『小さな命』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「この木は死んでいますね」
と樹医は言った
花も咲かず葉も茂らず
ただ立ったままの木
ときどき鳥たちがやってきて留まり木にした
木は倒された
鳥たちはいなくなった
切り株は
太陽に照りつけられ
風雨にさらされ
やがて
小さなキノコが顔を出した
木の死とはどれをいうのだろう
#小さな命
小さな命
下を向きながら歩いていたら、1輪の小さな命を見つけた。
頭はほとんど折れていて、身体は潰れていた。
例え小さくたって、1つの命であることには変わりないのに。
小さな命は、下を向いていなければ気付くことが出来なかった命。
お題《小さな命》
膝にちょこんと座る生き物からは陽だまりの匂いがした。
声を聞くと愛おしくて、傍にくると触れずにはいられないやさしさの集合体。
《叶》と名付けた君は――今はたくさんの幸せを叶えて、私の幸せも叶えてくれる。
「叶」
――ほらすぐ傍に来てくれて、すり寄って来てくれる愛しい小さな命のかけら。
日記 横山夏希
2月22
16歳誕生日についでに日記帳を貰ったので
今やっと書こうと思う
書くと思い出になるからいいとかなんとか言われたけど、何を書けばいいかわからん
2月27
受験やだなぁ
3月1
不安
3月9
電車は休日しか乗らないからドキドキした
手応えはあった
赤口の細い月光が
眠りに落ちた家々の窓辺にとまり
安らかな頬を微かに照らす
霜の付いた瓦礫の間にも
人々は眠り
あるいは眠らず
凍るまいと
凍てついた歩を進める
死神の鎌の形をした月が
ひたり とその首筋を照らし
身を隠すように
夜を彷徨う足音は
明かりの灯らない
窓を軋ませている
やがて東の空が白み始めると
月はその面をあげ
冷え切った大気に溶けるように
姿を消していった
ひとまずは
この夜を越えた小さな命たちに
また朝がやってくる
『小さな命』
ゆらり、ゆらり……きぃ、きぃ……。
窓際のゆりかごが揺れている。
燦燦と照る夏の日差しが、木漏れ日のようにカーテンのレースの模様を床板で遊ばせている。小さな部屋で、空気が循環してゆく。
ちらちらともてあそばれるゆりかごの中の赤ん坊は、血色を肌に透かせていた。
窓枠の影がはっきりと浮かぶ板張りの上。そこに座る思春期前独特の雰囲気をまとった小さな人型。その銀髪がきらきらと光っている。
まろみを帯びた頬、伏せ気味の鉄を溶かしたようなグレイの目、まばたくたびに揺れる睫毛。
誂えた洋服で身を包む幼い体躯は床にぺたりと座り、片手は床に、片手はゆりかごをつかんでいる。
その象牙の肌は陶器のようになめらかで、極々小さく軋みながらゆるやかに赤ん坊をあやして。
「んふ、いい子、かわいい子。ほっぺたぷにぷに! んふ、ぼく、とってもうれしい」
やわらかそうな布にくるまれて、ふっくらとした頬がかわいらしい赤ん坊。大きな目は溶かした鉄を冷ますように潤んで。
少しずつ生えてきた細くやわらかい銀髪が陽光を反射してきらきらとしている。
短かな指がその小さな頭をやさしく撫でた。
掌を頬を。ふわりとした感触。持ち上げられた頬肉で片目が細くなった。
きょとんと見上げてくる無垢で無知な視線がぶつかる。すると幼い顔に浮かんでいた笑顔の質が変わった。
愛おしいものに向けるそれが、縋るような何かを耐えるような。
どこか歪んでいて。
どこか酷薄のような。
それでも確かにその顔はしあわせそうに笑っていた。涙が浮かんでいれば、今にでも大粒の球体がぼたぼたと赤ん坊の顔を濡らしていただろう。
「……はじめまして、かわいい子。真っ白で健気な子。あのね、きみのほうが、少しはやく生まれたんだよ?」
「うー?」
「そうなの。ぼくが年下なの」
ゆりかごの中で自分を見つめるきょうだいの顔を撫でる。きらきらとお揃いのグレイの目がお気に入り。
無垢な目許をそっと人工皮膚でできた指の腹でさわる。
「あのね、きみのね、お父さんとお母さん……んと、いまはぼくのパパとママでもあるけれど、ふたりがね、きみにってぼくを買ってくれたの。ぼくってばとっても高性能。あのね、すっごく高いの。だいじにしてね?」
「うむぅ、むぁ!」
「んー? なあに?」
両手で耳を覆うように。
ダダダダダッ!
