『待ってて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
待っててね、と言われたのでもうしばらくここで待っているのだが、あいつはちっとも帰ってこず、何やらだんだんと騙されたような気になってきて、しかしながら、もうあんなやつのことは知らん、と言い切るにはまだ早いなと思い、そのまま結局ずいぶんと長いこと経ってから、もう帰ってこないだろうなあという諦めと、捨てられない愛着と、少しばかりの呪いとの狭間で、手紙を一通書くのである。いつ帰ってきても、わたしはまだ待っています。
#待ってて
「待ってて」
なんて言われても。
目の前で私の知らない人と楽しそうに話す親友を横目に意味もなくメッセージアプリを開いては閉じる。
当然誰からも連絡は来てないし、送ることもない。
ただ、何もしないでいるのは気まずいだけなのだ。
はぁ。何で私と遊びに来ているのにこちらに気も使わず友人と話し込めるのだろうか。
その神経の無さに呆れるべきなのか、図太さに感心するべきなのか…。
まだぁ〜?と視線で訴えても、親友はチラリとこちらを見て、また友人に視線を戻した。
えぇ…。いつまで待ってればいいの…。
仕方なく近くのベンチに座り、足を組みながら親友を眺める事にした。
「待ってるんだけど」
わたしは、放課後
隣のクラスの机に伏せている
あなたに会いに行く
それがわたしの日課なの
あなたはいつも眠そうにしている
前はクラスが一緒だったんだけどね
学年が上がってからクラス替えがあって
バラバラになっちゃったんだよね
いつも1人のあなたに会いに行く
不意にあなたが
「毎日来なくても大丈夫だよ」って
言ってきた
わたしはあなたに
「わたしがあなたに会いたいの」って
言ってみる
あなたは嬉しそうに微笑んで
「それなら明日も待っている」
だからわたしは、
「待っててね」と微笑み返す
じゃあ、強気で言ってみるよ
いつかきっとプロの小説家になるから待ってて
なんちゃって、ウソだよウソ(汗)
「大丈夫だから!そのまま、待ってて」
扉の向こうで震えた声。
大丈夫なはず無いのに、それでも僕は何もできずに、扉の前で佇んでいる。
あぁ、この臆病者…!
こんな時に限って体が動かない!
【待ってて】
「ちょっと、待って。」
大好きな幼馴染みのあなたが良く口にする待っては、時に恥ずかしかったり、心が追い付かない時の反応だったりもする。
「うん、待つね。」
じっと隣で待っていると、落ち着いたあなたが、ゆっくりと声を掛けてくる。
「―っ、待って。やっぱり、待ってて。」
たまには、時間が掛かることもある。
「うん、大丈夫。待ってるから。」
稀に、逃げられちゃう事もあるけれど、落ち着いたら、こっそり戻って来てくれるのも知っている。
「―――っ。」
最近は、のんびり待つことにして、あまり追い掛け回さない様にしている。
陽だまりと暖かな陽気に誘われて、眠気がおいでおいでと手招きしている。
「…ふわぁ、あふ。」
瞼が仲良ししてしまって、目が開かないなぁ、と思いながら微睡む。
ふわりとブランケットが体に掛かって、人の気配が近づく。
頬を掠める口付けが、そっと唇に落ちた。
「しゃぁわせ、だなぁ…。」
眠たくて堪らなくて、起きたいのに起きられない。
幸せな夢が見られそうだ。
それは呪詛だった。
たった一言で、君は僕を縛り付ける。
――待ってて
君の薄い唇から紡がれたその言葉は、
無慈悲に僕を絡め取る。
蜘蛛の糸にかかった虫のように、息も絶え絶え藻掻きながら僕は。
君に食されるのを待っている。
「待ってて」と、言ってくれれば良かったのに。君は何も言わずに消えたから、私は待つことさえ許されなかった。
でも知っている。そんなこと言ったら、私がいつまでだって待ってしまうことを知っていたから、君は何も言わなかった。
『待ってて』
私の友人はよく待ってて、と言う。
例えば…漫画を貸したとき
「あぁ…ごめん!もう少し待ってて!」
予定に遅刻しているとき
「ごめん待っててくれない?!」
