『幸せとは』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
《幸せとは》
書けたら書きたい!!
2026.1.4《幸せとは》
幸せとは
人によって定義が違うものの代表格
わたしの幸せはわたしがきめるの
幸せとは
お見合い相手と初詣デートだった。
人生で初めての初詣デート。
婚活疲れの身でも、前日の夜は少しは浮かれた。
彼とはもう2ヶ月続いていて、そろそろ正式なお付き合いを考えてもいいかなという時期だった。
初詣の神社は縁切り神社ともいう別名があり、
うまく行くカップルはご加護をもらえ、
良くないカップルは後腐れなく縁を切ってくれるらしい。
こちらの出身ではない彼は多分そんなことは知らなかったはずだ。
参拝のあとにおみくじを引いた。
私のおみくじには、『うまく整う。しかし、表面上は合うが、中身はそうでもない。』と書かれていた。
彼のおみくじには、『一時の感情に流されるな、よく考えて進め。』というようなことが書いてあった。
おみくじの助言に左右される年齢でもないので、二人でおみくじを結んでその場をあとにした。
そのあと彼と行ったカラオケBOXで、彼と名前の呼び方の話しになった。
私は正直に「まだ付き合ってないのに、なんで?」という反応を返した。
彼は「正直、僕らの関係をどう思っているのか?」と聞いてきた。
私は言葉を選んで正直に伝えた。
「前に気の合う彼氏に痛いフラれ方をしたから、それ以降自分から積極的な婚活はしていない。だから、よいご縁があれば大切にしたいと思っている。あなたと過ごす時間は楽しくて、このご縁はラストチャンスかもしれないと思っている。」と。
彼はなんて言ったと思う?
「僕は今まで誰とも付き合ったことがなくて、正直よく分からない。これまで7人の女性とお見合いをしたけれど、2ヶ月も続いたのはあなただけでとても毎回のデートを楽しいと思っている。正直、友だちのままずっとこの関係でいたいと思う。結婚相手としては正直迷っている。気を悪くしないでほしいんだけど、正直あなたは見た目が成長していないところがあってそこでもっと他にいい人がいるんじゃないかと思っている。」と。
私の驚きが想像できるだろう?
『え?
見た目が成長していない?
どいうこと?
ブスってこと?
え、それ本人に言っちゃうの?
どういう男なのこれ?』
深く思ったのは『また、これか』という思いだった。
婚活において、条件、相性、見た目、沢山異性がいたら、より完璧でより理想の相手を求めたくなるのは分かっていた。しかも、婚活を始めたばかりの彼にとって、『今の人もいいけど、他にもいい人いるかもしれない』と考えるのは当然のことだ。
私自身そういう思考で今まで沢山のご縁を繋がなかった。
元彼にも見た目が理由で別れを告げられた。
同じ悲しみを2度も味わっている事実がショックだった。しかも、彼氏にさえなっていない相手に。
今回の私は後悔したくなったので、言い返した。
「そういうあなたの見た目は育ってるの?」と。
彼は「見た目は分からないけど、自分は話が下手だと思っていて」とおどおどし始めた。
確かに彼は私から比べると話しベタでオチのある面白い話はほとんど繰り出さないし、会話を長く繋げることもできず私が会話を引き取ることが多かった。
「じゃあ、その自分が気にしてることをお見合い相手に言われたらどう思う?」と詰めると、ついに「ごめんなさい。」と謝ってきた。
「話が下手なのは努力でカバーできるかもしれないけど、見た目は自分の力でどうにもできない問題だよね?それ言われるってショックだよ。」と伝えた。
彼は目の端に涙をためていた。
話を聞くと彼はこれまで人と深く関わって生きることを避けてきたらしい。学校でも一人でいることが多かった。一人でいる方が気楽だったそうだ。