バンッ! バンッ! ガンッ……!
悲鳴、悲鳴、命乞い、悲鳴!
ダダダッ、ズドンッ、ズドンッ‼
――――静寂。
バババババッ‼
「しぃー、だよ」
「ぅあ?」
指先がゆりかごのきょうだいをつつく。ぷっくりとした肌に指がわずかに沈み込んで。
赤ん坊は無機質な手に怯えることもない。
きゃっきゃっ、と手を伸ばして遊んでさえいるようだ。
「冷たくないでしょ。あのね、ぼくの体温、三十七度に設定されてるの」
そっと両手で抱き上げて、頭頂部に頬を寄せた。
何とも言えない、脂のような甘いような、そんな独特なにおいが少しもどかしい。
「あのね、聞いて。ぼく、人工知能があって感情も搭載。自分で考えて蓄えて応用して。あのね、はやくぼくとおなじ背になって? そうしたら、きっとぼくたち、とってもそっくりになる。見分けもつかないかも」
「んばぁ」
「ぼく、きみとおしゃべりするの、すっごくたのしみにしてるんだから」
ウー……ウー……とサイレンの音が近づいてきていた。
幼い体躯が赤ん坊をぎゅ、と抱き締めている。
#小さな命
虫は何のために生きてるんだろう。人間も虫みたいなものか。もっと本能で生きたい。
SNSで出会ったあなたに恋をした。
本当にそんざいするのかしないのか…わからない。
それでもあなたとの沢山のやり取りはわたしの毎日を押してくれた。
ゆっくり丁寧に愛の言葉を囁いてくれた。
それはとてもこそばいようででも確実に温もりを感じた。
肌と肌で温もりを感じることはできなかったけれど、
わたしの中に灯る小さな命という愛の言葉の数々はわたしを癒し体温となった…。
妊婦の方が電車に乗ってきた。
親切心というのは、咄嗟に出るものじゃなくて習慣的に養っていくものだと思う。ぼくは条件反射的に席を立ってその人に席を譲っていた。
「ここどうぞ」
「あら、ありがとう」
「せっかくデート中なのに隣を譲っちゃうなんてね」
そういえば、今日のぼくは彼女とデート中だったのを忘れていた。明らかにへそを曲げている彼女になんとか機嫌を直してもらおうと謝り倒していると、「冗談冗談」といたずらっぽく笑った。
「君の親切にケチつける訳ないじゃん」
よかった。怒っていなかったようだ。
「さっきの人、妊婦さんだったね」
「うん。じゃあ君は、二人に席を譲った事になるね」
「ええ? 胎児も一人に数えるのか?」
「胎児にも相続権はあるんだよ? 日本じゃそう珍しい考え方じゃないんだよ」
「そんなもんか」
「そんなもんだよ」
お腹の中に眠る小さな命もまた、ぼくらと同じなんだ。
彼女の手が、ぼくの手をそっと握り締める。
「私達も……いずれは、ね」
「あーうん。そう、だね」
耳まで真っ赤にした彼女は、しばらく顔を合わせようとしなかった。
小さな命。それは赤ちゃんとか子犬や子猫のことだろう。決して蚊やハエのような虫などを指しているわけではないのだろうな。エゴだよそれは!
