空は薄暗く、気味悪い黄色に染まっていた
大地には草一本はえず、虫や鳥もおらず、渇ききってひび割れていた
そこに生命と呼べるものは皆無だった
激しい風が絶え間なく地上を蹂躙し、目や鼻、口に不快な砂粒を叩きつけてきた
私はただ立っていることしかできない
砂粒を避けるように両腕で顔を覆い、どこへ向かっているのか、そもそも自分は今どこにいるのかもわからなかった
私は途方に暮れていた
どうしたらよいのかもわからないし、目印と呼べるものはなにもなかった
ただ耐えるしかなかった
前を向く力は残されていない
かろうじて指の隙間から自分の足元がみえる
私はまだ立っている
座り込んで大地に埋もれてしまいたい衝動にかられるが
自分の中の何かがそれを許さなかった
プライド、葛藤、トラウマ…
名前のついていないそれを苦々しく思った
そういうものに自分はすがっていると思った
思考は迷路にはまり、涙も出なくなったとき、なにか奥底にうごめくものが頭をもたげてくる
それは恐怖でもあり、灯火でもある
9/3/2024, 1:14:35 AM