周りに結婚する人が増え始めて初めて人と深く関わって来なかったことにコンプレックスを感じ始め変わりたいと婚活を始めたらしいのだ。
同い年にして、圧倒的な差があることを感じた。
『そういうあなたは内面が育っていないのでは?』
と怨み節を言いたくなったが、私は大人なのでそこまで刺すことはしなかった。
「私は見た目を内面でカバーできるように婚活をしてきたから、それを言われるのは私の内面を否定されたようでキツイ。けど、正直に教えてくれてありがとう。気持ちは分かった。迷う気持ちも分かる。私もそうだった。もし、他にいい相手がいるか探したいなら私との交際を終わらせてからにしてほしい。終わらせたら終わらせたで、私のことを後悔しないように婚活してほしい。」と聖人君子のようなことを言った。
私のプライドがそう言わせたように思う。
今の私は迷っている。
本音を漏らして謝罪した彼と幸せになれるのかどうか。
彼を尊敬できるのかどうか。
答えはまだでないけれど。
幸せとは
人生の中で生きていることすら忘れられる瞬間
だと思う
生きていることが幸せ
そう言いますが
生きていることが幸せじゃなくて
生きているなかで行っていることが幸せで
生きていることすら忘れられるこの瞬間こそ
なににも縛られていない
“幸せ”なんじゃないだろうか
決して届かないと思ってた。
あなたの隣り。
手を伸ばせばそこにいる。
これが幸せと呼ばずになんと言うのだろう。
ずっとずっと側に居たい。
側に居させて。置いてかないで。
俺に安らぎをくれた人。
永遠なんて言葉は相変わらず好きじゃない。
あるとも思ってない。
でも許す限り側に居たい。
だから。
この夢が終わるときはそっと教えて。
それまでこのひとときを噛み締めるから。
(幸せとは)
幸せとは
幸せについて語る人をたまに見る。
何が楽しいのかなって思う。
そんなことを話して、利益でもあるのだろうか。
もっと、話していて嬉しいことを話せば良い。
その方が気楽で幸せだ。
比較しないから。
3度の食事
温かい布団
平穏無事な毎日
あなたの隣りで生きられること
〈 幸せとは 〉
「幸せとは」
幸せとは、まだわからないけど、たしかに、あるはず
いまも、あるはずのもの
きづかないだけで、
ああ、幸せだ。
俺は腕の中にある頭の、ふわふわとした髪を撫でながら、そう思った。栗色の髪はさらさらなのに猫の毛のように細く柔く、手櫛を通せばさらりと指の間を抜けていく。
「明日、行かなきゃだな……」
野暮用を思い出して少し憂鬱になるが、今はそんなことを気にしている暇があるのなら、この柔らかな質感を感じていたかった。
一通り髪の感触を楽しんで、俺は彼をまた寝かせた。目を瞑った彼の顔は、普段の少しきりりとした顔と違ってあどけなく見える。
ぷに。と手持ち無沙汰故に彼の頬をつつく。眠っている彼は反応も返してくれないので、余計静けさが目立って感じた。
「……はぁ……この生活も終わりだな……」
ぼんやりと、天井を見上げながら呟いた。彼は、相変わらず眠っている。冬休みに入っていた俺らは、そろそろ休みも明けてまた学校が始まる。未完成の課題に、埋まる気配のない日記。高校生にもなって日記を書かされる意味も分からず、書くこともないので埋まらない。
「……お前、課題終わってんの。」
寝そべったままの彼に問うが、返事は無い。まぁ、いつも提出物は休みの前半に終わらせる彼のことだ、どうせもう終わっているだろう。
「な〜……写させてって……」
無意味に頬をつつき続けながら、かわいこぶってねだってみる。反応も無いが、自己満足なので大した問題ではない。
「……もう、限界なんだって。」
ふわふわとしていた高揚感が不意に薄れ、現実が俺に突き刺さる。目の前の彼の顔は、酷く青褪めたままだ。
「……だってさ、許せねぇもん、俺。」