どれくらい前からかフードロスだとか食料危機で虫食がどうのって話あったな。日本でもコオロギがどうとかうさんくさいことになってるな。
最近の日本はガチでやばい感じあるわ。政治家とかもはや売国奴しかおらんやろ。
コラボがーとかLGBTだっけ? なんか違うかもだが同性愛とかでうさんくさい連中がうさんくさいことやってるし。
もうなんか国家ぐるみの犯罪だらけで頭おかしくなりますよ。スパイとかもガチでいるんだろうな。外国人に寄生されすぎや。
日本の土地が買われてもなーんもせんし、ガチで日本滅ぶんかね。滅ばぬ国はないってことだろうか。
アメリカとかもいろいろやばいし覇権国家が変わったりするのかな。今は民主主義、資本主義が中心だろうけどそれもいつか変わるのかな。
しかしこの手の話題って誰にも言えないよな。雑談でもやばい奴扱いされそう。
そうやって臭いものに誰も触れない国民性だからこんな国になったんだろうな。
「おめでとう」のカツアゲになるから
SNSにアピールはしない。
ビビリでちっぽけなオレの誕生日を
それでも祝ってくれた皆さん、
本当にありがとうございます
#小さな命
ただ既に過ぎた惨状に耳を傾ける
傷を嘗め合い生きるような
瀬戸際の今日で話をしていた
誰が許さぬ逢瀬だろうか
明くる日君は首を吊った
ベランダの柵に紐を通して、
飛び降りるように発ったらしい
ただ残った無力は容赦もせずに
この命の影響力を知らしめた
何もできなかった小さなこの身と
この身を生かす小さな命
《小さな命》
彼女は結局柵ごと落ちて
3m下の木々に救われ生きていた
ニャンコ
ニャンコ
ニャンコ
きみがいるだけで
だいすきだよ
小さい命。だけど、生きたいと願ってしまう。
小さい命を見つめていると、自分も生きなきゃと思う。
芯まで冷やすような風が吹きつける昼下がり君と連れ立って歩く。春立つといえど寒々しさが残るそんな季節。隣合う体温が微かな熱を伝え合う。
視線を上へとあげてゆっくりと立ち止まる。ふるり と小さな身震いをしながら君は呟いた。
「こんな時期に来るものじゃないね」
視線の先にあるのは裸の木々といくつかの遊具。なごり雪がかすかにある地面はところどころ白く色づいていた。
3月も間近に迫ってはいても桜だけが植えられた公園に春の色はまだ薄い。
「彩も賑やかさもないから侘しくなる」
枝の伸びた桜の木の幹に寄りかかるようにして囁いた。それはまるで誰にも視線を向けられないその桜の声のようにも聞こえて。
「またすぐに鮮やかな姿を見せるのでしょうけど。なんか物悲しいよね」
壊れ物を扱うかのように冬芽にそっと手を伸ばしながら,笑みを浮かべた。愛し子を見つめるようにも 観察する学者のようにも見える入り交じった感情を写す瞳。
「人の心に残り続ける姿はほんの3週間もありはしないのに。連想されるのはその様子だけなんて」
小さな命を慈しみ憐れむように言葉を紡ぐ。哀を乗せた声色はどこまでも透明で温度がない。
真っ直ぐな視線が見ているものは桜だけではなくてきっと他の何かで。それがどうしようもなく悲しかった。
「……帰ろっか」
君がそう言って笑みを見せたのは僕がいたから。君一人なら空の色が変わるまでずっとそこに立っていたのだと思う。桜の精のように佇んで。
寄りかかった体をふわりと動かして歩を進める。視線は既に前を向いていて何かを見つめてはいなかった。
柔らかな風が春の訪れを予言する。すぐ側までやってきたそれは儚げな美しさをはらむ。
刹那に消えて思い出だけを残す薄紅。それは目の前を歩く君に似ていた。
テーマ : «小さな命»
正岡子規が言っていたらしい。
中国の戦場で、国にために戦って散らす命
自分のように狭い居室にて病床にふせる命
どちらも ちっぽけな命なのか、
否 命に重みなどなく、いずれもかけがえのない命
たった一つの命
とても小さな命
大事な命
この命を一生懸命守っていきたい。
なんでもない小春日和の裏庭に行って
なんでもない小さな植物の芽吹きを見るのが好き
私の命だって
みんなの命だって
それと同じくらいの大きさ
#小さな命
小さな命
障害を持って産まれても
持って産まれなくても
小さい体重で産まれたとしても
みんな一緒
小さな命
18年前
15年前
11年前
君たちは私のもとにやってきた
とても小さな命
私はこの3つの命を永遠に大切にしていきたい