『寂しさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「寂しさ」
僕の寂しさは君のカタチ
君を喪ってしまったあの日から、
ずっと。
だから、
おかしいでしょ、って
そう言って笑ってよ
美味しいものを食べる。
食べ始めは何とも幸せだ。
勢いよく食べ進めるも、やがてスピードが落ちる。
半分まで食べてしまった。
ここからは終わりに向かっていく。
食べたらこの幸せが終わってしまう。
急に寂しさに襲われる。
じゃあ食べるのをやめればいい?
それは無理だ。
この多幸感を手離せるわけがない。
そして最後の一口。
終わってしまった。
寂しい。が、満足でもある。
食事時、おやつ。毎回こんな感じ。
どうも語る程の寂しさとは無縁らしい。
(寂しさ)
独り暮らしを初めてみて、「ホームシックになったことはないの?」と聞かれるけれどそんな気持ちになったことは一度もない。でも寂しい気持ちになるときはある。帰り道友達とわかれて静かになるとき、バイト帰り、凍える寒さのなか家で一人で寝るとき、そんなとき家族を求めるというよりも、お互いのことを理解しあえる友達や恋人がほしいと思う。まだまだ青年期である証拠なのだろうか。
寂しいはずなのに
寂しくないって
あなたはあからさまな嘘をつく。
そんなに肩肘張らなくても、なんて
言わなけりゃよかったのかなあ。
▶寂しさ #48
寂しいって事に気づかないまま
限界を超えたとき
心の力が底をついて
寂しかったんだって知った
じゃあね、と手を降る君
うんまたね、と見送る僕
扉が閉まった電車の窓越しに
互いにずっと手を振り合った
互いの姿が、見えなくなるまで
一人残られた駅のホームは夕陽が眩しい
だから瞼を落として、風に耳を貸す
約束があるから、
寂しさを感じる必要なんかないのに
やっぱり傍らが少し薄寒いような
愛おしさがあるからだよ、なんて
どこかで聞いたような言葉を心でなぞって
君が向かった方角とは正反対の道を
ゆっくりと歩き出す
このフレーズを伝えたら
君は、何と返してくるかな
そんな想像で、寂しさを誤魔化した
心は誰にも見えない
当たり前だけどなんて不便なんだろう
この気持ちは言葉になんか出来ないのに
感情はどこまでも悲劇的だ
“寂しさ”
#寂しさ
私はいつも1人ぼっち
時々寂しくなるけれど
二人でいるよりずっといい
私はいつも独りぼっち
時々寂しくなるからね
いつか誰かにいて欲しい
ハンナ・アーレントの言う寂しさは
自分自身と一緒にいたくないと感じること
人の目に触れる場所で何かを書く理由に
寂しさはどれくらい含まれている?
『寂しさ』
どんなに安らぐ香を嗅いでも、懐かしいあの香りはどこにもない。
優しい太陽のようなあなたを求めて、何度季節が巡っただろう。
それは遠い昔に約束した記憶と共に蘇る香り。
生まれ変わってもまた一緒になりたい。最期の言葉に私も頷いた。
あなたの香りは何度巡っても忘れられない。
どうして出会えないのかどうして私は覚えているのか。
この記憶を恨めしく思った。
それでも覚えているのは、あなたとまた巡り会うためだと信じている。
きっと見つけるからこの匂いを忘れないでくれと呟いた願いを、私はこの魂に刻み過去を消しされない。
孤独な愛がいつまでも私に付き纏っている。
2023/12/20 創作
(輪廻転生の愛物語が好きです)
「寂しさ」
前方から吹く寒風が、目を切り、耳を焼き、腹を撫でる12月。不織布のマスクが検閲した心細い空気だけで、僕は息をしていた。
過不足はなく、何ほどのこともない。そう納得しつつあった。現状に満足しようと心に決めたのはいつのことだったろうか。幸せではなかったのは間違いない。
思うだけで一向に過程も結果も作らない僕自身に、僕は危惧したのだ。何かを成し遂げたい、その為の努力をすべきだ。しかし僕は動かず、スマートフォンのもたらす宛のない暇つぶしに時間を犯されてしまった。そしてそのうちに考え直したのだ。「幸せは獲得するものではなく感じるものであり、幸せになることを目標にするのは現状の不幸せしか齎さない」と。
それは僕に幸せを感じさせたが、同時に僕は停滞した。僕は目標を持つことをやめ、努力することを怠り、日々を暇つぶしに埋め幸せを感じるようになった。
しかし僕はふと思うのだ。
それは寒風が後ろから吹き付け、背中を叩き耳を焼き、首筋を逆撫でする瞬間に。
自分は不幸せであるべきではないか?