目の前の彼は、間違いなく俺が殺した。殺して、丁寧に内臓を抜いて肉を削いで。当然、抜いた内臓と血は全て俺が食べた。全部、血の一滴さえ残さずに。そうしてできた抜け殻を乾かして、剥製にした。もう、二度と彼が他の者に奪われないように。
「……お前が他の奴にベタベタ触られてんの、すげぇやだった。」
彼は、あろうことが恋人を作ったのだ。俺がいながら。
だから、俺は彼を俺だけのものにするために殺した。明日、俺たちはこの街を去る。もう、全てのしがらみから解放されたかった。
課題なんて、本当はやらなくてもいい。もう、退学届は出してある。鞄に詰めた2人分のロープを一瞥して、俺はまた彼の柔らかな髪に指を通した。
彼と2人で、永遠にいられる。それは、俺にとって至上の幸せだった。
テーマ:幸せとは
【幸せとは】
「幸せってなんだと思う?」
そうやって問いかけてきたあなたの表情を、今でもはっきり覚えている。少し意地悪げに笑いながら、僕の顔を覗き込むようにして、あなたは突然そんな質問を投げかけた。
あの日、僕はたしか、分からないとだけ答えた。あなたは一瞬だけまん丸な瞳で僕を見つめた後、そっか、となぜだかひどく面白そうに目を細めた。
幸せというものが何なのか、今でも答えは出ないまま。
でも一つ、ただ一つだけたしかなことは。
「少なくとも今の僕は、絶対に幸せじゃないよ」
ぽつり。啜り泣きの声と芳香だけが満ちる室内に、僕の呟きが小さく落ちて溶ける。眼前、無機質な色の花々に囲まれて目を閉じるあなたは、果たして最期まで幸せでいられたのだろうか。
「ねえ、しあわせって、なんだろうね」
答えは、返ってこないまま。
色のない頬に触れた指が、ゆっくりと凍えていった。
幸せとか、そんなものは知らないし、必要もないと思っていた。
ずっと独りでいた。孤独が好きだと思っていたから。
誰かと一緒なんて、鬱陶しくて、面倒臭い。そして、そんなものを敢えて好む奴とか。
俺には理解なんて出来なかった。
ある晴れた日だったと思う。
誰かが、隣に座った。楽しそうに、話し掛けてきた。
誰だよ。こんな風に話し掛けてきて。
俺は、望んでいないのに。
「怖いの?」
唐突にそいつが言う。俺を見て、微笑んで。
怖い?
何が怖い? 何で怖い?
俺が何を恐れているって言うんだ。
「本当は、独りが怖いくせに」
――違う。
俺の戸惑いなと気にせず、そいつはそのまま続ける。
「いつか訪れる別れを恐れているんでしょ? 最初から出逢わない方がいいって。そう思っているんでしょ? だから、独りがいいって思い込んでいる」
――恐れ?
一緒にいる事で、人の温もりを知ってしまって。
でも、いつか必ずやって来る別れを。
俺は――。
――いや、本当は知っていた。
本当は孤独が好きなんかじゃなくて、本当は孤独を恐れていた。
だからこそ、敢えて孤独でいたんだ。
「恐れる必要はないよ。別れの代わりに、また、新たな出逢いが待っている筈だから。今、この時のように」
そしてそれから。
孤独が好きじゃない俺の隣に、幸せを知らなかった俺の隣に。
そいつはずっと変わらず、座っている。
孤独の代わりに幸せを運んできてくれた。
幸せとは何かを教えてくれた。
『幸せとは』
幸せとは
大好きな人が笑ってくれること
《幸せとは》
優しい白で包まれるように
微睡んでいる私を愛するみたいに
どこまでも優しい光で泣きそうになる
今日もどこかで笑えますように
"幸せとは"
幸せとは花の香りに似ている。
思いがけずにふわりと香って、その実体は掴めない。ああ、もうここにはないのだと錯覚する。
大切だと思っていた男に振られた夜、泣き腫らした目には痛いくらいに星が綺麗だった。
ひとしきり泣いて、嗚咽も枯れはて、まだ水分が抜けていく。このまま干し葡萄みたいになれたら滑稽だと思って、急に酒を煽りたくなった。庭についた銀木犀の花びらをむしりとり、ラム酒にぶちこむ。思い切り飲み干すと喉が焼けて、目眩のする香りが鼻を抜けた。
