の灯火)
心の灯火
彼は言った。
「お前が死んだとき、皆んなが悲しみで
立ち直れなくなる、すげー方法教えてやるよ。」
血液のがんで余命宣告されている男の子に言った。
『皆に優しくする事だ。』
男の子には本当の優しさが分からなかった。
彼は目が見えなかった。
手術の成功率は40%、
なかなか踏み切ることができなかった。
そんなときスイスの病院で出会った男の子。
「もう自分に未来はないから皆んなを苦しめてやる。」
そんな男の子を救った彼。
お互いに心の灯火になる事はまだ知らない。
遠い未来の話。
星が瞬き。風が吹き。
皆、男の子の事を忘れることは出来ない。
皆、彼の事を忘れることは出来ない。
彼もまたアイツを思い出すように、
アイツもまた彼思い出す。
星が瞬く。
❦
探偵チームKZ事件ノートより。
探偵チームKZ’ Deep Fileより。
空は薄暗く、気味悪い黄色に染まっていた
大地には草一本はえず、虫や鳥もおらず、渇ききってひび割れていた
そこに生命と呼べるものは皆無だった
激しい風が絶え間なく地上を蹂躙し、目や鼻、口に不快な砂粒を叩きつけてきた
私はただ立っていることしかできない
砂粒を避けるように両腕で顔を覆い、どこへ向かっているのか、そもそも自分は今どこにいるのかもわからなかった
私は途方に暮れていた
どうしたらよいのかもわからないし、目印と呼べるものはなにもなかった
ただ耐えるしかなかった
前を向く力は残されていない
かろうじて指の隙間から自分の足元がみえる
私はまだ立っている
座り込んで大地に埋もれてしまいたい衝動にかられるが
自分の中の何かがそれを許さなかった
プライド、葛藤、トラウマ…
名前のついていないそれを苦々しく思った
そういうものに自分はすがっていると思った
思考は迷路にはまり、涙も出なくなったとき、なにか奥底にうごめくものが頭をもたげてくる
それは恐怖でもあり、灯火でもある
「お疲れさま」
あなたの声が温かくて
冷えきってかたくなった疲れが
ほどけていったよ。
何気ない話をして道を分かれると
優しい気持ちが灯ってることに
気づく
ありがとう
海へ(番外編)⑳の続き
心の灯火(番外編)21
●灰色猫ハイネの受難
灰色猫ハイネは、買い物に行って来ると
シズクちゃんに留守番を頼みました。
「俺が帰って来るまで家の鍵を開けるなよ
部屋から出るなよ!分かったな!」
とシズクちゃんに言い聞かせました。
シズクちゃんは「うん!」と元気良く
頷きました。
(返事は、いつも良いんだけど....)とハイネは少しの不安を残しシズクちゃんを
置いて買い物に行きました。
買い物を終えたハイネ
(思ったより早く帰れそうだ良かった...)
ハイネは、急いで家に向かっていました。
するとそこに.... 「おい お前」と
ハイネに声を掛ける者がいました。
「久しぶりじゃねぇか最近見ないから
死んだと思ってたぞ!」
ハイネがその声に振り向くと
猫耳と尻尾を生やした男が立っていました。
(あ~こいつは....)ハイネが記憶を呼び
起こすとハイネが野良猫だった時に
よく話していた野良仲間でした。
「あ~お前か~」ハイネは久しぶりの
仲間に挨拶をします。
すると野良仲間がハイネが持ってる
買い物袋を指差します。
「お前それまさか自分で買ったのか?」
「ああ今は、人型になって人間と一緒に
仕事をしてお金を稼いでるんだ
俺の飼い主がまだガキだから俺が代わりに
稼いでるんだ!」ハイネは、隠す必要も
無いので正直に今の現状を説明します。
それを聞いて野良仲間は、目を剥きました
「お前 今 人間に飼われてるのかあ
驚いたあんなに誰かと居るのを面倒くさがってたお前が!人間に拾われたからって
お前が大人しく飼われてるとは俺には
思えねぇんだが.... どういう風の吹き回しだ」
野良仲間が揶揄う様にハイネを見ます。
ハイネは、視線を逃がす様に
「まぁいろいろあって....」と誤魔化します
「まぁお前の事だからその内飽きたら
出ていくんだろうがよ!
まぁ好きにやんな じゃあまたな!」と
野良仲間は、ハイネに手を振りその場を
去ります。
「ああ...」とハイネも手を振り返し
その場を後にしました。
家に帰って荷物を置くと何故か
シズクちゃんの姿が見当たりません
(鍵が開いてる....あいつ外に出たのか....)
ハイネは、外に出て声を出して
呼んでみました。
「お~い!」と大きな声で呼びかけると....