つまり、何か成し遂げるべきではないのか?と。
自分が何者かであれば、燻る火はその勢いを増し、なにか事を起こしただろう。
ただ矮小な僕は、この筆を置いて何も起こさない。
その不幸せにすらなれない矮小さこそ、寂しさではないか。
休み時間の賑やかな教室で、ふと思い出す。
貴方の事
『寂しさ』
布団に
寝転ぶ。
あの人は
今日
出張だ。
布団
こんなに
広いんだなぁ。
好きなテレビも
気兼ねなく見れるし
ごはんだって
好きなもの
手抜きでいいし
家事をしなくたっていい。
いいんだけど
なぁ。
早く
帰ってこないかなぁ。
#寂しさ
「お前の彼氏、クリスマスは友だちと遊びに行くらしいよ」
「え、まじで?」
元から一緒に過ごす気はなかった。クリスマスよりも、年末一緒に過ごしたかった。
けれど、けれどよぉ! なーぜ知らせない? なぜ? いいんだけどね、わたしはあなたにそう言ったし。
理屈ではわかっているのだけれど、なんだか解せないなあ。
#寂しさ
〚寂しさ〛
人のぬくもりを知ってるからこそ、1人になった時孤独感や寂寥感が湧き上がってくる
それなんだったら最初から君に触れなければよかった
そう後悔することがある
でも、人間が生きていく上で人との関わりは避けられない
だったらその寂しさを成長の肥やしにして、最大限に強くなってみせたい
【寂しさ】
仕事帰りにいつものスーパーに寄ると年越しそばが陳列されていた。
もうそんな時期か、貴弘はずっしりと重いそばを1パック持ち上げてみる。
毎年大晦日はエリナの家で過ごしていた。
一緒に大掃除をして買い物をして紅白を見ながら用意したご馳走を二人で食べて。
穏やかで幸せな時間を過ごしていたのだ。
「あれからもう1年も経つのか」
1年というのは早いようでしっかりと季節を巡っていた。そんな時間の経過を実感させられて貴弘の心もずっしりと重くなった。
寂しさ
寂しいってどんな時だろう?
1人の時?
でも、1人じゃなくても寂しく思う時あるよね。
冬の景色?
寒々しい木々をみていると寂しくなるとか。
寂しくなった時は、
温かい物を飲むと少し寂しさが薄れる…気がする。
寂しさが押し寄せて来たら、
全力で逃げよう。
のまれないように。
paki
寂しさ
僕には大切で大好きな人が居る。
恋人でもないし家族でもない。
親友寄りの特別な関係と君は言った。
ある日、君は他の人と仲良く楽しそうに話していた。
いつもは僕と一緒に居るのに。
話しかけてみたら気付いてないだけなのか無視された気がして
とても胸のあたりがモヤモヤした。
帰り道、君に聞いてみた。
「ねぇ、今日は違う人と楽しそうに話してたよね」
不機嫌そうに言ったら君はすぐに謝ってきた。
「ごめんね〜でもずっと一緒だとなんかね…笑」
違う、僕はただ理由を知りたいだけなんだ。
ねぇ、僕は怒ってないよ?
このモヤモヤがずっと続いてて嫌なんだ。
理由を聞けば無くなると思ったけど理由は知らないままで。
ねぇ、この気持ちは何?
その時涙が零れた。
寂しいけど俺は泣かない。
だって " 男 " だから
" 男 " だから ¿
【人権作品受賞】
滅多に自分を見せない人がいる。
いつもニコニコしていて人当たりが良いけれど、でもそれ相応にひどい欠点がある。傍から見ればとても人間らしい人なんだ。
その人はドーナツが好きらしい。
とは言っても、その会話をしていたのが街の喫茶店で、ちょうどその人の手元にあるメニュー表に描かれていた小さなイラストがドーナツだったからで、本当にその人がドーナツが好きなのかは分からない。
だけど、「好きな食べ物とかある?」の問いに「ドーナツかな」と答えた。だから多分、好きなんだと思った。
ある日、外回りの土産にドーナツを買って戻った。甘いし、ほどよく腹も膨れるからちょうど良いかなと思って。自分も含め居残りの4人が2つずつ食べられるようにと思って、期間限定から定番の味まで選んで箱に入れてもらった。
甘いものが好きな同僚2人が先に選んで、残りが自分とその人だけになった。穴が空いていてシンプルな定番の味が残っていたけれど、悩んでいるみたいだったから「以前あなたがドーナツが好きだと言っていたから」と言うと、案の定「そうでもないかな」の答えが返ってきた。
分かってた。この人はこういう人だから。ため息と一緒に愛想笑いをしようとした。
「だけど君が選んだものは好きだよ」
そう言って、箱の中から半分だけチョコがかかった硬い生地のドーナツを取り出した。それを片目にかざして、穴からこちらを覗き込んで、そして笑った。
「間抜けな顔してるね」
そのドーナツを半分に割って、綺麗にチョコが掛かっていない方を差し出してきた。
「親愛のしるしだよ」
「これ、チョコが掛かってないけど」
「ドーナツよりもチョコレートの方が好きなんだよね」
なんだそれ、と呆れて脱力してしまって、チョコが掛かっていない半分のドーナツを受け取った。もうどれが本当でどれが嘘なのか分からない。
残りのドーナツはそれぞれ半分に割って2人で分けて食べた。片側しかトッピングがないものは、勿論その人がトッピングがある方を食べた。
その人はいつもよりご機嫌で、楽しそうにしていたのを覚えている。
後から聞くと、どうもドーナツは本当に好きじゃないらしく、悪い事をしたなと思った。だけど、それなら最初に「ドーナツが好き」と答える相手もかなり悪いだろ? そんなことを言ったらこう返ってきた。
「これから好きになると思うよ。穴を壊してくれる人がいるから」
あの人はいつも意味が分からないことを言って真意をはぐらかす。それは、やっぱりこちらが信頼されていないだけなんだろうけど……
まあ、難解で取っ付き難いのはいつも通りだし。せめてこんなふうに回りくどい言い方をされないような関係にはなりたいかな。それがきっと友人のあるべき姿だろうし。
お題:寂しさ