バカラのグラスは男から貰ったものだ。窓から放り投げてやれれば幾らか気分がいいと思ったけれど、地面に叩きつけられ散らばるそれよりも、今宵の空の美しさにはかなわない。冷たいグラスの縁に口づけて、最後の花びらを舌ですくう。
朦朧とする頭に潜む、触れたことのない未知の隙間に、私は確かに幸せを感じていた。
『幸せとは』
「おじいちゃん、最後にひと言ありますか?」
アナウンサーが、もうすぐ命を終えようとするご老人にマイクを向けました。
ご老人は、
「いろいろあったけどなあ、楽しかったなあ。みんな、ありがとう。」
と言い、穏やかに微笑み、静かに目を瞑りました。
いろんな最期をみてきたアナウンサーは、
このご老人のあり方こそが、もっとも幸せなのではないか、と涙を拭いながら想いました。
「どんな時が幸せ?……うーん、そうだなあ。押しつけてる時」
「押しつけてる?」
「例えば旦那を仕事に送り出すときに、かばんのサイドポケットに折りたたみ傘をいれとくの。それでお昼過ぎににわか雨降った時とか」
「なにそれ?気付いてくれなかったらどーするのよ」
「彼は必ず気付いてくれる。そしてこんな私と結婚した俺はなんて幸せ者なんだって言ってくれるの」
「はいはい、わかった。わかった」
帰宅すると玄関に彼の靴があった。……もう帰ってるのか。シュークローゼットを開けると 折りたたみ傘とコンビニで買ったような簡易傘が並べて置いてあった。
「ただいまー」
「おー、お帰り。傘入れたんなら言ってよねえ。買っちゃったじゃん」
彼は眉を八の字にして相好を崩した。
「ごめーん。LINEのひとつでも送ればよかったねえ。ご飯は?」
「もーペコペコ」
「オーケー今から作るから待っててぇ」
犬みたいな顔が妙に愛おしかった。
あぁ、私の幸せはいつ来るのだろうか――
幸せとは
自分が考える幸せとは
自分と、自分を支えてくれているみんなが
笑顔で楽しく過ごせることです。
幸せとは何だろう
今日、有給休暇を取ったのに
ぜんぜん楽しくなかった
映画[国宝]を観に行った方が正解だった
今日は、就労移行支援の初詣イベントがあった
私は既に卒業生という身なのに
夕方16時過ぎに初詣イベントが終わった
とても疲れた
大きな神社で赤ちゃん子供連れが多かった
(私も自分の子供が欲しい)
私と同い年の子が赤ちゃんを連れて参加してスタッフ
たちは赤ちゃんを歓迎していた。私もチラ見した
けれど私も自分の子供が欲しい
その気持ちが上がったり
Yさんと和解したのに
〜奈々ちゃん障害者だから結婚できないよ〜
〜磯井ちゃんは健常者だから結婚できたんだよ〜
その言葉たちが蘇って
不安定になった
磯井ちゃんは内部障害者
いろいろ悩み事が頭に浮かんだ
それもそうだ
安産、子供の守護、七五三などの子供や赤ちゃんに
関する利益がある神社だったから
私は結婚できる運勢
心の中で秘めている言葉が出てしまった
[私、28歳で結婚出産するの!]
周りは小さなゲラゲラしたような笑い声や
心配する声も居た
四柱推命、名前鑑定、霊視占いでも
28歳で結婚出産と出ているから
それに去年の占いでも
今年と同じ事[28歳で結婚出産]発言されたから
でもね、
占い信じるなよ
全部当たる訳ねーだろ
占い信じない派なんだ
とか……………言われました
占い師なんて知らないしー………
そうだよね
占い番組を見たことある
占いを信じる、信じない芸能人たちもいた
就労移行スタッフの一部も占い信じない派が多いから
昨日は
占いを鑑定してもらった
今年の5月に
ようやく私の運命の人が来る
私はとても信じている
去年でも3年前でも2026年春頃、
2026年の4月、5月に運命の人が
自然とやってくる。と、、、、、
昨日も家族たちは私の言葉を呆れていた
今日も
その言葉も言ってしまった
嘘ダァ!
