NoName

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それは呪詛だった。
たった一言で、君は僕を縛り付ける。

――待ってて

君の薄い唇から紡がれたその言葉は、
無慈悲に僕を絡め取る。

蜘蛛の糸にかかった虫のように、息も絶え絶え藻掻きながら僕は。

君に食されるのを待っている。

2/13/2024, 12:54:16 PM