私はこの言葉にうんざりしていた。
どれだけ待てばいいのか。
そろそろ友人と縁を切ることを考えるべきだろうか。
何度言っても直さない友人に腹を立てた私はついにそう考えた。
そんなある日のこと。
友人は私を小さな公園に呼び出した。
「何?」
また何か貸してとでも言うのだろうか
そんな考えは的中することはなく
「これ!」
今まで貸してきたものとアイス、そしてお詫びと書かれた手紙
「え…」
私はつい驚いた。
何故なら貸した漫画は異常に綺麗で新品へと変わっていたから。
「…ごめん、」
彼女が謝りながら事の顛末を話す。
彼女の家は貧乏で、漫画なんて珍しいものだった。
だから彼女は弟や妹にも読ませてあげようと思ったのだと。
だが彼女が目を離した間に弟が漫画を汚したのだと。
拭いてもどうにもならない汚れを見て私に返せないと判断。
時間が少しでもあればバイトを詰めていたそう。
そんな中弟達の世話もしていたらしく彼女は言わなかったが私はそのせいで遅刻したのだろうと察した。
そうして貯金を貯め、漫画を購入そして今までのお詫びとしてアイスをつけたのだと。
「…はぁ、あんたさぁ」
私は溜息をつく事しかできなかった。
「アイス買うお金あるなら弟達に食べさせなよ
私に奢るのはあんたがもっとお金持ちになってからでい
いよ」
「!うん…!ありがとう…今度こそ、約束破らないから、待ってて!!」
誰かのために、私は動く。
その誰かはきっと私に期待をよせるだろう。
その期待に答えるために、私は動く。
その誰かはいつまで待ってくれるかわからないが、待っててくれるなら、その間だけでも一生懸命頑張ろう。
昼過ぎにメッセージアプリの通知音が鳴った。
外回りに出てる後輩か、期日の近い仕事を押しつけてくる上司か。どちらにせよ面倒事なのは変わらない。
溜息をつきつつ仕事用のスマホをみる。が、誰からも連絡はきていない。
慌てて私用のスマホを取り出す。
チカチカと点滅するライト、伏せられた通知内容にさらに慌てる。
私用とはいえ、数少ない友人はみんな俺と同じような仕事をしていて昼間に連絡なんてほぼしない。両親も健在だが生存確認される程度だ。
そうなってくると思い浮かぶのは、最近婚約したばかりの彼女である。俺と同じでモノグサなやつだから連絡なんて滅多にしてこない。でも重要なことを唐突にポツリとこぼすから油断ならないのだ。
少しくらいなら、とメッセージを確認する。
『熱でて早退した』
『夕飯は食べてきて』
おい、おい。何を言ってるんだこのおバカは。
特大のため息をついて、考える。自宅の常備薬の有無、冷蔵庫の中身、病院いったのか、熱はどれくらい、症状は。
ぐるぐると彼女のことだけが頭の中を駆け巡っていく。
『絶対定時で帰る』
『待ってて』
もう俺も熱でたことにして帰るか。
画面端の時刻をみてまた悩む。仕事は後輩に投げて上司は日頃の借りを返してもらおう。彼女の方が大事だもん。
また女々しいと睨まれるのだろうな。
【題:待ってて】
待ってて
「待ってて」
君は確かにそう言った。物的な証拠はないけれど、確かにこの記憶に残っている。
あれからもう10年が経った。君は今どこで何をしているのだろうか。昔に比べすっかり歳をとってしまった僕を見て、君は僕と分かるのだろうか。今や社会の歯車と化した僕は、もはや君に相応しい人物ではない気がする。君の記憶に縋って生きている僕という人間は、10年前から時間が止まってしまったようだ。
気がついたら、約束の場所であなたを待ってて。
来ないことなんて分かりきってるけど。
いつか私もあなたのところへ行くから。
だからそれまで待ってて、
愛の言葉が浮かばないので。
ーーー
例えば、言葉に出来ないけれど確かにこの胸の内を滾らせてくれるような文字を書く君が。
筆を折ってしまいそうになるのなら。
私は先ず
そのペンとそれを握る中指の付け根に口付けたい。
それでも理解出来ないと言うのなら。
次は手の甲と、手首の背を。
それから失礼だけど、手を取ってペンを握り込む親指の付け根にもキスがしたい。
まだ分からない?