全部占いを信じるな!
それも言われた
私の心は母性溢れる母性が高い魂の持ち主
下手に言うと聖マリア様、マザーテレサのような
心、魂を持っている
と………
小さなゲラゲラ顔をしている人もいては心配性な人もいて
私は大泣きしていた
【大人なのに情けない】
20代後半悩める年齢だな………
最近よく思うことがある
私はヒロアカ死柄木弔が大好きで彼の公式モデルは掲載されていないけれど
彼のモデルは、きっと岡田以蔵だと思う
自然と岡田以蔵が大好きになって
岡田以蔵の出生地、彼の
最期のときも[土佐]今の[高知県]で亡くなった
死柄木弔と岡田以蔵は、本当は純粋な心の持ち主
処刑された人もきっと死柄木弔のような複雑な家庭
毒親、愛されずに育って狂ったんだろうか?………
アニメ、歴史人物、死刑囚から学ぶ
死柄木弔、荼毘、エレンイェーガー、ライナーブラウン
岡田以蔵、伊達政宗など
私って幸せな家庭環境で育ったんだな…
と、言っても出会いがない
いつ?何処で?何をして出会うの?
好きなことをすれば良い
高知県に行きたい
私の奥深くの心の中を的中された
幸せは自分で掴む
幸せとは(以前書いた"祈りを捧げて"の前後あたり)
(完成しました〜!未完で投げててすみませんでした……!!)
清廉潔白たれとは誰が言ったか。
果たして純潔の定義とは何処にある。
母曰く、結婚こそが至上の幸せと固定観念のように呟くのに辟易した私は家を出た。切っても切れない我々らの生活習慣たる祈りの為、十字架のネックレスだけは携えて。
決して自身の性別や顔の分からぬよう、プレートメイルに身を包んで各地を旅した。かなりの重さがあったが、いつの日か体の一部のように軽く感じ始めた。
この国に深く根付いた宗教には、婚前の女性は異性との交わりを禁じる戒律が存在している。実際の記述は"女性は純潔でなくてはいけない"といった具合だが、実質的にはこうなっている。口の大きい人の解釈に皆々が同調して、人々を縛る。枷というよりかは、鎖のようだ。連なり、連なり、取り囲み、縛り付ける。
「……ということは、ナイトさんではなくて家出少女だった、ということですの?」
「ナイトさん呼びで結構だ。少女なんて歳じゃない」
「へぇ。それで、結婚が嫌いだと仰ってたのに、なぜ左手薬指には大層なものを?」
「……目聡いシスターだな」
擦り切れそうな手甲の皮に、ほんの僅かな指輪の膨らみ。
嫌いだったのは、あくまでも母親や兄弟姉妹、親戚、友人、様々な人間……そして、言い寄ってくる人々が語る傀儡のような結婚であった。
結婚こそが至上の幸せ――否、幸福の定義は人それぞれだというのに、全くもって押し付けがましい! ああ、忌々しい。
それで……旅の果てに、花屋の少女と出会う。
「ああ、なるほどね。ええ、ええ、その子と結婚したのね」
「おい」
「続けてくださっていいわよ、最期まで」
恐らく今の動きは……ウインクをしたつもりだったのだろう。この修道女は目隠ししているくせに、何をしたいんだ。
それで、その花屋の娘もまた家族や周囲の人々に結婚を押し付けられようとしていた。望まない結婚をさせられようとしていたのだ。
あまりにも私の昔の境遇に似通っていて、心が苦しくなって……どうしても私は力になりたかった。何度も話を聞いて、涙目の彼女を同じだけ慰め……それから、ある晩に彼女を連れ出した。
「ふーん……出身って、貴方かなりの北西よね。で、今は地の果ての南東まで来て。それでー……ええと、花の名産は数多いけど」
「内地は詳しくないだろ。彼女の村は南南西の山地だ」
「あら〜、なるほどね。山は嫌いで調べてなかったわ! メルシー、ナイトさん」
長く2人で逃避行をした。
山地という地形、村という経済状況を加味すると今までそう遠くに出かける機会が無かったらしく、始めの1年半ほどは毎日が楽しそうだった。