「あっハイネ!」とぴょこりと
シズクちゃんが庭の裏手の方から駆けて
きて「おかえりなさい!」とハイネの
胸に一目散に飛び込みます。
ハイネは、シズクちゃんを抱き上げて
「お前~外に出るなって言っただろう」
とハイネは、シズクちゃんにやんわりと
注意しますがシズクちゃんは、首を
傾げて「外に出てないよ!ちゃんと
お家のお庭でお花を摘んだもん!」
とシズクちゃんにとって家の敷地内にある
庭は、お家の中だと認識しているのです。
ハイネは、深く溜息をつきました。
「まあいいや 昼飯の準備するから
家の中で遊んでてくれ」
シズクちゃんは、ハイネの首元に抱き付き
「私もお手伝いする!」シズクちゃんは
元気良くハイネに立候補しました。
ハイネは、それを見越した様に
「はいはい じゃあご飯が出来たら
皿とかスプーンとか箸とか並べてくれ」
「うん!」シズクちゃんは、嬉しくなって
またハイネの首元に抱き付きました。
こうして二人は、仲良く家の中に
入っていきました。
ハイネは、野良仲間に『お前の事だから飽きたら出て行くんだろう!』と言われた
言葉を思い出します。
でもハイネはシズクちゃんと暮らし始めて
自分の心にぽっと灯りが灯るのを自覚して
から自分から出て行きたいとは思えなく
なっていました。
どんなにシズクちゃんに振り回されて
大変になろうともシズクちゃんが自分と
離れたいと思うまではシズクちゃんの傍で
過ごしたいとハイネは思うのでした。
『心の灯火』
他の人の心に光がなくなっても、私は自分の心の灯火 は絶やさない。
私はみんなのように流されない。
己の道標をしっかり持ち続ける。
負けない。
心の灯火
ただ真っ直ぐに ただ真っ直ぐに
心の中にある物に歩んで来た
目印はつけたつもりだけど
いつまで経っても辿り着かない
日々の歩みの中で
出会う人々の
励ましの声はなく
要らない言葉ばかり
耳に入ってくる
その雑音に時に疲れ
その声に時に心病み
その度に自分の心 自分の胸に
手を当てて自問自答した
何処へ歩めばいいのだろう?
答えなんて分からないけど
だけど遠くに見える
小さな灯火 自分の夢 自分の想い
生きてきた日々 私は一心不乱だった
一生懸命頑張って来て見えてきた
小さな灯火を私色にしたい
それを必要としてくれる人がいるのなら
好きな事を好きなだけ歩み
小さな灯火をあなた色にもしたい
『こころの灯火』
頑張る、頑張る、頑張る
頑張った先に何があるの?
自問自答する毎日
きっと何かあるはずだと信じてひたすら前に進む
もがいてもがいて前に進む
嵐に見舞われて
たとえこころの灯火が消えそうになろうとも
同じ志しをもつものがそばにいればきっと守ってくれる
自分が身を置く環境はとても大切
心の灯火。
その炎は、熱いのか冷たいのか。
揺らぎは、心の動揺なのか
灯火が消えてしまえば
それは、死…なのか。
考え方も、捉えかたも
千差万別で、良いものなのだろう。
青い炎は、温度が低いようで
最も高温だと聞いた。
私の炎の受け皿には
受け止め切れそうにないなと思った。
そんなに、燃えてしまっては
身体ごと焼け焦げてしまいそうだ。
いまは、ただ
細く長く燃え続けていられたら
それでいい。
どれだけ、体勢を崩しても
消えぬ火であれば、今はいい。
燃えかすと、揶揄されても
揺らがぬ芯が 私にはあるのだから。
そう、信じている。
【お題:心の灯火】
「今がドン底だ、ドン底なんだ‥。」と
言い聞かせながら
涙が滲み出ていたあの頃。
母の声が無償に聞きたくて電話した。
「元気だった?」
「うん。元気。」
母には言えず電話を切る。
お母さん。こんなに大きくなったのに
娘でいさせてくれてありがとう。
もう少しだけ娘でいさせて下さい。
我儘な娘より。
お題『心の灯火』
なにも起こらない日常を無気力に生きていた。なにかしらストレスの発散になるものや、趣味とかあればいいのだが、仕事が忙しすぎて帰宅したら眠るだけの生活だからとくになにもする気が起こらなかった。
だが、あるたまたま定時で退勤できた日。とくになにも趣味がないので、とりあえずYoutubeでテキトーに動画を見漁ってた。音楽から人が歌っているものから連鎖的におすすめに出てくる動画をひたすら見ていたらある切り抜きチャンネルに出会った。
そういえば職場の後輩が『最近、Vtuberにはまってるんですよ』と言っていたのを思い出す。こんな歌が上手い女の子がほかにもいろいろ活動してるんだ、と思ってその切り抜き動画をクリックする。
そこは沼の入口だった。
かわいい女の子がホラーゲームをプレイしながら、かわいい声でぷるぷる震えたり、叫び声を上げてるではないか。
その様子がかわいくて彼女自身のチャンネルへ行く。
そこには『ASMR』の文字がずらりと並んでいる。「甘やかしボイス」なるものはさすがにハードルが高すぎたので、「シャンプー」とかいう動画を見ることにする。
「今日もおつかれさま」