では、噛んでみようか。
小さく軽く、君の大事な右手にチクチクと歯が当たる感触はどうだろう。
けれど、理解してほしい。
言語化出来ない僕の代わりに、滾らせてくれたこの熱意で以て。
こう応える以外の術が僕には無いのだから。
それから僕は、君の正座を斜め後ろから見るのが好きなんだ。
この丸い肩と緩やかな腹から、喉を伝い耳や目と脳みそで君が紡ぐ言葉が好きだ。
だから例えば、君が嘘でも僕を"きらい"なんて言おう物なら。
僕こそ正座をして、一体僕の何をきらいだと感じたのか聞かせて欲しい。
僕と君とでは得意な事が違うから、君の得意を上手に出来るように僕に教えて欲しい。
君は違和感に敏感だから、僕よりずっと色んな物が見える。
僕はてんで苦手だから。
服の前後が違っていてもまるで気付かない。
いつも君が教えてくれる。
だから、きらいな理由もいつもの様に教えて欲しい。
だけど、もし本当にそれが嘘なら。
僕は喜んで、騙されたぁと言ってゲラゲラ笑い床を転げ回る。
ついでにお風呂の掃除当番も僕がしよう。
君の手がこれ以上凍えてしまうのは、良くない。
【待ってて】
貴方がいなくなってから1ヶ月、2ヶ月、そして今日で1年の月日が経つ。何処を探しても見つからない。探しても探しても見つかる気配すらない。でも、待ってて。いつか貴方に必ず会いに行くから。
幼い頃に指切りした約束の場所
もうすぐ私の魂もそこへ行く
待たせてしまったかも知れない、けれど絶対に逢いにいくから
沢山の記憶のお土産を持って
『待ってて』2024,02,13
300字小説
俺と使い魔
曽祖父の記録にあった山頂に佇む巨大鷲の姿に俺は目の前が真っ暗になった。いい加減だった曽祖父が無責任に
『待ってろ』
と命じて放置していた使い魔。健気に命に従っていた姿に罪悪感が胸を刺す。
『やっと戻って来てくれたんだね』
喜ぶ姿に俺は曾孫だとも言えず頷く。
「独りぼっちにして悪かったな。これからはずっと一緒だ」
君を最初に見た時から、彼と違うのは解っていた。震える声で
「すまなった」
と僕に抱きついたとき、僕は僕の意思で君といたいと思った。
僕に掛けられた契約魔法を解除する方法を探し出して、僕を自由にしようと旅を始めた君。
彼と間違えているふりで一緒にいるけど、魔法が解けたら僕は君と契約して君の使い魔になるんだ。
お題「待ってて」
執筆中。
(しばらくお待ちください→ネタじゃないよ(笑))
これ書いてから保留にしてたらハートがめっちゃ頂けたのでもうこのままの作品で出しちゃおうと決めた(笑)
テーマ:待ってて
美しい夜空を背に向け、彼女はこう言った。
「後2年だから、2年後の今日21時32分にまた会おうね」
―その約束を交わしてからどれくらい時間が過ぎたんだろうか
貴方は来なかった。2年経っても、
私はこの場合でずっと待っていたのにね
「待ってて」
快晴。
2024/02/13㈫
ご近所の高齢者(前に書いた、挨拶を返してくれないお年寄りではない)に挨拶したら
「良いお天気ですね!」って返してくれた。
もしかしたら「快晴だな」って
ひとりごとが聞こえた?
「はい、そうですねー」って語尾が
長くなっちゃった。
高齢者の方は笑ってくれた。
そう、こうやって挨拶を返してくれたら、お互いに気持ち良くなるね。
相乗効果ですよ。
月末に旅行に行くので
おつまみを買った。
チーズ、さきイカ、サラミが
1袋のセットになってるやつ。
割高感がするけど、夜にホテルで
食べようと思って。
一泊だけど、ゆっくり夜を
過ごしたいな。
おやすみ。