だが、人間は渡り鳥ではない。
「家を求めたのね。きっと優しい人類ですから、2人の家をね」
「……気色悪いまでに察しが良いな。今まで言葉通りにだけ受け止めて何百人と破滅させてきた×××な×××が、今更人心を解したつもりか」
「ええ、そのつもり。ですから再婚相手には、私が最適ですわよ」
「×××野郎がっ……」
とある街に留まったとき、随分遠くまで来たんだからもう羽を休ませるべきだと彼女が私を諭した。新品だったプレートメイルも、輝きが鈍るほど傷まみれになっており、端は何箇所も欠けていた。
確かに、もう我々らは休むべきだろう。宿の一室を借りつつ仕事を始め、数年後にはこじんまりとした小さな家を買うに至る。
幸せだった。とても幸せだった。二人きりの時間が更に親密な物となっていた。
好きな人と二人きりでいる。これこそが幸せだ。
「でも、それは死が二人を分かつまでの話よね」
記憶に深く刻まれている。
同性では式をあげることを赦されておらず、致し方なく指輪を互いに身に着けることで契約ではなく記憶による永遠の誓いをする事とした。
そう、したかった。
早春の日、指輪を握りしめて家路についていた時、馬車を見かけた。
胸騒ぎがした。
「ふーん。もしかして村で結婚を迫ってきていた人らの誰か?」
「……自分の面子を潰されたと、家へ半狂乱の男が押し入ってきた。粗末なサーベルだったが、か弱い女性を死に至らせるのには十二分だ
「あらあら、それでそれで?」
残念ながら、記憶はここからはほとんど曖昧だった。
彼女を自らの手で埋葬したのは確かだが、他はどうしたのか覚えていない。
そこからしばらくしてから、再び私は旅に出ることを決意した。小さな家とはいったが、彼女がいないと……かなり、広くて、苦しかったからだ、
増えてしまった荷物の大半は置いてきて、写真や思い出の品を数多くを身に着けた。しばらくロクに使っていなかったプレートメイルも新調した。
そこからは……また数年して、シスター、お前に出会った。
「へえ……良い暇つぶしになったわ。ありがとねナイトさん」
「ふん……」
こいつは喪失をなんだと思っているのか。理解は……し難い。
だが、この記憶が私に与えた幸せの価値観と喪失の苦しみは、人生経験の大きな物の一つであることは確かだ。
ごう、と風が吹き荒ぶ。
「ねえ、ナイトさんは幸せって何だと思うかしら」
「それは既に気に入った思い出の反芻でしか得られない」
「ふふ。そういうところが私のようなモノを寄せ付けるのよ」
※この物語はフィクションです。登場する人物および団体は、実在のものとは一切関係ありません。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
タイトル『幸せの基準が壊れた日』
『今日も一日、幸福な生活を心がけましょう』
手首につけられたデバイスが、高らかな人工音声とともに朝を告げる。国が掲げる『幸福度向上政策』の一環だ。
デバイスが示す幸福度は53%とやや良好。実感はともかくとして、今日も平均より少しだけ幸せな僕の生活。
朝の日課は軽いジョギングから始まる。癒やしの音楽を聴きながら栄養バランスの取れた朝食をとる。
政府が推奨する幸福度を上げる朝のルーティン。たったこれだけのことで、僕の幸福度は3%も上がる。
朝の電車内はとても平和だった。幸福度を上げるために徒歩や自転車での通勤者が増えたからか、政府が実施した分散出勤政策が功を奏したのか、立っている乗客はいるが、人の群れに押し潰されることはなくなった。
車内で二人のサラリーマンの話している声が耳に入ってくる。
「今朝は80%いってて気分がいいよ」
「俺なんか60%切っちゃったよ」
男がため息をつくと、もう一人の顔に同情の色が浮かぶ。僕は思わず手首を隠すように腕を組んで身を縮める。