そう言って、二次元のかわいい女の子が澄まし顔をしながら、水のはねる音や泡を作っている音をこちらに聞かせてくる。いま、イヤホンをしているから音声が脳に直接語りかけてくる感じがして、なんとも言えない気持ちになった。これは甘やかしボイスを聞くよりも大変なことかもしれない。
気がつくと、俺はタブレットで見ていた動画をスマホに切り替え、タブレットにはお絵かきソフトを立ち上げていた。久々に心の灯火が灯った瞬間だった。
俺は彼女の絵を必死になって描いた。彼女の髪型、瞳の形、体型を目で受け取ってイラストにする。
イラストができたらすぐにXのアカウントを作って絵を投稿する。たしか専用のハッシュタグがあったから、それも添える。
達成感に脱力して、ベッドの上に倒れ込むとXの通知が早速来た。今しがたハマったばかりのVtuberからいいねが来て、Xのアカウントを開いたらリポストまでされていた。ハートマークと一緒に「すき」という言葉まで添えられて。
「しゅき」
あまりの出来事に言葉が舌っ足らずになる。俺はそのポストにいいねを送ると、スマホを置いてベッドの上でひとり、体を転がしながら嬉しさを全身で表現していた。
暗闇に染まる月
そっとおやすみ
期待と不安の間
ゆらり揺られて
忘れていたんだ
あなたの優しさ
あなたの厳しさ
泣きたくなって
思い出したんだ
見えないけれど
輝く月のように
『心の灯火』
一寸先は闇でした。
己の手元もまともに見えない闇の中を、手探りで進んでいくような日々でした。
真っ暗な道を歩む中、私の指針となったのは、あなたの言葉。
「いつかね」
その“いつか”はきっと訪れないであろうことは分かっていました。
しかし私は、その言葉のおかげでここまで歩んで来られたのです。
あなたの残酷で優しい言葉が、暗中を進む私の灯台となったのです。
『心の灯火』
推しはいればいるほどいい。
彼女は言っていた、推しは増えるものだとも。変わることはないのだと。時期によって少し熱量が異なるだけで推しであることに変わりはない。笑顔でそう言っていた。彼女が今よく話す推しのことではなく、以前より推している人の話を振ってみれば、その口は止まることなく話が続くのだから彼女の言い分には納得する他ない。
推しが死んだ。
彼女は暗い顔でそう言った。これを悲壮感漂う、というのだろう。実例を見た。
詳しく話を聞いてみると、あるシリーズの小説に推しているキャラクターがおり、最新刊でそのキャラクターが死んだという。推しが死ぬのははじめてではないし、主人公にとっての保護者的な立場の人物だったので彼の成長のためだろう。そう言いながら彼女の目は潤んでいた。
自分のことではなく、あくまで推しなのにそこまでの熱量向けるのはわからない、という声を聞いたことがある。彼女を見ているとその意見に頷ける部分もある。でも、それ以上に彼女はいきいきとしているから、他者に迷惑をかけなければ何と言われようと気にしないでいいように思う。その声については彼女も知っていたらしく、別の人間だから相容れない価値観もあるよ、と苦笑を見せていた。
推しのことで一喜一憂する彼女は眩しい。人の心に灯火があるとしたら、彼女の心の灯火は煌々と揺れているのだろう。
君と居ると私はいつだって最強だって思える。
私の心の灯火に
温かく寄り添ってくれる
君が最高だよ。
私も君の心に温かく寄り添いたい。
君も私と居て最強だって思えるように。
─────『心の灯火』
僕の心の灯火に火をつけてくれるのはなんだろうか?
友達?推し?ご飯?筋トレ?
多分音楽だろう。
僕は毎日朝イヤホンで、音楽を聴きながら登校している。プレイリストには自分の好きな曲、知らない曲が混ざっている。そんなマッチの中からランダムにひとつを手に取ってその日の火付け役として擦る。
僕の中のマッチは無限にあり、マッチ箱の側薬は擦り切れない。
心の灯火
人の心に火を灯すものは
人によって
状況によって
様々変わる
その全てに適応して誰かの灯火になりたいだなんて
私には言えない
だけどその火を
守るくらいはできないかな
私が火を灯すことも
灯火になることもできないかもしれないけど
誰かの灯火が消えそうな時
せめて風よけにくらいは
なれたらいいのに、と思う
【心の灯火】
色々書けそうなお題なのに、書きたいものがすんなり出てこない。
そもそも心の灯火ってどんなものかと。
調べてみると仏教とカトリックが出てくる。
宗教色のある言葉なのか?
進むべき道を示すものと考えたらそうなるか。
生きる糧になるものだったりもするのだろう。
灯火といっても色々ありそう。
小さな蝋燭のような灯りかもしれない。
温めてくれる焚き火かもしれない。
明るく闇を払うものかもしれない。
自分自身で燃やしているのか、それとも他人に照らしてもらっているのかでも違いそう。
人それぞれなんだろうなあ。
私にはあるのかな。
それがどんなものなのか、あまり考えたことはなかったな。
#心の灯火
外面に心底疲れた帰り道、急にこのまま実家に帰ろうと思いついた。
思いついたとたん、胸にポッと何かが灯る。
私が古い私に戻れる場所。
大丈夫、明日は休みだし、生ゴミは今朝出してきた。
乗り換え駅で乗り換えて。
私を見て全身で喜ぶ老犬の姿が目に浮かぶ。