僕の数値は世間的に見れば幸せとは言えない。ただ、衣食住には困らず、仕事もあり、体もいたって健康。これを不幸だと呼ぶのも何だか居心地が悪かった。
車両の端では若者が老人に席を譲り、デバイスの数値を見て笑みを浮かべている。僕もああやって善行でもすれば、数値をもう少し上げられるのかな。
会社に着いてすぐ慌ただしい時間が始まり、あっという間に午前中が終わる。社食の掲示板に張り出された幸福度別のお薦めメニューと、デバイスの数値を見比べようと顔を落とした時だった――。
「あれ……?」
何も表示されていない画面に目を疑う。いつからだろう、全然気が付かなかった。再起動してみても表示は変わらない。
「故障かな……」
周りを見渡してみても、他の社員はいつも通り手首を見て一喜一憂している。こんなことは初めてだったが、僕はとりあえず、今朝の数値をもとに大豆ハンバーグ定食を注文し、食後はいつものように読書と仮眠に充てた。これで数値はいくらか上がっているはずだ。
しかし、いまの僕にそれを確かめる術はない。基準がなくなるだけでこんなにも不安になるものなのか。
特に急ぎの仕事も無かったので、午後は半休をとって、デバイスの修理依頼のために役場へ出向いた。
役場の待合所では数人が整理券を手に座っている。
僕の番号が呼ばれたのは10分ほど経った頃だった。窓口の担当者にデバイスを手渡し、状態を確認する。いくつかの質問をされ、修理は半日で終わり、明日の朝には受け取れると告げられた。半日ならと代用デバイスは受け取らなかった。
「計測されていない間、幸福度は下がり続けますから、明日はなるべくお早めに来てくださいね」
担当者は最後にそう一言付け加えた。
思いのほか早い手続きに、予定のない午後が訪れる。
空は晴れ渡り、冬にしては暖かい気候だった。
何をしようかと考えながら、近くの公園のベンチに腰をかける。目の前の芝生でボール遊びをする少年と、その姿を微笑みながら見つめる母親の姿。
――僕は何をしているときが幸せなんだろう。
そんな思考がふと頭をよぎる。今朝まで幸せの基準は僕の手元にあった。平均より少し上の幸せ。それがどんな幸せなのかは、正直よく分からない。幸福度が高い人が何に喜び、低い人がどれほど苦しんでいるのかも。
鞄から本を取り出し、昼休みの続きを読み始める。文字を追っていく内に、まぶたが重たくなってくる。コクリと首が落ちるたびに、ページの頭を何度も読み直す。
足元に何かが当たる感触がしてふっと顔を上げる。僕は足元に転がるボールを手に取って、こちらに駆けてきた少年に手渡す。
「ありがとうございます!」
少年はボールを小脇に抱えて頭を下げると、照れくさそうに母親のもとへと戻っていった。
「そろそろ帰ろっか」
母親と並んで公園を去っていく少年が、途中こちらを振り返り小さく手を振る。
手を振り返した時、ふと母親と目が合い、笑顔で軽く会釈をされる。たったそれだけのやりとりに、何故か心が温かくなった。
呼吸を整えてベンチから腰を上げる。夕暮れの街を歩けば、人々の優しい笑い声が聞こえてくる。どこからか漂う焙煎の香り。気持ちよさそうに眠る猫。朱く染まった夕焼けの空。
街に流れるゆったりとした時間が、僕の心に微かな熱を持って触れる。
空席の多い電車の座席は、柔らかくて温かかった。吊り革が小さく揺れると、床に落ちた影も同じリズムを刻む。窓の外に目をやると、ミニチュアのように見える街の中を車や人の影が忙しなく動いている。
ふと心に落ちる温かさを、すべて『幸せ』と呼びたくなる。でも、明日の朝にはこの幸せも数値になってしまうのか。そもそも数値にすらならないのかと思うと心の奥がぐっと切なくなる。
僕は今ここにある幸せを忘れたくなくて、軽くなった左手をいつもより大きく振ってみた。それだけで、少し幸せが大きくなった気がした。
#幸せとは……